※この作品はR-18です。

裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。   作:美味しく食べよう

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閑話 エリスside

私はエリス。

ビギン村に生まれて、幼馴染のラッシュと婚約を結んでいる。

彼は根暗で自分に自信がない。でも、優しいことを私は知っている。

いつも農作業をしていて、筋肉も少しついている。でも、彼は弱い。

だから私が剣を覚えた。父に教えてもらって、全力で鍛えた。

これで彼を守れる。そう信じていた。

 

だが、ある日王都から使者がやってきて、私を連れて行ったのだ。

ラッシュは泣いていた。口では厳しいことを言っていたが、本当は誰よりも行って欲しくないのだろう。

そんな彼を見て、私は覚悟を決めた。私が勇者と共に世界を救うと。

 

そして、私は王都に着いて、勇者と顔合わせをした。

気持ち悪い男だと思った。ジロジロと私の肢体を舐めるように見てくる。

 

最初は話しかけられても、必要なこと以外喋らなかった。

でも、毎日毎日話しかけられて、次第に心が絆されていった。

慣れない環境で不安だった私を勇者様は慰めてくれた。

それで、勇者様が愛おしくなって、ある日、体を許してしまった。

すぐに過ちだと思った。でも、この関係が気持ち良くて…

 

世界を救うまでの関係だと割り切った。

心はいつもラッシュにあると、そう思っていた。

 

でも、一年も経つと、もうアタシはラッシュのことがどうでもよくなっていた。

その頃から、手紙は出すのをやめて、勇者様との情事に溺れていた。

 

二年経つ頃に、ケジメとしてラッシュ…農民との婚約を破棄した。

その時に見た顔は、なんだか滑稽だった。

勇者様が脅しをかけて、農民は怯えていた。それを見て、思わずアタシは噴き出した。なんでこんな男を好きになっていたのだろう?心底不思議でたまらない。

 

それから、王都で訓練を受けていたある日、アタシたちの元に救援要請が入った。

正確には、王宮の騎士団にだ。

なんでも、辺境の『バーン』という町にモンスターの大群が侵攻しているらしい。騎士団で対処しても良かったのだが、せっかくだから勇者様の初陣にしようとなって、アタシ達はバーンに向かった。

 

本当はその日の内に着く予定だったのだが、勇者様と体を重ねながら行ったので二週間もかかった。野宿している中で体を重ねていたのだ。

 

それでいざバーンに着いたときには、モンスターが侵攻しているとは思えないほどに賑やかだった。何か様子が違う?モンスターはどこにいる?

色々と疑問はあったが、アタシ達は救援に応じてやってきたのだ。

 

「町の危機に馳せ参じた!モンスターはどこか!?」

 

そう勇者様は叫んだのだが、周りの人がこっちを白い目で見てくる。

何故?私たちは助けに来たのだ。そんな目をされる所以はないはずだが…

 

「勇者様、ようこそお越しくださいました。ですがもう終わっております。

ご覧の通りです。ですからもうお帰りください。」

 

失礼な物言いをする門番の兵士。後ろにはもう一人兵士がいる。

 

「はぁ?そんなわけないだろ!いいからモンスターの大群はどこだ!!」

 

「いえ、ですからもう終わっているのです。」

 

「いいから通せ!俺たちは救援に応じてやってきた!」

 

あまりに失礼な兵士の態度に、私も他の勇者様のお供の方も苛立ってきた。

 

「そうよ!早く通しなさい!」

「もう疲れたー…」

「まったく、なんでこんなことを…」

 

「ですから、スタンピードはもう終わりましたから、もう必要ないです。

お越しいただきありがたいですが、遅すぎです。」

 

これにはアタシもカチンときた。

わざわざ来てやったのに、遅すぎる?三週間はかかる道のりを二週間で来てやったのに…

 

「なんだと…?勇者である俺を通さないだと?お前、いい度胸してるじゃないか?死ぬ覚悟はできてるんだろうなぁ!?」

 

勇者様は剣の柄に手をかける。

こんな話の通じない兵士は生きてる意味がないと思ったのだろう。

アタシもそれに同意している。

それに、たとえ人を斬り殺したとしても、勇者様は特権があるから罪は免れる。

 

「……シュラさんを呼んで来い……今すぐ……………」

「……分かりました…………」

 

兵士達も今頃後悔しているのだろう。

だが遅すぎる。あの世で悔いるがいい。

 

すると、ここでは聞くはずがない声が聞こえた。

 

「その必要はねぇよ。」

 

「シュラさん!!」

「来ていたんですね!!」

 

はぁ!?なんでラッシュがここに?!

ていうか今、あいつシュラって言われてた?

反対にしただけじゃん!ダサっ!

ていうか少し見ない間にデカくなった…?

 

アタシはこの時、胸の高鳴りを感じていた。

理由は分からない。自分でも気づかないほどだが…

 

 

 




何回かに分けようと思います。
あ、あと勇者はこの世界の神にチートを授けられています。
それはなんだろうね?この世界はスキルというものがないはずなんだけど…
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