声を殺し、ただ二人の行為を見ていた。
栗の花の臭いにつられ、自身もまた性欲が高ぶりその捌け口を求めてさまよっていた。そして、今自分は浴室の脱衣所で、彼らのまぐわいから目を離せないでいる。
「……あぁ」
短パンとショーツをずりおろし、膨張しきった肉竿が下腹を叩く。小柄な自分には不相応な代物、両手で握ってなお余るその肉竿に手をそえる。
「ん、こんなの……きもち、わるい」
ある朝に、自分自身の股に生えていた在るはずの無い器官、自分以外にも多くの知り合いが同じ症状に見合っていた。汚らわしい、醜い、そんな思いで胸がつぶされる。なのに、そう吐き捨てたいのに
「……いぃ……ぁ」
肉竿に走る快楽、しごけばしごくほどに快楽は増して、それが素晴らしいものだと理解される。現に、命や春姫、それにヘスティアもその快楽に夢中だ。
「だめ、なのに……こんなの、異常ですッ」
拒みたい、しかし目を背ければ背くほどにその欲求は強く、色濃い影となって消えてくれない。
……ぐちゅ、ずちゅぱんっ、ずぱんっ、ずぱんっ
「で、でりゅう、ベル殿ぉ…………殿方の、けつまんこぉ」
「……ッ」
そんな風に精神がやられている中、よりにもよってこの光景である。自分の意中の相手が容赦なく汚されている。命のふたなりにアナルを突かれ、そのフタナリのモノより情けないサイズの肉竿が歓喜で涙している。後ろの穴をつかれるたびに、押し出されるように白濁を飛ばす。よだれを垂らし、眼も快楽でぼやけている。
「……べる、さま」
止める、助ける、そんな選択肢はすでにない。ただバレないように眺めて、二人の痴態をおかずに自分もまた快楽に堕ちている。
「……ちんぽ、したい……リリも、ベル様を」
両手で握り、先走りで濡れ濡れになった肉竿をしごく。皮も向け切った、健康的な巨根。陰嚢は膨らみ張りがあって、雌の色香を十分に放っている。
「さきっぽ……しこしこぉ……胸も、敏感に」
快感が昇る。亀頭の先を細かくしごき、空いた手は自身の乳房をわし掴む。だが、それでは足りない。もっと、もっと気持ちのいい方法はすぐ目の前に
「リリは、悪い子です……こんなの、だめなのに、だめ……」
…びゅるう、どびゅびゅるるるるぅぅうぅぅううう!!!
陰嚢で熱せられた雌精液、尿道をこじ開けるようにどろどろと濃い白濁がこぼれ出る。脱衣所の床に白濁の模様が描かれる。部屋やトイレで吐き出すよりもずっと多く、そして濃い。発情した雌の淫臭をはなつどろどろのふたなりミルク。その吐き出す先は床であっていいはずがない。
肉竿は出し切ってなお一向に萎える気配はない。
「……足りない、いや」
× × ×
「まんこぉ……でる、でましゅぅうう」
…ごぶ、びゅるるるぅううぅぅ
四回目、命さんがまた達した。下腹部の内側をふたなりの熱が満たしていく。苦しくて、辛くて、けれどもそれが満たされている証。背中にのしかかる乳房の感触、どうやら疲れてそのまま消沈しているようだ。
「……命、さん」
「はひ、ふぁ……あぁ」
仕方ないと、はい出るように命さんの体から離れる。ふたなりの肉竿がずるりと抜けて、亀頭が入り口の締め付けをひっかいた時に思わず快感が走った。もうすっかり、じぶんの体はふたなりの都合に合わせて変えられてしまっているようだ。
「とりあえず、体、洗わないと」
くたびれた体に鞭を打って、僕は行動を始めた。浴室に満ちる精液を洗い流し。裸の命さんもその体を洗って綺麗にする。行為の際にはあれほど精力的だったのに、いまとなってはただの柔らかくて軽い女の子だ。
ふたなりの精力、それは人を変えるほどの衝動なのだろうか。実際、ティオネさんはまだしもアイズさんですら僕を夢中で……うぅ
行為を思い出す。自分もまた、彼女らとの行為に帰られているようだった。あれだけメスイキで吐き出したのに、肉竿は十分に勃起している。まるで彼女たちから得た栄養で元気になっているように
「部屋で、しよう」
さすがに、このままオナニーする気にはなれない。全部終わらして、一度部屋で休みたい気分だ。
「……命さん、行きますよ」
返事の乏しい命さんの肩を担いで、僕は出口を目指す。けど、その時、何か変な音が急に聞こえた。
「?」
誰かがいる、そう思うと取手に置く手に躊躇が走る。しかし、気配が無いことに考えを改め、僕は戸を開けた。すると、そこには
「……これ」
鼻に刺さる濃い匂い、嗅ぎ慣れてしまったふたなりの芳香、床に散らばる白濁のマーキングは確かにここに誰かがいたことを示す。
命さんのように、我慢できないふたなりの精を発散しに来て、そして、僕らの行為をおかずに、おそらく
〇
「では、お預かりします」
「お願いします、春姫さん」
「うぅ……すみませぬ……命は、最低に」
自力で立っていられないほどに疲れ切って、悲壮なうわ言をずっと繰り返している。事情は説明していないが、春姫さんは何も聞かずそっと察してくれた。バスローブを纏った命さんを託して春姫さんは一礼して去っていく。
「……ベル様」
「!」
背後からの声、振り向くとそこにはリリがいた。まるで、一人になるタイミングをうかがっているように。
「なに、かな?」
「……その」
言いだしづらそうに、背の低さがある分うつむく顔はあまり見えない。言葉を待つ、けど、僕にはもう一つの事実がその言いだそうとする会話の一端よりも気がかりで仕方ない。
花に着く栗の鼻の香、ふたなり特有の甘ったるく刺激的な淫臭、それはさっき浴室で香ったものと同じ色を連想させる。
……リリが、さっきの
これまで、このホームの女性にフタナリがあることは感じていた。けど、リリからは特にその気配が薄かった。だから、一番その可能性は薄いと感じていた。
もしかして、リリはそういう人じゃないのではと、そんなことまで考えてしまった。
「……お時間、良いですか」
「……」
それ以上に情報はなく、僕はただ言われるままにリリの部屋に誘われる。聞き出す必要が無い、そっちの方が正しいかもしれない。
もし、僕が思った通り、リリが……ずっと我慢していて、求めているなら。
× × ×
「!!」
「ベル様……ごめんなさい、ごめんなさいッ」
部屋に入ってすぐ、リリは僕をベッドに押し倒した。後ろから覆いかぶさるように、強引に下の衣類をはぎ取りにかかる。命さんとしたばかりで、まだふたなりのミルクが残る後ろの穴に、リリは貪るように舌を這わす。
「ひぐ、ぁぁ」
「くちゅじゅる……れる、じゅるぅ、あむぐりゅぬりゅ」
舌を伸ばし、指を突き入れ、唾液で濡らした穴をかき回す。十分にほぐされた穴に、ぬるりと大きな感触が侵入してくる。
「……ごめん、なさい……リリは、リリは」
…………ずりゅりゅ、ぐぶりゅ、ずぼんッッ!!!
リリの肉竿が下腹部を叩く。おそるおそるといったペースで挿入した矢先に、締めつけの快楽にタガが外れたのかそのままハードなピストンに移行する。
腰を掴み、容赦なく、ただがむしゃらに自分の尻を犯す。乱暴なレイプなのに、快楽だけは素直になってしまう。奥のスイッチを何度もたたかれるたびに穴が締まる、締めつけに肉竿は震え、またピストンはより激しくなる。
「ごめ、……なさい……ベル様、べるさまッ」
「……ッ」
…ずちゅ、どちゅっ、ぐちゅがちゅ、ずちゅぐちゅるっ……!!
「あぁ……ああぁあ……いぐぅ」
「……リリ」
ピストンは激しく、腰を握る手もだんだんと爪を立てるほどに強く。初めてのセックスに狂い、リリはベルの中に精を吐き出そうとしている。
開始して間もない、早すぎる射精。それほどに我慢していたのかと、ベルにはそんな同情めいた思考を抱いてしまう。
「……っ、ぁ」
出る。お腹の奥にリリのふたなりミルクを感じる。とくとくと、ゆっくりと吐き出すその勢いにどこか申し訳なさを感じる。
罪悪感のこもった射精、下腹部を満たすほどにふたなりゆえの量はあるが、どうしてか満たされている気はしない。それは、僕と、リリも
「……もう、止めます……だから、リリは」
「……」
半端なまま、リリはそそくさと衣類を直し。そのまま逃げるように部屋を後にする。
犯されたベルは、ただそんな小さな背中を見送ることしかできなかった。
次回、複数プレイです。