Daff -indifferencet's End 作:アンデッド
怪物は存在する。幽霊も存在する。彼らは
私たちの中に住み、ときとして勝利する。
灰色の廊下を歩く。日射しすら当たらない
暗闇の場所。足元がおぼつかないほど
足を進めていくと、目の前にミルク色の
光が……
“起きて、※※※”
*
あれはちょうど~初夏の暖かい時期を
感じ始めた7月上旬頃。今から一年前くらいの
こと。副業で芸能活動してる女の子、ご本人から
出しても良いということで実名言います。
アマネミサさん、皆さんもテレビで割りと
見る方ですよね。
なかなか変わってる方でしてね~服装は
黒を基調としてる幻想的な服装に、金色
ツインテールの端麗な容姿する美少女
なんですよ。数年前に不幸にも自殺してしまい、
この世を去ってる女優さん。ハリウッドでも
活躍していたその方と瓜二つの容姿で
芸名も同じなのは妙だと、個人的には
思います。
その方とファミレスで一杯飲んでるとき、ちょっと
意見を聞かしてほしいって、こんな話を
私にし始めたんですよ。
彼女はねぇ~副業はタレント、本業は〈殴り屋〉
という浄霊師(徐霊師)紛いの仕事
やってるんですよね。
ある日に『同居する息子がおかしくなった』
専業主婦の仮にA子さんとしましょうか。
からの依頼でよくある一軒家へ向かいました。
同行していたのは、事務所社長の仮に
Lさんとしましょう。その方は女性なんですが
琉球古武術の達人で元
やってらしたミサさんの保護者だったんですよね。
その方と共に玄関へ入り、居間へ案内されたら
いや~ぐっちゃぐっちゃって
ライオンが草食動物を咀嚼するような音が
聞こえてきたんです。
どうやらプラスチックの保存容器に入った
精肉と生卵などを息子さんが、そのまま食べて
らしたんです。ミサさんはそこで妙な感じが
しましたが、いつも通り殴りかかったんですよ。
最初に踵落とし。横へ倒れた息子に
馬乗りになり、往復ビンタと
左、左、右、右、左、左、右、左という
頬骨と顎を軋ませ脳みそをぐらぐらと揺らす
いつものやり方で浄霊しようとしました。
でも、上手くいかなかった。
鼻が潰れ、両頬が腫れあげた息子さんは
「キクケララテロレレ
カタケコレレロロロ、クララロカタケハサヤリ」
と楽しそうな感じで呟いてたんです。
どうしよっか~とミサさんが悩んでたときに
「すみません。警察です」巡回中の制服警官
お二人が訪ねてきたんです。
見かねたAさんが、招き入れたら
ミサさんに噛みつこうと息子さんが
逆に押し倒されてたんですよ。
Lさんが「撃て! こいつはマトモじゃない!!」
叫ぶと、お巡りさん二人は一斉に発砲した。
ほら~だいぶ前に可決された『超法的護身法』
のおかげで最近の法執行機関はすぐに
拳銃を使えるんですね。
それでも息子さんは倒れないんです。
血まみれで口は血だらけで開いたまま、そこから
黒く変色した舌をブラブラブラブラ
させながらお巡りさんたちの方へ
近寄りはじめたんです。
「外まで発砲して! はやく!!」ミサさんは
激を飛ばし台所であるものを作り始めました。
その間に銃声がひっきりなしに響き、
ミサさんは即興で火炎瓶を作ったんですよ。
玄関付近で腰を抜かすお巡りさんに咬みつこう
とした息子さんにドロップキックして
車道まで吹っ飛ばすと、火炎瓶に火を点け
投げつけた。
火柱をあげながらゆっくり息子さんは
両膝ついて、動かなくなりました。
そこからは現場検証やら事情聴取などを
やってたそうです。
そんな時に──
うわぁああぁあああああぁあああ
突然の耳をつんざく悲鳴。ミサさんは
その方向へ目をやったら遺体収納袋を突き破り、
皮膚の下をさらけ出し黒く焼けただれた
息子さんがふらつきながら、歩いてたんです。
検視官の方へ襲いかかろうとした瞬間に
頭が四散したんです。
ミサさんが愛用してるレバーアクション式の
散弾銃を抜き放ったんですよ。やむなく。
特製のやつらしくて、聖水で育てたシキミと
清めた銀で加工した散弾だから効果あったと
ミサさんは言ってました。
その事に関してはLさんが根回して
お咎めなしで済んだそうです。
ミサさん曰く、もしかしたら
他にも息子さんみたくなってる方が
いるかも知れないって、憂えげに
そう呟いたんですよねぇ。
稲○淳二先生の話は、怖いんですかね?
個人的には怖いというより『なるほど』
って感じになります。