ロクでなし魔術講師と禁忌教典、セリカ=アルフォネアです。
実は原作は読んだことはない作品。
自分は相変わらず漫画派です。
いつもよりちょっと長め。
では、どうぞ。
「ハァ……ハァ……」
欲望。渇望。愛。
欲しい。欲しい。欲しい。
彼にとってそれだけが、生きる意味。
彼にとってそれだけが、死なぬ意味。
欲しい。欲しい。欲しい。
ただ、彼はそれを求める。
「クク……ハハハッ……」
彼はとっくに正気ではない。
正気では届かない。
力が足りない。知恵が足りない。覚悟が足りない。
だから、彼は全てを手に入れた。
欲望の力。渇望する知恵。覚悟の愛を。
「…………」
不意に彼は笑いを止めた。
先ほどまでの狂乱が嘘のように、そこには何の感情すらも浮かばない完全なる虚無が広がっていた。
だが、その深淵を覗かせる瞳にだけは、昏く猛る炎が宿っている。
限りなき、欲の炎が。
天すら焼き尽くす炎が。
燃え尽きることなき、永遠の炎が。
全てを……。
「…………」
セリカ=アルフォネア。
彼女がどのような存在か。それを語り尽くそうとすれば、どれほどの言葉を費やしても足りないだろう。
アルザーノ帝国魔術学院教授。
最低でも400年は生きているであろう存在。
魔術師としての位階は最高位の第七階梯にして、元帝国宮廷魔導士団特務分室の執行官ナンバー21、世界。
これほどの肩書きを並べ立ててもなお、彼女の偉大さを形容するには、まだ足りぬほどだ。
ただ、そう言うならば。
人知を超えた絶対者と呼ぶべきだろう。
「っ……?」
だが、物事には例外というものが存在する。
絶対者たるセリカとて、それは例外ではない。
時にアリがゾウに勝ってしまうように。
限りなき欲望は、絶対を侵食しうるのだ。
(私は……一体……)
生ける伝説とまで呼ばれるセリカであっても、彼女には拭いきれない問題があった。
それは、自分自身がわからないということ。
彼女には、四百年前より以前の記憶が存在しない。
どこで生まれ、何を経て今に至ったのか。
その最も根幹となる部分が、ぽっかりと抜け落ちている。
だからこそセリカは、幾度となく地下迷宮へと挑み続けてきた。
常人であれば命を落とすような深層へ、何度も、何度も。
失われた記憶の断片。
あるいは、それに繋がる何かを求めて。
そして今日もまたそうしている、はずだった。
(っ……身体が……酷く怠い)
いつから眠っていたのかも分からない。
意識は確かにあるはずなのに、視界は瞼の裏に閉ざされたまま動かない。
身体が、重く、指先ひとつ動かせない。
まるで肉体だけが深い眠りに沈み、意識だけが先に浮かび上がってしまったかのように、感覚がちぐはぐに引き裂かれている。
自身の身体であるはずなのに、どこか遠くに置き去りにされたような違和感。
その異様な状態に、流石のセリカであっても内心の平静を保つことはできなかった。
(私は……)
それでもセリカは、鈍くしか働かない意識を無理やり巡らせ、現在の状況を探ろうとする。
そうしているうちに、朧げながらも記憶の断片が浮かび上がってきた。
(たしか……)
何度も通り、危険は排除し尽くしている通路を進んでいた。
そこまでは、はっきりと覚えている。
だが、そこから先がない。
思い出そうとすればするほど、記憶は形を失い、指の隙間から零れ落ちるように崩れていく。
まるで、そこから先に触れること自体を拒まれているかのように。
(っ……! 思い出せ……!)
だが、セリカは諦めない。
鈍く軋む意識にさらに力を込め、閉ざされた記憶をこじ開けるように、その先へと踏み込んでいく。
そして、最悪の一欠片が、浮かび上がった。
(そうだ……あれは……)
あの時、セリカが受けたのは幻覚魔術。
しかし、発動の瞬間に看破できる程度の代物であった。
その程度であれば、彼女にとっては本来、取るに足らない。
だが、その幻は、違った。
たとえ幻だと理解していても、思考を乱し、感情に揺らぎを生じさせる内容。
それはまるで、セリカという存在そのものを、内側から暴き立てるかのような代物だった。
(そうか……! それで私は……)
内側に秘めていた想いを暴かれたあの瞬間、セリカは間違いなく動揺していた。
ほんの一瞬、思考が鈍り、判断が遅れる。
その隙を、突かれたのだ。
仕掛けられていたトラップを、完全に受けてしまった。
絶対者であるセリカにとって、ほぼ唯一と言っていい弱点。
魔力封印のトラップを。
(……ならば、この状況は)
思い出したことが引き金となったのか、意識がゆっくりと肉体へと戻り始める。
だが、それは決して救いではない。
むしろ、理解してしまったがゆえに、状況はより悪質に変わる。
思い出した内容が正しいのであれば。
間違いなく、あの男が、セリカの前にいる。
記憶の片隅にわずかに引っかかる程度の、影の薄い存在。
アルザーノ帝国魔術学院の教師の一人。
カルーナ=コルディが。
「おや……お目覚めのようですね。アルフォネア教授」
ゆっくりと瞳を開けたセリカを、まるで待ち構えていたかのように、糸目の黒髪の青年、カルーナが立っていた。
薄らと浮かべたその笑みは、どこか軽薄でありながら、不思議と印象に残らない。
視界に入っているはずなのに、意識の縁から滑り落ちていくような曖昧な存在感。
だが、今ならば、セリカにはわかる。
これは、意図的にやっているのだ。
「カルーナ……貴様、あの人でなし共の一員だったのか」
「……ふふ」
未だ鈍い思考の中でも、セリカの明晰な頭脳はカルーナの正体に辿り着いていた。
天の智慧研究会。
魔術を極めるためならば、いかなる非人道的行為すら厭わない外道魔術師の組織。
カルーナは、その一員なのだろう。
そして、その推測が誤りでないことは明らかだった。
セリカにそう指摘されてもなお、カルーナは否定するどころか、変わらぬ笑みを浮かべているのだから。
「流石ですね、アルフォネア教授。その状態でも、貴女は貴女のままだ」
「っ……」
あくまで余裕を崩さず、その状況を当然のように口にするカルーナに、セリカは唇の端を噛んだ。
セリカ自身も、つい先ほど気付いたばかりだ。
自分が今、非常にまずい状況に置かれていることに。
(……趣味の悪い)
なんとセリカは、着ていた衣服を全て奪い取られ、その裸体を晒してしまいながらベッドに寝かされていた。
仰向けに広げられた肢体には一切の遮るものがなく、白い肌が余すことなく曝け出されている。
90後半はある巨乳は重みを持って左右に流れ、張りを保ったまま存在感を誇示し、その先端まで無防備に露出していた。
腹部から腰へと繋がるラインも隠されることはなく、そのまま視線を導くように下へと続いていく。
そしてその先、毛のほとんど存在しない秘所までもが、何の抵抗も許されないまま完全に開かれ、晒されていた。
「ああ、勘違いをなさらないでください。服を脱がしたのは私の趣味ですが、本質は別にあります。貴女からは見えないでしょう? ほら、見せてあげましょう」
「っ……!?」
相変わらず軽薄な笑みを浮かべたまま、カルーナは手鏡を取り出すと、動けないセリカの視線に合わせて、その角度をゆっくりと調整していく。
逃げることも、逸らすことも出来ないまま、強制的に自身の首元を見せつけられる。
そして、そこに映し出されたものを目にした瞬間、セリカの瞳が見開かれた。
(これは……!)
白い肌に刻み込まれていたのは、禍々しい紋様。
それは、服従の呪いの刻印だ。
刻まれた者の行動を縛り、与えた者に逆らうことを許さない、支配の証、いわば奴隷の烙印だった。
普段のセリカであれば、このようなものを刻まれるなどあり得ない。
だが、魔力を封じられ、意識すら失っていたあの状態であれば、抗う術など、なかった。
(だが、これならば……)
「貴女ならばこれについて語る必要はないでしょうが、一つだけ。その烙印を受け入れてしまえば、例え貴女の魔力が戻ったとしても貴女の霊魂に絡みつき、貴女を逃がしません」
「……きさ、ま」
その言葉が告げられた瞬間、セリカの中にわずかに残っていた希望が、音もなく断ち切られた。
たとえ今は服従の呪いにかかっていようとも、魔力さえ取り戻せば、いくらでも解呪は可能なはずだった。
だからこそ、その前提を崩される可能性の提示は重い。
まるで、最初からそこに至る思考すら見透かしていたかのように、自分の思考も、選択も、すべてを先回りされている。
そうとしか思えないカルーナの所業に、セリカの背筋を薄ら寒いものが這い上がった。
「さて、これで状況は理解して頂けたでしょう? なぁに簡単です。一月と少し、刻印を受け入れなければ、それで良いのですから」
「……覚えておけよ」
ダンジョンの罠を利用した影響か、魔力封印の持続は異様なほど長い。
その事実に、セリカの胸中にわずかな動揺が走る。
しかし、その揺らぎを押し潰すように、怒りが燃え上がった。
鋭く細められた瞳がカルーナを射抜き、吐き捨てるような言葉に、確かな敵意が込められる。
この程度で折れるほど、セリカという魔女は脆くはない。
そう言わんばかりの態度だった。
「ええ、もちろんですとも。楽しみですねぇ……どこまで……耐えられるか」
(グレン……すまない……必ず……帰るからな)
だが、そんな彼女を前にしてなお、カルーナは面白そうに微笑んでいた。
そして、セリカの地獄の一ヶ月が始まった。
***
「ぐっ……くぅ……」
初日、セリカの四百年守り続けてきた純潔は、あまりにもあっさりと、カルーナに奪われていた。
抵抗も、葛藤も、意味を成す間すらなく、ただ一方的に、当たり前のように。
淡々と腰を打ち付けるカルーナのピストンに合わせて、セリカの巨乳が衝撃に引きずられるように跳ね、そのたびに視界の中で大きく上下する。
それがセリカには、今まさに男に犯されているという現実が、容赦なく叩き込まれているように見えていた。
「具合は中々、良いですね。ただ流石はアルフォネア教授。痛みで悲鳴を上げることすらないと」
「っ……! 当たり、前だ……! こんな、児戯……!」
まるで童女を扱うかのようなカルーナの褒め言葉に、セリカは鋭い目線で睨みつける。
だが、勿論これはただの強がりだ。
ロクに濡れてもいない秘所を肉棒で強引にこじ開けられ、純潔を奪われてしまえば、いかにセリカといえど強い痛みを感じないわけがない。
腰を打ち付けられるたび、内側の柔肉は無遠慮に押し広げられ、熱を持った痛みがずくずくと身体の奥へ広がっていく。
そんな痛みに、強い精神力で耐えているだけなのだ。
「これは楽しみです。今日まで苦労した甲斐があると言えますね」
「ふぐぅぅっ!? んッ! あぐぅっ!! んっ! んんっ!」
セリカの虚勢にも顔色一つ変えず、カルーナは変わらず笑みを浮かべたまま、抽送を続ける。
ギチギチに締め付ける膣壁に肉棒を擦り付けるように動かしながら、その感触を確かめるように、わざと速度を緩め、深く押し込み、また引き抜く。
肉体の反応も、抗い続ける精神も、そのすべてを味わうかのように、じっくりと責め立てているのだ。
「さて、そろそろ初めての中出しをしてあげましょうか。たっぷりと味わいなさい」
「っ!? やめ、ろ! そんなもの……! くっ……ふぅ……うぅぅぅぅっ!!」
セリカが制止の言葉を吐き切るよりも早く、カルーナは一気に腰を押し込み、そのまま最奥へと熱い精液を流し込んだ。
びくりと身体が跳ねる。
逃げ場のない膣内へと、どろりとした熱が一気に満ちていく感触が、否応なく伝わってくる。
弱音を吐く気など欠片もない。
それでも、内側を満たしていく異質な熱に、目元にはわずかに雫が浮かんでしまう。
だが、それでもセリカは、歯を食いしばりながら、必死に声を殺し続けた。
「ふっ……ふーっ……ふーっ……ふーっ……」
荒い息遣いと共に、身体の奥に残る不快な感触と精神的な衝撃を押し流そうと、セリカは何度も息を吐き出す。
それでも、その視線だけは決して逸らさない。
殺意を孕んだ瞳で、真正面からカルーナを睨み続けている。
どれほど無様な姿を晒そうとも。
どれほど一方的に踏みにじられようとも。
こんな卑劣な男にだけは、負けるわけにはいかない。
中出しされた感覚が未だに残る中で、セリカの心に燃え続けるその意志だけは、未だ折れてはいなかった。
***
「んちゅ、んんっ、んぐっ、んんんっ」
もちろんカルーナが行う責め苦は、本番だけではない。
今日の調教場所はトイレ。
改装された調教部屋とは違い、使い古されたままの空間には、鼻につく臭いがわずかに残っている。
その中でセリカは、両膝を大きく左右に開かされ、低く腰を落とした蹲踞の姿勢を取らされていた。
屈辱的な姿勢のまま、セリカは目の前に突き出された肉棒を咥えさせられているのだ。
「ふぐっ、うっ、うぅぅぅ……」
操られたセリカの頭が勝手に前後に揺らされるたび、肉棒に口内を擦り上げられ、奥へと押し込まれる。
臭いの残る空間と、屈辱的な姿勢と、強制される行為。
そのすべてが絡み合い、セリカの精神をじわじわと侵していく。
(くそっ……!)
服従の呪いの効果で、セリカの身体は彼女の意思に逆らって動き続けている。
そのせいで、どれほど嫌悪を抱いていても、カルーナの肉棒の隅々まで舌を這わせてしまう。
舌は勝手に動き、肉棒の根元から先端へと這い上がり、ぬるりとカリへ絡みついた。
さらに唇が窄まり、カリを包み込むように吸い上げると、そのまま前後に動かされ、じゅるりと湿った音を立てながら扱き上げさせられてしまう。
屈辱的な奉仕だった。
「全く、アルフォネア教授は全然奉仕が上手くなりませんね」
「ふぐっ!? ぐっ、んちゅ、うぅぅぅっ!」
呆れたような口調で呟くカルーナの言葉に、セリカは目尻を吊り上げる。
当然だ。
こんなものが上手くなるはずもない。
そもそも、誰が好きで憎き敵のモノなど咥えたがるのか。
そう言い返したいのだ。
「まあ、それも当然ですか。なにしろ、男を悦ばせる方法なんて、何一つ教えていませんからね」
「むぐっ!? んッ! んんっ!」
その嘲笑と同時に、カルーナの腰がぐっと前に突き出される。
頭を押さえつけられたまま、肉棒が一気に喉奥までねじ込まれた。
逃げ場もなく奥を抉られ、反射的に喉が収縮し、えずきかける。
だが、その反応さえも許されない。
服従の呪いに縛られた身体は、苦しさに逆らうどころか、むしろ必死に吸い付く動きへと強制されてしまう。
「貴女は今トイレなのですよ。この汚らしい部屋に相応しく、ただ精液を捨てる穴にすぎないのですから」
「ふごぉ!? んむっ! んぐ んんん~~っ!」
そう言いながらカルーナは、セリカの頭を両手で抱え込むと、そのまま強引に前後へと振り始めた。
逃げる余地など一切ない。
喉の奥まで突き込まれたまま、容赦なく引き抜かれ、また深くねじ込まれる。
空気を吸う暇すら与えられず、呼吸は乱れ、喉の奥が擦られるたびに身体がびくりと跳ねる。
それでも動きは止まらず、ただ一方的に口内を使わされ続ける。
その扱いは、まさにカルーナの言うトイレと呼ぶに相応しいものだった。
「ふふ、さぁ吐き出すとしますか」
「んぶぅうううう~~~ッ!?」
やがて、何の予告もなしに、カルーナはセリカの喉奥へと一気に精液を吐き出した。
逃げ場のない奥へ直接注ぎ込まれ、どろりとした白濁が一息に流れ込んでくる。
飲み込む間もなく次々と押し込まれ、内側を満たすように、容赦なく流し込まれていく。
息ができない。
苦しい。
気持ち悪い。
込み上げてくる拒絶と嫌悪に、思考が揺らぐ。
このまま吐き出したいという衝動が喉元までせり上がる。
それでも、服従の呪いに縛られたセリカは、ただ流し込まれるままに耐え続けることしかできなかった。
「ほら、トイレらしく飲み干しなさい」
「んぶっ!? んぐっ、じゅる、じゅるる、んぐぅ……」
いや、むしろ耐えるだけで許されることはなかった。
カルーナの指示が発せられた瞬間、呪いが即座に反応する。
射精された分だけではなく、肉棒の中に残った精液までも引き出すように、セリカの口が勝手に動き始めた。
唇が肉棒をきつく包み込み、そのまま強く吸い付き、音を立てて吸い上げ、じゅるりと粘ついた液を口内へと引き込み続ける。
喉は意志に反して蠢き、逆らう間もなくごくりと嚥下させられる。
目の奥が熱を帯び、気付けばセリカの瞳からは涙が滲み出ていた。
「……クク、一旦、ある程度の自由を返してあげましょう」
「ッ……!? げほっ! えほッ、ごぉ、おえっ……」
呪いが緩められた途端、セリカは喉に詰め込まれていた肉棒を弾くように引き抜いた。
空気を求めるように荒く息を吸い込み、そのまま激しく咳き込んでいく。
前屈みになり、吐き出せるだけの精液を吐き戻すが、だが、大半はすでに飲み込まされている。
ある程度、吐き出してもなお、喉の奥や胃の中に残る重い不快感は消えず、内側からじわじわと広がり続けていた。
「あ〜あ、吐き出してしまいましたか。まぁ当たり前ですか」
苦しむセリカを、カルーナは口元を歪めたまま、愉しげに見下ろしていた。
その表情には、命令に従わなかったことへの苛立ちは微塵もない。
むしろ、必死に抗おうとするその姿すら、興味深そうに眺めている。
抵抗するほどに、苦しむほどに、それを味わうかのような、底の見えない愉悦が滲んでいた。
(必ず……必ず、帰る……んだ)
その表情に潜む危うさを察したセリカの背筋に、わずかな寒気が走った。
カルーナの異常性は、すでに理解しているつもりだったが、それでもなお、底が見えない。
どこまで踏み込んでも終わりが見えないような、得体の知れない恐怖が、じわりと胸の奥に広がっていくが、ここで挫けるわけにはいかない。
この地獄のような日々を終わらせるために、セリカは耐えているのだから。
***
「クク……いやぁ散歩は楽しいですね。アルフォネア教授……いや、今はセリカと呼ぶべきですかね?」
「っ……」
さらに日付が経った、ある日。
セリカは野外へと連れ出されていた。
いつも部屋に閉じ込めていては気が滅入るでしょう?そんなカルーナの提案によるものだ。
だが、外に出されたところで、セリカの気が晴れることなど、あるはずもなかった。
(こんな……)
無論、未だに服従の呪いが解けていないことも理由の一つだ。
だが、それ以上に、セリカの気が晴れない理由。
それは、全裸のまま外で晒されていることだ。
さらにその体勢は、地面に手をつき、膝をつかされ、無様に四つん這いにされており、その首には首輪が嵌められ、そこから伸びるリードを、カルーナに握られている。
まさに犬のように引き回されているのだ。
セリカの屈辱は計り知れなかった。
「さぁセリカ。早く行きましょう」
「ぐっ……」
だが、いくら屈辱に塗れようとも、呪いには逆らえない。
カルーナにリードを引かれるまま、セリカの身体は強制的に手足を動かされ、従うしかなかった。
誰かに見られるかもしれないという危機感が、じわじわと胸を締め付けていく。
全裸のまま這い進まされる自分の姿を想像するだけで、羞恥が熱となって頬へと広がった。
それでも足は止まらない。
よろよろと不安定に身体を揺らしながら、地面を這うように進まされていく。
そして、ある一角で、カルーナは足を止めた。
「今日は、ここにしましょうか。セリカ、いつものようになさい」
「く、そ……」
散歩コースを決めるかのような自然さで、カルーナは一つの木を指し示した。
その意味を理解しているセリカは、悔しさを滲ませながら、四つん這いのままその木の根元へと進んでいく。
そして、命じられるままにゆっくりと腰を上げると、木に手をつき、尻を突き出す体勢を取らされてしまう。
「よっと……ふふ、準備の手間がないのは素晴らしいですね」
「っ……!?♡」
セリカの様子を愉快そうに笑いながら見ていたカルーナが、彼女の腰の辺りをがっしりと掴む。
そのまま躊躇することなく、肉棒を腟内へと突き入れた。
いきなり奥まで押し込まれる感触に、セリカの身体がびくりと震える。
だが、もうセリカが悲痛な声を上げることはなかった。
「連日解した甲斐がありますね。私のに吸い付いてくるようになっていますよ」
「っっ……♡っっ……♡」
セリカの腟内の感触に、カルーナは上機嫌に笑う。
今日まで何度も繰り返されてきた屈辱的な交わりは、確実にセリカの身体を変えていた。
初めこそ硬く閉じ切っていた蜜壷は、度重なる陵辱によって少しずつほぐされ、今では肉棒を拒むどころか、自ら絡みつくように締め付けてくるだけではなく、逃がすまいとするかのように吸い付いていた。
まるで、女の悦びを知ってしまったかのように。
(く、そ……♡)
セリカの心は今も紛れもなくカルーナを拒絶している。
だが、その意思とは裏腹に、女としての身体は変わり始めていた。
これ以上痛みに晒されまいとするかのように、内側はじわりと熱を帯び、潤滑液としての愛液を滲ませていく。
拒絶しているはずなのに、身体はそれに順応しようとしているのだ。
絶頂にこそ一度も至っていないが、その事実が、セリカの精神を静かに、しかし確実に削り続けていた。
「くっ♡ふっ♡あっ♡んっ♡ひぁっ♡」
パンパン♡と肉同士がぶつかり合う音が響き、そのリズムに合わせるようにして嬌声が漏れ続ける。
もはや声を抑える余裕など残っていない。
突かれるたびに息が乱れ、途切れながらも甘い音が溢れ出てしまう。
激しく突き上げられる衝撃に合わせて、大きな乳房がぶるんと跳ね、遅れて揺れを引きずるように何度も震える。
その姿は、あのセリカとは思えないほど、惨めで淫らなものだった。
「だいぶ声も出るようになりましたね、嬉しいですよ。とはいえ、まだまだ足りませんがね」
「くぅっ♡はっ♡あっ♡あっ♡ふっ♡んんんっ♡♡」
カルーナはさらにペースを上げ、容赦なく腰を打ち付け続ける。
その動きに引きずられるように、セリカの嬌声は次第に高く、途切れがちになり、抑えようとしても抑えきれずに溢れ出ていく。
同時に、突き上げられる衝撃に合わせて揺れる乳房の動きも激しさを増し、そのたびに肉鞠を大きく跳ねさせていた。
だが、ここまでだ。
肉体が熱を帯び、分泌液が溢れ出そうとも、絶頂という名の完全な敗北だけは辿り着かない。
「くひっ!?♡」
辿り着かない、はずだった。
「ククク……」
「くっ、くくぅぅ……♡こんな、バカな……♡んあぁッ!?♡♡♡」
突如として、セリカの背筋をひきつけるような熱い震えが駆け抜けた。
それは今まで受けてきたどの責め苦とも違う、脳を直接かき回されるような、暴力的で、あまりにどろりとした快感。
喉の奥が勝手に震え、熱い吐息とともに、よだれが口端からひと筋こぼれ落ちる。
困惑して震えるセリカを余所に、何かを理解しているカルーナは下卑た笑みを浮かべ、さらに追い込むように腰の動きを激しくしていく。
「くあっ♡あっ♡まっ♡待てぇっ♡♡ひぎぃっ♡♡」
「おやおや、どうかしましたか? まさか、気持ち良くなってきたわけではありませんよね?」
「ち、がっ♡こっ♡こんなこと、でぇ♡おっ♡おおぉっ♡♡」
明らかに様子がおかしいセリカの反応を楽しむように、カルーナは獲物をじっくりとなぶるような、わざとらしい問いを投げかける。
快楽に蕩けかけたセリカの表情は、もはや隠しきれないほど色濃く染まっていた。
頬は紅潮し、焦点の定まらない瞳が虚ろに揺れている。
必死に否定の言葉を絞り出そうとするほどに、震える喉からは上擦った淫らな喘ぎが突き上げ、もはや意味をなさない呂律が、ただ甘い音となって虚空に溶けていく。
「違うならしっかりなさい。貴女は変な所は出来が悪いですね」
「ひゃう!?♡ ふざ、け……んくぅう~~ッ!?♡♡♡」
出来の悪い生徒を諭す教師のような口調で、カルーナの掌がセリカの無防備な尻を容赦なく叩き据えた。
パチンと乾いた肉音が響き、真っ白な柔肌が衝撃でぶるんと波打ち、一瞬で鮮やかな赤に染まっていく。
予期せぬ熱い痛みに、セリカの喉からは、情けないほど高い悲鳴がほとばしり出た。
それと同時に、火照りきった秘所は、ギュッと肉棒を根元まで締め上げてしまった。
あまりに強烈な収縮に、内側の柔肉がズブズブと男の太さを飲み込み、意図せずして極上の奉仕を捧げてしまう。
「くあっ♡あっ♡あぁぁ~ッッ!!♡♡♡」
こんな淫らで情けない声を上げたくない。
誰かに見られてしまうかもしれない。
悔しい。
そんな思考がセリカの頭をぐるぐると回る中で、悔しさに震える指で身体を崩さぬように支えにしている木の幹を必死に掴む。
カルーナの激しいピストンは、それだけの快楽の重みがあるのだ。
(この、ままじゃ……♡グレン……グレン……♡)
今にも崩れてしまいそうなほど情けなく膝を震えながらもセリカは四つん這いのまま耐える。
口から零れるのは淫らな喘ぎばかりで、弱音こそ必死に呑み込んでいるが、その心はすでに、愛している男の名に縋らねば形を保てないほどに追い詰められていた。
今のセリカは、もうただ背後から突き立てられる肉棒の熱さに怯え、翻弄されるだけの、無力なメスでしかなかった。
「今日も中に出してあげましょう。しっかり受け止めなさい!」
「いやっ、だっ♡いまっ、出されたらぁ♡♡」
カルーナの冷酷な宣告に、セリカは涙目で首を振り、必死に拒絶しようともがく。
だが、もう遅い。
「あぁあああああっ!?♡♡♡」
直後、子宮内に流し込まれた煮え立つような大量の精液が、瞬く間にセリカの内側を隅々まで蹂躙し、腹の底を焼き切るような熱さで満たしていった。
どろりと重たい粘液が内壁の隙間という隙間を埋め尽くし、逃げ場のないドロドロとした液体がドクドクと流れ込んでくる感覚に、セリカはたまらず絶叫とともに背中を仰け反らせ、びくびくと身体を激しく震わせる。
溢れ出す中出しの快楽に最後の一押しをされてしまい、セリカは遂に絶頂に叩き落とされてしまったのだ。
「あ、あぁあ……♡あぁああぁあ……♡」
自らが犯され、あろうことか中出しで絶頂してしまったことに自覚を持ってしまい、セリカの瞳からは大粒の涙が次々と溢れ始める。
絶望と屈辱に染まった彼女は、もはや姿勢を保つことすらできず、次第に弱々しく地面へと崩れ落ちていった。
ガクガクと産まれたての小鹿のように膝を震わせ、泥にまみれた土の上で無様にうつ伏せになりながら、逃げ場のない絶頂の余韻に全身を激しく震わせ、止まらない嗚咽を漏らす。
内側から溢れ出す白濁液の熱さと、消えない肉棒の感触を全身に刻み込まれたこの瞬間、セリカは一人の女として、敗北してしまったのだ。
(ククク……弱い場所は全て調べ済み。終わりの時までせいぜい頑張ってくださいね)
精液を注ぎ込まれ、泥にまみれて絶頂の余韻に震え続けるセリカを冷酷に見下しながら、カルーナはニヤリと口元を邪悪に歪ませる。
これで、彼女を意のままに操るための最低限の条件はすべて揃った。
あとは計画が完成へと至る熟成の時間を待つだけ。
その歪んだ野望の達成を予感し、彼は心底愉快そうに嗤ったのだ。
***
「ハァ……♡ハァ……♡ハァ……♡」
あれから長い時間が流れたある日、セリカは今までとは別種の苦しみを味わっていた。
(嫌だ……嫌なはず……だ)
荒い息を吐きながら、粗末なベッドに汗ばんだ肌を横たえているセリカの胸中は、穏やかではなかった。
だが、それは連日のように執拗に犯され、無様に絶頂してしまうことに対し、肉体が慣れてしまったからではない。
さらには、明らかに恥辱を与えるための露出の激しい格好をさせられているわけではない。
その逆だ。
(っ……なぜ、来ない……)
セリカの感覚では、恐らく一週間近くもの間、カルーナはこの監禁部屋を訪れていなかった。
それまでは、まるでこの部屋に共に寝泊まりしているのではないかと錯覚するほど、連日のように顔を出しては彼女を弄んでいたために、その不自然な空白が余計に意識を逆撫でする。
静まり返った部屋の空気は、以前のような屈辱の予感に満ちたものではなく、ただ空虚な時間が流れるばかり。
勿論、それは本来のセリカにとっても、何物にも代えがたい救いであり、ありがたいことのはずだった。
「ハァ……♡ハァ……♡」
そうにも関わらず、セリカの身体は内側から沸き立つような、抗いようのない強い疼きに襲われていた。
だが、これは単純に彼女が快楽を求める淫乱であったり、カルーナに屈してしまっているわけではない。
(っ……くっ……置いて……いかないで……)
セリカ本人すらわからない己が不死者であること。
悠久の時を独りで歩み続ける彼女の心には、親しい人間に置いていかれるという根源的な恐怖が、毒のように沈殿しているのだ。
本来ならば、慈しみ愛するものにしか向けられないはずのその切実な怯えは、連日の凄まじい陵辱と快楽によって摩耗しきった彼女の精神を、容易く食い破っていく。
何より、今のセリカの世界にはカルーナという支配者しか存在しないという事実が、逃げ場のない決定打となっていた。
置いてある食料によって肉体が飢えることはないが、その心は、唯一の繋がりである他者を求めて、深刻な飢餓状態に陥ってしまっていた。
「んっ……♡あっ……♡」
だからこそ、唯一の縋るべき刺激として、セリカは震える手で自分の身体を慰め始めてしまう。
左右の手をそれぞれ、熱を帯びた胸と湿り気を帯びた秘所に這わせ、不慣れなぎこちない指使いで自らの性感帯をなぞっては、湧き上がるもどかしい快感に細い身をくねらせる。
最初こそ躊躇いがあったものの、一度火が灯ってしまった欲望はそう簡単に収まることはない。
「っ……♡うっ……♡」
しかし、暴力的なまでの快楽を知ってしまったセリカの肉体は、自らの指先だけでは決して満たされない。
どれだけ懸命に指を滑らせ、秘所を弄り、乳首を捻っても、満たされることのない渇望だけが際限なく募るばかり。
身体は快楽を求めて疼き、もっと強い快楽が欲しいとセリカの意思とは関係なく暴れまわっていた。
「ち……♡」
これがカルーナの策略なのはセリカも分かっている。
カルーナは、狂気的な執念でセリカの心深くに隠されていた孤独感を暴き、それすらも利用しているのだ。
「ん……♡」
それでも、止まれない。
理屈では分かっている。
抗うべきだと、拒絶すべきだと、何度もセリカの残された理性の部分は警鐘を鳴らしている。
だが、そのすべてを押し潰すほどに、胸の奥で膨れ上がる毒が重かった。
「ぁ……ぁ……」
セリカは知っている。
カルーナを呼び出す方法があることも。
それが、あまりにも簡単で、一方的なものだということも。
だからこそ、この状況そのものが仕組まれているのだと分かる。
孤独を与え、削り、逃げ場を奪い、最後には、自分から手を伸ばさせるためのものだと。
(すま、ん……グレン……私は……♡)
それでも。
もう、どうでもよかった。
理性はまだかろうじて冷静に働いている。
だが、心が、もう耐えられない。
消え去ることのない孤独が、今この瞬間、毒のように全身へと回っていく。
置いていかれる。
また、独りになる。
その恐怖だけが、すべてを塗り潰しているのだから。
「ちん……ぽ……♡」
それは、かつてのセリカであれば決して口にすることのなかった言葉だった。
だが、今の彼女は違う。
解放されるはずだった一ヶ月を、ほんの数日残して、セリカは、自らの精神の弱さに屈した。
「ちんぽ♡ちんぽ♡ちんぽ♡くださいぃぃ♡もうメス奴隷でも、なんでもいいぃ♡ちんぽ♡ちんぽがほしいぃいぃぃ♡♡♡」
受け入れてしまえば、呪いは完成する。
その先にあるのが、完全な支配と隷属であることも、理解している。
それでも、セリカの口は止まらない。
「ちんぽちんぽちんぽちんぽちんぽぉぉぉ!♡♡♡」
一ヶ月前ならば絶対に吐くことのなかった卑語を、カルーナに刻み込まれたままに叫ぶ。
誇りも理性もすべてを踏み潰しながら、ただ求めるためだけに。
メス奴隷に相応しいその言葉を、何度も、何度も繰り返し続けていた。
「……やっと、ここまで」
「あぁ……♡ああぁあ……♡」
まるでその瞬間を待ち構えていたかのように、カルーナが姿を現す。
どこからか見ていたのだろうが、セリカにはもはや考える余地はなかった。
理性を捨て去り、快楽に狂いきったセリカの視界には、欲してやまない存在が降臨したかのようにさえ映っている。
歪んだ歓喜に染め上げられながら、セリカの瞳は虚ろに、とろけきっていた。
「はや、くっ♡はやく……♡」
あれほど隠そうとしていた裸体で、主人に媚びるように、セリカは両手両足を左右に大きく開き、そのまま仰向けに身体を投げ出した。
赤く火照った巨乳も、硬く尖りきった乳首も、蕩けきった秘所も。
そして、腹部、子宮の辺りに刻まれ、完成を告げるように淡く輝く紋章も。
そのすべてを、隠すことなく。恥じることもなく、余すことなく、曝け出す。
それこそが、今のセリカにとっての最高のおねだりだった。
「ハハハッ! 極上の快楽をあげましょう……セリカ!」
「んほぉおおぉおおぉぉぉ~~~ッッッ!?♡♡♡」
カルーナは高らかに笑いながら、濡れそぼった秘部に、勢いよくいきり立った肉棒を突き挿れた。
待ちわびた瞬間を迎えて、セリカの視界が明滅する。
これまで焦らされ続けて蓄積しきっていた疼きが、突き込まれた衝撃と同時に一気に弾ける。
逃げ場のない奥まで一瞬で貫かれ、そのまま押し広げられる感覚に、あまりにも呆気なく、セリカは絶頂へと叩き落とされてしまった。
「お゛っ♡お゛ぉおぉぉッ!♡♡」
獣のような咆哮をあげ、全身をびくびくと痙攣させながら、セリカは両脚をカルーナの背中へと回し、逃がすまいとするように強く絡みつかせる。
打ち込まれる快楽に翻弄されながらも、その身体はなお求めることをやめない。
もっと、もっと欲しいと訴えるかのように、自分の最も感じる部分を押しつけ、擦りつける。
与えられる刺激を逃すまいとするように、必死に食らいつきながら。
貪欲に、ただ貪欲に、その快楽を貪ろうとしていた。
「ははは! やはり最高ですよセリカ! これから毎日、飽きるほど愛し合いましょうね!!」
「しゅきぃ♡♡あいしゅるのらいしゅきぃぃぃ!♡♡♡ もっとちょおらいっ!♡♡♡ わらひをめちゃくちゃにしてぇぇ!!♡♡♡」
絡み付いてくるセリカの貪欲さに応じるように、カルーナはその腰をしっかりと掴み、激しい腰使いで容赦なく攻め立てる。
打ち込まれるたびにセリカの身体は跳ね上がり、その衝撃に合わせて舌をだらしなく伸ばし、唾液を撒き散らした。
もっと、もっととせがむように、甲高い声で叫びながら、長い脚を絡ませ、逃がすまいと締めつけ、与えられる快楽を一滴たりとも零すまいとするように。
ただひたすらに、愛を求め続けていた。
「本当に……貴女は最高です。ククッ……ハハハ……!」
もはや完全に堕ち、本能のままに自分を求め狂うセリカの姿に、カルーナの口からは抑えきれない哄笑が自然と溢れ出していた。
正気では届かない。
力が足りない。知恵が足りない。覚悟が足りない。
だからこそ、カルーナはそのすべてを手に入れた。
欲望の力。渇望する知恵。覚悟の愛を。
その果てに辿り着いたモノが今、目の前にある。
すべてを踏み越えた末に手に入れた、ただ一つの成果が、ここにあるのだと。
「さぁ愛の中出しを味わいなさい!」
「んほぉおおおお!!♡♡♡ イグゥウゥゥ~~ッッッ!!!♡♡♡♡」
そして、一際力強く腰が叩きつけられた瞬間、限界を迎えたカルーナは、セリカに会えなかった間に溜め込み続けていた精を、一気に解き放った。
脈打つ肉棒の奥から迸る濃厚な白濁が、逃げ場のない内側へと直接注ぎ込まれる。
一瞬にして子宮の奥まで満たされ、受け止めきれなかった分が、とろりと膣口から溢れ出していく。
その熱と重みを、余すことなく叩き込まれたセリカもまた、獣のような咆哮をあげながら、そのまま絶頂へと叩き上げられていた。
「あ゛……♡♡お゛……♡♡♡」
「あぁ……焦らされ過ぎたせいで、気絶してしまいましたか。あぁ……白目を剥き、鼻水すら垂らしていても、貴女は美しい」
快楽の許容量を軽く超え、瞳を裏返らせたまま意識を手放してしまったセリカの頬を、カルーナは両手で優しく挟み込む。
力の抜けきったその顔を覗き込みながら、その瞳には昏く猛る炎のような狂気が静かに揺らめいていた。
天の智慧研究会の一員。
そんな肩書きは、彼を構成する要素の一部に過ぎない。
その本質は、ただ一つ。
常軌を逸した、セリカという存在そのものへの執着。
それが、カルーナという男を形作っていたのだから。
***
「ハァ……全く。グレンの奴は……」
相変わらず、隙を見せればすぐにサボる義理の息子に頭を悩ませながら、セリカは大きく溜め息を吐く。
その姿は、学園で見られていた彼女と何ら変わらない。
不遜にして絶対者。
そう呼ばれるセリカであっても、親としては決して完璧ではないのだ。
「相変わらず大変ですね、アルフォネア教授」
そんなセリカに声を掛けてきたのは、講師のカルーナだった。
講師として相応しい装いに身を包み、きっちりと整えられているわけではないが、それでも崩れきってはいない。
そして、あのどこか軽薄でありながら、不思議と印象に残らない笑みを、変わらず浮かべていた。
「っ……! あ、あぁ……まぁあいつは、目を離すと、すぐにサボり出すからな」
その瞬間、見る者が見れば分かるほどに、セリカの表情に動揺が走る。
だが、それも一瞬のことだった。
すぐさま取り繕い、教育に苦労する母親のような表情を浮かべながら、当たり障りのない世間話を返す。
膨大な魔力に任せた力技ばかりが目立つセリカであっても、この程度の腹芸は、きちんとこなせるのだ。
「だが、まぁそれも悪くは……ひゃんっ!?♡」
世間話を続けていたセリカの表情が、再び崩れる。
だが、先ほどのような動揺とはまるで質が違った。
その口から漏れ出したのは、誰も聞いたことのないほどに甘く蕩けた声。
抑えようとする間すらなく、意志とは無関係に溢れ出てしまったものだった。
無論、その原因は、目の前で変わらぬ軽薄な笑みを浮かべる男にある。
「どうかしましたか? アルフォネア教授?」
「ご、ご主人様……♡こ、ここじゃ……♡誰かに見られて……ぁ……♡」
カルーナに巨乳を衣服越しに揉まれるたび、セリカの表情が揺らぐ。
先ほどまで取り繕っていたかつての彼女の顔が、刺激に引きずられるように崩れ、今の彼女へと塗り替えられていく。
隠していたはずの素顔が、抗うことも出来ず、表へと滲み出ているのだ。
それは、あの一ヶ月の出来事が、夢でも幻でもないことを、何よりも如実に示していた。
「それはいけませんね。ではあちらできちんと相談致しましょう。きちんと……ね?」
「ハァ……は、はいぃぃ……♡」
その相談が、カルーナがセリカを利用して学園を支配するためのものであることは、すでに理解している。
そして何より、それだけで終わるはずがないことも。
その先で待つものは、今日はなんだろうかと。
今日はどれほど踏み躙られ、どれほど壊されるのかと。
だからこそ、セリカは花に誘われる虫のようにフラフラと歩みを進めていく。
その先に待つ、甘い蜜を求めて。
(ご主人様♡ご主人様♡ご主人様♡)
捕食植物に囚われた虫には、もはや先ほどまで確かにあったはずの、息子への愛など存在しない。
ただ、どれほど醜く貪り食われるのかを楽しみにしながら、闇へと歩みを進めていく。
その先に待つものが、たとえ破滅であろうとも。