※この作品はR-18です。

私の可愛い殿下様 ~魔王さまのイチャラブ、ムチムチ克服訓練~   作:双子烏丸

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魔王さまのムチムチ克服訓練。そして……

 

 ――――

 

 診療室、私は気絶したラハールさんを抱いて、そこに運んだ。意識を失っていたおかげで私は彼を運ぶことが出来た。

 そして診療室のベッドに寝かせて、私は意識を失ったままのラハールさんの手当をしていた。

 身体はあちこち傷だらけ、火傷に切り傷、それに骨がいくつか折れていて中身もボロボロ。……とても重症だったんだ。

 

 

 今は痛み止めの薬を飲ませて、身体の傷に消毒と薬を塗って、包帯を巻いて治療していた。

 

 ――これで今出来る治療は終わったかな。

 後は傷が治りきるまで、しばらくゆっくりさせた方がいいかな――

 

 傷は思ったよりも深くて、すぐに治りそうになかった。

 まともに意識を保つのもやっとなはず。なのにラハールはさっきは平気そうに話していた。

 ああ見えて、きっと強いんだろうな。

 でも今気絶しているお陰で、私は順調に治療する事が出来た。こうして触れても、気を失っている今なら……けど。

 

 ――悪いことをしちゃったな。私の身体は苦手だって言ってたのに、抱きついてしまうなんて――

 

 私は改めて、自分の身体を眺めた。

 夜魔族らしい、胸もお尻も豊満で、男性を誘うようなムチムチとした身体。それに露出も多くて、四肢の他は胸の先と局部しか覆っていない……殆ど裸に近い恰好。

 

 ――きっと刺激が強すぎたんだね。こうして、気絶しちゃうくらいに。……でも――

 

 つい、私はラハールさんの身体を見てしまう。

 小柄で、可愛い男の子と言うような姿。気絶しているけれどその寝顔は……すやすやと穏やかな顔

 

 ――ふふっ。寝顔も可愛いな、ラハールさんは――

 

 私はつい微笑ましく、見惚れてしまっていた。

 それにもう一つ。

 

 ――でも、ちゃんと男の人の身体なんだよねー―

 

 ラハールさんは確かに子供っぽい姿だけど、マフラー以外は裸の上半身には筋肉がしっかりついていて……男の人なんだって分かるの。

 

「ラハールさん……っ」

 

 そう意識するとつい、身体が熱くなる感じがした。呼吸する息も少し荒くなって、それでも……抑えようと。

 

 ――可愛くて、それに男の人らしいんだもん。だから少しだけ――

 

 私の身体、苦手だって言っていた。けれど今は気を失っているから少し触れても、きっと大丈夫だよね。

 

 

 手を伸ばし、そっと私は……ラハールさんの頬に触れた。

 

 ――ぷにぷに柔らかで、気持ちがいい――

 

 自分の身体も柔らかだけど、ラハールさんのそれはまた違う感じだった。

 気持ち良くて、それに胸のドキドキもつい感じてしまう。そして更に――

 

 ――まだ触っても大丈夫かな。だって、気になって仕方ないんだもん――

 

 今度は、手を頬から下に移動させて、胸元へと。触ってみると、もっとドキッとした感覚を覚える。

 

 ――こっちは固いよ。やっぱり筋肉がついているから、かな。……何だか興奮しちゃう――

 

 ゴクリと唾を飲んで、息が熱くなって少し苦しい。

 

「……はぁ……ぅん」

 

 股の間だってムズムズする感じがする。私はついラハールさんの身体をまさぐってしまう。

 首筋や肩周り、胸元の周囲を撫でると今度は段々と下に。お腹から……そしてズボンの中に、少し手が入りそうになる。

 

 ――いいのかな、ここまでやって。でも傷の確認をしないとだから仕方ない、よね――

 

 だって私はナースなんだから、治療のためにもしょうがないよね。

 そう思って私はズボンを降ろそうと……。

 

 

 

「うっ……うーん」

  

 すると気絶していたラハールさんの唇から、少し声が漏れた。瞼だってぴくりと動いた感じ。

 

「ああ、っと」

 

 私は慌てて傍から離れた。それと同時だった、ラハールさんが目を覚ましたのは。

 瞳をうっすらと開いて、そして上体を起こした。

 

「オレさまは気絶、していたのか。……情けないぜ」

 

 そう言って悔しそうに彼は呟いていた。私がラハールさんにとって苦手なムチムチの身体を引っ付けたから、こんな事に。

 そして自分の手当された身体を見て、その後私にちらりと視線を向けると。

 

「お前、確かアリアって名前だったな。この手当はオレさまが眠っている間に、やってくれたのか」

 

 私は赤面しながら、こくりと頷く。

 

「はい。……それと、ごめんなさい」

 

「何を謝る?」

 

「だって私が抱き着いたせいで、ラハールさんが気絶しちゃって。

 ムチムチが苦手だって、聞いていたのに……ごめんなさい」

 

 私はしゅんとして謝った。

 するとラハールさんは黙って私を見て、はぁ……とため息をつく。

 

「調子が狂うな。アリアは本当に悪魔なのか?」

 

「ごめん、なさい」

 

「ああ! 謝らなくていい! むしろオレさまは礼が言いたいんだ」

 

 と、今度はラハールさんが顔を赤くしていた。

 

「つまり……ありがとう、だ。

 こう言うオレさまも悪魔らしくないが、ある天使のせいでこうなっちまった。案外似た者どうしかもな」

 

 ラハールさんはそう言って、私に照れ笑いを見せた。

 彼の笑顔――それを見た私は、また胸がドキッとする感覚がする。

 何だかラハールさんがとても素敵だって、心が惹かれるような感じがしたんだ。

 そんな素敵な笑顔、私も同じように笑って返した。

 

「どういたしまして。全身ひどい傷だったけど、応急処置はこれで済みましたので。……けど」

 

 ちょっと言いにくい事だけど、私はこの事も伝える。

 

「本当に傷が深かったから、応急処置はしたけれどまだ治療は必要なんです。

 一体どうしたら、こんなに……」

 

「ふっ、別次元からの魔王が、身の程知らずにオレさまに戦いを挑んで来てな。

 無論コテンパンにしたが、オレさまもまたこの有様と言うわけだ」

 

「そうなんですね、ラハールさん。

 でも傷がこんなに……完全に治るには時間が必要なの。せめて一週間くらい、ここにいて欲しいんです」

 

「つまり、入院と言うことか」

 

 複雑な表情のラハールさん。もしかすると怒るかもってビクビクしてたけど、怒ってはいないみたいだった。

 

「まぁ……仕方ないか。置き去りにするようなアイツらの元に帰るよりは、マシかもしれないからな。

 いいだろう! オレさまはしばらくここにいてやるぞ、光栄に思うがいい!」

 

 ――良かった、ラハールさんもそう言ってくれて――

 

 ホッと一安心した私。それにラハールさんは、こんな事も。

 

「それにアリア、お前に治療の他に頼みたい事がある。……お前じゃないと出来ない事なんだ」

 

 ラハールさんの頼み事、それは――。

 

 

 

 

 ――――

 

「あら? 今日もラハール殿下の手当かしら?」

 

 いつものように魔界病院は営業中。

 院長さんと私は、病院にやって来た患者さんの治療をしていた、わけだけど。

 

「すみません。だって放っておけないから、私はこれで」

 

「気にしなくて大丈夫よ。私一人でもやって行けるから、アリアは殿下のお世話を宜しくね」

 

 院長さんはにっこり、微笑みを見せる。

 

「……それにしても、まさかあのラハール殿下が私の病院に来ているなんて、驚いたわ」

 

 その気持ち、私も同じだな。

 

「だっていきなりの事だったから……。でも、患者さんには変わりありませんから。

 ちゃんと治療しないと、ですね!」

 

「ふふっ、殿下の事を気に入っているのね。

 二人とも何だか打ち解けている感じだから私も安心だわ」

 

 私は院長さんに笑って応えて、ラハールさんの元に行こうとする。

 

「……でも、殿下なのですから、くれぐれも無礼がないようにね」

 

 ――もちろん、ちゃんと分かっているよ――

 

 私は心の中で軽く呟いた。

 

 

 

 

 ――――

 

 ラハールさんが病院に来てから数日経った。

 私は彼の手当を続けて、その間一緒に過ごしたんだ。

 身体の傷も段々治って来ているし、順調に回復しているの。

 

「失礼しますね、ラハールさん」

 

 私は病室の扉をノックして、部屋へと入る。

 

「おお! よく来てくれたな」

 

 病室のベッドから上半身を起こして、ラハールさんが出迎えてくれる。

 

「いつも治療してくれて……悪いな。傷の手当もそうだし、俺の食事だってそうだ」

 

 ベッド傍のテーブルには、さっき私が用意したスープ皿が置かれていた。

 皿は空っぽ。全部食べてくれたんだ、嬉しい。

 

「どういたしまして。私の料理、お口に合えばいいですけど」

 

「そんなのは要らん心配だ。アリアの料理は城の宮廷料理よりも美味しいさ。

 最も、オレさまは宮廷料理なんてやたら高級なだけの固っ苦しい料理、そこまで好きじゃないがな」

 

 軽いジョークと言った感じで、ラハールさんはクスクス笑う。

 

「そう言ってくれると嬉しいです。食事が終わったら、今度は包帯を取り替えないとですね」

 

 私はラハールさんの所に近づく。

 すると彼はビクッとして身構えた。ラハールさんはムチムチが苦手だから、やっぱり近づいて欲しくないのかな。……けれど。

 

「……ああ。オレさまは大丈夫だ、アリアの事も大分慣れた……しな」

 

 私は包帯と薬を手に取って、そっとラハールさんの身体に触れる。

 その時、彼はまたビクリとして、少し冷や汗もかいているけれど、何も言わないで大人しくしていたんだ。

 身体の包帯を剥がしていきながら、私はラハールさんと話をする。

 

「ラハールさんは偉いです。最初は触られるのも激しく嫌がっていたのに、今はこうしているのですから。

 きっと嫌でたまらないのに、我慢出来るようになったのですね」

 

 私の言葉に、こくりと頷くラハールさん。

 

「段々とな。……アリアのお陰だ」

 

 にこりと、私は笑う。

 

「どういたしまして。

 それと、包帯を取り換える間……また、お話を聞かせてもらってもいいかしら。

 だってラハールさんのお話、とても面白くて」

 

「オレさまの話、か。まぁいい、アリアと話すのは楽しいし、暇つぶしにもなるからな。

 ――そうだな、なら何がいいかな」

 

 

 

 私とラハールさん、一緒に過ごす間に距離も縮んで、いろんな話をしたんだ。

 他愛もない世間話や、お互いの事。特にラハールさんの話は面白いの。ラハールさんが魔王になるまでにどんな事があったのか……波乱万丈なんだ。

 数年間眠り続けている間、先代魔王様でラハールさんのお父さん、クリチェフスコイ様が亡くなっていた事、それから魔王になるためにどんな事が、どんな出会いがあったのか。

 まるで……物語の主人公みたいな、そんな感じのお話。

 

「……それで、魔界に人間どもが侵略しに来た時は、オレさまが一人で奴らの戦艦と戦ったのだ」

 

「わぁ! そんな事まで、ラハールさんは凄いです!」

 

「アリアにそう褒められると、照れるではないか。

 だがそれだけオレさまは凄いのだ。存分に尊敬するがいい。ハァーッ! ハッハッハッ! ……ううっ」

 

 高笑いしたラハールさんだったけど、途端に胸を押さえてうずくまる。

 

「ああっ! 大丈夫ですか!? 高笑いなんてすると身体に悪いですよ」

 

 苦しんでいる彼に私は心配になる。

 けれどラハールさんは、安心させてくれるように笑いかけてくれる。

 

「心配するな。オレさまはこんな事くらい、全然平気だ」

 

 

 

 ……そして今度は顔を赤くして、照れるような様子のラハールさん。

 

「それと……だ。アリア、今日も頼んでいいか」

 

 言うのも恥ずかしくてもじもじしている彼は、魔王様と言うより年相応の男の子と言った感じなの。

 

「はい。じゃあ今日の特訓……始めましょう」

 

 

 

 実は私、ラハールさんに治療の他に、ある頼み事を任されているの。

 それは――

 

「じゃあラハールさん、ベッドに腰かけて貰って大丈夫かしら」

 

「ああ、分かった」

 

 ラハールさんは言われた通り、ベッドの端に腰かけて座ってくれた。

 でもやっぱり緊張している感じ。

 

「ありがとう。じゃあ私も、隣に座らせて頂きますね」

 

 そして私もラハールさんの横に座る。けれど少しだけ空間を開けて、触れないように。

 

「アリアのおかげで、俺は少し触られるくらいなら我慢出来るようになった。

 オレさまの大の弱点であるムチムチ……それを克服すれば、ますます最強に近づけると言うわけだ」

 

 私はこくりと頷く。

 

「ラハールさんの苦手なものが克服出来るように、私も頑張りますから」

 

 

 

 そう……。ラハールさんからの頼み事と言うのは、苦手なムチムチの克服に協力して欲しいって事なの。

 少しずつスキンシップをしながら、段々と慣れさせている感じ。

 

 ――それに私も、ラハールさんの事が――

 

「じゃあ、今日はお互いくっついてみませんか」

 

「なっ! オレさまとアリアがくっつき合うのか!? そのでかい尻や胸を……オレさまにっ」

 

「……うん」

 

 やっぱりラハールさんは拒絶するかのような感じ。

 ムチムチが苦手なのは分かっているの。けれど、そう言われると何だか、胸の奥がずきって傷むの。

 

 ――やっぱり私の身体、そんなに嫌なのかな――

 

「……しかしまぁ、弱点の克服のためだ。オレさまは頑張ってやる」

 

 けど今はラハールさんのために、協力したいんだ。

 

「じゃあ始めますね。今からゆっくりと、近づいてみますから」

 

 そう言って私はゆっくり、横に座るラハールさんの所に近づいてみるの。

 段々、段々と距離を縮める私。ラハールさんは少し顔色が悪くなって冷や汗もかいているけど、でも耐えられそうな感じ。 

 

 

 そして……ようやく。

 

「……」

 

「ここまで頑張りましたね、大丈夫ですか」

 

 私とラハールさん、互いにすぐ傍の所まで来たの。

 少し肌が触れ合うくらいに近くて、ラハールさんの体温も感じるほどに。

 

 ――男の子がこうして近くにいるんだ。触れられる、くらいに――

 

「まずは少しだけ、触れさせて頂きますね」

 

 私はラハールさんに触れようとする。そっと、彼の手に触れる感じ。

 すると彼はびくっとした。けれど……平気だと言う表情を向けてくれる。

 

「……ああ。やっぱり触れられるくらいなら、大丈夫になったぞ。さすがアリアだ」

 

 今の言葉はちょっと嬉しかったな。

 そして、ここからが本番なの。

 

「良かった。なら、今度はラハールさん、私に触れて貰ってもいいですか?」

 

「オレさまから……触れるのか」

 

 私は頷く。

 

「克服のための特訓ですから。うん、何事も挑戦です」

 

「……分かった。オレさまは魔王だぞ、それくらい何ともない」

 

 ラハールさんは覚悟を決めたようにして、私に手を伸ばす。

 少し震えた手は私の手元へと。そして――そっと手を握ってくれた。

 

「あっ」

 

「触れるなんてちゃちな真似より、見ろ。手を……握ってやったぞ」

 

 握られた手と手。こんな風にされるなんて、私でもびっくりだった。

自分でもどうすればいいのか一瞬分からなくて、頭がこんがらがってくる感じ。

 

「……おい、アリア」

 

「あっ、はい」

 

「どうしたのだ? そう顔を赤くして。何かオレさまが悪い事でもしたか」

 

 ラハールさんにそう言われて、思わずハッとした。

 

 ――私、そんな風になっていたなんて――

 

「ううん! 私は全然大丈夫ですから!」

 

 けど心配させないように、私はラハールさんにそう言ってみせた。

 ラハールは少し訝しんでいる感じだけど、それでもこう言ってくれた。

 

「アリアがそう言うのなら、オレさまは構わない」

 

 そして私の顔を見上げるようにして……。

 

「けどあまり無理はするなよ。魔王ではあるが多少の事くらい、全然気になんてしないのだからな」

 

 ふいにかけられた、優しい言葉。

 私はラハールさんに対する意識が強くなっていく感じも覚えたんだ。

 

「ラハール……さん、私……」

 

 その時つい、自分で自分の事が分からなくなった気がしたんだ。

 

 ――私は……ラハールさんに――

 

 瞬間、頭の中が真っ白になって――

 

 

 

「なあっ!!」

 

 自分でも何をやったのか一瞬分からなかった。

 けれど、いつの間にか私は……握っていたラハールさんの手を、私自身の豊満な胸に押し当ててしまっていたの。

 

 

 あまりのショックでラハールさんは、髪を逆立出て固まってしまっていた。

 私自身もいきなりの事で、どうしたらいいのか分からない。

 

「あ……あ……」

 

 声も殆ど出なかった。

 勝手にこんな事をした罪悪感と、それに……。

 何故か分からないけど私の手は自分の意志と関係なく、ラハールさんの手を自分の胸に、強く押し当てていた。

 柔らかい胸に沈み込む、彼の手。悪いと思ってもいるんだ。でも――それよりも。

 

 ――ラハールさんの手が私のおっぱいの中に。……感じちゃう、気持ちがいいの――

 

 自分でも分かるくらいに息が荒くなって、顔も多分、真っ赤なのかな。

 

「ああっ、もっ……と!」

 

 今度は更に、ラハールさんの手をもっと、自分の胸を揉みしだくような感じで動かしていた。

 

「おい……アリ……ア」

 

 ショックで固まったままのラハールさん。私はそれを構いもしないで、一心不乱で。

 

 ――ラハールさんが私のおっぱいを、こんなに触って。そう考えただけで、私っ――

 

 もうナースじゃなくて、夜魔族としての欲望のままに、快楽を貪っていた。

 揉むたびに胸の形は弾力で揺れ動いて、粘土みたいに形を変えるの。

 

「うんっ、くぅ――ん」

 

 気持が良くて吐息と一緒に声も漏れる。胸をもっと強く押し込んで、潰れて横に広がる。そしてそのまま一気に、胸の谷間にぐいっと挟み込む。

 

「――!」

 

「ああっ。やっぱりっ、いいの!」

 

 とっても良い気分。私の胸と胸の間に挟まったラハールさんの腕、私はもっと、もっと……。

 

 ――もっとラハールさんと、気持ちよくなりたいのっ――

 

 これだけでもとても気持ちがいいって――感覚。つい頭の中がとろんとして、理性なんて甘い快感で溶けてしまったみたい。

 ラハールさんとなら、もっと気持ちがいい事がしたい。……けど。

 

 

「頼む……もう、やめてくれっ」

 

 

 振り絞るような、ラハールさんの声。

 

 ――あっ――

 

 その懇願を聞いて、私もようやく我に返った。そして……私はさっきまで、どんな事をしてしまったのかも。

 

「ラハールさん……ごめん…………なさい」

 

 でもムチムチが苦手なラハールさんに、いけない事をしてしまった。

 私はすぐに胸からラハールさんの手を離すと、謝った。

 

「はぁ……何て……ことだ」

 

 解放されたラハールさんはまだ混乱している感じで、ショックも残っているみたいな感じだった。

 そんな彼に私はただ、謝ることしか出来なかった。

 

「本当にごめんなさい。私、つい我慢出来なくなったの。

 夜魔族なのに、長い間、男の人とこんな事、していなかったから」

 

「……そうなのか? だって夜魔族は、その、男と……」

 

 ラハールさんは言い淀みながら、こんな事を言う。けど彼の言おうとしている事はちゃんと分かる。

 

「……はい。夜魔族の本能で、男の人の身体が欲しくて堪らないんです。

 でも……私、好きな人じゃないと、そんなの……嫌なの」

 

「――なっ!」

 

 悪魔っぽくない私に、ラハールさんは驚いたみたい。

 ……いや、もしかすると引いているのかも。こんな風に思っているのって変だし、それにムチムチが嫌いなのに、彼の手を自分の胸に押し込んでしまったもの。

 

「こんな私、きっと嫌ですよね。

 …………とにかく、ごめんなさい……ラハールさん。今日はこれで、失礼します」

 

 これ以上私がいたら嫌だよね。私はそう考えて、病室を後にしたんだ。

 

 ――ラハールさんを置いて。

 

 

 

 

 

 

 ――――

 

 それからもラハールさんの治療を続けたんだ。

 傷もあれから良くなって、ラハールさんも痛みはもうないって言ってたから。

 だから――

 

「この具合ですと、明日には退院ですね」

 

「……ああ」

 

 今日も私は、ラハールさんの傷の手当。

 外はもう夜で、病院にいるのは入院中のラハールさんと、私だけ

 

 

 包帯も殆どとれて、傷もあまりない感じ。そして――私がこうしてラハールさんとこうしていられるのも、最後。

 だって明日の朝、もう退院して病院からいなくなるのだから。

 

「私がこうしてお手当するのも、これで最後……あっと言う間、ですね」

 

「……ああ」

 

 だけど、あれからラハールさんとはこんな調子。前みたいに話すことはなくなったの。

 私も、ラハールさんも、互いに気まずくて、壁が出来たみたいな雰囲気。

 

「そうだな。……その、アリアには世話になった。改めて礼を言うぞ。

 もう全然痛みもない、オレさまの傷は回復したのだから」

 

「ありがとうございます。でも、ナースとして当然の事ですから」

 

「……そうか」

 

 それから互いに沈黙。

 

 ――これで二人で話せるのはもう最後かもしれないのに。なのに、私――

 

 本当はもっとラハールさんと話がしたかった。

 他愛のないお喋りや、彼の面白い思い出話もしたかった。

 それに、ラハールさんに――私は。

 

「……うっ、はぁん」

 

 身体がぐっと熱くなる。寂しくて、空しくて、それが身体に出て来た感じなの。

 思わず私は身体を押さえた。――すると 

 

「どうしたんだ、アリア」

 

 ベッドから気にするように、ラハールさんが声をかけてくれる。

 その時彼とも視線が合った。……たぶんこれが話をする、最後の機会なんだって。

 けど、私はどうしても。

 

 ――これ以上、ラハールさんといる資格なんて、そんなのないから――

 

 一昨日、私はラハールさんに自分の欲望を優先して、酷い事をしてしまった。

 だから私はもう……。

 

「ううん。私のことなんて、気にしないで大丈夫ですから」

 

 それだけで十分なの。

 私はそう伝えると、病室から出ることにした。

 

 

 

 ――――

 

 病室の扉を閉めた私は、廊下の壁に寄りかかって。

 

「……あんっ」

 

 私は自分の股を指で触れた。ほんの少しだけ触っただけども、びくんって強い刺激と快感がはしる。

 これじゃ、もう我慢なんて……出来そうにない。

 

 ――早くどこか、場所に行かないと――

 

 けど丁度いい場所が一つあった。

 この病院にはナースである私のために、部屋が一つ用意されているの。

 

 ――あそこなら、きっと丁度いいはずだから――

 

 身体がとても熱くて、疼く。早くしないと……。

 意識も朦朧としながら私は、おぼつかない足取りで自分の部屋に向かう。

 

 

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