※この作品はR-18です。

裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。   作:美味しく食べよう

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閑話 ツバキside

私はシュラを一目見たとき、好きになった。

私の好みドストライクの顔立ちだったのだ。

 

黒い髪は荒々しく逆立ち、顔はナイフのように鋭く、凛々しく端正だった。

筋肉もガチガチで、力こぶはまるで鉄塊のよう。

そんな怖い外見とは裏腹に、ウブな反応と、穏やかな雰囲気。

私が彼の部屋に泊まると言ったとき、彼は一度拒否した。

『過ちがあっては取り返しがつかない。』

彼は思慮もあり、分別もできる人だった。

 

その時、更に好きになった。

 

そんな彼と、一緒に行動するようになってから、私は充実していた。

好きな見た目と人と一緒に行動できて嬉しかったのだ。

 

更には、彼は身を挺して私を守ってくれた。

私達はシエンさんからの言いつけで腕輪をつけている。

ステータスを強制的に設定して鍛錬するための魔道具。

だが、設定したステータス以上の強敵が山に現れたのだ。

 

オークキング

 

オーク達の長である。

このモンスターは、他種族の雌を見ると、性的に襲うという、恐ろしい特徴があった。オークにもその特性はあるが、このモンスターは異常である。

 

そのモンスターに出くわして、彼が一度敗れ、私がオークキングに襲われそうになった時、彼は死に物狂いで私を助けてくれた。

 

そのとき、彼は腹に剣を突っ込まれたのだ。

 

その傷跡は今でも残っている。

 

そんな重体で、彼は私を助けて運んでくれたのだ。

幸いにも、私は回復魔法が使えるため、彼の傷を癒すことができた。

その時聞いたのだ。

 

「なぜ、私を助けてくれたの?あなただけでも逃げることができたかもしれないのに…」

 

「馬鹿野郎。お前は俺の宝物なんだよ。絶対に離すもんかよ…」

 

彼はそう言って、眠ってしまった。

 

その時からだろう。私が彼を生涯支えたいと思ったのは。

この人のために生きよう。もし出来れば、この人と共に生きよう。

そう思ったのだ。

 

これが、私が彼に心底惚れた理由。

彼は多分覚えていないだろう。意識が朦朧としている中で言ったのだ。

 

そして、私は全力で武術をシエンさんの元で修練した。

あの人は剣以外にもあらゆる武器の術を修めている。

あの人がいれば魔王なんか討滅できるんじゃないかな?

 

そんなことを思うが、ある日。

シュラに呼び出されたのだ。そこで聞いたのは、厳密にはシュラがこの世界の人ではないこと。彼が魔王討伐の依頼を、謎の存在から受けていること。

 

最初は驚いたけど、それでも彼を見て納得した。

だって彼、少し抜けてるところがあるんだもん。

子供でも知ってるようなことを知らなかったり、時々知らない言葉を喋ったりしている。歳の割にはとても落ち着いていたりするから…

 

彼は、少し寂しそうだった。孤独な感じだったのだ。背中を見ていると、ひどく遠くにいるような錯覚をうける。だから、私がこの世界に繋ぎ止めなくちゃと思った。

 

他にも色々とあるよ?

でも、これが私が彼に惚れた理由かな…

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