私の可愛い殿下様 ~魔王さまのイチャラブ、ムチムチ克服訓練~ 作:双子烏丸
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診療室、私は気絶したラハールさんを抱いて、そこに運んだ。意識を失っていたおかげで私は彼を運ぶことが出来た。
そして診療室のベッドに寝かせて、私は意識を失ったままのラハールさんの手当をしていた。
身体はあちこち傷だらけ、火傷に切り傷、それに骨がいくつか折れていて中身もボロボロ。……とても重症だったんだ。
今は痛み止めの薬を飲ませて、身体の傷に消毒と薬を塗って、包帯を巻いて治療していた。
――これで今出来る治療は終わったかな。
後は傷が治りきるまで、しばらくゆっくりさせた方がいいかな――
傷は思ったよりも深くて、すぐに治りそうになかった。
まともに意識を保つのもやっとなはず。なのにラハールはさっきは平気そうに話していた。
ああ見えて、きっと強いんだろうな。
でも今気絶しているお陰で、私は順調に治療する事が出来た。こうして触れても、気を失っている今なら……けど。
――悪いことをしちゃったな。私の身体は苦手だって言ってたのに、抱きついてしまうなんて――
私は改めて、自分の身体を眺めた。
夜魔族らしい、胸もお尻も豊満で、男性を誘うようなムチムチとした身体。それに露出も多くて、四肢の他は胸の先と局部しか覆っていない……殆ど裸に近い恰好。
――きっと刺激が強すぎたんだね。こうして、気絶しちゃうくらいに。……でも――
つい、私はラハールさんの身体を見てしまう。
小柄で、可愛い男の子と言うような姿。気絶しているけれどその寝顔は……すやすやと穏やかな顔
――ふふっ。寝顔も可愛いな、ラハールさんは――
私はつい微笑ましく、見惚れてしまっていた。
それにもう一つ。
――でも、ちゃんと男の人の身体なんだよねー―
ラハールさんは確かに子供っぽい姿だけど、マフラー以外は裸の上半身には筋肉がしっかりついていて……男の人なんだって分かるの。
「ラハールさん……っ」
そう意識するとつい、身体が熱くなる感じがした。呼吸する息も少し荒くなって、それでも……抑えようと。
――可愛くて、それに男の人らしいんだもん。だから少しだけ――
私の身体、苦手だって言っていた。けれど今は気を失っているから少し触れても、きっと大丈夫だよね。
手を伸ばし、そっと私は……ラハールさんの頬に触れた。
――ぷにぷに柔らかで、気持ちがいい――
自分の身体も柔らかだけど、ラハールさんのそれはまた違う感じだった。
気持ち良くて、それに胸のドキドキもつい感じてしまう。そして更に――
――まだ触っても大丈夫かな。だって、気になって仕方ないんだもん――
今度は、手を頬から下に移動させて、胸元へと。触ってみると、もっとドキッとした感覚を覚える。
――こっちは固いよ。やっぱり筋肉がついているから、かな。……何だか興奮しちゃう――
ゴクリと唾を飲んで、息が熱くなって少し苦しい。
「……はぁ……ぅん」
股の間だってムズムズする感じがする。私はついラハールさんの身体をまさぐってしまう。
首筋や肩周り、胸元の周囲を撫でると今度は段々と下に。お腹から……そしてズボンの中に、少し手が入りそうになる。
――いいのかな、ここまでやって。でも傷の確認をしないとだから仕方ない、よね――
だって私はナースなんだから、治療のためにもしょうがないよね。
そう思って私はズボンを降ろそうと……。
「うっ……うーん」
すると気絶していたラハールさんの唇から、少し声が漏れた。瞼だってぴくりと動いた感じ。
「ああ、っと」
私は慌てて傍から離れた。それと同時だった、ラハールさんが目を覚ましたのは。
瞳をうっすらと開いて、そして上体を起こした。
「オレさまは気絶、していたのか。……情けないぜ」
そう言って悔しそうに彼は呟いていた。私がラハールさんにとって苦手なムチムチの身体を引っ付けたから、こんな事に。
そして自分の手当された身体を見て、その後私にちらりと視線を向けると。
「お前、確かアリアって名前だったな。この手当はオレさまが眠っている間に、やってくれたのか」
私は赤面しながら、こくりと頷く。
「はい。……それと、ごめんなさい」
「何を謝る?」
「だって私が抱き着いたせいで、ラハールさんが気絶しちゃって。
ムチムチが苦手だって、聞いていたのに……ごめんなさい」
私はしゅんとして謝った。
するとラハールさんは黙って私を見て、はぁ……とため息をつく。
「調子が狂うな。アリアは本当に悪魔なのか?」
「ごめん、なさい」
「ああ! 謝らなくていい! むしろオレさまは礼が言いたいんだ」
と、今度はラハールさんが顔を赤くしていた。
「つまり……ありがとう、だ。
こう言うオレさまも悪魔らしくないが、ある天使のせいでこうなっちまった。案外似た者どうしかもな」
ラハールさんはそう言って、私に照れ笑いを見せた。
彼の笑顔――それを見た私は、また胸がドキッとする感覚がする。
何だかラハールさんがとても素敵だって、心が惹かれるような感じがしたんだ。
そんな素敵な笑顔、私も同じように笑って返した。
「どういたしまして。全身ひどい傷だったけど、応急処置はこれで済みましたので。……けど」
ちょっと言いにくい事だけど、私はこの事も伝える。
「本当に傷が深かったから、応急処置はしたけれどまだ治療は必要なんです。
一体どうしたら、こんなに……」
「ふっ、別次元からの魔王が、身の程知らずにオレさまに戦いを挑んで来てな。
無論コテンパンにしたが、オレさまもまたこの有様と言うわけだ」
「そうなんですね、ラハールさん。
でも傷がこんなに……完全に治るには時間が必要なの。せめて一週間くらい、ここにいて欲しいんです」
「つまり、入院と言うことか」
複雑な表情のラハールさん。もしかすると怒るかもってビクビクしてたけど、怒ってはいないみたいだった。
「まぁ……仕方ないか。置き去りにするようなアイツらの元に帰るよりは、マシかもしれないからな。
いいだろう! オレさまはしばらくここにいてやるぞ、光栄に思うがいい!」
――良かった、ラハールさんもそう言ってくれて――
ホッと一安心した私。それにラハールさんは、こんな事も。
「それにアリア、お前に治療の他に頼みたい事がある。……お前じゃないと出来ない事なんだ」
ラハールさんの頼み事、それは――。
――――
「あら? 今日もラハール殿下の手当かしら?」
いつものように魔界病院は営業中。
院長さんと私は、病院にやって来た患者さんの治療をしていた、わけだけど。
「すみません。だって放っておけないから、私はこれで」
「気にしなくて大丈夫よ。私一人でもやって行けるから、アリアは殿下のお世話を宜しくね」
院長さんはにっこり、微笑みを見せる。
「……それにしても、まさかあのラハール殿下が私の病院に来ているなんて、驚いたわ」
その気持ち、私も同じだな。
「だっていきなりの事だったから……。でも、患者さんには変わりありませんから。
ちゃんと治療しないと、ですね!」
「ふふっ、殿下の事を気に入っているのね。
二人とも何だか打ち解けている感じだから私も安心だわ」
私は院長さんに笑って応えて、ラハールさんの元に行こうとする。
「……でも、殿下なのですから、くれぐれも無礼がないようにね」
――もちろん、ちゃんと分かっているよ――
私は心の中で軽く呟いた。
――――
ラハールさんが病院に来てから数日経った。
私は彼の手当を続けて、その間一緒に過ごしたんだ。
身体の傷も段々治って来ているし、順調に回復しているの。
「失礼しますね、ラハールさん」
私は病室の扉をノックして、部屋へと入る。
「おお! よく来てくれたな」
病室のベッドから上半身を起こして、ラハールさんが出迎えてくれる。
「いつも治療してくれて……悪いな。傷の手当もそうだし、俺の食事だってそうだ」
ベッド傍のテーブルには、さっき私が用意したスープ皿が置かれていた。
皿は空っぽ。全部食べてくれたんだ、嬉しい。
「どういたしまして。私の料理、お口に合えばいいですけど」
「そんなのは要らん心配だ。アリアの料理は城の宮廷料理よりも美味しいさ。
最も、オレさまは宮廷料理なんてやたら高級なだけの固っ苦しい料理、そこまで好きじゃないがな」
軽いジョークと言った感じで、ラハールさんはクスクス笑う。
「そう言ってくれると嬉しいです。食事が終わったら、今度は包帯を取り替えないとですね」
私はラハールさんの所に近づく。
すると彼はビクッとして身構えた。ラハールさんはムチムチが苦手だから、やっぱり近づいて欲しくないのかな。……けれど。
「……ああ。オレさまは大丈夫だ、アリアの事も大分慣れた……しな」
私は包帯と薬を手に取って、そっとラハールさんの身体に触れる。
その時、彼はまたビクリとして、少し冷や汗もかいているけれど、何も言わないで大人しくしていたんだ。
身体の包帯を剥がしていきながら、私はラハールさんと話をする。
「ラハールさんは偉いです。最初は触られるのも激しく嫌がっていたのに、今はこうしているのですから。
きっと嫌でたまらないのに、我慢出来るようになったのですね」
私の言葉に、こくりと頷くラハールさん。
「段々とな。……アリアのお陰だ」
にこりと、私は笑う。
「どういたしまして。
それと、包帯を取り換える間……また、お話を聞かせてもらってもいいかしら。
だってラハールさんのお話、とても面白くて」
「オレさまの話、か。まぁいい、アリアと話すのは楽しいし、暇つぶしにもなるからな。
――そうだな、なら何がいいかな」
私とラハールさん、一緒に過ごす間に距離も縮んで、いろんな話をしたんだ。
他愛もない世間話や、お互いの事。特にラハールさんの話は面白いの。ラハールさんが魔王になるまでにどんな事があったのか……波乱万丈なんだ。
数年間眠り続けている間、先代魔王様でラハールさんのお父さん、クリチェフスコイ様が亡くなっていた事、それから魔王になるためにどんな事が、どんな出会いがあったのか。
まるで……物語の主人公みたいな、そんな感じのお話。
「……それで、魔界に人間どもが侵略しに来た時は、オレさまが一人で奴らの戦艦と戦ったのだ」
「わぁ! そんな事まで、ラハールさんは凄いです!」
「アリアにそう褒められると、照れるではないか。
だがそれだけオレさまは凄いのだ。存分に尊敬するがいい。ハァーッ! ハッハッハッ! ……ううっ」
高笑いしたラハールさんだったけど、途端に胸を押さえてうずくまる。
「ああっ! 大丈夫ですか!? 高笑いなんてすると身体に悪いですよ」
苦しんでいる彼に私は心配になる。
けれどラハールさんは、安心させてくれるように笑いかけてくれる。
「心配するな。オレさまはこんな事くらい、全然平気だ」
……そして今度は顔を赤くして、照れるような様子のラハールさん。
「それと……だ。アリア、今日も頼んでいいか」
言うのも恥ずかしくてもじもじしている彼は、魔王様と言うより年相応の男の子と言った感じなの。
「はい。じゃあ今日の特訓……始めましょう」
実は私、ラハールさんに治療の他に、ある頼み事を任されているの。
それは――
「じゃあラハールさん、ベッドに腰かけて貰って大丈夫かしら」
「ああ、分かった」
ラハールさんは言われた通り、ベッドの端に腰かけて座ってくれた。
でもやっぱり緊張している感じ。
「ありがとう。じゃあ私も、隣に座らせて頂きますね」
そして私もラハールさんの横に座る。けれど少しだけ空間を開けて、触れないように。
「アリアのおかげで、俺は少し触られるくらいなら我慢出来るようになった。
オレさまの大の弱点であるムチムチ……それを克服すれば、ますます最強に近づけると言うわけだ」
私はこくりと頷く。
「ラハールさんの苦手なものが克服出来るように、私も頑張りますから」
そう……。ラハールさんからの頼み事と言うのは、苦手なムチムチの克服に協力して欲しいって事なの。
少しずつスキンシップをしながら、段々と慣れさせている感じ。
――それに私も、ラハールさんの事が――
「じゃあ、今日はお互いくっついてみませんか」
「なっ! オレさまとアリアがくっつき合うのか!? そのでかい尻や胸を……オレさまにっ」
「……うん」
やっぱりラハールさんは拒絶するかのような感じ。
ムチムチが苦手なのは分かっているの。けれど、そう言われると何だか、胸の奥がずきって傷むの。
――やっぱり私の身体、そんなに嫌なのかな――
「……しかしまぁ、弱点の克服のためだ。オレさまは頑張ってやる」
けど今はラハールさんのために、協力したいんだ。
「じゃあ始めますね。今からゆっくりと、近づいてみますから」
そう言って私はゆっくり、横に座るラハールさんの所に近づいてみるの。
段々、段々と距離を縮める私。ラハールさんは少し顔色が悪くなって冷や汗もかいているけど、でも耐えられそうな感じ。
そして……ようやく。
「……」
「ここまで頑張りましたね、大丈夫ですか」
私とラハールさん、互いにすぐ傍の所まで来たの。
少し肌が触れ合うくらいに近くて、ラハールさんの体温も感じるほどに。
――男の子がこうして近くにいるんだ。触れられる、くらいに――
「まずは少しだけ、触れさせて頂きますね」
私はラハールさんに触れようとする。そっと、彼の手に触れる感じ。
すると彼はびくっとした。けれど……平気だと言う表情を向けてくれる。
「……ああ。やっぱり触れられるくらいなら、大丈夫になったぞ。さすがアリアだ」
今の言葉はちょっと嬉しかったな。
そして、ここからが本番なの。
「良かった。なら、今度はラハールさん、私に触れて貰ってもいいですか?」
「オレさまから……触れるのか」
私は頷く。
「克服のための特訓ですから。うん、何事も挑戦です」
「……分かった。オレさまは魔王だぞ、それくらい何ともない」
ラハールさんは覚悟を決めたようにして、私に手を伸ばす。
少し震えた手は私の手元へと。そして――そっと手を握ってくれた。
「あっ」
「触れるなんてちゃちな真似より、見ろ。手を……握ってやったぞ」
握られた手と手。こんな風にされるなんて、私でもびっくりだった。
自分でもどうすればいいのか一瞬分からなくて、頭がこんがらがってくる感じ。
「……おい、アリア」
「あっ、はい」
「どうしたのだ? そう顔を赤くして。何かオレさまが悪い事でもしたか」
ラハールさんにそう言われて、思わずハッとした。
――私、そんな風になっていたなんて――
「ううん! 私は全然大丈夫ですから!」
けど心配させないように、私はラハールさんにそう言ってみせた。
ラハールは少し訝しんでいる感じだけど、それでもこう言ってくれた。
「アリアがそう言うのなら、オレさまは構わない」
そして私の顔を見上げるようにして……。
「けどあまり無理はするなよ。魔王ではあるが多少の事くらい、全然気になんてしないのだからな」
ふいにかけられた、優しい言葉。
私はラハールさんに対する意識が強くなっていく感じも覚えたんだ。
「ラハール……さん、私……」
その時つい、自分で自分の事が分からなくなった気がしたんだ。
――私は……ラハールさんに――
瞬間、頭の中が真っ白になって――
「なあっ!!」
自分でも何をやったのか一瞬分からなかった。
けれど、いつの間にか私は……握っていたラハールさんの手を、私自身の豊満な胸に押し当ててしまっていたの。
あまりのショックでラハールさんは、髪を逆立出て固まってしまっていた。
私自身もいきなりの事で、どうしたらいいのか分からない。
「あ……あ……」
声も殆ど出なかった。
勝手にこんな事をした罪悪感と、それに……。
何故か分からないけど私の手は自分の意志と関係なく、ラハールさんの手を自分の胸に、強く押し当てていた。
柔らかい胸に沈み込む、彼の手。悪いと思ってもいるんだ。でも――それよりも。
――ラハールさんの手が私のおっぱいの中に。……感じちゃう、気持ちがいいの――
自分でも分かるくらいに息が荒くなって、顔も多分、真っ赤なのかな。
「ああっ、もっ……と!」
今度は更に、ラハールさんの手をもっと、自分の胸を揉みしだくような感じで動かしていた。
「おい……アリ……ア」
ショックで固まったままのラハールさん。私はそれを構いもしないで、一心不乱で。
――ラハールさんが私のおっぱいを、こんなに触って。そう考えただけで、私っ――
もうナースじゃなくて、夜魔族としての欲望のままに、快楽を貪っていた。
揉むたびに胸の形は弾力で揺れ動いて、粘土みたいに形を変えるの。
「うんっ、くぅ――ん」
気持が良くて吐息と一緒に声も漏れる。胸をもっと強く押し込んで、潰れて横に広がる。そしてそのまま一気に、胸の谷間にぐいっと挟み込む。
「――!」
「ああっ。やっぱりっ、いいの!」
とっても良い気分。私の胸と胸の間に挟まったラハールさんの腕、私はもっと、もっと……。
――もっとラハールさんと、気持ちよくなりたいのっ――
これだけでもとても気持ちがいいって――感覚。つい頭の中がとろんとして、理性なんて甘い快感で溶けてしまったみたい。
ラハールさんとなら、もっと気持ちがいい事がしたい。……けど。
「頼む……もう、やめてくれっ」
振り絞るような、ラハールさんの声。
――あっ――
その懇願を聞いて、私もようやく我に返った。そして……私はさっきまで、どんな事をしてしまったのかも。
「ラハールさん……ごめん…………なさい」
でもムチムチが苦手なラハールさんに、いけない事をしてしまった。
私はすぐに胸からラハールさんの手を離すと、謝った。
「はぁ……何て……ことだ」
解放されたラハールさんはまだ混乱している感じで、ショックも残っているみたいな感じだった。
そんな彼に私はただ、謝ることしか出来なかった。
「本当にごめんなさい。私、つい我慢出来なくなったの。
夜魔族なのに、長い間、男の人とこんな事、していなかったから」
「……そうなのか? だって夜魔族は、その、男と……」
ラハールさんは言い淀みながら、こんな事を言う。けど彼の言おうとしている事はちゃんと分かる。
「……はい。夜魔族の本能で、男の人の身体が欲しくて堪らないんです。
でも……私、好きな人じゃないと、そんなの……嫌なの」
「――なっ!」
悪魔っぽくない私に、ラハールさんは驚いたみたい。
……いや、もしかすると引いているのかも。こんな風に思っているのって変だし、それにムチムチが嫌いなのに、彼の手を自分の胸に押し込んでしまったもの。
「こんな私、きっと嫌ですよね。
…………とにかく、ごめんなさい……ラハールさん。今日はこれで、失礼します」
これ以上私がいたら嫌だよね。私はそう考えて、病室を後にしたんだ。
――ラハールさんを置いて。
――――
それからもラハールさんの治療を続けたんだ。
傷もあれから良くなって、ラハールさんも痛みはもうないって言ってたから。
だから――
「この具合ですと、明日には退院ですね」
「……ああ」
今日も私は、ラハールさんの傷の手当。
外はもう夜で、病院にいるのは入院中のラハールさんと、私だけ
包帯も殆どとれて、傷もあまりない感じ。そして――私がこうしてラハールさんとこうしていられるのも、最後。
だって明日の朝、もう退院して病院からいなくなるのだから。
「私がこうしてお手当するのも、これで最後……あっと言う間、ですね」
「……ああ」
だけど、あれからラハールさんとはこんな調子。前みたいに話すことはなくなったの。
私も、ラハールさんも、互いに気まずくて、壁が出来たみたいな雰囲気。
「そうだな。……その、アリアには世話になった。改めて礼を言うぞ。
もう全然痛みもない、オレさまの傷は回復したのだから」
「ありがとうございます。でも、ナースとして当然の事ですから」
「……そうか」
それから互いに沈黙。
――これで二人で話せるのはもう最後かもしれないのに。なのに、私――
本当はもっとラハールさんと話がしたかった。
他愛のないお喋りや、彼の面白い思い出話もしたかった。
それに、ラハールさんに――私は。
「……うっ、はぁん」
身体がぐっと熱くなる。寂しくて、空しくて、それが身体に出て来た感じなの。
思わず私は身体を押さえた。――すると
「どうしたんだ、アリア」
ベッドから気にするように、ラハールさんが声をかけてくれる。
その時彼とも視線が合った。……たぶんこれが話をする、最後の機会なんだって。
けど、私はどうしても。
――これ以上、ラハールさんといる資格なんて、そんなのないから――
一昨日、私はラハールさんに自分の欲望を優先して、酷い事をしてしまった。
だから私はもう……。
「ううん。私のことなんて、気にしないで大丈夫ですから」
それだけで十分なの。
私はそう伝えると、病室から出ることにした。
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病室の扉を閉めた私は、廊下の壁に寄りかかって。
「……あんっ」
私は自分の股を指で触れた。ほんの少しだけ触っただけども、びくんって強い刺激と快感がはしる。
これじゃ、もう我慢なんて……出来そうにない。
――早くどこか、場所に行かないと――
けど丁度いい場所が一つあった。
この病院にはナースである私のために、部屋が一つ用意されているの。
――あそこなら、きっと丁度いいはずだから――
身体がとても熱くて、疼く。早くしないと……。
意識も朦朧としながら私は、おぼつかない足取りで自分の部屋に向かう。