<あらすじ>
母・唯子を三好満司に寝取られた秋月暁人は、謎の女・山本洋子に「大人のレッスン」を受け「本当の幸せ」の意味を知り、暁年が唯子を取り戻すことで絶対的な絶望から立ち直れることを知らされる。しかし、暁人と暁年が具体的な反撃の方法を知らされる前に、洋子は洋魔子に意識を乗っ取られ殺されてしまった。その上、母・唯子は満司の施したクリキャップと暗示によりセックス依存の極限状況で色情狂に変えられていた。すべての思考を奪われた唯子は満司によって家族への愛情を憎悪に変えられ、満司の悪事に加担する寸前にまで堕とされてしまっていた・・・。
そんな中、暁年は仕事の都合で知り合った謎の老人に代わり工事現場に3日間の「居座り」の約束をしてしまい、家族の協力を得られぬまま孤立無援の戦いをしていた。果たして唯子は、綾乃を罠にかける悪事に加担してしまうのだろうか?
本小説はhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14739431にも掲載しています。
---------登場人物---------
秋月 暁人:主人公
秋月 唯子:暁人の母
秋月 暁年:暁人の父
三好 満司:主人公の遠縁(暁年の母方の従祖母の孫娘の夫)
三好 聖満:満司の子
三好 良枝:満司の元妻
山本 洋子:謎の娼婦 (「廃神社の巫女https://novel18.syosetu.com/n0812ge/」からのゲストキャラ)
山本 洋魔子:山本洋子の別人格(ダークサイド)(オリジナルキャラ)
藤原 綾乃:暁人の片思いの人(実は両想い) (オリジナルキャラ)
鈴木一之介:鈴木貫太郎探偵事務所・所長・探偵 (オリジナルキャラ)
及川:鈴木貫太郎探偵事務所・探偵。一之介の部下(オリジナルキャラ)
パタンジャリ・プールナーナンダ:ヨーガ修行僧 (オリジナルキャラ)
--------------------------
郊外の閑静な住宅街の隙間のような空き地に1台の車が停まっている。10年間空き地になっていたこの土地にどうやら新たな建設の予定が立ったようだ。黄色のヘルメットをかぶった二人の作業員が、その車の中で作業の打ち合わせをしている。そこは秋月家からさほど離れていない。盗聴器の電波が十分に届く場所だった・・・。
「所長・・・なんで俺の車なんですか?いつものオンボログル・・ミニクーパーでいいじゃないっすか?」
小さい車ながら、適度な空間が保証された車内では、慣れない作業用のヘルメットが天井をこすらないように気を付けながら、及川が不平を漏らす。
「あの車は面が割れた・・・張り込むときは小さくていいんだが、一度知られると少し目立ちすぎる。この車のような大衆車の方が今日みたいな日にはいい」
及川はそれが誉め言葉か、馬鹿にされているのかわからないまま2代目のホンダ・フィットDBA-GE9型のラジオのボリュームを絞る。「一応、フルタイム4WDのRSタイプなんすけどね・・・」などと愚痴りながら・・・イヤホンから聞こえてくる秋月暁人の部屋の盗聴音にも耳をそばだてている。所長の鈴木一之介と及川が今聴いているのもラジオ番組などではない。秋月家に仕掛けられた居間の盗聴音声だ。先ほどから唯子の喘ぎ声が車内に響き渡り、もう少しボリュームを絞ったほうがよさそうだ。
「やはり満司のやつ・・・秋月家に乗り込んできましたね・・」
「ああっ・・・暁人の読みが正しかったようだな」
「そんな事より満司のやつ・・・良いようにやってやがる・・・踏み込まないんですか?」
「何で?」
「それは・・・家宅侵入罪・・・婦女暴行・・・窃盗・・・犯罪教唆・・・」
及川が指折り数え始める。ざっと見繕(みつくろ)っても5本の指では収まり切れない。
「あのな・・・・満司は暁年の親族なんだぞ・・・しかも唯子は堕とされている・・・あくまで和姦だ・・・土地や家の権利書含めて全て同意の上だと言われるのが落ちだ・・・そんな事で踏み込んでみろ・・・まだだ・・・まだ早すぎる」
「早すぎるって言われても・・・このままだと、手遅れになります」
「このまま踏み込めば、こっちこそ他人の家を盗聴し、家宅侵入したうえで、暴行を加える極悪人になっちまう・・・重罪だ」
「でも・・・これじゃあ・・・」
「いいか?鈴木貫太郎探偵事務所には15名の探偵がいて・・・・」
「はいはい・・・100名近い人間が路頭に迷うでしたよね・・・・」
「分かっているんなら黙っていろ」
「でもこれでは・・・せっかく暁人の推理が正しかったとしても・・・俺たちがいくらここにいても・・・」
「そう・・・あの色ボケ母ちゃんが堕ちた時点で・・・綾乃を呼び出した時点で・・・手遅れになる・・・俺たちが踏み込めば・・・あの母ちゃんも暴行幇助罪だ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「悔しいが俺達には捜査権なんてものはない・・・待つほかないんだ」
「待つって何を?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
こいつ本当に探偵をやっている人間か?・・・まあ・・・離婚訴訟とか、素行調査ばかりだからしょうがないか・・・気を取り直して、教育も兼ねて解説を始める。
「藤原綾乃が来るまで時間がありそうだから一応説明しておく・・・この前、山本洋子の別人格・・・山本洋魔子に秋月親子が追われて俺が助け出したあの夜・・暁人が俺に相談してきたことが発端だ。洋魔子が藤原綾乃の名前を知っていたんだ。だが、暁人はそのことを洋子にも洋魔子にも話していない。だが、洋魔子だけが知っていたんだ。これが大きな謎だった」
「山本洋子もしくは別人格の洋魔子がどんな女なのかは、こちらも随分と調査させてもらっていた。単なる娼婦だと思っていたが、とんでもない女だった。数々の犯罪をAJKと言う謎の組織を通じて行っていたからだ。多分、何件かの殺人にもかかわっている。AJKがらみの犯罪はここの処、激増している。巧妙で、狡猾で、慎重だ。どの事件も腐敗の進んだN国警察では対処できない有様だ。被害者はみんな泣き寝入りさ」
「所長が追っているのはその件ですね・・・暁人に三好良枝の刺青のデザインを確認していたのはその調査の一環ですね」
「そうだ。公安も動いているらしいが、どれも後手に回って反応が悪すぎる。役に立ってねえ。何か政治的な圧力がかかっているのは明白だ。人身売買や薬の密売組織・・・やくざや暴力団レベルじゃねえ・・・武器商人も絡んだ国際的な闇勢力の圧力だ。やっかいなのはネットに散らばったブラックマーケット・・・裏電子マネーや裏サイト、非合法なハッカー組織まで絡んでいるから脆弱なハッキングしか出来ねえ公安では歯が立たない。童貞の高校生がかなうはずもない」
「やっ・・ていうか・・・一探偵事務所でも無理でしょ。普通・・・」
「ああっ・・大丈夫だ・・・うちは普通じゃないから・・・」
「・・・100人が路頭に迷うのも時間の問題かも・・・」
「・・・・・・・・・・」
「でもそんな女がなぜ・・・高校生なんかを?」
「AJKが始めた「犯罪代行サービス」のエージェントとなったからだろう。一般市民を巻き込んで、犯罪のすそ野を広げ、じわじわとこの国を堕落させていくためだ。N国を草の根から腐らせる魂胆だろう」
「それで洋子人格が必要になる?」
「そうだ・・山本洋子のような二重人格者を使えば・・・洋魔子の隠れ蓑としては完璧だ。あの清楚さや人の好さに皆騙され、一般人が何の疑いもなく悪に引き込まれていく。洋子人格は明らかに洋魔子人格の隠れ蓑として生かされているんだ」
「信じられないことに暁人の話では「洋子」人格はその事実を認識していない。すべて覚えていないのだそうだ。ところが洋魔子人格はどうやら両方の記憶を共有している。だから、洋子が知らなくても洋魔子だけが知っていることは可能なんだ」
「となると・・・なぜ洋魔子は藤原綾乃の事を知ることが出来たのでしょう?」
「ここからが暁人の推理だ。洋魔子が藤原綾乃の名前を知っていたのは「犯罪代行」を依頼した依頼人から聞いたと結論付けた。まず間違いないだろう。あいつにはAJKのこと知らせてないのにそこまで推理しやがった。つまり藤原綾乃が何らかの犯罪に巻き込まれる可能性がある。しかし、依頼者や、その目的が全くつかめない。鍵は山本洋子自身だ。彼女が無意識レベルで語ったことを丁寧に分析すると事実が見えてくる。山本洋子を中心に、三好良枝、秋月唯子が結びつく。この2名の女性の共通因子は・・・三好満司しかいない。犯罪依頼するような人間は、この2名の人間関係の中にでは三好満司だけだ。調教師が「犯罪代行」で真っ先に依頼する内容は何だ?」
「婦女暴行・・・レイプの準備」
「そう・・・やつの目的は明白だ。藤原綾乃のレイプだ。」
「犯罪の場所や手口・・・時期は?」
「犯行現場がどこなのか?満司の手口から言って、藤原綾乃が感じる最も屈辱的で、最も背徳的な場所・・・そう・・・秋月家しかない。さらに言えば、多分・・暁人の部屋が使われる。まだそっちの動きはないな?」
及川が再度イヤホンに聞き耳を立てる。
「まだ何も聞こえません。綾乃ちゃん・・・来なければいいのですが・・・」
「あの色ボケ母さんの状況じゃ・・・呼んでしまうな・・・」
「時期に関しちゃ分からなかった。ただ暁人が心配していたのは、父親が母親に奴隷契約書を破ってしまった事を告白する前に、満司によって暴露されることだった。まさか満司がこんなに早く行動するとは・・・」
暁人もひしひしと感じていたようだ。この事実が唯子に伝われば唯子は崩壊する。その時は唯子は「あっち側」に行ってしまう。そう・・・俺たちの盗聴しているまさにその時・・・その最終ラインに入ってしまった。いや・・・盗聴している会話を聞けば、もう境界は超えてしまっている。多分、あの母さんは暁人の恋人を呼び出してしまう。もう間に合わない。間に合わなかった。一之介はそう踏んでいた。
「いいか・・・俺達が待っているのは「家人の反撃」だ。それがない限り、豚箱に行くのはこっち側だ。つまり、暁人、唯子、暁年が満司を拒絶しない限り、単なるDVで処理されちまうってことだ」
「この録音があれば十分じゃないっすか?」
「アホ・・N国の法律じゃあ盗聴は証拠にはならねえ。そして今、あの家にいる家族は唯ママだけなんだ・・・だから・・・もう手遅れかもしんねえ・・・唯ママ・・・あっち側に行って戻ってきてねえ・・・満司を拒絶することなんかできねえ・・・これじゃあ踏み込めないんだよ」
「藤原綾乃はどうですか?」
「彼女が訴えれば、あの母ちゃんは満司の幇助犯として従犯になる・・・母ちゃんまで豚箱行だ・・・」
「あっ・・・だから・・・満司のやつわざと唯子さんに色々とやらせて・・・」
「そう・・・だから、この場で唯ママが抵抗しなければ・・・彼女が満司を追い出そうと訴えてくれない限り、踏み込めねえんだ・・・そうその時しかチャンスはねえ・・・」
「でもこれじゃあ・・・・」
「ああ、その通り・・・そんなことは起きねえんだよ・・あの調子じゃな・・・もう手遅れなんだよ・・・呼び出してしまったら・・・・」
--------------------
焦点の合わないとろんとした表情をしながら、うっとりとペニスに舌を絡ませる唯子を見て、満司は「支配」が完了したことを悟った。あとは全てをしゃぶりつくすだけだった。愛も含めてこの家族からすべてを奪いつくすだけだった。思わすにニヤケ笑いが止まらなかった。唯子の身も心も完全に真っ黒に染め上げていた。もうどんな色にも染めることが出来ない・・・完全な漆黒・・・。すべてを満司によって変えられ、マゾ豚に染め上げられた唯子を元に戻すことなど、もう誰にもできない事だった。
(暁年・・・お前のその甘ちゃんな「純愛」なんてものでもな・・・)
満司は親せきの中にいる秋月暁年が嫌いでならなかった。最初は暁年のような男が遠縁にいることを知っても、偽善を振りまく嫌な奴・・・位の感覚しか持っていなかった。その清々しい人柄や寛容な態度が鼻につき、虫唾が走る程になっていた。何とか耐えることが出来たのは標的にしていた良枝がいたからだ。しかし、良枝をマゾ豚に突き堕とす計画が、この人のよさそうな男の無意識の善意によってことごとく邪魔され、計画が狂い始めると堪忍袋の緒が切れそうになった。気が付くと自分の所有物にするはずだった女と結婚させられ、堕胎させるはずだった子供を育てる羽目になっていた。
(すべて償わせてやるぜ)
謙虚でお人好し、そのくせ能力はずば抜けていて、何事もそつなくあっさり片付けてしまう秀才・・・。迷惑この上ない無意識の善意・・・。虫唾が走る程の寛容・・・呪うべき正しき行い。その偽善の化けの皮を全て剥がしてやる・・・その寛容がどれほどのものか・・・苦しめながら試してやる・・・いつかはこの男が地面に這いつくばり、その善意により破滅し、自らの寛容を呪いながら惨めに敗れ去っていくのを、嘲笑を浴びせながら見下してやりたかった。だから、その男が自分好みの肉感的な女と結婚すると知り、嫉妬や羨望はやがて具体的な簒奪の対象として満司を行動に駆り立てていった。
(お前のすべてを奪い取ってやる。お前が最も嫌う、卑劣で、悪辣で、姑息な手段を用いて。お前の最も弱い部分を、最も残酷な方法で、最も悲惨な結果になるように責め立ててやる。お前を破滅させるために・・・)
目の前のメス豚を見ながら、その第1段階が完了したことを満司は真っ黒にそまり果てた魂で感じていた。
(このメス豚のムチムチとした肉體だけでなく、お前への愛情をすべて俺様の方に向けてやったぜ。この牝の・・お前に向けた愛情ごと俺のモノにしてやったぜ!)
所有物であるメス豚オナホールの中に満司はドロドロの精を放っていた。うっとりとしたメス豚の口から、悪臭を放つ精液がこぼれ始める。
(この女は手始めなんだよ・・・お前のすべて・・この高級そうな家も・・・お前の善良そうな息子も・・・その初恋の相手も・・・お前の家庭全部を奪い取り、ぶち壊してやるよ・・・暁年・・・お前の全てをな)
そして・・・邪悪な計画の第2段階に移す準備が整ったことを感じていた。この女をさらに変えて・・・しっかりと使い倒してやる。
(お前のその愛と善意を全て裏目に変えてやる、愛が憎しみに、善意が悪意に変わっていく様をまざまざと見せつけてやる。人間の醜さを、邪悪さを、思い知れ。すべての愛する者から裏切られ、愛を奪われていきながら破滅しろ!)
さっそく、この女を利用してやる。それがお前の最大の弱点だからな。この女はもう、俺が仕掛けた蟻地獄から這い出そうとすら思わないだろう。あとはもう少しだけ変えたやるだけだ。あとは簡単だった。徹底的に調教してやったから。抜け出せない蟻地獄に落ちたこの女は、地獄の底でジタバタともがき苦しみながら、砂の崖崩れを起こし、地獄の淵をのんきに歩いている夫と息子を地獄の罠に引きずり入れていくのだ・・・。それを積極的にやらせてやる。さあこれからだ・・・たっぷりと利用してやるぜ・・・。
濃厚なフェラチオが終わると、満司はまだ唯子を触り続けていた聖満を蹴飛ばすように突き離していた。
「それはタップリと後でやりな。今日からここがお前の家になるんだからな・・・」
そう言うと、呆けたようにボッとしている唯子をしり目に、唯子のハンドバックからスマホを取り出すと「藤原綾乃」の名前を探し始めた。思った通り、唯子は綾乃の電話番号もLineもメールアドレスも知っていた。
「さあ唯子・・・藤原綾乃に電話をするんだ。今ここに呼び出せ。」
----------------
「さあ唯子・・・藤原綾乃に電話をするんだ。今ここに呼び出せ。」
「はうっ・・はい・・・あっ綾乃・・ちゃんに・・・でぅ電話しひぃ・・まひゅ」
邪淫に意識が呑み込まれた私の中で「綾乃」という言葉が何度も木霊してゆく。既にクリキャップの針がもたらす悪魔の刺激が全ての思考を奪い去っていた。ところが・・・満司様が差し出すスマホを手にした途端・・・手を動かすことが出来なくなってしまう。
「安心しろよ・・・お前が電話したことは暁人には黙っててやるから・・・」
満司様がほくそ笑みながらそう唆(そそのか)す。
(そうすれば家庭は安泰・・・そうすれば暁人に嫌われない・・・)
焼き切れて・・・何も考えられなくなった私は・・・平然とスマホのボタンに手を掛ける。だが・・・私の指はピクリとも動かなかった。
「さあ、唯子・・・電話するんだ・・・お前が自分でボタンを押すんだ・・・お前自身の手で・・・暁人の藤原綾乃を今すぐにここに呼び出せ」
「綾乃」と聞くたびに・・・「綾乃」という言葉が心の中で木霊する。魂が叫び声をあげている。心と身体ではない何かが全身全霊で何かを叫んでいる・・・・。
「ら・・らめ・・・ひゃ・・・」
自分で何を言っているか分からない・・・手が動かせない・・・。満司様に全てを捧げたい。夫や子供より、満司様に尽くしたい・・・でも体が動かない・・・・。
「お前の事を・・・綾乃ちゃんに・・・もっとよく知ってもらうだけだ・・・「唯ママ」のことを綾乃にいろいろと知っておいて貰わないとな・・・大丈夫だよ・・・俺は手を出さないから・・・ほら・・・暁人の恋人・・・これから家族になるんだから・・・」
(竿姉妹っていう姉妹にさ・・・きへへへっ)
満司様が私の唇を奪う。臭くてドロドロの唾液が・・芳香のように口内に広がった途端、全ての力が抜け落ちていく。
スマホがゴトンと床に落ちる。
(綾乃ちゃん・・・家族・・・そう・・・私の事を知ってもらう・・・暁人や夫に見せてしまった私の暗部・・・我が子のように思ってきた少女にも・・・本当の私を見てもらう・・・)
満司様の指が先ほどよりも優しく私のクリキャップをつまみ上げる。軽く摘まみ上げられただけだというのに、再び強烈な快感が私の中に流れ始める。だが、もう意識を飛ばすことはなかった。先ほどから魂があげている叫び声に、私の中の何かが反応し抵抗している。ゾクゾクとする背徳の感情とその何かが私の中で拮抗している。
(私のすべてを見てもらう・・・私の淫らでいやらしい部分を・・・私のマゾの部分を・・・私の暗黒の部分を・・・私の悪を・・・)
それがいったい何を意味するのか・・・。綾乃ちゃんがどう思うのか・・・。クリキャップの刺激で何もわからない。結局奴隷の私は・・・すべてを捧げた私は・・・このゾクゾクとする邪悪な快感に身を委ね、満司様のご命令に従っていればいい。粉々に砕け散った心で私はすがるように満司様のご命令を待った。
「そうだ・・・お前の中の夫と息子はもう俺様のモノだ。さっき捧げるといったな。だったら俺の言うとおりにしろ。お前の夫を蔑(さげす)め・・・人間の暗黒面を知らなすぎる夫を。お前の息子を呪え・・・お前の邪淫を拒絶する無神経な息子を。心から憎悪しろ・・・清く正しい奴らを!」
満司様が私の耳元でささやく・・・。その通りだった。私はこの一月・・・ずっと苦しんできた。清すぎる夫と正しすぎる息子の中で浮いていた。
「気が付いているだろ?お前の夫が、お前の息子が、お前を蔑んでいることを・・・。お前を憐れみ、軽蔑し、愛を押し売りをしていることを。」
そうだ・・・二人との生活は苦しみでしかなかった。二人の正しさが憎かった。自分の肉体の疼きを常に隠し続けなければならなかった。
「二人は今のお前なんか見ていないんだよ。かつてのお前しか見えないんだよ。二人にとって今のお前は汚物なんだよ・・・醜く穢れた存在なんだよ・・・」
私は穢れて・・・疎んじられて・・・蔑まれて・・・醜く汚い。
「お前の夫と息子を呪え、憎悪しろ・・・・」
暁年さんと暁人は・・・もっとも愛していた。二人とも最も大事な人だった。
(暁年さんのあの話し方は緊急事態に違いない・・・それもひどく切迫している。早く行ってあげなければいけない・・・)
私の心の良心が、魂が・・・先ほどからそう叫び続けている。うるさいほど叫び声をあげ騒いでいる。早く行け、早く夫の窮状を救えと・・・。しかし・・・・
(暁年さんが奴隷契約書を勝手に破り捨てた・・・何の相談もなく・・・)
私の心の中に渦巻いていた二つの感情が・・・心配と嫌悪が・・・次第にぼやけ始める。大事な夫・・・いつも優しく、清く、正しい暁年さん・・・の危機・・・。奴隷契約書を破り捨てる・・・夫としては当然の行為・・・。でも私なんか行かなくても何とかしてしまう・・・。しかし・・・次第に薄れていく・・・心配の方が・・・クリキャップから送られる快感が・・・私の中の嫌悪を増幅していく。家族愛を感じた時に発動する快感と、家族への憎悪が否応なくリンクして始めていく。
「さあ、お前の夫と息子を俺様に捧げろ。そして愛する二人を・・・心から愛する二人を憎め。憎悪しろ・・・そして二人が愛するものを・・・お前と綾乃を・・俺様に捧げろ・・・お前と綾乃を失った夫と息子の絶望を・・・絶対的な絶望をお前の快感に変えろ・・・愛する者の絶対的絶望でマゾ逝きしろ!」
一番身近にいるはずの夫と息子が・・・その二人の持つ優しさが・・・どれほど妻(母)を苦しめているか、この二人は全く気が付いていない。憎たらしいほど無頓着で、無防備で、無神経だった。悪の誘惑に堕ちてしまった者の、暗黒の深い闇を知らなさすぎた。夫と息子の優しさは・・・私を包み込む二人の大きな愛は・・・私を包囲し、苦しめるだけでしかなかった。
二人の愛が強ければ強いほど、暗示を掛けられた唯子にとっては強烈な痛みを伴う苦痛をもたらすようになっていた。二人の愛は激しい憎悪しかもたらさなくなっていた。こうして、暁年と暁人はいつの間にか憎しみの対象に変化し始めていた。暗示によって満司が植え付けた小さな邪悪の種は、唯子の中で成長し、醜く膨れ上がり、心と身体の隅々にまでその菌糸を伸ばしていった。唯子の家族への強い愛情を蝕み、激しい憎悪へとすり替えていった。すべては唯子自身も気が付かない無意識のうちに、着実に進行していた・・・。そして、愛する二人を絶望に突き落とすゾクゾクとするような背徳の快感に逆らえなくなっていた。
唯子は取り落としたスマホを掴むと、自らの意志で藤原綾乃の電話番号をプッシュしていた。その目は狂気を歪み、目には涙を浮かべていたが、その口元には邪悪な笑みが浮かびあがり、口角が奇妙な形に歪められていた。
----------------
満司は唯子の再構築がうまくいき始めたことを確信した。マゾの種を植え付け、セックス狂いにして、牝マゾ豚に突き落とし、開花させる。こうして唯子を一年前にマゾ豚にしてやっていた。だが、それでは元に戻ってしまう可能がある。愛を取り戻してしまうことがある。良枝がおせっかいな暁年に元に戻されそうになった記憶がよみがえる。もうあの時のようなへまはしない。一年をかけて、唯子にセックス依存とマゾ性癖を定着させ、身も心もすべて奴隷に変えてやっていた。この女の愛を俺に向けさせ、この女の愛ごと全て捻じ曲げていた。ねじ曲がった心はもう元には戻らない。一度、SMの味を、変態の味を占めた者はもう元には戻れない。一度果てのない牝の燃焼を覚えたら・・・この女はもう夫と子供の元には戻れないのだ。自信があった。もう12匹の牝豚をそうしてきた。誰も元に戻る女などいなかった。唯子は1か月前には支配が完了していた。13匹目の牝豚が完成していた。さすがの暁年も、1か月間何もできずに手をこまねいているのが手に取るようにわかった。この女は、家族と暮らそうが、どんなに家族愛を取り戻そうが、俺からは離れられない。そのうちお前の子宮のすぐ上に・・・俺様の印と、13の数字を刻んでやる・・・。
あとは俺好みの女に変えていくだけだった。極限まで追い詰め、全ての神経をすり減らせ、焼き切らせて自我を徹底的に崩壊させ、粉々に打ち砕いていく。その砕け散った自我を自分の都合のいいように再構築し、捻じ曲げ歪(いびつ)な形に変えていく。それが調教師の醍醐味だった。自然にはあり得ない、人工的で、不自然で、ねじ曲がり、歪(いびつ)で、醜すぎる暗黒の美・・・それこそが究極の美なのだ。それにはこの家族に居続けさせ、すり減らさせるが最も効果的だった。正しく、清々しく、美しすぎる愛を振りかざす夫と息子は、満司のもたらす邪淫に対して無頓着で、無防備で、無神経だった。悪の誘惑に堕ちてしまった者の、暗黒の深い闇を知った者の苦悩など到底理解できない。理解できるのは俺だけだ。夫と息子の優しさは、唯子の檻となって包囲し、苦しめ、自我を崩壊させていく。夫と息子の愛が強ければ強いほど、唯子はその檻に押しつぶされ、すり減らされ、焼き切れていく。あとはそれを都合のいいように捻じ曲げて再構築するだけだった。悪魔の手先として・・・。
(手の付けられない阿婆擦(あばず)れに変えてやる。肉體を改造し、刺青を施し、誰とでもセックスしまくる阿婆擦れに・・・。暗黒の心を持って、魂の叫びを無視し涙を流しながら俺に従う悪魔の手先に変えてやる。その様を正義の親子に見せつけてやる・・・)
その時の暁年の、暁人の、顔が目に浮かぶ。絶対的絶望の中で「究極の支配を受け、完璧に俺好みの女に変えられた」悪の手先の唯子に殺させてやる・・・。悪に敗れ去る親子の姿がくっきりと見えていた。あともう少し・・・。
清楚で、貞操観念がしっかりしていて、貞淑な女ほど簡単だった。唯子はまさにそんな女だった。もっともチョロい女・・それが唯子だった。
満司は何の抵抗も見せずに、むしろ積極的に綾乃に電話をかけ出した唯子を見て、邪悪な笑いを抑えることが出来なかった。
「綾乃ちゃん・・お久しぶり・・唯子です・・・突然の電話だけど・・いいかな・・・うん・・・実は・・お話ししたいことがあるの・・・暁人の事で・・そう・・暁人には内緒で・・・二人だけで会えないかな・・・今すぐ・・・うん・・・じゃあ30分後に・・・秋月家に来てね・・・」
満司が耳元でささやくセリフを、唯子は今にも泣きだしそうな悲壮な表情を浮かべながら繰り返していた。絶対的な絶望に苦悶しながら。だが満司は気が付いていた。その股間はもじもじと何度も閉じ合わされ、擦り上げられ、背徳の快感に打ち震えている。そして・・・その虚ろな目は暗黒の闇に向けられ、自らの大事なものをすべて俺様に捧げてしまう被虐に囚われている。絶対的な絶望の中で牝豚の快感に逆らえず、苦悩が快感に変わってしまった女・・・。奇妙な形に口角が上がり、口の端が歪められている。この女笑ってやがる・・・。自らを不幸に追い込み、やがて周りの人々を巻き込んですべてを不幸にしてしまう魔女・・・唯子・・・お前はそんな女にもうなってしまったんだよ。俺様によって、悪の手先に変えられたんだよ・・・。
「こんなところでよいでしょうか?・・・満司様」
苦悩と快感と暗黒を湛(たた)えたその目が全てを語っていた。その目が俺に向けられる。自分のしでかしたことに不安を抱き、俺様に頼らざるを得ない怯えた目。綾乃がどうなってしまうか、この女は分かっている。
(そうだ・・お前は俺の共犯者になったんだよ・・唯子)
お前は今、単なる牝豚から、俺様と同じ「悪の側」になっちまったんだよ。もう被害者じゃない、共犯者なんだよ・・・暁年と暁人の敵になってしまったんだよ。俺に頼るしかもうお前に残された道はない。悪の手先になってな・・・けひひひっ・・・。そして、二人を殺すまで、敵となった夫と息子を殺すまで、お前は安心することが出来なくっちまったんだよ。
「よくやったぜ。唯子・・・それでこそ俺の女だ」
邪悪な感情をふつふつとたぎらせながら、目の前の牝豚の股間を思い切り捻り上げてやっていた。
「はぁあっあぁぁんん♡」
(暁年、暁人・・これは手始めだからな・・・お前の周りはみんなこうしてやる)
うっとりと満司を見つめる唯子の顔には、満司に全幅の信頼を寄せている牝の表情しか浮かんでいなかった。魂の叫び声を無視しながら・・・夫と息子を裏切る背徳感に全てを支配されながら・・・ゾクゾクとした快感にすべて支配されているマゾ豚の顔・・・もう元には戻れない・・・悪に転げ落ちたマゾ豚の顔・・・綾乃の顔がそれに重なっていく。
満司は思わずほくそ笑んでいた。この女は今この瞬間、魂を俺様に捧げたのだ。サタン様に魂を捧げてしまったのだ・・・・。
〇感想や何らかのご評価を頂くと嬉しいです。よろしくお願いします。
〇本小説の登場人物のうち「山本洋子」に関しては以下のサイトで書かれている小説の登場人物になります。ご興味があればご一読ください。
https://novel18.syosetu.com/n0812ge/