※この作品はR-18です。

裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。   作:美味しく食べよう

26 / 42
最後の鍛錬

早朝、最近はもう慣れてしまい、自分から目覚めるようになった。

まだ暗く、人通りがない時に、型の鍛錬を始めた。

 

「それじゃ、シュラ君。これが最後の鍛錬だ。その魔剣術を自由自在に使いこなすんだ。今の君なら出来るね?」

 

師匠と木剣を構えあっている。

 

そして、俺から攻める。

この六つの型は、カウンターの集大成である。自分から仕掛けて崩す技もあるが、主体はカウンターである。攻めの動きにもカウンターがあり、守りの動きにもカウンターがある。それをひたすらに繰り返して、体に覚えさせるのだ。魔剣術を用いることによって、カウンターが正しく一撃必殺となる。

 

周囲には金属が潰れる音が響いている。

騒音になるかと思ったが、ここは元々人通りががないのだ。遠慮せずに打ち合える。

 

そんなことを考えていても、型を間違えることなく終わらせられる。

一ヶ月前までは天狗の鼻になっていた俺は、ここに来て人として成長できた気がする。武器の扱い方を知り、人との関わり方を知って、俺は成長できたのだ。と思いたい。

 

最後の型が終わり、木剣を師匠の首元に置く。

 

「…素晴らしい。もう使いこなしているじゃないか。ここから更に慣れていくんだ。まだまだいくよ?」

 

それから、日が昇り、ツバキさんに声をかけられるまで鍛錬をしていた。

魔力を使うことによって、疲れることがなくなった。

だから長時間続けて型を鍛錬できる。

残り五日間、死ぬ気で物にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日も今日とてツバキさんと依頼をこなす。

でも、最近は周辺の地域がおかしい。何がおかしいって、モンスターがやけに少ないし、動物も虫も全く見ないのだ。ギルドの方も異変を感じてるらしい。

 

副ギルドマスターのムントさんも

 

「…何か嫌なことが起きそうですね…」

 

と不吉なことを言っていた。縁起でもないのでやめてほしい。

そんな異変が続いて、五日目、今日も早朝に起きて師匠と鍛錬し、朝飯を食べた。

 

「今日で、二人ともとの修行は終わりだな…一ヶ月間、よく頑張った。

君たちの腕は私が保証します。今の君らなら、どんな困難にも打ち勝てるでしょう。」

 

「こちらこそ、ありがとうございます。師匠に出会えて本当に、剣の腕も、人としても成長できました。本当にありがとうございました。』

 

「私も、シエンさんに会えて、ここまで強くなれました。シュラ君とも出会えましたし。本当にここに来てよかったです。ありがとうございました。」

 

そんな涙ぐましい感じだったのだが、突如、

 

『スタンピードだ!!!スタンピードが起こったぞ!!!!』

 

そんな不穏な声が聞こえてきた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。