あなたは頭を働かせ、二人が奉仕しながら自然と互いに性感を与えあい、最終的にキスすらできる体勢を考えた。
そして一つの状況を思いつき、二人に奉仕させるべく指示をする。
「……これで良いのか?」
指示通りの体勢を取った二人は、怪訝な顔をしてあなたを見下ろしていた。
今あなたは布団の上で大の字に仰向けとなり、そのそそり立つ肉棒は二人の恥丘に挟まれていた。グリュイエールとアルメリアは、あなたに指示されるがまま左右から肉棒へ恥丘を押し付け、その必然として二人の肌は擦れあうほど近づいている。
「ち、近いぞ、少し離れろ……!」
「それは私のセリフよ……! もう少し離れなさい、グリュイエール」
あなたはグリュイエールとアルメリアに、奉仕内容を提示していた。それは手や口など使わず、挿入行為も無しで、股間を擦り合わせて気持ちよくしろという命令である。つまり、二人はいわゆる素股のような行為であなたを気持ちよくするしかない。
そして二人ともが奉仕対決として行為を譲らない以上、自然と互いの恥丘であなたの肉棒を包む体制を取らざるを得なかった。
だがそうすると、二人の体は限りなく密着する。アルメリアとグリュイエールでは、グリュイエールの方が小柄ではあるが、互いに膝立ちのため身長差はそこまで現れていない。
グリュイエールとアルメリアの肌が、ぴたりと密着している。腹部やその胸の膨らみまでを互いに押し付け合っているのだ。恥丘で肉棒を擦ろうとすると、必然お互いの体を擦り合わせてしまう。
「ぐっ、うっ……む、胸が擦れて……!」
「グリュイエール……! ここは私に譲りなさい……!」
お互いに一歩も引かず、腰を動かしてペニスに恥丘を擦りつけ合う二人。二人のツルツルな恥丘による刺激も気持ちいいが、それよりも視覚に訴えるものがあなたの心を掴んで離さない。
二人の胸は互いに強く押し付けられ、その弾力を主張するようにぐにぐにと変形している。そして互いに互いを邪魔と思っている様で二人とも睨むように瞳を合わせながら、しかし行為によってその頬は赤らみ、妙な色気を放っていた。
「お、おい……! んっ……! そ、そんなに胸を当てるな……! 妾の胸に、擦れる……!」
「あら、グリュイエール、そう言いながらも乳首が擦れあう刺激で気持ちよくなってるんじゃなくて? まるで小娘のような可愛らしい顔をしているわよ?」
「な、なんだとぉ……!? な、舐めるなよ、貴様……!」
「くっ、あんっ! あっ……!?」
「くくっ、どうした? 乳首が擦れて気持ちよくなってるのは貴様の方ではないか? 今の露わな声、妾の耳にしかと届いたぞ」
「グリュイエール、あなたわざと……! くっ、な、なら私も容赦しないわっ」
ヒートアップする二人は、お互いわざと胸を擦りつけ合い、その乳頭を触れあわせていた。そうやって相手に性感を与え辱めようと考えているのだろうが、もはや二人とも息が荒くなり、己の行動のドツボにハマっているのが分かる。
あなたの思った通り、こうすれば対立し合う二人は自然と互いに性感を与え始めるのだ。それは決して相手を気持ちよくさせる為ではなく、快楽を感じてしまった相手を嘲笑うためなのだが、結果的には同じである。結局のところ二人とも、互いに快感を高め合っているのだ。
対立するように二人とも胸を張り、互いの乳房をぐにぐにと擦り合わせ、相手が感じているのを実感すると、どうだとばかりに会心の笑みを浮かべあう。実際は違うが、はたから見ればお互いに快楽を貪り合っているかのようだ。
事実、二人は自然と互いが与え合う快楽の虜になりつつあった。そもそも、普段の二人ならこうして互いの肌を擦れあわせるなど言語道断である。そんなことをどちらかがやれば、きっともう一方は怒りの頂点を極め、目を覆いたくなる惨劇が繰り広げられることだろう。
しかしあなたによって引き起こされたこの妙な状況が、二人から自然と敵愾心を取り除きつつあった。胸を擦りつけあう二人はいつの間にやら瞳が潤み、表情はまだ睨むようではあったものの、どこか耽美な雰囲気を織り交ぜつつ互いの顔を見やっている。
グリュイエールはアルメリアを見上げ、アルメリアはグリュイエールを見おろし、二人の荒い息が互いの間で交わっていた。互いの唇がもう少しで触れ合いそうなほど顔が近い。
もう少しだ。すでに二人はキスをする間合いである。あと少しで仲良しレズキス大作戦は成功を迎えるのだ。
しかし……ここであなたは気づく。ここからどうやって二人にキスさせればいいのだろう。
確かに今は妙な雰囲気である。グリュイエールとアルメリアの顔はもう目と鼻の先と言えるほど近く、唇はわずかな切欠で触れ合いそうだ。
二人の顔も赤く、発情した表情で見つめ合っている。だが、この二人がこのままキスをするはずがない。その一線を簡単に越えられるのであれば、今日までライバル関係でいられるはずがないのだ。
かといってあなたから、そのままキスをしたら、などと言うのは論外である。そんなことを言えば雰囲気は台無しだし、妙な雰囲気に飲まれつつある二人の意識も正気に戻る。
……詰みだ。あなたは頭を抱えたくなった。もうここからあなたに出来ることは何もない。そのうち二人はこの艶めかしい空気感の酔いから覚める事だろう。
しかしその時、不思議なことが起きた。擦りつけられる二人の恥丘による快感で、あなたの肉棒が一度びくんと震えたのである。
するとその動きで肉棒の幹が二人のクリトリスを弾き、今や我を忘れて見つめ合っていた二人は、突然の陰核による刺激で背筋を震わせた。
「んっ!?」
「あっ!?」
結果、自然と二人は前のめりになり、その唇をしっかりと触れあわせてしまったのだ。
「き、貴様っ……! な、何を……!」
「……! そ、それは私のセリフよ……!」
二人は驚いてぱっと顔を離し、己の指で唇をなぞった。
ああ、失敗だ。これでまた二人は言い合いを続け、結果仲良くなることはないだろう。
そう諦観の念を抱いたあなただが、しかし二人はそのまま押し黙って見つめ合い……ゆっくり、ゆっくり、戸惑うように視線を揺らしながら、お互いの顔が近づいていく。
そして二人は、今度は自分の意思で……唇を触れあわせた。
「んっ……」
「ふっ、んっ……」
長いキスだった。おそらく時間にすればほんの数秒だが、眺めるあなたにとって、そして実際にキスをする二人にとって、永遠にも等しい体感時間だった。
ゆっくりと二人の唇が離れ、つぅ、と銀色の糸が唇を結ぶ。
二人とも自分の行動が信じられないのか、戸惑ったようにお互いを見つめていた。
そして二人は戸惑いを見せたまま再度唇を近づけ、今度は舌を絡めるほどの深いキスを繰り広げだした。
「んっ、ちゅっ、ぢゅる、ぢゅぷ、れるれる……♡」
「ちゅる、ぢゅぷ、ちゅ……ちゅれる、ぢゅるる……♡」
……なんだかとんでもない百合空間だ。
あなたの思惑通りなのだが、実際この二人が目の前で舌を絡めるほどのキスを始めると、信じられないものを見たとばかりに固まってしまう。
「ぢゅっ、ぢゅる……んっ、んんっ……♡」
「んくっ、んっ、ちゅっ、ぢゅるる……♡」
二人は舌を絡めながら抱き合うように密着し、胸を腹部を擦り合わせる。おかげであなたの肉棒も密着する恥丘で強く刺激されていた。
しかし二人はあなたの奉仕はもう頭にないようだ。蛇同士が絡まるように体をくねらせ、興奮を高め、よりキスの勢いを増していく。そのついでとして恥丘に挟まれるあなたの肉棒も気持ちよくなっていた。
「んっ! んんっぅぅうぅっ♡」
「んっ、ふぅっ……! ふぅぅぅっ……♡」
やがて二人の体がびくんびくんと絶頂にわなないた。アクメにより二人の体がぎゅっと硬直したからだろうか、肉棒を挟む二人の恥丘がきつく押し当てられ、あなたもまた絶頂へと導かれる。
「は、あぁぁ……」
「ん……はぁ……」
絶頂の余韻を引きずりながら唇を離すグリュイエールとアルメリア。ぴたりとくっつく二人の腹部から胸へかけて、あなたの精液が迸っていた。
あなたの精を浴びながら、唇を離した二人は忌々しげに顔を背ける。
「な、何をしていたのだ妾たちは……」
「ま、まったくね……悪い夢としか思えないわ」
どうやら絶頂を迎えて二人は我に返ったらしい。今しがたのことが信じられないとばかりに唇をぬぐっていた。
二人は一瞬互いに睨みあい、しかしすぐにあなたを睨み下ろす。
「おい勇者よ、今のはランガには言うなよ」
「言ったら……あなたの物に緋色ノ花をくらわすわ」
冷然とした二人の瞳はシャレにならない。本気だ。ランガに言ったら股間に緋色ノ花が咲いてしまう。
あなたは間髪入れず何度もこくこくと頷く。すると納得してくれたのか、二人は離れて布団に横たわった。
「妾は寝る。良い夢を見て先ほどの悪夢を流すから起こすなよ」
「私も寝るわ。勇者、あなたに腕枕をする権利を与えてあげる」
「……妾もその権利をやろう」
あなたの左右に寝転がった二人は、強引にあなたの腕を取り、枕代わりにして寝はじめた。
……結局、あなたの作戦はうまくいったのだろうか。一応最後の方は二人とも意見の一致を見せていた。あなたへの脅しではあったけども。
それにあなたを挟んでこうして二人とも寝息を立てているところを見ると……少しは仲が良くなったのではないだろうか。
そういうことにしておいて、あなたも寝ることにした。
……しかし、こうして両腕を枕代わりにされていると辛いものがある。
結局あなたは翌朝、両腕の痛みと共に目を覚ますことになったのであった。
仲良しレズキス大作戦は、これにて終焉である。成功したかどうかは、彼女たちの胸の内に秘められ続けることだろう。