裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。 作:美味しく食べよう
書けるかなぁ?
私自身鍛錬しませんもん。
一日目
朝日が出る前に起きた。シエンさんに起こされた。
「シュラ君、起きなさい。起きないと朝ご飯はパンだけですよ。」
それは嫌です。朝はちゃんと食べたいです。
ということで飛び起きました。
「おはようございます!師匠!」
「はい、おはようございます。早速鍛錬を始めましょう。」
「はい…」
「あぁそうだ。シュラ君、これに着替えてください。」
そう言って渡してきたのは、袴と胴着だった。なんか雰囲気が出てきた。
「ありがとうございます!」
手早く着替える。
「良い体をしていますね。よく鍛えています。」
「ありがとうございます!」
というわけでまだ暗い時間帯に外に出てきた。
師匠に木剣を渡される。腕輪も着けている。
「早朝は型を死ぬほどやってもらいます。夜は剣士の魔力の使い方を教えます。今から教えますので、シュラ君もやってみてください。私が守り、シュラ君が攻めになってもらいます。攻めはこういう動きです。」
そう言って型を見せてくれた。
「ほら、動きを実際にやってみてください。あ、型は六つありますよ。それぞれ攻めと守りを覚えてもらいます。大丈夫、死ぬ気でやれば半ヶ月で覚えられます。」
マジか…
(頑張れよ。ここで教わることが出来るのは良いことだ。励めよ。)
シークもそんなことを言ってくる。
フ〜…よし!頑張るか!
師匠がやっている型を真似してみる。一つ一つは20秒ぐらいですぐ終わる。
楽じゃねぇかって思うだろ?ラジオ体操とかは一回やったぐらいじゃ疲れねぇよな?じゃあ全力で50回も70回も続けてやってみろ。クタクタだぞ?
どうやら師匠は型を崩してゆっくりやってくれている様だ。
「そうそう、それを何回も繰り返して体に覚え込ませるのです。
何回もやっていると、そのうち食事のことを考えながらでもできますよ。」
そんな感じで、何回も繰り返している。
繰り返しやっていると、肩や脚がじんわりと疲れてくる。
朝日が出てきて、ここから見える山々がキラキラと輝いてきたころ、師匠が、
「ふむ、もういいでしょう。では、私の前でやってみてください。私はそれに合わせて動きます。私が今からする動きが守りの型です。」
そう言われて、師匠と剣を合わせて、攻める。
カンッカンッカンッカンッカンッ
と木剣同士がぶつかる音が辺りに響く。
たしかに、師匠に攻めていると、それを防がれてカウンターを入れられる。
だが、攻めの動きはそれに合わせて更にカウンターを入れている動きに見える。なんだか、カウンターを繰り返しやっているみたい。自分がカッコよく動けている様で、なんだか楽しくなってくる。
「そうそう、上手いですよ。では、スピードを上げましょう。」
そう言って、師匠は型の守りの動きを速くする。
剣がクンッと跳ねる様に動く。怖いわ。剣でこんな動きされると。
「うぉ!」
「ほら、声を上げる前に体を動かしなさい。食事のことを考えている暇があるなら、本気で殺す様に打ち込みなさい。大丈夫、私はこの型を何十年もやっています。安心して打ち込みなさい。」
そう言われたので、安心して打ち込む。
師匠に遠慮していたのかもしれない。木剣を持って下手をしたら、人は簡単に死んでしまう。だが、師匠なら大丈夫だろう。
師匠の跳ねる様な剣の動きに合わせて、俺も剣を追従させる。
カウンターを入れられたら、此方もそのカウンターにカウンターを入れる。
師匠の顔を見れば、微笑んでいた。
「シュラ君、貴方は剣の才能があります。先ほど言われた動きを、こんなに自在に出来るのです。」
「ありがとうございます!褒めていただけるのならもうちょっとゆっくりしてもらっても?!」
「君の成長の為にも、出来ないことですね。」
「そうですか!所で、その動きも技術ですか?!」
「えぇ、そうですよ。この動きも技術です。貴方もいずれこうなります。」
涼しい顔をして徐々に剣を鋭くしていく師匠。
鬼やで、この人…
そんなこんなで、やっていると、重くなっていた体が急に軽くなった。
疲れて狭まった視界が突如広がる。
師匠のカウンターが止まって見える。
それに加えて、遅くなった世界で自分だけが速く動ける。
カウンターに対してカウンターを入れる。更に連撃を加える。
驚くことに師匠はその全てに対してカウンターを入れる。
バケモンだな、この人。
最後は俺の手元が緩んで、そこを師匠に突かれて木剣を弾き飛ばされる。
「…素晴らしいです。これほど早くモノにするとは…貴方にはやはり才能があります。この調子でやっていけば、一ヶ月で化けますよ。」
(これならシエン流の奥義を伝えても大丈夫だな。)
「は…はい、ありがとう…ございます…がんばります…」
息も絶え絶えな俺。あれほど広がった視界も、今はチカチカしている。
でも、気持ちいい。これほど楽しい鍛錬があるだろうか。
前世では、ひたすらに筋トレとランニングを重ねて、体に無理をいわして、それでも酷使し続けた。
それとはまた違う鍛錬に、俺はワクワクしていた。