―――栞、あなた、少し無茶が過ぎるわよ…
―――達也さんに調整をお願いした件のこと?
―――ええ、思惑は分かるけど、そこまでする必要があったのかしら?
―――もちろんよ、九校戦のため、ということもあるけど、
―――ひとりのエンジニアとしても興味があったから・・・
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栞は打算的な目的から、達也というエンジニアに興味を持った。
いや、興味を持ったというより、達也に畏怖を覚えたため、打算的な目的で懇意になりたかった、というのが適切かもしれない。
沓子の思惑は分からないが、達也と性交する流れは、栞にとって悪いことではなかった。
その存在は、高校の3年間だけでなく、その先の未来も、無視できない存在となるだろう。
栞は、今回の新人戦を通して、これから先の人生を『愛梨に尽くす』と決めていた。
それは、切磋琢磨できる魔法師としてもそうだが、愛梨の魔工師としても力になりたいと栞はそう思っている。
達也の魔工師としての技術力は、高校生レベルを遥に超えて、超一流。
達也との交流を持つことが出来れば、その技術力に触れる機会も増えるだろう。
今日だけでなく、継続的な関係を持ちたいと思っていた栞は、結びつきを強めるためならばどんなことでもする覚悟だった。
もしここで処女を捧げることが出来れば、達也が初めての男であることを盾に取って、ある程度の責任を感じてくれるかもしれない・・・
今、栞の秘所には、達也の性器が触れていた。
それはあと数秒のうちに栞の秘所へと埋まるだろう。
寝台の上では、栞が仰向けで足を開き、その瞬間を待っていた。
栞は、上半身はスピード・シューティングのコスチュームを着けたまま、下半身だけを露わにした格好だ。周りには、栞のほかに愛梨たちがいたため、全裸になるのは躊躇われた。
栞の秘所は、達也の愛撫によって十分の湿り気を帯びている。
達也の愛撫はとても優しく、初めてでも痛みを和らげようとする配慮を感じた。
達也が初めての相手で良かった。
はじめは、打算的な目的があって近づいたが、今は少なからず男性としての達也の魅力に惹きよせられている。
「栞、
「…ええ、いいわ」
栞の合図から一拍おいて、達也の体重がのしかかかる。
その瞬間、秘所に違和感が押し寄せた。
達也の性器が未開通の穴をかき分ける。
―――っっっぅん痛っ!?
突然の痛みに、栞の身体が強張った。
あまりの痛みに視界はぼやけ、シーツを握る手に力がこもる。
(これが破瓜の痛み…ふふっ…まさか愛梨と沓子に見られながら処女を失くすことになるとわね…)
栞の傍には、心配そうな表情を浮かべた愛梨と、子を見守るような表情を浮かべた沓子がいる。
栞の身体が強張ったのは時間にしておよそ1分ほど。
破瓜の痛みに耐えた栞は、何かを成し遂げたように清々しい表情を浮かべていた。
「栞、大丈夫?」
「ええ、痛みはだいぶ落ち着いたわ…」
愛梨が心配そうな目で栞を見る。
下腹部の違和感は未だ残ったままだが、痛みはすでに治まっていた。
「栞、どうする?これ以上は止めておくか?」
「いいえ…私のことは気にしないで、達也さんが満足するように動いてほしい…」
「わかった…動くぞ…」
「んっ!…んっ…あぁっ、あぁっ、あぁっ」
達也がゆっくりと腰を押しつけて、ゆっくりと腰を引く。
膣壁がこすられるという初めての感覚。
達也の雁首が膣の浅いところを擦る度、栞は得も知れない感覚に襲われる。
声を我慢するのは限界だった。
いつしか、口を押えて、愛梨や沓子に喘ぎ声を聞かれないようにと必死になる。
「ふぅっ、ふぅっ…あっ…んっ…あっ…あっ」
「栞、我慢せずに声を出してもいいんだぞ?」
「いえっ…んっ…さすがにっ…この声は…んっ…恥ずかしいっ…わ」
「うむ、栞の喘ぎ声を聞けるとは、思いもよらんかったわ」
「っちょ!…んっ…沓子っ…変なことっ…言わないでっ…んっ」
「ふふっ、どうじゃ、初体験の感想は…いまどんな気分じゃ?」
達也の言葉をきっかけにして、沓子が栞を責め立てる。
栞はそれを受け流せずに、羞恥で顔を歪ませた。
初めては好きな人と二人きり…海に浮かぶコテージの部屋で…
栞が思い描いていた、理想の初夜のシチュエーション。
それがまさか、同級生二人に見られながらなど、九校戦が始まる前は思ってもみなかったことだ。
―――達也さんは、この状況、そして私のことをどう思っているのだろう…
やがて達也の動きが早くなる。
達也の表情に変化はないが、射精が近いのかもしれない。
「んっ…あっ…達也さんっ…」
「痛いか?」
「いえっ…んっ…好き…です…達也さんっ―――」
「…栞―――」
栞が吐露した達也への感情。
その感情に打算はなく、行為の中で芽生えた想いを、栞は自然と紡いでいた。
本来、恋人同士であれば、真っ先に紡ぐはずのその言葉。
始まりが歪だったために、その言葉を紡ぐのが今となってしまったが、達也への気持ちを自覚してしまった結果、その言葉を紡いだ後の『栞』の変化は劇的だった。
栞の背が寝台の上で大きく跳ねた。
それと同時に達也の性器を締め付ける力が途端に上がる。
「えっ…何…これ…腰が、ハァっ、ハァっ―――」
突然、栞の下腹部をさざ波が襲った。
そして、その波は、今まで感じたことのない多幸感となって体を巡る。
「や!?…………あっ!、あ!…………ぁっ!」
栞の腰が何度も跳ねる。
今の栞は、最初にのけ反った時とは違い、腰の動きは小刻みで、跳ねる速度はかなり早い。
栞の変化は、オーガズムに達したことによるもの。
しかし、当の本人はオーガズムを知らないために、錯乱状態に陥っていた。
そして、見ている側も心配になったのだろう。
栞の変化に狼狽えた愛梨が栞の手を強く握った。
普段の栞からは考えられない声が車両の中に木霊する。
「あぁぁぁっ!何でっ!?腰がっ止まらないっ、あっ、あっ、あぁっ!―――」
「栞!!?ちょっと!達也さんっ、栞が!!」
「あっ、あっ、あ―――んっぅぅ!?、ちゅっ、ちゅっ、ぁんぅぅっっ―」
愛梨が心配の声を上げたと同時に、達也は栞にキスをした。
栞の口が、達也の口で塞がれる。
「ちゅぱっ、ふっ、ちゅぱっ、んっ、ちゅっ、んっ―」
達也の唾液を、栞は必死に取り入れる。
栞の表情に、普段の冷静さは欠片もなく、情熱的に達也の体を求めていた。
栞の子宮は、精子を欲して、何度も絶頂を繰り返す。
「くっ…栞!!」
「あぁぁっ!だっ、だめっ、くるしいっ、ひぃっ、ひぃっ、達也さんっ、もうっ、むり!」
「まだだっ、もう少し我慢してくれ―――」
達也の動きが早くなる。
栞は喉を絞るような甲高い声を放ち、体からは大量の汗が滴り落ちている。
「ハァっ、ハァっ、ハァっ!だめ、き、きちゃうっ!! またっ、あっ、あっあっ―――!」
「くっ…栞、
達也が射精の合図をする。
腰の動きはより一層激しくなり、あと数秒もしないうちに果てるのだろう。
栞の体も達也の合図でより一層硬くなる。
「くっ!!!」
「あっ、あっ、あ―――あぁぁぁぁっっっっっ―――」
達也の性器が大きく跳ねた。
栞の子宮を熱い精液が流れ込む。
途端、栞の体は糸が切れたように脱力した。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
「栞…大丈夫か?」
栞の体から達也の性器が引き抜かれる。
達也の性器はすでに力を失っていて、
「…大丈夫っ…ではないわね…余韻がまだ、んっ、残ってるの…」
「少しそのまま休んでいるといい…無理させて悪かった」
「ふふっ…ええっ、んっ…そうさせてもらうわ…」
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栞と達也の行為が終わった後。
まず初めに口を開いたのは沓子だった。
「ふむ…栞にも
「…なるほどな、沓子の目的はそれか…」
「何、わしは当たり前のことを言ったまでじゃ…まぁこれからも『よろしく』なのじゃ」
「そうだな…こちらこそ『よろしく』…な」
「さて、残りは愛梨じゃが…」
そういって沓子が愛梨を見る。
この場で一人だけ取り残されていた愛梨。
愛梨は、達也と沓子から顔を逸らしたまま、沓子の声で体をびくっと震わせた。
「私も…栞と沓子と同じことを…?」
「愛梨は達也に体を捧げる理由はない。ここで退散でも構わないとはおもうぞ?」
「うっ…そうね………けど…私だけ仲間外れは…嫌…」
「愛梨、冷静になれ。愛梨は師補十八家『一色』家のご令嬢だ…どこの馬とも分からない相手にそれは不味いんじゃないか?」
「ええ…だからよ…私は一色家の娘…この先、好きでもない人と結婚して、寂しい初夜を迎えるかもしれない。けど、もしここで初夜を迎えることができたなら―――」
そういって愛梨は栞と沓子の二人を見る。
栞は心配そうな表情、沓子は愛梨の覚悟を感じ取ったのか、至って真面目な表情をしている。
「私は、抱かれても良いと思うぐらいには達也さんに惹かれている…」
「ふふっ…なるほどの…まったく、愛梨は口上が長いのう」
「ええ…沓子のいう通りね……… 達也さん、私の初めて…受け取ってくれるかしら?」
そう言って、愛梨は達也に向けて、手を差し出した。
差し出した手は緊張か不安か、少しだけ震えている。
達也は愛梨の覚悟に、抱きしめることで答えると、その胸の中では、愛梨のすすり泣く声が聞こえたのだった。