裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。 作:美味しく食べよう
「は、は、初めまして…」
ツバキさんがあまりにも美人だったため、俺はどもってしまった。
「ハハ。シュラ君は女性に慣れていないようです。」
「えぇ。そのようですね…」
二人でクスクスと笑っている。
「い、いえ…あまりにもツバキさんが、その、び、美人ですから…」
外見を褒めたいのだが、どうしても恥ずかしくてどもってしまう。
こんな恥ずかしいことを言ったため、顔が熱くなっている。
絶対赤くなってるわ。
「まぁ!ありがとうございます!嬉しいです。」
ツバキさんも、頬を染めながら笑ってくれている。
「おっと、シュラ君も隅に置けませんなぁ。ハッハッハッハ!」
二人は笑っているが、俺は笑えない。
師匠もダンディなオヤジだし、ツバキさんは寒気がするほどの美人である。
俺だけ場違いみたいな感じだ。
(大丈夫だ。お前も負けていない。)
(人の心を読むんじゃない。)
深呼吸を一つして、ツバキさんに聞きたいことを聞く。
「えっと、それでツバキさんは何故ここにいらっしゃるのですか?」
「そうでした。この町に凄腕の剣士がいると聞きまして、私も武を嗜んでおりますから、その方に話を聞きにきたのです。」
「いやぁ〜凄腕の剣士とは…それほどの者でもございませんよ。」
「それと、この町で連携の練習をするためです。一緒にパーティーを組んでくれる方を探してあるのですが…」
チラチラっと俺を見てくる。…はは〜ん、そういうことか!
(そういうことだ。いけ、シュラ。)
「俺で良ければ、ツバキさんとパーティーを組みたいです。」
「まぁ♪ありがとうございます!それでは早速ギルドに参りましょう!」
スッと姿勢を崩さずに立ち上がったツバキさんは、俺の腕を組んで、そのままギルドに向かう。
「うわ!ちょ!あまり急がないでください!」
「善は急げというものです♪参りましょう!」
「マジかこの人!あ、師匠!また来ます!」
「ハッハッハッハ!気を付けてな!」
師匠は笑いながら俺たちを見送った。
そんなこんなでやって来た。ギルドに。
ツバキに引っ張られたまま、道を歩いたので周囲の目が痛かった。
ツバキさんは美人だし、それに腕を引っ張られてる俺を見て羨ましいのだろう。
俺の勝ち!!!
そんなことを思ったら、周囲から殺意も感じた。
やめておこう。
ギルドに入ると、すぐさま受付に行く。
「おぉ、シュラ君。さっきぶりですね。」
受付にいる人はさっきの男の人だった。
「申し遅れました、私『マイヤー』と申します。以後お見知りおきを。それで、そちらのお嬢様は…?」
「あ、えっと、彼女はツバキというものです。」
「ご紹介に預かりました。ツバキと申します。こちらにいるシュラさんとパーティーを組みたいのですが、どうしましょう?」
知らなかったんかい。
マイヤーさんもちょっとコケた。
「そ、そうですな。パーティーといいますと、冒険者同士でパーティーを組むのが一般的ですが、それのことですか?」
「はい!それです!冒険者同士というと、私も冒険者になるんですよね?」
「えぇそうです。それでは冒険者になるために、こちらにあなたのことを記入してください。」
俺の時と同じように、マイヤーさんはペンと紙を出した。
「代筆が必要であれば言ってください。」
「大丈夫です、書けます。」
そう言って、ツバキさんはサラサラと書いていく。流れるような文字である。
「達筆ですな。」
「えぇ、文字の読み書きはたくさん勉強しました。」
「はい、それではこちらが冒険者手帳になります。詳しくはシュラさんに聞いてください。もちろんシュラさんは覚えていますよね?」
まずい!うろ覚えだ!
「も、もちろんですよ!覚えてないわけないじゃないですか!」
「…私が説明しましょう。」
そんな感じで、俺が聞いた時と同じようにツバキさんも聞いていた。
「ありがとうございます。」
「いえいえ、それでは早速依頼を受けていきますか?」
「今日はやめておきます。また明日にします。」
「かしこまりました。それでは、また明日お越しください。」
それで、ギルドを出て師匠の道場に帰ってきた。
「ただいまです。」
「ただいま戻りました。」
「おぉ、二人ともお帰りなさい。」
「突然なんですが、シエンさん。私もこの道場に入ってもよろしいでしょうか?シュラさんがいる間だけでいいですので。どうか…」
「あぁ、それはいいんですが、シュラ君が部屋を使っていましてねぇ、他の宿で寝泊りしてしていただいて、鍛錬する時はこちらに来ていただくということになりますが…あ、シュラ君と同じ部屋で良ければ…」
「あ、じゃあシュラさんと同じ部屋で。」
「ちょい待て。男女がひとつ屋根の下とかはあかんって。何か過ちとかあったら取り返しがつかんって。よく考えて?」
「よく考えた結果、シュラさんと一緒にいる方がいいと判断しました。」
「ぇぇ…」
「本当にそれで良いのですかな?」
「はい、異議はありません。」
「まぁ俺も美人さんがいたら鍛錬頑張れますからいいですけど…」
「決まりですね♪」
「ではそのようにしましょう。」
「はい♪』
「マジか…」
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