※この作品はR-18です。

フルダイブヴァーチャルゲームから未来へ転移したら世界が滅んでた件   作:罪袋伝吉

2 / 6
 前回のプロローグの裏側その①。

 ヒロイン予定の女の子達が登場します。ああ、おかまはヒロインじゃないからカウントしないでね。

 なお、メイドさんもヒロイン……かなぁ?さてはて。


乙女のあれこれ~暗躍する乙女と巻き込まれる乙女。

 

【聖愛美の暗躍】

 

 

 聖愛美は、幼なじみであり長い年月想い続けて来た『黒田鉄雄』を裏切った『アンナ某(そんな女の名前なんて覚える価値などない)』に対して心底腹を立てていた。

 

「いろいろ、本当にいろいろお膳立てして用意した全てがあのクソビッチのせいで全部台無しじゃないか!」

 

 愛美はこれまでいろいろと裏から手を回して鉄雄のゲームライフをサポート……というか本当にいろいろと裏工作をしてきていた。

 

 鉄雄がガンスモークフロンティアをやり始めたと知れば、カジノグループの総帥を務めている祖父に頼み込んで大口のスポンサーになってもらっていろいろと口出し出来るようにしたり。

 

 ソロプレイヤーの鉄雄が拠点として使えるように『サルーン』のギルドを作らせて自分で運営出来るようにしたり。

 

 ソロプレイヤーの鉄雄のためにソロプレイヤー限定の高難易度のクエストをあちこちに作らせてはサルーンでその情報を鉄雄に提供したり、鉄雄に似合いそうな、というかモロに愛美が鉄雄に来て欲しいと思うような衣装やらなんやらをアイテムとして設置したり、ともう鉄雄のためにやたらと暗躍していたのだ。

 

 だが、鉄雄は何故かアンナとかいう俄かにわいたクソに集るウジのような低視聴率・低人気な配信者と連んでゲーム内でもリアルでも会ってくれなくなり、自分の家に呼んでもあまり来なくなってしまったのだ。

 

 だからもっと鉄雄が熱中出来るような最高のソロ限定の超難関クエストとたった一つだけしか現れない鉄雄専用の大型銃をワールドに配置させたのだ。

 

 全ては、アンナ某よりも自分の方が鉄雄の事を思っているのだと分からせるためだ。

 

「クエストが成功したらウチのサルーンで盛大にお祝いしようよ!みんな待ってるからね!」

 

 無論、ゲーム内でのお祝いが終わったら鉄雄の家に押し掛けてオフでも祝うつもりだったのは言うまでもない。

 

 だが、鉄雄は愛美の『ギルドサルーン・ベガスバニー』には来なかった。

  

 何があったのかとチャットで聞いてもスマホで聞いても、

 

「俺、もうゲーム辞める」

 

 の一言で鉄雄は切ってしまい、直接会いに行っても何日も家に引きこもって出てくれなかったのだ。

 

 最初は自分が嫌われたのか?とかいろいろとゲームに注文つけて鉄雄限定のクエストとか作らせてた事がバレたのか?とか愛美もビクビクしていたが、しかし愛美の家に仕えているメイドで今は亡き父の愛人……その辺りは微妙な関係なのだが……かつゲームでも愛美をサポートしている『三澤葉子』がVRTubeの一本の切り抜き動画を見せて来たことで全てが判明した。

 

 それは、アンナ某とかいうクソビッチが、人気動画配信者の『アル・バート』とかいう男と鉄雄のアバターである『スティール・ガン・ロード』を裏切って罠に嵌めてランキング一位から蹴落としてやろうと画策している所から始まり、そして最後には不格好にやられていくという動画だった。

 

 確かにアンナ某の事は正直なところ愛美は大嫌いだったし、シネば良いのにとは思っていたが、ただ、動画配信とか嫌って自分では絶対にしない鉄雄のゲームプレイを動画で配信している事には愛美は評価していた。

 なんならグループで小口のスポンサーにでもなってやろうかとか、そういう事も考えた時もあったのだ。無論、鉄雄には手を出すなとか様々な条件付きで、だが。

 

 しかし、アンナ某がよりによって鉄雄を裏切って、しかも愛美のウチのグループと敵対しているカジノグループがスポンサーをしている動画配信者と手を組むなど愛美は思っていなかった。

 

 愛美はそりゃあ怒った。それこそ腸が煮えくりかえる程に。ゲームだけでなく、社会的にも抹殺したろか?と思って祖父に電話しようとしたぐらいだ。

 

 とはいえそれはメイドの三澤葉子に止められてものすごく叱られ止められた。

 

「良いですか、お嬢様。お祖父様にそんな事を頼めばそれこそ嬉々としてやっちまいかねないのでおよしなさい!」

 

 愛美の祖父は自分の息子の忘れ形見である愛美を、それこそ目に入れても痛くないどころか目に本当に入れて目を潰しても構わないぐらいに可愛がっており、愛美の頼み事ならばもう本当に全力でやらかすぐらいに分別が無い。というか自分の息子の愛人だった葉子をこうして屋敷に迎えているのだって『亡き息子が愛した女だから』という理由であり、葉子がいたたまれずに愛美のメイドとして働いているのもその愛美の祖父の過剰な愛情が辛いという理由なのである。

 

 とにかく愛美の祖父は家族や一度身内だと認定した人間にとにかく過剰な愛情で接するかなり狂った感性をもった異常人物なのだ。

 

 無論、愛美の幼なじみで恋心を抱いている鉄雄も、この愛美の祖父の部下達(ヤバい系の)によってしっかりと監視されており、家族認定するかどうかをギロギロと見定められていたりするのだ。

 

 なお、愛美の恋が破れたと認定されれば鉄雄の命は無い。これはもう確定事項である。ナニソレ怖い。

 

「ゲームの事はゲームで決着をつけるべきなのです。確かに鉄ちゃん(三澤葉子は鉄雄をそう呼んでいる)は失恋で物凄く傷ついてるのかも知れないですが、でもリアルで相手と会ったわけでもありませんし。それにほら」

 

 葉子はスマホの画像を愛美に見せた。

 

 それはアンナ某の中身の顔とアル・バートの中身の顔の画像だった。

 

 それらはお世辞にも可愛いとか格好いいとか言えないような、むしろ残念な感じだった。

 

「お嬢様の方が美人ですし、それに鉄ちゃんとはリアルでお会いしておりますし」

 

「いや、というかこんな画像をどうやって手に入れたんだよ、ヨーコさん?!」

 

 いや、これには愛美もどん引きしていたが、

 

「当グループが出資しておりますゲームの中で商売敵の『ザッコ・インターグループ』の手の者がちょっかいをかけて来たなら、そりゃあ調べますとも。ええ」

  

 そんな愛美に涼しい顔で葉子はそういいつつカラカラと笑い、

 

「しかし鉄ちゃんにあの銃をゲットさせたのは正解でしたね。ザッコが雇ったアルとかいう奴もレベル1に戻りましたし、元のレベルに戻るには一年ほど時間がかかるでしょう。お嬢様はその間に傷心の鉄ちゃんを慰めつつ、ゲームに復帰させるように仕向ければいいのですわ」

 

 これ、このように、と葉子はスマホの画面をスライドさせて新たなプランを見せた。

 

 そこには愛美が鉄雄を落とすための綿密な計画が示されていた。

 

 そうして、愛美は手練手管に長けた亡父の愛人であったメイドから鉄雄を落とすための秘策を授けられたのである。

 

 愛美は鉄雄をガンスモークフロンティアへ復帰させ、自分の恋を成就させるためにそりゃあもう動きまくるのだが、しかしその一年後に起こる事件の事など知りもしないのであった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

【ソロプレイヤー・ジェーン・ブレイド】

 

 

 

 

 スティール・ガン・ロードはあたしの憧れだった。

 

 どこにも属さず、孤高でいつも誰も挑戦しないクエストに挑み、そして必ず成功させてこのサルーンに帰ってきたものだ。

 

 あたしの名前は『ジェーン・ブレイド』。まぁこれはハンドルネームで本名は『友香菜・ジェシー・町屋』という。アメリカ系日本人で、アンナ某の動画でスティール・ガン・ロードのプレイを見てからずっとスティールの追っかけをやっていた、ソロプレイヤーだ。

 

 アンナ某がスティールを裏切って殺されてから、彼の噂はパッタリと消えた。

 

 そう、あれから一年が経ったが彼はこのゲームに一度も現れてはいない。

 

『奴はデッドマンズハンドに導かれて、今もフィールドをさまよってるのさ。奴のペイルホースの青い炎が見えたら注意しな。魂を連れて逝かれるぞ?』

 

 『サルーン・ベガスバニー』の酒場のマスターがニヤニヤ笑ってそう吹聴しているが、だけどスティールは一度もこのゲームで死んでいないし、むしろやられたのはアンナ達の方だ。

 

 確かにスティールの愛馬は確かにこのワールドにたった一頭しか確認されていないペイルホースであり、ワールドが夜になればその周りに鬼火のエフェクトが出るのは見たことのある奴ならみんな知っている。

  

 だけど怪談みたいに語られるのは私には面白くはない。

 

 だけどそれよりももっと面白くないのは、ゲームに飽きて引退したとか、人と関わるのが嫌になった、家でニートしてる、中身はコンビニでバイトしてたよ?いいやベガスバニーグループでバンサーしてる、VRエロゲーにハマってそっちの世界に行った、とかいい加減な噂を流す連中だ。

 

「……もう、来ないのかな」

 

 私は溜め息を吐いて、カウンターにもたれかかった。

 

「あらん、ジェーンちゃん、アンニュイな感じねぇ。頼んでたクエスト、もう終わったのかしら?」

 

 私の横からモンローウォークで歩いてくる地肌に直で白いベストを羽織って、ベルボトムのパンタロンを履いたケバい厚化粧のどうみてもおかまな男を横目で発見し、うんざりする。

 

 こう見えてもこのおかまはこのサルーンを運営する企業の社員であり、言わばここのギルドのクエスト担当のような立ち位置の男だ。

 

 ここのギルドは特にメンバーを集めたりせず、どちらかと言えばソロプレイヤーに対してとても親切でクエストまで紹介してくれるというありがたいギルドなのだが、このおかまのクエスト担当の濃いキャラクターだけはいつ見ても慣れない。

 

 というかキモくて拒絶反応すら起こってしまう。

 

「もうとっくに終わったわよ。というか疲れてる時に顔見せないでよ」

 

 嫌そうな顔をしているであろう私に、このおかま『ディーン・ボンド・バーズ』はとても嬉しそうな感じで、

 

「というかぁ、顔を合わせなきゃ報酬渡せないじゃなーい?はい、じゃあ今回の報酬よぉ。へぇぇ、ジェーンちゃん頑張ったのねぇ。特別ボーナスも付いてるじゃない!」

 

 といいつつ、やたら上機嫌な態度でマネーカードを差し出してきた。

 

 なんというかその辺も他のサルーンとは全く違うのだ。余所のギルドだとクエストの報酬を支払うときにやたら渋い顔をして、というか嫌そうな顔をしてくるのが大半なのだ……って、なにこの額は?!

 

 表示されている金額は『100000GP』。しかもリアルで換金出来るポイントで払ってきたってか、この金額は法外なんじゃ?つか、いちじゅうひゃく……って10万円分のポイントって?!

 

 私は怪訝な顔をしておかまを見た。だが私のその反応は奴には予想通りだったようで、ニンマーリと笑っている。

 

「まぁ……そりゃあ下っ端ギャングの討伐にしたらこの金額は高過ぎる額よねぇ。不思議がるのはわかるわぁ。もうとってもねぇ」

 

「……なんか、私、はめられた?」

 

「ん~?どうかしらぁ。でもとぉってもいい仕事してくれたってことは確かだわねぇ。そうねぇ、その辺の説明は支配人室で聞けるし、来てくれればもおっと稼げる次のクエストの依頼も受けれるわよぉ?」

 

 私はこのおかまによって何かろくでもない件に巻き込まれたのだと言うことを悟った。いや、このおかまだけではなく、支配人室に通されるということは、つまりギルドマスターが私を巻き込もうとしている、いや、すでに巻き込まれた?!

 

「んーふふふ、断ってくれてもいいのよぉ?でも、このまま帰ったらスペシャルイベントに参加する権利を無くすのよねぇ。そうねぇ『スティール・ガン・ロードの帰還』ってスペシャルイベントだけどぉ、ジェーンちゃん、興味は無いかしらぁ?」

 

 おかまはそう言って今まで見たことのないような凄みのある笑顔で、支配人室への通路を指し示した。

 

 『スティール・ガン・ロード』

 

 私の憧れ。そして目標。

 

 巻き込まれた云々よりもその名前を聞いたからにはもう進む以外の選択肢は無くなっていた。

 

 そして。

 

 私は自ら巻き込まれて行ったのだ。

 

 まさか大惨事に巻き込まれる事になるなんて思わずに。

 

 

 

 

 

 

 

 




 愛美ちゃんがやっていた事もちょっと引きますが、それより愛美ちゃんのジジィがもはや異常。

・愛美ちゃんは見た目、ロングウルフカットの黒髪系のお嬢様風。ただし言葉使いは乱暴。なお、乳は普通にC。

・メイドさんの葉子さんは、スレンダーな乳がママン的なIでロケットかつ、清楚系ぢゅくじぉ。なお、背中に刺青が入ってる系。某伊藤○イフのバ美肉なアレに少し似ていなくもない。

 ジェーンちゃんは金髪碧眼の美人系。やはりスレンダーですが乳はE。忠犬枠です。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。