※この作品はR-18です。

裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。   作:美味しく食べよう

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なるべく早く進めたいと思っています。


“僕"の逃げ

僕は理解した。理解してしまった。

彼女は、もう戻ってこない。あの勇者とやらに心を奪われてしまったのだ。

彼女は、僕の、唯一の'光'だったのに。

今はそうでもないが、昔はとても根暗で、よく彼女の後をついて回っていた。

いや、彼女は僕を連れ出してくれたんだ。そんな彼女は、僕にはとても眩しく見えた。

だけど、もういない。

 

「ウワァァアアアアッ!!」

 

死ぬほど泣いた。体中の水分が抜けると思うぐらい。とても悲しかった。

彼女から告白してくれたのに!

 

もう…いいや

 

この村の近くに大きめの洞窟がある。そこで自死しよう。

もう疲れたよ。

 

彼はナイフを服のポケットに入れた。

そのままフラフラと歩いていった。その姿は、まるで幽鬼のよう。

元々暗い性格だった彼には、両親も、あまり良く思っておらず、同年代の人も近寄らなかった。だから彼がいなくなることなど、どうでもいいのだろう。

 

目の前を彼が歩いているのに。目の前であんな屈辱を受けたのに。

 

不思議と、洞窟に着くまでモンスターとは鉢合わせなかった。

モンスターも彼を気味悪がって近寄らないのだ。それほどまでに、彼の目は虚で、その姿勢はフラフラと木の葉のように揺れている。

 

そうこうしていると、洞窟についた。

それを更に奥に進んでいく。不思議なことに、またモンスターがいなかった。

 

そして、彼は最奥にたどり着いた。

そこは地面から天井まで空色の結晶に覆われていて、とてもこの世のものとは思えない、神秘的な場所だった。

たった一つの心残りは、こんな綺麗な場所を自分の血で汚してしまうこと。

 

彼は早速ポケットからナイフを取り出し、首筋に当てる。

そして引こうとした。

 

次の瞬間

 

(待て。)

 

「!?」

 

突然聞こえた声に、彼は驚いて固まった。

 

(そこの坊主、今お前は、死のうとしただろう?)

 

「だ、誰?」

 

(坊主、質問に質問で返すな。答えろ。)

 

「は、はい。僕はたった今死のうとしました。」

 

(ふむ、やはりな。何故死のうとしたのだ?)

 

「生きていたって、いいことがないですから…」

 

(ふむ、そうか。未練とかはないのか?心残りは?)

 

「そんなもの、ありません。強いて言えば、この綺麗な空間を汚してしまうことですかね。」

 

(ふむ、では未練はないと。)

 

「…そういうことになりますね。」

 

さっきからこの声は何を聞いているんだ?

何故そんなことを聞いてくるんだ?

 

少年が疑問に思っていると、

 

(では少年。転生してみないか?)

 

「は?」

 

この日、二度目の衝撃が走った。

 

(いや、いやならいいんだ。忘れてくれ。)

 

「良いですよ。もうこんな世界に何もありません。」

 

(真か!…しかし、良いのか?転生するということは、一度死ぬということだぞ?)

 

「別に良いです。もう疲れました。それに一度死のうとしましたし。」

 

(…ふむ、そうか。では少年、早速だが、さらばだ。)

 

「へ?」

 

次の瞬間、意識が途絶えた。




サクサクいきたい。
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