裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。 作:美味しく食べよう
お互いがお互いを威嚇しあっている。
相手は複数。此方は一人。此方は前にいる個体だけでなく、囲んでいる個体達も注意しなければならない。ちなみに相手はデカめのオオカミ。
1匹がライオンぐらいのデカさ。体高は、180ある俺の身長と大差ない。
結構怖い。デカいオオカミが牙を剥き出しにして、俺を食おうと隙を窺っている。コイツら頭がいい。襲い掛かってくれれば、カウンターで一撃ぶち込める。
とりあえず、此方が思いっきり踏み込み、木の棒を折る勢いで振り下ろす。
「ギャンッ!」
木の棒が折れて、オオカミにダメージは入った。入ったはいいが、そんなにダメージを受けてるようには見えない。怯んだぐらいだ。
「ウォンッ!!」「ゴァアアッ!」
後ろから二匹襲い掛かってくる。仕方ない。鉈を使おう。
振り向きざまに、裏拳の要領で鉈を振り抜く。
一匹の頭を叩き斬った。頭の中身が飛び散る。だがそれで勢いが遅くなり、二匹目は殴った感じになった。
「ギャンッ!」
それでも、金属の塊を頭にぶつけられたら、それは痛いだろう。
「ウォンッッッ!!」
最初に怯んでいたオオカミが飛び掛かる。
だが、真っ直ぐにシュラの首に飛び込んできてくれるおかげで、狙いがつけやすい。真上からタイミングを合わせて、鉈を振り下ろす。
先ほど思いっきり斬ったせいなのか、『斬る』というより『潰す』という感じになった。一発で刃がダメになってしまったのだろう。さっきと同様、頭の中身が飛び散る。赤い血と、白い脳漿。
ここまで一分かかっていない。だが、一秒がその何十倍にも遅くなったように思えた。これが戦いというやつだろうか。
このの世界に来て、初めて倒したオークの時とは別次元の感覚だった。
感慨にふけっていると、
「グゥゥ〜〜」
頭を殴られたオオカミが、苦しそうな声を上げた。
「あぁ、そうか。」
早く楽にしてやらねば。
近づいて、ポケットに入れていたナイフを手に取る。
その間、オオカミは動けない。ただ苦悶の声を上げるだけだった。
「ありがとう。」
その声と同時に、ナイフを首筋に思いっきり突き入れた。
ピューピューと血が吹き出る。
オオカミはしばらくしたあと、目を閉じた。
「なんというか、虚しいな…」
(殺し合いとはそんなものだろう。戦ってる最中は、あんなに熱狂していたのに、いざ終わる、つまりどちらかが死ぬとなると、残された方は先ほどの熱狂とは違う静かさに、虚しさを覚える。まぁ、それが良いという気狂いもいるがな。)
「あぁ、なんというか、そんな感じだ。さっきは生きるか死ぬかの境界に立っていったんだ。その時は白熱して、本当に心臓が鳴り響く感じだったのに、今はそれもなくてな…ギャップが凄まじい…」
(それも何回か経験を積めば慣れる。それまでの辛抱だ。)
「あぁ…」
だが、この時シュラはその殺し合いを楽しんでいた。
描写が上手くできないです!
余韻に力を入れたつもりです!