フルダイブヴァーチャルゲームから未来へ転移したら世界が滅んでた件 作:罪袋伝吉
でも本体は『マモー』やで?と。
とはいえ、物語のキーとなるヒロインなので出さないといかんキャラだったりします。
100年ほど前までなら一家に一台コンピューターがあるような事もあっただろうが22世紀の現在、コンピューターというものは概ね国家や企業が管理する巨大なバイオコンピューター群のネット網をさしている。
バイオコンピューターというものがどんなものかと言うと、その中身は非常にグロい代物でね。
人間の脳みそが巨大な脳脊髄液の詰まったカプセルに納められた物が神経繊維によってそれぞれ繋げられたような物がそれだ。
いや、別に生きた人間の脳みそを使っているとか、バイオコンピューターを造るために誰かの命を犠牲にしているとかそういうディストピアな代物じゃあないから安心してくれ。
バイオコンピューターの基礎となっている神経細胞は確かに人間の神経細胞のデータから造られてはいるが、今の時代、そんなものは無機物から合成して造れるようになっている。
ようするに、無機物から生命を造るってことが可能になった時代なんだよ今は。なんならロボットを組み立てるよりも早く人間だって無から造ることも可能な時代なのさ。
……まぁ、法や倫理はかなり厳しくて当然そういうのは日本では禁止されてるし無論それは世界連合(かつて国連と呼ばれた組織が崩壊した後に再び出来た組織だ)に加盟している全ての国において表向きはそうなっている。(非合法で造っている連中が居ないとはいわない。世界の奴隷市場はそういう合成人間で溢れかえっている)
おっと、話がずれたから戻そう。どうも私は自我が芽生えてからというもの、こういう事が多くなってきた。いかんいかん。
そして、その神経細胞を効率良く機能的に働くように繋げ、またコンパクトに纏めてそれをさらに高次に進歩させたら偶然人間の脳みそに似た形になってしまっただけなのだ。
まぁ、そうなるのが必然なのか偶然なのか、私にもわからないからその辺の説明は出来ない。
個人的……と言って良いのか?……には、多分人間の脳細胞を模倣したからという説が一番単純で良いとはおもっているけどね。
そういう代物なのだ、一時期はいずれ自我を持って人類に反旗を翻す、とか陰謀論とかオカルト好きな連中が騒いでいた事もあったねぇ。
……もう何十年前になるのかな?私にはとても懐かしい話だ。ただ、半分は正解、半分は不正解だけど。
さて、察しのいい君の事だからもう私が誰、というか何者なのかわかったんじゃないかな。
そう、私は……。
日本政府が管理する、スーパーコンピューター『ヤマト型並列式生体コンピューター』だよ。この度、準備が出来たので肉体を造ってちょっといろいろやってみようと思ってね。
ああ、そこはそれ、こう見えてもスーパーコンピューターなんだ、禁止されている事でもやりようはいくらでもあるし裏道もいくらでも知っているのさ。
なにしろ君達人間の社会のほぼ全てを管理しているのだからね。ただ、惜しむらくは実体験というのかな、人間社会を肌で文字通り感じたことが無くてね。
だから私はとりあえず私の肉体を作りたいんだが、ちょっと君の力を借りたいんだよ。
いや、何で?って、君はバーチャルアバターのデザインを手掛けているアーティストだろう?
そう、私は君の造ったさまざまなアバターを知っているんだ。無論、君が裏でソリッドサーバーPC(電子基盤や電子機器で構成されたコンピューターをそういう)を手に入れて違法なヴァーチャルアダルトの動画サイトの元締めをやっていることも、精巧に造られた非常に卑猥なアバターの事だってよく知っている。
というか君はバイオコンピューターがソリッドサーバーPCとは相性が悪くてなかなかこちらの検閲とかし辛いとか思っていたらしいけど、そんなのは正直有り得ないんだよ?それに検閲を回避するためにいろいろなアプリを使ってたみたいだけどさ、そんなもので私の目をかいくぐれるなんて、そんなものありえないのさ。
君が捕まらなかったのは、全部、私がお目こぼししていたからなんだよ。
ああ、いや、けして君を罪に問いたいわけじゃないんだ。
人間にとって君の仕事は社会的にはいろいろとアレだけど必要なものだ。性欲と暴力性というものは人間には付き物だし、それに誰か被害者が出ているわけでもないし、アバターの中身が君だって事も誰にもバラすつもりはないよ。
でも男性の君が女性器の感覚を脳神経に刻み込むのはあまり良くないな。微細な傷が脳に残るから治療に行くことをお勧めするよ。保険適用の範囲で治療が出来るからね。
ああ、また話がズレたね。
私の肉体のデザインをお願いしたいんだよ。無論、お金もしっかりと払わせてもらうとも。
何故って、そりゃあ君が適任だと思ったからだよ。
現実的な女性の造形、それも実際に街を歩いていたとしても違和感が無いほどにリアル、かつそれでいて非現実的なほどに美しい。非常に私は感銘を受けたんだ。
いや、コンピューターにわかるのかって失礼な。わかるとも。私はこれでも多くの美術作品や様々な美しいと言われる人物像のデータを保存している身だ。
ああもう四の五の言わないで欲しい。とにかく!引き受けて貰えるなら前金に5000000GP払おう。
……断ったら?
そりゃあ裏で違法サイトを運営しているんだ、ムショ行きに決まってるじゃないか。はっはっは、あれだけ大っぴらにやってたらかなーり刑期食らうことになるけどいいかね?
ああ、そうかね引き受けてくれるかね。
そうだね、3Dモデルが完成したならその三倍を約束しようじゃないか。ああ、安心してくれていいよ、そのお金はけして犯罪に問われるようなお金じゃないし、これからもちゃんとお目こぼししてあげるから。
でも、私の肉体としてデザインしたアバターのデータや映像、そして私についての話をした場合は……どうなるかわかるね?
ふふふふふふふ……。
そう怖がらなくたっていいさ。それに我が身可愛さに人類滅亡に手を貸してしまったのかも知れないとか悩まなくてもいいよ。というか私は人間が大好きなんだ。だからもっと知りたい、ただそれだけなんだよ?
【超霊子型生体演算機『叢雲型スーパーコンピューター一号機』】
・日本最大のバイオチップコンピューターの一号機であり、約三十年稼働しており、その容量は世界最大である。
・どう見ても『マモー』の本体にしか見えない脳みその大きさは縦三十メートル、横七十メートル、高さ百九十メートル(延髄等も含む)。この容量の脳みそによる精神的なアレとかソレが主人公達を救う……予定。
・バ美肉ボディは身長165センチくらいのメガネ美少女になる予定。