この回も18禁描写はありません。
新人戦3日目、夜。
愛梨、栞、沓子は、第一高校の選手達が泊まる宿舎、その駐車場に足を運んでいた。
時刻はまだ夜の7時を回ったところ。
女性が外を歩くに特段問題のない時間だが、第三高校に在籍する彼女たちが、第一高校の宿舎の敷地内にいることは、見る者によっては問題だ。
各選手達が泊まる施設に、他校の生徒が入るのは原則禁止。
愛梨たちがいるのは駐車場のため、何も問題はないのだが、それでも人目を避けたかったのは間違いない。
愛梨たちが目的地につくと、そこには第一高校の制服に身を包んだ男子生徒、司波達也が待っていた。
「よく来たな、狭い所だが入ってきてくれ」
「ええ、ご招待ありがとうございます。お邪魔しますわ」
達也が促したのは、CADを調整するための作業車両の中だ。
作業車の中には、寝台型の精密測定用調整機がある。
今日、愛梨たちが達也の元を訪れたのは競技用CADの調整を行うためだ。
競技用CADのレギュレーションは一律のため、起動式の展開効率、展開速度は調整するエンジニアの腕の見せ所。
そして、今回、栞の競技用CADがこれ以上の改善余地がないことに雫が反論したことをきっかけに、達也が栞の競技用CADの調整を行うことになったのが事の経緯だ。
栞の競技用CADに格納されている起動式は、
この魔法は、対象物を破壊したあと、その破片を操作し、別の対象物にぶつけて破壊する、この工程を数珠つなぎに行うことで、破壊の連鎖を生み出す魔法だ。
これは、栞専用の魔法というべきもので、起動式はかなり複雑なものとなっている。
それを調整するためには、両手だけで済ませる簡易測定用調整機では不十分であることを愛梨は分かっていたのだが…
(栞は…平然としてるわね…栞もエンジニアだから抵抗がないのかしら?)
愛梨は
「なんじゃ、達也一人なのか?…ほのかたちはどうしたのじゃ?」
「ああ、ほのかや深雪たちは、祝勝会の真っ最中だ、呼んだほうがいいか?」
「いや、それなら大丈夫じゃ…今日はよろしくの!」
「ああ、じゃあ早速やろうか、着替えるなら向こうだ。仕切りのカーテンがあるから着替える時はそれを使ってくれ」
「ええ、わかったわ」
栞が指示した先に移動する。
調整は、栞から始まった。
調整機の寝台には、下着姿になった栞が横たわっている。
栞は全体的に肉付きが少ないため、肋骨や骨盤が浮き出ているが、痩せすぎという印象はなく、浮き出たラインが逆に魅力的だった。
(胸はCカップぐらいかしら?)
栞の胸は、愛梨よりは小さいが、沓子よりはあるだろう。
愛梨はいつも栞に調整される側だ。
そのため、栞が調整される姿を見るのは初めてだったが、寝台の少女は同性の愛梨から見ても魅力的だった。
愛梨でもそう思ったのだから、男性である達也はそれ以上だろう。
ほどなくして、達也が計測終了の合図を送った。
あとは、起動式を使用者本人のために調整するだけ。
そこから10分して、栞の調整が完了した。
愛梨、栞、沓子、ここにいる全員は、達也の独特な調整方法、さらにはその調整時間に目を丸くしたのが、作業をしていた本人は飄々としたものだ。
栞の入れ替わりで、今度は沓子が寝台に横たわる。
栞より頭一個分も小さい身体。
身体のパーツに凹凸はなく、女性の中でもかなり小柄な沓子は、幼児体型そのものだ。
こちらは調整に難儀したのか、全てが終わったのは計測開始から30分経ってのことだった。
そして、調整を終えた二人は、競技用のコスチュームに着替えを済まし、達也の準備を待っていた。
「よし、じゃあ、早速試してみるか?」
「ええ、そうね」
「うむ、楽しみじゃの!」
達也は調整が終わった二人に向けて、声をかける。
今回、愛梨は蚊帳の外だ。
愛梨はまだミラージ・バット本戦が残っているため、達也の調整を見送った。
後悔していないといえば、嘘になる。
沓子の調整をしているとき、栞が息を呑んだのが分かった。
それだけ、高度な調整技術なのだろう。
達也に続く二人の背中には興奮の2文字が浮かんでいる。
愛梨はそれを羨ましく思いながらも、二人の後に続き、作業車両を後にした。
【次回予告】
次回、愛梨、栞、沓子の同時H回です。