裏切られた"僕"は絶望して逃げたが、入れ替わった"俺“はその後の人生を謳歌する。 作:美味しく食べよう
謎の存在さんも!
そんなこんなで、主人公達の道中。
「そういや、俺の名前どうするんだ?」
(ふむ、そうであったな。名前か…名前くらい自分で考えろ。)
「うわ、冷たいやつー。そうだなぁ、そんじゃぁ『シュラ』ってのはどうだ?」
(いいのではないか?あの強さを見ると、名前がピッタリだ。)
「よぉーし!そんじゃぁ今から俺は『シュラ』だ!」
こうして、『シュラ』の物語が始まった。
「あぁーにしても…腹へったな。」
(ふむ、それなら、ちょうどお前が仕留めたオークがあるぞ。それでも食ったらどうだ?)
「そうだった!オークがあったわ!早速出してくれ!」
(お安い御用だ。)
すると、目の前にオークの死体が現れた。
「おぉ〜何回見てもすげぇな!」
(世辞として受け取っておこう。)
それでは早速いただこう、と言いたいが。
「なぁ、これどうやって解体するんだ?」
(知らないのか?仕方ない。我が教えてやろう。)
そうして始まった解体。
(それでは先ず…)…
謎の存在の声に従い、手際よく捌いていくシュラ。
とても手先が器用である。
(なかなか上手いぞ。では次に…)…
そうして、あっという間に解体し終えた。
「なんだ。やってみれば出来るもんだな。」
そして目の前の豚肉もどきを焼いて食べてみる。
「うめぇ〜。甘い肉汁が口の中に広がって最高〜。食感もなんだか柔らかくて食べやすいし。味付けがないから肉本来の旨味が口いっぱいに広がって…」
そして瞬食した。
(はやっ!!)
「ごちそうさまでした。いやー食ったぜ〜。」
(この残ったやつはしまっておくぞ。)
「サンキュー。」
残っていた肉やら皮やらが瞬間で消えていく。
「もう日も暮れてきたし、今日はここまでだな。また明日進もう。」
(そうだな。夜になるとモンスターが活発になる。それに暗いと襲われても分からない。)
そういうことで、寝床を探し始めるシュラ。
「あ、ここなんか良いんじゃねぇか?」
草が生い茂っていて柔らかそうな所。
そこに決定したシュラは、ゴロンと仰向けになる。
そして視界に映ったのは、
「うおぉ〜、超綺麗やんけ。」
寝床を探す間に日が沈み、月が出始めていた。
そして夜空一面に広がる星々。
前世の地球の都会では滅多にお目にかかれない。
(ふむ、そうだな。本当に綺麗だ。)
謎の存在も肯定する。
濃紺色の暗い空に、点々と光り輝く星々が煌めいている。
なんとも美しい、神秘的な空間である。
ちょっぴりノスタルジーに浸ってしまう。
「こういう景色は東京じゃなかなか見れないからな〜。この世界に来てよかったよ。ありがとな。」
(礼を言うのはこちらの方だ。魔王討伐の依頼を受けてくれたこと、言葉では言い表せないほどに感謝している。)
「よせやい。俺だって俺の目的のためにこの世界に来たんだ。お互いの目的が噛み合った。ただそれだけのことさ。」
(そう言ってくれると助かる。)
「しっかしよ〜、こういう景色は他にも見れるのか?」
(一生使い切っても回れぬ程にはな。)
「そうか。そりゃ楽しみが一つ増えたな。」
(しかし、本当に良かったのか?こちらの世界に来たら、二度と戻れなかったのだぞ?地球には未練はないのか?)
「ねぇよ。親もいねぇし、兄弟や姉妹もいねぇ。周りにも友人はほとんどいなかった。やることと言ったら、体鍛えるか勉強するか、それぐらいだ。」
(そうなのか。悲しくはないのか?)
「初めからそうだったから分かんねぇや!アーハッハッハ!」
(そうか…)
まぁ本人が幸せならそれで良いのだが。
わざわざ慰めや同情の声をかけるなど、本人への侮辱だろう。
本人には本人の価値観や感情がある。そこに口出しなど、野暮なものだろう。
「そういえばお前、名前はなんて言うんだ?」
(名前は無いな。なんだったら付けてくれ。)
「えぇ〜、また俺かよぉ〜。しょうがねぇな〜。うーん…そんじゃお前は
『シーク』だ!」
(シークか…由来とかはあるのか?)
「全部謎だからシークレット、縮めてシークだ!」
(安直だな。まぁそれでいい。気に入った。礼を言う。)
「気に入ったか!そうか!ガッハッハッハ!」
それから、シュラとシークは意識が落ちるまで語りあった。
背景とか作るの難しいです。
私はノスタルジーを感じるものが好きなんですが、文章で表現するのは難しいですね。
精進します。