※この作品はR-18です。

裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。   作:美味しく食べよう

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主人公最強タグがあるのに、無双しないの不安でしたよね。



鍛錬の成果

スタンピードとは、モンスターが何らかの理由で暴走化し、数も異常に増えることを言う。

 

つまり今、モンスターを狩り放題なのである。

 

急いで師匠とツバキさんと共にギルドに向かう。

そこには沢山の冒険者がいた。

 

「マスター!救援はまだなのか?!」

 

冒険者の一人が叫ぶ。

どこに救援したのだろう?

 

「王都からここまで最低でも三週間かかるのだぞ。救援は無理だ。俺らで対処するしかない。」

 

「ちょっと待ってください。異常に増えると言っても、そこまでではないでしょう?どれくらいなんですか?」

 

俺が聞くと、

 

「…見渡す限りだよ…」

 

なんともまぁ絶句する答えが返ってきた。

 

「目測でおよそ8万体…勝てるわけねぇ…」

 

絶望したように呟く冒険者。

いつもはアホみたいに明るいのに、こんな時は暗くなる。

当たり前か。分かりきってる死を前にして、笑えるやつなどいない。

 

「早く市民を避難させよう。まずは市民を撤退させて、戦える者は死に物狂いでモンスターの侵攻を止める。撤退戦だ、それしかない。」

 

いくら個の力が強くても、数の前には敵わない。

そんなこと分かってる。でも、でも、

 

「俺が、特攻する。その間に急いで市民を避難させてくれ。急いでくれ!」

 

俺はそう言って門の外に向かって走る。

 

「あ!ちょっと待って!」

 

「行きなさい、ツバキ君。君は彼を支えてあげなさい。」

 

「師匠…はい!分かりました!」

 

そう言ってツバキも走る。

 

「さて、私はここに残って市民を避難させらまで食いとめてみる。なるべく早くお願いしますよ。ギン。」

 

「師匠…分かりました。お前ら!急いで避難させろ!動ける者はキビキビ動け!これから撤退戦だ!」

 

「さて、どうなることやら…でも、君ならなんとかしてしまうんでしょう、シュラ君?」

 

シエンはそう呟いて、ギルドの天井を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わって、シュラは門の外に出ていた。

 

前方を目を凝らして見つめる。

 

「魔物は、どこにいるんだ…あ!?あれかッ…」

 

絶句した。地平線を覆い尽くす巨大な群れ。こりゃ…無理かも。

 

(これが魔王の影響だ。分かったろ?魔王は人類にとっての天敵なんだ。

モンスターを無限に生み出し、従え、それを使って蹂躙する。正しく『魔の王』だ。どうする?ここから逃げるか?誰も攻めないぞ。この状況ならな。

市民を避難させるのが先だぞ。)

 

久しぶりにシークの声を聞いた。

 

(いや、転生して一ヶ月ちょっとで、もうクライマックスじゃないか…

え?俺死ぬよ?マジで?dieよ?)

 

(軽口は叩けるのだな。分かったらさっさと市民を避難させろ。)

 

(…………)

 

俺は、一歩前へ出た。

 

(何をしている?死にたいのか?自殺願望者なのか?)

 

(俺な、ここで逃げていいのかなって思ったわ。別にこんだけの群れなら、逃げても恥にならないって思ったんだ。…だけどな、それじゃ町の人を守れねぇ。

俺の大事なものを守れねぇんだよ。師匠も、ツバキも、ギンさんも、ムントさんも、ヘルガさんも、ゴロさんも…もちろん他の人だって俺の大切なものなんだ。思い出だって沢山ある。

だからッッッ!!!俺はッッッ!!!!逃げないッッッ!!!!!)

 

覚悟を決めて、前を睨み付ける。先ほどよりも、モンスターの群れは確実に近づいてきている。

 

やっとこれを外せるようになったな。

 

鍛錬の腕輪

 

ステータスを強制的に設定して、鍛錬をする。

今の俺がこれを外したらどうなるのかな?

 

これの説明を受けた後、師匠に聞いたことがある。

 

『これをつけたまま鍛錬をし、外すと、莫大にステータスが上昇するのです。昔はそれをやっていたのですが…今は知っている人もほとんどいません。』

 

つまり、ステータスの上昇分をストックできる。

 

一ヶ月間、鍛錬しまくった分、溜まったステータスの上昇を、一気に解放する。

 

(俺、これが終わったら、ツバキに告白するんだ。)

 

彼女は俺のことをよく支えてくれている。

この一ヶ月間、鍛錬が辛くても彼女の笑う顔を見たら、それだけで不思議と力が湧いた。そして、また頑張れるのだ。

一緒に依頼をこなしていく中で、俺はツバキを好きになっていた。

 

(…死んでしまうのかもしれんぞ。今のうちに叫んでおけ。別に誰も聞いちゃいない。)

 

「それもそうだな…スウウウゥゥゥゥッッッ…ツバキッッッ!!!

好きだッッ!!愛してるッッッ!!!これが終わったら結婚してくれええェェェッッッ!!!!」

 

「はい!結婚しましょう!!」

 

「…え?」

 

(クックック……)

 

声がしたので、後ろを振り向いた。

 

そこには、頬を真っ赤に染めたツバキがいた。

 

 

 

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