裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。 作:美味しく食べよう
そんなこんなで、日が暮れて夜になった。
夜は魔力の使い方を教えてもらえるらしい。
「さて、夕ご飯にしますか。」
「私も手伝います。」
「じゃあ俺も。」
夕ご飯を食べてから鍛錬かな?
今日の夕ご飯は、トンカツとご飯と味噌汁、それに山盛りのキャベツの千切り。
トンカツは衣がサクサクしていて、中はジューシーに仕上がっている。
あ、肉は俺が狩ったオークの肉を使っている。
俺は大丈夫だけど、モンスターの肉は食えるのかな?
と思って聞いてみたら、余裕で食べるらしい。
むしろうまい肉や食材を求めて冒険者にやった人もいるぐらいだ。
有名なのは『美食王 ガスト』という人らしい。
なんでも食べ物のこととなると、地の果てまで行っても捕りに行ったらしい。
また、その人のレシピ本があるらしいのだが、今は行方不明とのこと。
どこかの遺跡にでも眠ってるんじゃないかな?
まぁ、毎日の食事が美味しくて俺は大満足です。
夕ご飯の後少し休んだら、夜の鍛錬をする。
(あ、変な意味じゃないよ?)
魔力の使い方を教えてくれるらしい。
魔力とは、人それぞれ違い、鍛えれば凄まじいものになるという。
特にすごい人となると、魔法一つで大陸の地図を変えてしまうほど。
こっわ。
まずは、魔力を感知する所から始めるらしい。
ツバキさんも魔力というのは今日が初めての鍛錬らしい。
「まずは、胡座をかいて、瞑想してください。瞑想することによって己に集中し、己の魔力を見つけ出すのです。」
とまぁ難しいことだと思う。
が、俺もツバキさんも簡単に分かった。
なんか、下っ腹に温かく、充実するモノがあるのを感じる。
それを操作して全身に巡るようにする。
すると、
ボッッッッ!!
急に俺の体が燃え上がった。
「ちょ!え!?何これ!まずいまずい!」
「大丈夫です。それはあなたの魔力が可視化したモノです。それを己の中だけに留めるように意識するのです。」
(…はやい、ここまで一日で出来るのか?やはり彼は…)
「すごいです!私なんてお腹の辺りが温か位ぐらいしか分からないのに!」
ツバキさんは自分のことのようにはしゃいでいた。
それを見ると、こっちも嬉しい。
さて、師匠に言われたように己の中に留める…
すると、炎は体に染み込むように消えていった。
「…ふむ。素晴らしいです、シュラ君。こちらに来てください。」
師匠に言われて、外に出る。
「ツバキ君は待っていてください。引き続き瞑想する様に。」
「はい!」
連れて行かれたのは、道場の裏庭だった。大きな岩がゴロゴロある。
「シュラ君、この岩を殴ってみてください。」
「分かりました。」
ふぅ〜〜〜〜…カッッッ!!
「フッ!」
魔力を循環させたまま踏み込む。
勢いをつけたまま、岩に拳を打ちつけた。
ドガンッッッ!!!
岩は粉々に砕けた。
「え?マジか?」
「そう、これが魔力の使い方。腕輪をつけた状態でも埒外の威力を出せる。
そして、これを使いこなすことがシエン流の奥義なのです。
最終的に自分の体だけでなく、触れているものにも巡らせることができます。
それは魔剣術という、シエン流の秘伝なのです。」
「こんなすごい技を、教えてもらっても良いのですか?」
「えぇ、大丈夫です。あなたなら正しく使うと信じていますから。」
出会ってから二日も経ってないのだが、何やらすごい信頼されているらしい。
「ありがとうございます…」
「あ、でも型はやってもらいますよ。魔力を流し続ければ疲れませんから。」
「え?」
…がんばります。