※この作品はR-18です。

裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。   作:美味しく食べよう

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鍛錬の日々3

あのあと、すぐにオークを二匹見つけて同じように倒す。

祈りを捧げて、死体をシークに収納してもらい、森から町に戻る。

今回は早く終わった。今はまだ昼を過ぎたばかりである。

ギルドに戻って、受付の人にハンコをもらった。

受付の人はヘルガさんではない。知らない男の人だ。

 

「あの〜すいません。解体場って利用できますか?」

 

「はい。可能ですよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

そのまま解体場に行って、オークの解体を頼む。

 

「あ、どうも。解体をお願いしても大丈夫ですか?」

 

「おう!任せろい!で、何の解体だ?」

 

「オークです。今から出しますね。」

 

直後、ドスンとオークの死体が五つ現れた。

 

「うぉ!びっくりした!どんな手品だよ?!」

 

「(仲間という設定にしたシークの)魔法です。」

 

「とんでもねぇ魔法だな!」

 

「ありがとうございます。それじゃあ、解体をお願いします。」

 

「おう!素材はいるか?」

 

「皮と肉をこちらに回してください。あとは処分してください。」

 

「睾丸(キンタマのこと)はいいのか?」

 

「え?睾丸って…何に使うんですか?」

 

「精力剤だよ。オークの種族の睾丸は精力剤の材料なんだよ。男が飲めば精が濃くなり、女が飲めば子を孕みやすくなるって言われてんだ。貴族とかはよく買ってるんだぜ?」

 

「ほ〜そうなんですね…」

 

「おう、で、睾丸はいるか?」

 

「あ、大丈夫です。遠慮しときます。」

 

「あいよ!そんじゃ、解体料と素材の買取を差し引いて…こんなもんか。

じゃあ、金と素材はギルドの受付に回しとくぞ。あとで受付に行ってみてくれ。」

 

「はい、ありがとうございました。」

 

 

 

 

またギルドの受付に戻ってきた。

 

「シュラさんですね。解体場から話は聞いています。少々お待ちください。」

 

受付の人にそう言われ、酒場の椅子でジュースを飲みながら待っている。

 

 

 

しばらくして、

 

「シュラさーん!終わりましたよ!」

 

声が聞こえて、受付に行く。

 

「はい、こちらですね。お金と、あと素材です。オークの肉は葉に包んであります。皮も同じです。それと、ライオンウルフの毛皮も渡しておきますね。」

 

ドデンっと素材が山盛りになっている。

 

(シーク、しまってくれ。)

 

(うむ。)

 

シュンっと素材とお金が消える。

 

「凄いですね。空間魔法ですか。」

 

「はい、そうなんですよ。」

 

笑いながら追及の目をごまかす。

 

「それでは、本日は依頼お疲れ様でした。また明日お越しくださいませ。」

 

「はい、ありがとうございました。」

 

そのままギルドを出ていく。

 

 

 

 

 

 

宿屋に行って、挨拶をする。

 

「三日間ありがとうございました。」

 

「はい、当店のご利用お待ちしています。」

 

宿屋の人は笑顔で手を振っていた。

 

 

 

 

 

 

(ヨーシ!これでやるべきことはもうないな!)

 

(鍛冶屋はどうするのだ?お前の革鎧を作ってもらうのだろう?オオカミの毛皮でコートは?)

 

訂正、まだやることたくさんあった。

まずは鍛冶屋に行こう。

 

「こんにちはゴロさん!」

 

「おう来たか!剣の調子はどうだ?」

 

「はい、こんな感じなんですけど、大丈夫ですか?」

 

剣を抜き、ゴロさんに見せる。

 

「うむ、大丈夫だ。一応研いでおこう。貸してみろ。」

 

剣を渡し、研いでもらう。

 

「あ、それとですね。オークの皮が大量に手に入ったので、革の鎧を作ってもらいたくて…いいですかね?」

 

「おう、任しとけ。代金は大銅貨五枚だ。」

 

てことは、日本円に換算して五万円くらいか。

まぁライオンウルフの報酬で、銀貨二枚貰ってるから余裕ですけど。

 

「はい、銀貨一枚でお願いします。お釣りは大丈夫です。剣も貰ってますし。」

 

「いいのか?遠慮なく貰っていくぞ?」

 

「どうぞどうぞ。あと一枚ありますし。」

 

「ほう…大物を狩ったのか?」

 

「はい、ライオンウルフというやつらしいです。」

 

「ほう、なかなかやるじゃねぇか。あいつは中級者への登竜門なんだぜ?」

 

「ヘェ〜そうなんですか。じゃあ俺も中級者ですね!」

 

「おう!…ただよ、強ぇ奴は早死にするんだ。何故かは知らないけどな。そういうジンクスがあるんだ。気を付けろよ?」

 

「はい。ありがとうございます。気を付けます。」

 

「おう…さ〜て、研ぎ終わったぞ。」

 

そう言って返された剣は、鈍い鉄色を放っていた。

刃をさわって確認する。…指紋に刃が引っかかる感触がある。

凄い切れ味だな。これならスパッといけそう。

 

「すいません。ありがとうございました。」

 

「おう。また来い。」

 

そう挨拶して、鍛冶屋を出て行った。

 

 

 

 

特にやることもないので、師匠の道場に帰ってきた。

今は昼の三時ぐらいである。(ちなみに勘)

それで、道場の扉を開ける。

 

中には師匠と、見知らぬ女性が向かい合って座っていた。

 

「ありがとうございました。また伺わせていただきます。」

 

「いえいえ、こちらこそ。何も教えることもなくてすみません。」

 

お互いに礼をしていた。

 

「あぁシュラ君。お帰りなさい。彼は私の弟子なんですよ。」

 

未だ俺に背を向けている女性に話している。

 

「あ、どうもはじめまして。シュラと言います。」

 

クルッと、正座したままこちらを向く女性。

目を剥くほどの美女だった。

艶々とした背中まで届く黒い髪。顔は薄い作りで、細い目をしている。

パーツのそれぞれが完璧で、なおかつ位置も完璧。

ここまで整った顔をしていると、もはやこの世の者とは思えない。

スタイルも細いところは細く、プロポーションが抜群にいい。

彼女は白い和服と赤い袴を履いていた。

前世で見たことのある、巫女さんの服にそっくりである。

 

「こちらこそ初めまして。私は、勇者様のパーティーに入るべく東より参りました。『ツバキ』と申します。以後、よろしくお願いいたします。」

 

そう言って、彼女は深々と頭を下げていた。

 

これが彼女と俺の最初の出会いだった。

 

 

 

 

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