裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。 作:美味しく食べよう
妄想の渦に囚われそうだ。
それって最高!
「夕焼けになってきたし、あとはどうしようかな。」
(ふむ、であれば鍛冶屋に行ってみてはどうだ?)
(うーん。無難だし、それでいっか。よし、鍛冶屋に行こう!)
そうと決まれば、すぐに鍛冶屋を探す。
色々な店があるが、大体が看板で判別できる。
すぐに鍛冶屋は見つかった。
看板は金床と金槌のマーク。
(よし、覚えたぞ!このマーク)
早速、鍛冶屋の店に入ってみる。
目に飛び込んできたのは、色々な種類の武器や防具。
右に目を向ければ、剣や槍、大槌に棍棒、戦斧、弓なんかも置いてある。
左に目を向ければ、木の人形に取り付けた色とりどりの防具。
無骨で無駄がない機能美が輝く鎧があれば、最低限の所を守る軽そうな鎧、更には騎士様がつけるような豪華な装飾の甲冑まである。
「おぉ〜〜〜!!!」
やはり男子たる者、こういうのにはロマンを感じる。
物語にしか登場しないような夢の空間に入ったのだ。
カーーン!キーーン!!コーーン!!!
色々な武具に目を奪われていたが、耳を澄ませば金属を叩く綺麗な音が聞こえてくる。奥の方で、丁度、武具を作っているようだ。
「ごめんくださ〜い!!」
なるべく聞こえるように大きい声を出す。
「ん?おぉ!すまねぇ!気が付かなかった!らっしゃい!『ドワーフの工房』へようこそ!!」
奥から慌てて男が出てきた。
髭もじゃで、背が低く、筋骨隆々の肉体。暑いのか、半袖と短パンで作業している。
「え?熱くないんですか?」
「ん?おぉこの格好か。いや〜作業しているとどうしても暑くてな。半袖と短パンになっちまうんだ!気にすんな!」
「ヘェ〜そうなんですか。あ、俺はシュラって言います。先程冒険者になりました。先輩方からおすすめの鍛冶屋の名前で『ドワーフの工房』が出てきたので、こちらに来ました。武器を見させてもらってもいいですか?」
「丁寧にありがとな!俺はドワーフの『ゴロ』ってんだ!よろしくな!武器は好きに見てていいぞ!盗んだりしなければな!ガッハッハ!なんなら素振りでもしてみるか?!ここは狭いが、裏庭なら広いからそこで素振りできるぞ!」
「ありがとうございます!じゃあ早速、この鉈を素振りしても?」
「あぁ勿論だ!さぁ、裏庭に案内してやるよ!ついてきな!」
すごい豪快な人だな。まぁこれぐらい豪快な方が楽しいけど。
「ここだ!ここで素振りしてな!」
「ありがとうございます!」
そう言って、シュラは鉈で素振りを始めた。
上下に振り下ろす動きだが、腕がしなって、鉈を振り下ろす度に風切音が鳴る。
「ガッハッハ!シュラ!中々鍛えてるじゃねぇか!お前にその鉈やるよ!」
「うぇ?!いいんですか?!いや、俺も金ないから嬉しいんですけど…」
「いいんだよ!冒険者になりたては、なにかと金が足りねぇからな!
俺からのプレゼントだ!研ぎ代もおまけで無料にしちゃる!」
なんというか、豪快で、とても気前の良いおっちゃんだな。
すごく好印象だ。よし、金が貯まったら、この店で買おう!
「それじゃ、この鉈貰います!本当にありがとうございました!」
「おう!金が貯まったらウチの店で買ってってくれよ!ガッハッハ!!」
考えてることが同じだった。
「はい!その時は是非!」
こうしてシュラは、木の棒の他に、鉈を手に入れた。
やったね!