生徒会でのランチタイム
季節は立春。
未だ肌寒いある日のランチタイム。
生徒会室にはいつもの面々――
真由美、摩利、鈴音、あずさが集まり、女子トークに花を咲かせていた。
トークの話題は異性との体験談。
この話題は定期的なもので、大体一か月のペースで、交際相手やお見合い相手との間で起きた体験談を語るというもの。
この話題がランチタイムで語られるようになったのは、摩利に彼氏が出来たことがきっかけなのだが、それから時が経ち、今では真由美や鈴音も、質問する側から語る側となり、体験談には多様性が生まれていた。
摩利:「結局のところ、中条はいつもと同じく何もなしか……」
中条:「うぅ……すいません……」
摩利の言葉に謝罪したのは、今いるメンバーの中で唯一の下級生である中条あずさ。
通称あーちゃん。
あずさが語った内容は、同級生の男子に告白されたというものだったが、あずさはその男子の想いに応じることはなく、その後どうこうなることもなかったらしい。
七草:「まぁまぁ、こればっかりはしょうがないわよ」
摩利:「まぁ、そうだが……」
あずさの語る内容は常にこのパターンだ。
お試しでも付き合ってみろと摩利が諭したこともあったが、今回もやはり付き合うに至らず、話がそれ以上広がることはない。
その男子生徒がもし仮に。断られた後も諦めず、強引にでもあずさをモノにしようとしていれば、体験談としては上出来なのだが、それはあくまで真由美の願望。
あずさの体験談にオチなどなく、いつもと同じように話は終わった。
七草:「ええと……それじゃ、次は私ね」
あずさの次は真由美の番。
真由美に彼氏はいないが、親が決めた婚約者候補が複数人おり、真由美の内容はその婚約者達との進展具合を話すのが恒例となっていた。
真由美は十師族、七草家の長女。
彼女の相手は、優れた魔法資質を持つ彼女のそれに相応しく、同じく十師族やそれに近しい家柄の相手がほとんどだ。
摩利:「今回はどの婚約者なんだ?」
七草:「
摩利:「ああ、確か、決して手を出してこない婚約者候補……だったか?」
七草:「そうよ。結構隙を見せてるつもりなのだけれど……」
今回、真由美が話すのは、五輪家長男との観劇での出来事について。
彼とは七草・五輪両家のセッティングで、何度も食事や観劇をしたりする間柄であり、良い雰囲気になったことは一度や二度ではないのだが、彼が手を出したことは一度もない。
他の婚約者であれば、そのような場面、真由美の腰に手をまわしてきたり、中には強引に接吻を迫られたこともあったのだが、彼に至ってはそのような心配をする必要が全くなかった。
そもそも、真由美は生涯の伴侶になるか定かではない相手と最後まで行く気は当然なく、強引に迫られた際は、どうやっていなすべきかを考えるのが悩みの種なのだが、全く反応されないのも女性としては悩み所だ。
今回は、 彼の膝に手を置いてみた。
今回は、 彼の肩にしだれ掛かってみた。
今回は、 ……
鈴音:「前回のアドバイスも不発に終わりましたか……」
七草:「ええ、結構責めたつもりだったのだけれど」
真由美が話を終えると、前回の話の時にアドバイスくれた鈴音ことリンちゃんが冷静沈着な表情のまま相槌を打った。
今回の彼との
鈴音:「その彼は自制心が強いというより、会長への興味がないのかもしれませんね」
中条:「えっと……それってどういうことですか?」
鈴音:「五輪家の婚約者の方には既に別の想い人がいるのでしょう」
中条:「ああ!なるほど!」
摩利:「真由美の美貌をもってしても勝てない相手か……」
鈴音:「他の婚約者の方なら落とせると思いますよ。会長、試してみては?」
七草:「それじゃ意味ないわよ!」
それから少しの間、四人で次回の五輪対策を練った。
そして、対策にひと段落がつけば、次は摩利の体験談だ。
七草:「次は摩利の番だけど……」
摩利:「…………」
摩利がお付き合いしている相手は、摩利より年上で、魔法防衛大学に所属する大学生。
出会いは、摩利が通う千葉家の道場で、摩利はその道場の師範代であった千葉家の次兄、千葉修次と恋に落ちた。
摩利が付き合い始めた時期は、今から約1年前。
男性経験の無かった摩利の力になろうと始めた対策会議は、摩利が約半年前に性的行為を体験したことから徐々に体験談を暴露する会に変わっていった。
シュウに胸を触られてしまった!!
キスって唇同士でするんじゃないのか!?
婚前交渉はダメだと思うんだ……
性知識に乏しかった摩利が、何故かその手の知識が豊富な鈴音の助言を受け、徐々に大人の階段を昇っていく。
前回の摩利の内容は、彼氏の性欲を手でもって解消したということだった。
摩利は、世間一般の女性と同じく婚前交渉に抵抗があるタイプの女性だ。
なので、彼氏とそういう雰囲気になっても常に拒否していたらしいのだが、何回も拒否し続けている内に、今度は好きな人の気持ちに応えられないというジレンマを抱くようになってしまった。
鈴音:『婚前交渉とは最後までしなければ良いのですよね?』
摩利:『ん?……最後まで?』
鈴音:『最後までというのは、挿入のことです』
摩利:『いや、それは分かる。しかし、挿入せずに満足させることなど……』
鈴音:『摩利さん、男は射精さえ出来れば満足する生き物です』
摩利:『???』
鈴音:『そのため、射精させられるのであれば、何も女性器を使う必要はありません』
中条:『???』
七草:『…………』
鈴音:『要するにですね、手や口を使って男性器をしごき、射精させてしまえば良いのですよ』
摩利の悩みに対して鈴音が出した答え。
それは女性器を使わずに男の性欲を発散させる方法。
所謂、愛撫やオーラルセックスに関するアドバイスだった。
通常のセックスしか知識のない摩利は当然、忌避感を覚えていたのだが、前回の報告でついに
果たして今回はどのような報告になるのか。
この体験談において、本命は摩利と鈴音。
真由美やあずさは前哨戦だ。
七草:「摩利?」
摩利:「…………」
鈴音:「ついに大人になってしまわれたのですか?」
摩利:「な!? 違う!! 最後まではしてない!!」
七草:「じゃあ、何を言い淀んでいるのよ」
摩利:「その……今回は……口でシた……」
中条:「え? クチ?」
鈴音:「男性器を口に含んだということですね」
中条:「!!」
摩利:「ハッキリ言うな!!」
鈴音:「今更ですね……はっきりとフェラチオしたと言ってください」
摩利:「な!?」
七草:「まぁまぁ……ほら、続き続き」
そうして摩利は1週間前の出来事を語った。
摩利の話は生々しいもので、その話を聞いた真由美の脳内にその時の情景が浮かび上がる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
摩利:『ちゅ、ん、んちゅっ、んはぁ、んちゅ――!』
修次:『ハァ……ハァ……摩利……』
摩利:『シュウ! 今日は……これ以上……んっ……ダメ』
摩利は、千葉の道場で稽古を終えると、師範代である千葉修次の部屋に訪れていた。
摩利は、千葉の門下生。
そのため、千葉家に出入りしていることを
修次は、摩利が部屋に入った途端、摩利の唇を奪い、着てきたコートを脱がす間もなく、摩利の後頭部に手を回し、舌と舌を絡ませ合った。
修次:『どうしたんだい? 今日はいつも以上に抵抗するね』
摩利:『その……今日はここまでにしてくれ……今日はもう帰らないと……』
修次:『今日は遅くなっても大丈夫な日じゃなかったかい?』
摩利:『いや……その、ここに来る途中、エリカに会ったんだ……』
修次:『エリカに? それがどうかしたのかい?』
修次は、突然出た妹の名前を聞き、それがどうしたのかと首をかしげる。
摩利は、修次との逢引きがエリカに悪影響を及ぼしてしまうのではと危惧していた。
エリカは年頃の女の子だ。
もし、男女が長い時間、部屋から出てこなかったらエリカはどう思うだろうか。
兄が淫らな行為を行っている……そう連想してしまう可能性は十分にあるのではないか。
今の時代、貞操観念の強い男女は多い。
さらには婚前交渉を忌避する女性は多く、婚前交渉を行うことは、性の誘惑に負けたとして、後ろ指をさされてしまう時代。
それ故に、身近な人間が結婚前に淫らな行為に及んでいるとわかれば、エリカの貞操観念が薄れてしまい、事故や性犯罪に巻き込まれてしまうのではと、摩利は心配したのだ。
修次:『それは心配し過ぎだよ』
摩利:『そうだと良いんだが……でもやっぱり……』
修次:『こうやって会うのは久しぶりなんだ。俺は止めないよ』
摩利:『な!? ちょっ……ヤメっ……あっ――』
修次の唇が摩利の耳に触れ、摩利の口から甘い声漏れる。
抵抗は一瞬。
耳元で甘い声を囁かれた摩利は、一瞬で意識を奪われて、修次の胸へと顔を埋める。
そして鼻腔をくすぐる甘い匂い。
その匂いをきっかけにして、摩利の身体から力が抜ける。
摩利:『あっ……』
修次に腕を引かれて、摩利はベッドの上へと移動した。
コートはいつの間にか脱がされていて、摩利の服装は黒のタートルネックへと変わる。
摩利:『ちゅ、ちゅっ、ん、んはぁ、ちゅっ、ちゅ、ちゅ――』
火がついてしまった摩利。
先ほどのキスと打って変わって、摩利からも情熱的に修次を求める。
それはお互いの唇を吸い合い、舌を絡め、口に溜めた唾液を交換する濃厚なキス。
ベッドの縁に腰を掛け、向かい合っていた体勢から始まったキスが、今ではベッドに押し倒されて、修次が摩利に覆いかぶさった体勢でキスを交わしていた。
摩利:『くちゅ、ちゅぱっ、んはぁ、ちゅっ、ふうん、んんっ――』
キスと同時、修次の手が摩利の身体を這いまわる。
修次:『摩利……脱がすよ?』
摩利:『うっ……その前に電気を消してくれ』
修次:『わかった』
摩利の言葉を聞き、修次は部屋の電気を消した。
その間、摩利は乱れた服装をもとに戻してベッド中央に移動する。
暗闇となった部屋。
摩利は修次から背を向けた状態で待機し、心臓をバクバクさせながらその時を待つ。
部屋の中央では微かに衣服の擦れる音が聞こえ、衣擦れの音が止むと、次にベッドの軋む音が部屋に響いた。
修次:『脱がすよ?』
摩利:『んっ』
修次が上着の裾を持ち上げた。
途端、多くの肌が外気に触れ、摩利は身体を震わせた。
修次:『摩利――』
摩利:『あっ――』
修次が摩利を抱きしめる。
お互いの肌が触れ合い、摩利の背中に修次の温もりが伝わった。
摩利:『ちゅ、ちゅっ、ん、ちゅぱっ、ハァ……ハァ……ハァ……』
修次:『摩利……下も脱がすよ?』
摩利:『……んっ』
修次の問いに、摩利は一瞬だけ逡巡した。
部屋は暗闇に包まれているが、既に目は暗闇に慣れており、自分の白い肌をしっかりと視認できる。
肌を晒すのは今日が初めてというわけではないが、羞恥心が無くなることは無い。
それでも、好きな人の気持ちに応えようと、精一杯の返事を返し、そのまま腰を浮かすことで修次の負担を軽減させた。
下着姿になった摩利。
その姿を目にして、修次が摩利の耳元で一言囁く。
修次:『摩利……好きだ』
摩利:『うっ……シュウは、いつもこのタイミングで……ずるいぞ』
摩利の耳元で囁かれた甘い言葉。
摩利は、修次のほうに向き直ると、甘い言葉にキスで応えた。
摩利:『んっ、ちゅ、ん、んん――』
二人の吐く息は熱い。
摩利は、先ほどまでの寒気が嘘のように、身体が熱くなっているのを感じていた。
いつしか二人はベッドに倒れ込んでいて、身体は絡みませ合いながら、それぞれ敏感な箇所を愛撫している。
自分で触るよりも何倍もの快感。
このままの流れであれば、前回と同じく、どちらかが果てるまでこの愛撫が続くはずと摩利は思った。
修次:『今日は、摩利にもっと気持ちよくなってほしい』
摩利:『んっ、え?――』
修次の唇が、摩利の唇から離れ、そのまま下へ下へと移動する。
摩利:『あぁっ、んっ――』
鎖骨、臍、そして足の付け根へと、修次の舌が這いまわる。
指が這いまわる感覚とは違い、くすぐったい感覚が摩利を襲った。
摩利:『ちょっと! シュウ、んっ、何して、あ!?――』
摩利は自分のショーツがずらされたのを悟った。
修次の息遣いが、敏感な部分を通して摩利に伝わる。
修次:『これが摩利の……可愛い形だね』
摩利:『!?』
修次:『クリトリスも充血してる……感じてるんだね』
摩利:『おい! シュウ、それ以上は怒――んあぁっ!?』
摩利が身体を起こし、修次に抗議しようとした刹那。
その瞬間、摩利の身体は強い電流に見舞われた。
その原因は、修次が摩利のクリトリスを舌で弾いたために生じたもの。
敏感な箇所を突然刺激されたことにより、摩利は抗議の声は、嬌声へと変化した。
摩利:『はぁっ、あぁっ、やめっ、そこ、汚、はぁっ、んぁっ――』
摩利の秘所を修次の舌が這いまわる。
修次が舐めている箇所は、摩利が不浄だと感じている部分。
その部分を舐められて、摩利は忌避感を覚えながらも、快楽に抗うことが出来ない。
摩利:『あぁっ、本当っ、やめっ、もう、はぁっ、ああぁっ――』
摩利の口から自分でも驚くような甘い声が漏れた。
そして、下半身から聞こえてくるピチャピチャという水音。
クリトリスを執拗に責められて、その快楽によって漏れ出た蜜を何度も何度も舐めとられる。
摩利の甘い声と断続的な水音だけが支配する空間。
その淫靡な空間が、摩利の気持ちを高揚させる。
ピチャピチャ―― ピチャピチャ――
摩利:『シュウっ! ちょっ、あんっ、いつまでっ、んっ――』
ジュルルルッ――
摩利:『ちょっ!? あんっ、吸うなっ、んっ――』
レロレロ――
摩利:『ひゃん!? 舌っ!? んくぅっ――』
ピチャピチャ―― ピチャピチャ――
摩利:『まってっ、もう、んっ、あぁぁっ、おかしくっ、んっ――』
ピチャピチャ―― ピチャピチャ――
摩利:『シュウっ! もう、これ以上はっ、本当っ、おかしくなるっ、シュウ!!――』
ピチャピチャ―― ピチャピチャ――
摩利:『ああっ! イクっ、イクっ、シュウ!! ああぁっっ!!――』
部屋に響き渡る嬌声。その叫びと共に摩利の腰が大きく跳ねた。
激しく痙攣する摩利の身体。
痙攣が収まるまで数十秒もの時間を要し、痙攣が止まった後も、摩利の呼吸は乱れたまま、視線は虚空を見詰めている。
修次:『摩利、気持ちよかったかい?』
摩利:『はぁ……はぁ……、んっ、はぁ……はぁ……』
修次:『ほら、摩利の愛液でシーツがこんなに……』
摩利:『はぁ……はぁ……すまない……んっ、けど、シュウが、悪いんだぞっ』
修次:『いや、ごめん、ごめん、止め時がわからなかったんだ』
摩利:『ううっ……最悪だ、バカ……』
今までで一番深い絶頂を経験した摩利。
性器を舐められることなど本来なら忌避すべきことなのに、修次の深い愛情を感じて、心はいつも以上に満たされている。
修次:『摩利……』
摩利:『シュウ……』
摩利は修次が何を期待しているのかを理解した。
切ない表情で摩利を見つめる修次。
修次の恥部に手を這わせると、下着越しでも分かるほど多量のカウパーがにじみ出ている。
摩利:『はぁっ……シュウ……今度はアタシが――』
修次:『摩利?』
修次の下半身に摩利の顔が潜り込む。
大きく膨らんだ修次の下着。それをずり降ろすと摩利の顔の前に屹立したペニスが姿を表す。
摩利:『はぁっ……大きい……ちゅぱっ……んっ、ちゅぱっ――』
修次:『うっ――』
摩利の唇がペニスの先端にあてがわれた。
修次のペニスから漏れ続けるカウパー。それを舌で舐めとりながら、ゆっくりとペニスを愛撫する。
ペニスを咥えるという初めて行為。
味や大きさに戸惑いながらも、先ほどのお返しとばかりに摩利は修次に奉仕する。
修次:『はぁ、摩利!!』
摩利:『ちゅぷっ……くちゅっ……ちゅぱっ……んっ――』
摩利は歯を立てないよう気を付けながら、唇を使ってカリ首を優しく刺激する。
摩利がフェラチオにの知識を持っているのは鈴音から教わったためだ。
摩利:『ぷはっ、んっ……シュウ、どうだ、上手くできているか?』
修次:『んっ、摩利……気持ちいいよ、そのまま続けて』
摩利:『よかった……ちゅっ……ちゅぱ、ちゅぱ――』
修次の視線の先には、下着姿でペニスを一心不乱に口淫する摩利の姿。
普段の摩利からは想像も出来ない艶姿に、修次のペニスはより一層硬くなる。
ボーイッシュな髪型と相まって、普段の摩利は男装の麗人。その見た目通り、摩利はしっかり者で、凛とした性格の持ち主だ。
しかし、現在、修次の目の前にいる摩利にその面影はない。
ペニスを口いっぱいに頬張り、恋人に必死に尽くす姿は、見間違いの無い程女の子で、その姿は恋する乙女そのものだった。
クチュッ、チュパッ、クチュッ、クチュッ――
摩利:『(んっ、身体が熱いっ、舐めてるだけなのに……身体が……)』
口を上下する度に身体を巡るもどかしい快感。
修次のペニスから放たれる淫靡な匂い、さらにはカリ首が摩利の上顎を擦ることによって、摩利の身体に少ないながらも快楽が生じる。
摩利:『ちゅぱっ、んっ、ちゅぱっ、はぁ、はぁ、んっ、ちゅぱ――』
修次:『くっ、摩利……そろそろ、
摩利:『ちゅぱっ、んっ、わかった……はぁ、はぁ、ちゅぱ――』
修次のペニスが膨張する。
余裕のない修次の声。好きな人の感じている姿に摩利の下腹部が熱くなる。
修次:『摩利! ダメだ!
摩利:『んっ――!?』
修次の合図とともに、摩利の口に生臭い匂いが広がった。
ペニスが脈打ち、少量の液体が口に溜まる。
修次:『はぁ、はぁ、はぁ――』
摩利:『んっ……コクッ……んっ……はぁ、はぁ、はぁ――』
修次:『え? 摩利、もしかして飲んだのかい?』
摩利:『はぁ、はぁ、えっ? 飲むものじゃないのか?』
修次:『いや、吐き出して良かったんだよ?』
摩利:『え? けど友人が言うには精液は飲むものだと……』
摩利の知識は鈴音に植え付けられたもの。
正直、精液は思った以上不味く、吐き出して良いものと分かっていれば、間違いなく吐き出していただろう。
しかし、既に飲み干した後であり、摩利の口内に残るのは味の余韻だけだ。
修次:『いや、飲んでくれて嬉しかったよ……頑張ったね』
摩利:『あっ――』
修次が摩利の頭を優しく撫でる。
その瞬間、摩利に訪れた多幸感。下腹部が今までにないくらい疼き、自然と摩利の目が修次のペニスへと向かう。
修次:『ん? どうしたの?』
摩利:『……はっ、いやっ、何でもないぞ!!』
修次:『もしかして最後までしたくなった?」
摩利:『なっ!? 違う! それだけはまだダメだ!!』
修次:『わかってるよ、言ってみただけさ……」
摩利:『…………』
修次:『ありがとう、摩利、気持ちよかったよ』
摩利:『んっ……アタシも……その……気持ちよかったぞ……』
行為はこれで終わった。
摩利が修次の部屋に訪れてから、すでに1時間。
摩利は何かを忘れているような気がするも、恋人と過ごす時間を優先した。
今なお続く下腹部の疼き。
この疼きは挿入の準備が整いながらも、挿入されなかったために生じたもの。
この疼きを止めるためには修次の協力が必要不可欠。
摩利:『(アタシは結婚するまで、この疼きを我慢できるのか?)』
今日の行為の最中、挿入の期待をしてしまった摩利。
摩利は、下腹部の疼きを抑えるため、修次の腕に抱かれながらも、自分で自分を慰めた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
七草:「摩利、よく我慢したわね……」
摩利:「ああ、頑張ったんだ……それより……」
七草:「どうしたの?」
摩利:「いや、部屋を出たのが2時間以上たった後でな」
鈴音:「ああ、妹さんに部屋に入るところを見られてたんでしたね」
摩利:「そうだ……エリカの私に対する態度が悪化してな……」
七草:「今年の春からこの学校に入学するんでしょ……大丈夫なの?」
摩利:「なるべく関わらないようにする」
鈴音:「義妹になるのですから、避けてばかりでは駄目なのでは?」
摩利:「うっ……アタシの話は以上だ! 最後は鈴音、お前の番だぞ!」
鈴音の指摘に対し、摩利は強引に話を打ち切る。
残る体験談は鈴音のみ。
鈴音が語る体験談は、摩利よりさらに濃い話…
それでも自分は未だ処女だというのだから、鈴音もやはり婚前交渉を忌避するタイプの人間であることは間違いない。
鈴音がお付き合いしているのは、魔法大学に通う年上の男性。
家柄は十師族でも、百家でもない一般家庭から生まれた魔法師とのことだったが、鈴音が選ぶだけあって、魔法の研究分野で鈴音の彼氏は有名だった。
摩利:「では、最後…私の体験談、前回の彼との勝負についてですが―――」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
チュンチュン…チュンチュン…
七草:「はぁ~、なんだろう……昨日リンちゃんの話を聞いたせいかな……」
濃密な女子トークをした次の日の朝。
真由美は自分のショーツにベッタリついた愛液に思わずため息をついてしまった。
七草:「まぁ、もうああいう話は気軽にできないんでしょうけど……」
そう呟いてから真由美はカレンダーを見た。
そう、あと一月もしないうちに新学期。
来月の新入生の中には、昨日、摩利の義妹として話題に上がった千葉家の娘も入ってくる。
剣の腕前であれば、摩利をも凌ぐ存在。
そのほかにも、新入生代表に選ばれている司波深雪。
実技試験は乏しかったが、ペーパーテストでは脅威の点数を叩き出した司波達也。
来月から入学するまだ見ぬ新入生たちに、真由美はワクワクしつつも、新学期が始まれば、生徒会や風紀委員は多忙を極める。
そうなれば、昨日みたく、四人だけのランチタイムも少なくなるだろう。
そして9月の生徒会総選挙が終われば、真由美も生徒会を引退。
そう考えると真由美の中に少しの哀愁が生じたが、それでも新入生への好奇心に勝ることはない。
七草:「ふふっ……司葉、達也くん。一体どんな子なのかしら」
Fin