九校戦の選手たちに用意されたうちの一室。
本来、五十里と達也が寝床とする部屋には、
五十里は、ショートボブな髪と中性的で優し気なイメージが特徴の容姿を持つ美少年であり、スカートを履かせれば、華奢な身体も相まって背の少し高い女子高生に見える。
一方の花音は、ボーイッシュな髪と中性的で少し吊り上がった目が特徴的な凛々しい容姿を持つ美少女であり、学ランを着させれば、小柄ながらも活発な男子高生に見えるだろう。
お互い中性的な容姿であるため、二人を知らない者が見たら、同性同士、同じ部屋で問題ないと思うかもしれない。
しかし、それは当然間違いで、五十里と花音が一緒にいるのは、部屋の割り振りを無視していることに他ならない。
時計の短針は夜の10時を指していた。
選手として明日の出番を待つ生徒たちの大半は出番に備えて、早めの就寝を選択していることだろう。
花音も明日は女子ピラーズ・ブレークの決勝戦が控えているため、本来であれば、部屋に戻って明日に備えるべき者の一人のはずだ。
「やっぱり司波君には悪いことしちゃったな...」
「今更よ…んぅ…啓…それに…司波君も技術スタッフの一員っ…でしょっ…選手に万全の状態でっ…試合に臨んでもらうため…だとっ……彼も納得っ…してる…わ…よっ…」
花音の言葉は自分の気を紛らわすための方便だろう。
達也と深雪が了承してくれたとはいえ、花音自身、わがままを通していることは自覚していた。
しかし、明日の決勝戦を前に高ぶった気持ちを落ち着かせるためには、どうしても啓と一緒にいることが重要だった。
二人は今、同じベッドで身を寄せ合っている。
部屋はツインルームのため、一人用のベッドが二つあるのだが、片方のベッドは無人だ。
本来、一人用のベッドに二人が寝るとなれば窮屈のはずだが、五十里は男性の中では小柄で、花音は女性である。
小柄な二人では身を寄せずともベッドの端に余裕があったが、二人の関係上、ベッドの大きさに関わらず、身を寄せあうのは当然の行為だった。
五十里と花音はお互いの足を交差させ、五十里の腕は花音の背中に回されている。
達也が戻ってきたら、言い逃れの出来ない状況。
しかし、二人にその懸念はなく、それもそのはずで、達也はこの部屋に入るためのルームキーを置いていった。
インターホンが鳴らされれば話は別だが、この時間に訪れる礼儀知らずはいないだろう。
お互いの身に残るは薄手の下着のみ。
花音のほうは、学校行事の最中であることを忘れさせてしまうような、セックスアピールの強い下着で身を包んでいる。
ベッドの中では、会話を楽しみながらも、それぞれが下着の上から性器を刺激していた。
会話を始めてからすでに1時間以上は経過している。
お互い、次の段階への移行を待ちわびており、どちらが先に直接的な手段に出るかの我慢比べ。
そして、先に決壊したのは花音のほうだった。
「はぁ♥・・・もうだめ♥・・・啓ぃ・・・♥」
花音は姿勢を変えて、五十里に覆いかぶさるような体勢を取ると、真っ直ぐに五十里の目をのぞき込む。
花音の瞳は情欲に駆られていた。
「んむぅ…んぅ…♥…んぅ、啓ぃ…♥」
「んっぅ…んっぅ…ふぅっ…花音…」
「んふぅ…んぁっ…♥…啓ぃ…もっと…舌…出してぇ♥」
花音の唇が五十里の舌に吸い付く。
五十里は、口に意識を向けつつも、花音のショーツに再度手を這わせた。
花音の履くショーツは、クロッチ部分がかなり薄く作られている。
それは、ショーツ越しでも花音の陰核の位置が分かるぐらいだ。
すでにクロッチ部分にショーツ本来の触り心地はなく、花音の秘所から溢れ出た愛液でぬるぬるしている。
花音がいつもより興奮していることに五十里は気づいた。
特殊な環境化での行為だ。
花音だけではなく、それは五十里も同じだった。
「あぁぁん…♥はぁ…♥…はぁ…♥くぅぅっ…♥」
花音の秘所をなでるだけ、甘い声が部屋を満たす。
「ちょっ…♥はぁ…♥…はぁ…♥ダメっ…♥キスっ…はぁっ…できないっ…♥」
花音の言葉を無視して、ダメ押しとばかりに陰核を
「っっぅぅぅっっぅ―――!♥………ハァっっ…ハァっっ…ハァっっ…」
声にならない叫びとともに五十里の手には、あたたかなな雫が滴り落ちた。
五十里の手に落ちたのは、ほんの一部。
大半の雫は、花音の太ももを伝って、シーツに大きなシミを作った。
「………花音…イッちゃった…?」
五十里はこれまでの経験上、花音の今の状態が軽くイッった後だと分かっている。
それでも問いかけるのは、花音から反感を買うためだ。
案の定、花音は息が落ち着くと、鋭い目で五十里を睨んだ。
しかし、それは一瞬のこと。
すぐに小悪魔のような笑みに切り替わると、五十里の首筋に吸い付き、徐々に下に向かって降りていく。
二人の行為は昨日今日に始まったことではない。
五十里は花音の性的弱点を知っているし、花音も五十里の弱点を知っている。
五十里の弱点。
その一つに、花音は入念に舌を這わせた。
花音が舌で転がしたのは、五十里の胸の先端。
男性でありながら、舐められると女性のような喘ぎ声を出してしまう五十里の弱点の一つ。
中性的な美貌を持つ五十里は、同性からも好意の視線に晒されることがままある。
その視線は五十里にとって、当然、愉快なものではなかった。
もしこの弱点がそのような視線を向けてくる者の耳に止まればどうなるか…
花音が吹聴することは決してないが、男らしくありたいと思う五十里にとって、この弱点の克服は優先順位が高い。
今日も花音の責めに必死に抵抗するが、呼吸は次第に早くになり、か細い声が自然と洩れる。
乳首に対する刺激は止むことなく、花音はさらに五十里の下着へと手を伸ばす。
伸ばした手は、五十里の下着の中へと吸い込まれると、手の腹の部分で勃起した先端を撫でまわした。
「啓のここ…すごいことになってる…ほら…手がこんなに……」
そうして目の前に差し出された花音の手は、粘ついた液でまみれており、五十里の我慢の量が見て取れる。
それをためらいもせずに、花音は舌で舐めとると、掛布団に隠れ、さらに下へと潜り込んだ。
五十里の視界から花音が消え、温もりだけが、花音の現在位置を知る手がかかりとなる。
すでに花音の顔は、五十里の下着の目の前まで移動していた。
ふいに、鬼頭の裏側を根本から先端にかけて暖かいものがなぞった。
次に、先端に刺激が走り、思わず声が漏れる。
花音の焦らしは、数分にも及んだ。
最中、下着はずらされただけで、腰を浮かしても、下着をはぎ取ることをしてくれない。
五十里の中にはもどかしさが募り、ついには耐え切れなくなると、花音の頭を掴み、鬼頭を喉奥へと差し込んだ。
掛布団の中から呻き声が聞こえてきたが、それを無視して、いままでの焦らしに対する鬱憤を晴らすように、五十里は十数秒もの間、鬼頭を喉奥に固定した。
そして、十数秒後。
力を緩めた途端、花音が大きく咳き込んだ。
こういったプレイも今日が初めてではない。
二人の信頼は、どんな行為も受け入れられるほどの強固な繋がりを持っている。
掛布団から顔を出した花音に五十里が口付けすると、花音は目を細めてそれに応えた。
キスをしている間、お互いの下着を取り外す。
「もう…いいよね…私…我慢なんて…できない…から…」
花音が胡坐の姿勢となった五十里に身を寄せる。
五十里は枕元に置いてあったスキンへと手を伸ばすが、それより先に花音が腰を降ろすほうが早かった。
五十里からは驚きの声が…
花音からは押し殺そうとして押さえ切れなかった嬌声が…
五十里が初めて知る感覚…
ゴム超しでは感じられなかった花音の膣内…
細かなひだが鬼頭にまとわりつき、先端はやわらなか
花音の中はいつも以上に熱く、キツく、挿入してからずっと小刻みに脈動している。
このまま、今にでも果ててしまいそうな勢いを唇を噛みしめることでなんとか耐える。
そうして、お互い身動きせずまま、時間だけが過ぎていく。
花音は挿入してからずっと五十里の胸に顔を埋めていた。
(花音もいつも以上に感じてる…)
先に落ち着いた五十里は、花音の顔を見ようと顎に手をかける。
手に少しばかりの抵抗があった後…
花音がついに顔を上げると、今にも泣きだしそうな、そんな表情が張り付いていた。
「…んぅっ…んっ…ダメっ…イれただけで…
花音は今の現状を伝えようと必死だった…
紡ぎだした声は
声を押さえようとしているのか、声量は小さい。
そんな花音を見て…
五十里の理性は吹き飛んだ…
「花音っ!!」
花音を押し倒して、座位の姿勢から花音に覆いかぶさるような姿勢を取る。
突然の出来事に花音は一瞬驚きの表情を浮かべたが、次の瞬間には、表情はだらしなく緩み、それを隠そうと、手で覆う。
「花音っ…隠さないで…こっち見て…」
「…んぅっ♥…んっ…むりぃっ♥…いま…ぜったい…ひどいっ♥…顔…してるっ♥…」
「大丈夫…ほらっ…手…どけて…」
五十里は花音の手を掴み、少しばかり力を入れる。
「…啓ぃっ♥…んっ…みちゃっだめぇっ♥」
五十里の抽挿に合わせて、花音の表情が悩まし気に歪む。
「…花音…好きだっ…愛してる……」
きっかけは好きという言葉だった…
花音の身体に変化が生じる。
身体全体を小刻みに揺らし、腰は浮き沈みを繰り返す。
膣内はさらに顕著で、締め付ける力は一層強くなり、弛緩と緊張を繰り返す。
「…啓ぃ♥…好きぃ♥…んっ…私もっ…♥…んっ…んっ…好きぃ♥……」
五十里も我慢の限界だった。
これ以上はマズイと僅かに残っていた理性が歯止めをかける。
五十里は一度抜こうと腰を引くが、花音の足がそれをさせない。
足に篭る力は強く、五十里の腰を離さない。
「―――っっ!?…花音!…ダメだっ!早く離して!」
「あぁっ♥あぁっ♥あぁっ♥…欲しいよぅ♥…啓の精液…欲しいよぅ♥」
「―――っっ!?」
「あぁっ♥あぁっ♥子宮の奥…♥…いっぱい♥…いっぱい♥あぁっ♥あぁっ♥」
花音が甘えた声でおねだりする。
五十里の理性は決壊した。
挿入の速度は速くなり、高みへ昇ることを決意する。
「花音っ!花音っ!―――好きだっ!―――好きだっ!」
「啓っ♥…好きぃっ!♥…んっ…好きっ…♥…好きっ!♥―――」
「―――花音!っっ
「きてっっ♥きてっっ♥きてっっ―――♥」
「――――――っっ!!」
「――――――っっ!!」
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絶頂と射精が落ち着いて、行為がひと段落ついた後…
花音は静かな寝息を立てて、深い眠りに落ちていた。
花音が眠るベッドは、シーツが濡れてかなり冷たくなっている。
空調の効いた部屋でこのまま放置するのはまずいだろう…
五十里はシーツを乾かす魔法を使おうとしたが、それを取り止め、花音の可愛い寝顔を見る。
魔法師にとって、魔法の知覚は五感よりも鋭敏だ。
魔法だと起こしてしまうことを考慮して、五十里は花音を抱きかかえると、もう一つのベッドへと移動させた。
花音は血気盛んな女の子だ。
決勝前の前日となれば、アドレナリンのせいで寝付けないことが分かっていた。
五十里は花音の寝顔を見て安堵する。
その寝顔に明日の優勝を祈願して…
五十里はしばらくの間、花音の寝顔を見つめたのち、少ししてから眠りに落ちた。
<了>