「勇者よ、今よいか?」
お社の一室。ミコト姫が貸し与えた客間でくつろいでいたあなたは、襖越しにそんな声を聞いた。
声色と口調から、訪ねてきたのはランガだという事が分かる。今は夕食を済まして夜が更ける頃合い。昼間言っていたように、ランガは何かしら、夜にしかできない話があるようだ。
あなたは襖を開き、ランガを迎え入れる。彼女には普段の明朗快活とした様子が無く、どことなく緊張した面持ちで部屋に入ってきた。
そうして畳に座り、互いに向かい合う。
「……あー」
ランガはあなたから少し目を背けつつ、頬をかいた。
話したいことがあると言ったのはランガの方なのに、どうにも言いにくそうな様子だ。
しかたなく、あなたからどうしたのかと問いかけ、ランガへ水を向ける。
「うむ……この前のファリシアとの戦いで、儂もこのままでは奴に逆立ちしても勝てぬという事が分かった。もちろんお主が勝つことを信じてファリシアに通じる剣を作ってはいるのだが、その剣の威力を最大限にするにもこのままではいけぬようじゃ」
なんだかはっきりしない物言いに、あなたは首を傾げる。つまりどういうことだ。
「つまりじゃな……わ、儂もお主のしもべにならねばいけぬという事じゃ! そうしなければ、今作っている剣が真の意味で完成せぬのじゃ」
確かに、ランガがしもべになってくれるというのは、今の同盟関係よりも心強く感じる。
しかし、ランガがしもべになって剣が完成するというのは妙に思える。今作ってるあなたの剣には、どうもただの剣とは違う一工夫が加えられているようだ。
その事を詳しく問いただしても良かったのだが、それは後々でも分かることだ。今はそれ以上に、ランガがしもべになってくれる気になったのが大切である。
ランガがしもべになれば、魔物娘が一目置く強者三人が晴れて仲間になった事になるのだ。
グリュイエールとアルメリアも、ランガがあなたのしもべになったとあらば、ことさら対立を深めようとはしないだろう。
あなたからすれば、文句のつけようがない申し出だ。しかし、どうもランガは違うようだった。
自分から言ったくせに、ランガはぎゅっと唇を引き締め、膝がしらに置いてある両拳を強く握っていた。顔は朱に染まっているし、どうにも嫌がっている風に見える。
嫌ならなぜそんな申し出を……あなたがそう言いかけた時、ランガは俯きながらか細く言った。
「違う……嫌という訳ではなくじゃな……こういうのを自分でするとなると……は、恥ずかしいのじゃ……」
俯くランガの肩は震えている。髪からわずかに見える耳までも真っ赤になっていた。
意外な反応に、あなたはうろたえてしまう。まさかあのランガが、意外にもウブだったとは。
ランガは顔を上げた。これから行われる行為を想像しているのか、顔は羞恥で真っ赤に染まっている。しかし、先ほどとは違い、視線に鋭さがあった。
「い、言っておくがなっ、儂を侮るなよっ! こういう行為をするのは確かに恥ずかしくて顔から火が出そうじゃが、知識ならしっかりとあるっ!」
いったいそれは何のアピールなのか。ただの耳年増というやつではないか。
そう言いたい気持ちをぐっと抑えていると、ランガは膝でにじり寄ってきた。
「それとなっ、儂とて武を志す者、このまま簡単にしもべになるというのは性に合わんっ! ここは一つ、儂がしもべになるかどうか、正々堂々勝負じゃっ! よいかっ!」
よいか、などと言われても……まさかこんな夜からランガと真剣勝負をしろというのか。
ランガと全力で戦えば、明らかに周囲に被害が出る。人気の無い所で戦ったとしても、その激闘はホムラの国の人々にも伝わるだろう。
ようやくお社を修繕し、ホムラの国の人々も落ち着いてきたというのに、ここであなたとランガが戦えば無用の不安を産む懸念があった。
「いや、何も改めて真剣勝負を望んでいるのではない。そもそもお主はすでに儂に追随する技量を持っている。お主の実力を誰よりも認めているのがこの儂じゃ。それでいて改めて剣を持って戦う必要などないぞ」
なら、勝負とはどういうことか。
「……お主が魔物娘をしもべにするためには、セックスで屈服させる必要があるのじゃろう? じゃからそれで勝負じゃっ! お主が儂を屈服させるか、儂が逆にお主を満足させるか! つまりセックス勝負じゃっ!」
……。
さっきまで顔を赤くしていた者が提案する勝負だろうか? あなたは訝しんだ。
そんなあなたの思いが顔色に表れていたのか、ランガは歯を食いしばってあなたを睨みつける。
「あ、侮るなと言ったじゃろう! わ、儂とてな、いざセックスとなったら……こう、色々、色々とできるはずじゃっ! これまで身に着けた技術がきっと儂に味方してくれるのじゃー!」
どういう理屈なのか全く分からないが、ランガの言いたいことはよく分かった。
つまり、ランガをしもべにするため、彼女をセックスで屈服させればいいのだ。
ならばいつもと変わりない。あなたは早速衣服を脱ぎ、裸となった。
「ぬなっ!? い、いきなり服を脱ぐ奴があるかっ!」
あわあわと口元をわななかせながらも、ランガはしっかりあなたの股間を見ていた。
すでにあなたの物はやる気を出し、雄々しく隆起している。ランガは怯えるような目をしながらも、そこから視線を離そうとはしない。
そんなウブな反応を見せるランガをあなたは早速押し倒そうとして……少し考える。
これはランガ提案のセックス勝負である。もしここであなたがリードし続けたまま犯したら、それでは勝負と呼べるものではないだろう。
いつもなら魔物娘と対決して倒した後にセックスで屈服させるので、抵抗を受けることはまずなかった。
しかし今回は、このセックスこそが勝負なのだ。つまり、あえてランガに責めさせるという事もできるのである。
ランガがこういった行為を苦手とするウブな反応を見せるのなら、あえてランガに責めさせて彼女の反応を楽しむというのも悪くない。
そう考えたあなたは、このセックス勝負という状況を最大限に利用する事に決めた。
まずは、こうして先に服を脱いだ事実を利用するとしよう。
あなたは、股間にランガの視線を感じながら、次はそちらの番だとうながした。
するとランガはようやく股間から視線を離し、小首を傾げてあなたの顔を見つめた。
「つ、次……? どういうことじゃ?」
どうも何も、セックス勝負をするためには服を脱ぐ必要がある。こちらが先に脱いだのだから、次はそちらが脱ぐ番だ。
そうランガに伝えると、ランガは驚いたように両腕を抱いた。
「ぬ、脱ぐ……そ、そうか、確かにそうじゃな。じゃが……お、お主の前で、裸になれと?」
顔を赤くして困ったように言うランガだが、先にあなたが脱いでいる手前、拒否する事もできない。
やがてランガは、真っ赤な顔を俯き加減にして、着物を留める帯をしゅるりと解いた。
「く、ぅっ、そ、そんなに見るでない……」
解いた帯を畳に落とし、着物をゆっくりと脱いでいく。
脱いだ着物をはらりと落とした時には、彼女のあられもない姿があなたに晒されていた。
細い肩にくびれた腰。足はすらりと伸びていて、その体は幼い見た目相応だった。
しかし、しっかりと鍛えられているせいか薄ら腹筋が割れ、手足は程よく筋肉質でしなやかさと力強さを感じる。
それ以上にあなたの視線を奪ったのは、彼女の胸部、薄い胸元だった。
慎ましくも確かに膨らみがあるランガの胸は、桜色の突端が色鮮やかに咲いている。小さいながらも、思わずしゃぶりつきたくなるみずみずしい果実だ。
そして股間部分は、いまだ下着で覆われていた。どうやらランガはふんどし派らしく、清潔感ある白く長い布地をしっかりと締めていた。そのせいで、股間のスリットがあわや見えてしまいそうなほど食い込んでいる。
ランガはあなたの視線を受けとめながら、ふんどしを解きはじめる。
「全部脱げばいいんじゃろ……」
恥ずかしそうに顔を背けながら、締めたふんどしを外していくランガ。
ねじった部分を解き、ふんどしを掴む手を離すと、一気に彼女の股間は解放された。
そうしてランガの肌は全て晒される。隠されていた股間もあなたの視界にしっかりとうつっていた。
細いすじは、いやらしさよりも美しさすら感じてしまう。そう感じながらも、あなたの股間は更にいきり立っていた。
「さ、さあ、裸になったぞ。勝負はここからじゃっ」
ランガが言うように、セックス勝負はここからだ。
勝負形式なので、まずは順番立てて愛撫から行うのが良いだろう。それにあくまで勝負なのだから、互いに互いを責められる格好が相応しい。
そうなると、愛撫行為の選択肢も自然と狭まる。
あなたは思いついた行為をランガに告げ、それに相応しい体位を取ることにした。