陰の実力者になりたくて!、アレクシア・ミドガルです。
少し久しぶり?な気がする並乳姉ちゃん。
小説、漫画ともに途中までしか読んでないですが、そもそもシャドウいない世界だから細かいことは良いんだよ!です。
では、どうぞ。
人には表と裏、光と影がある。
善良で穏やかそうに見えた人間が、裏では平然と醜い悪意を育てていることもある。
どこにでも居そうな、名もなきモブのような人間が、誰にも気付かれぬまま、影から世界を動かしていることさえある。
笑顔も、優しさも、誠実そうな言葉も。
それらはすべて、他人を欺き、自分を飾るために貼り付けた薄っぺらい仮面に過ぎない。
都合のいい顔を被り、都合のいい役を演じ、そうやって人は本当の自分を奥底に隠し続ける。
だが、ふとした瞬間に、人の仮面はあまりにもあっさり剥がれ落ちる。
暗がりの中で膨らみ続けた、真なる本性。
影こそが、人の本当の姿なのだ。
「ここは……」
ミドガル王国第二王女、アレクシア・ミドガルが目を覚ましたのは薄暗い室内だった。
目蓋を開いた彼女の目に飛び込んできたのは、冷たく無機質な石の色と、薄汚れた影だけが沈殿したような、閉塞感に満ちた空間。
窓はなく、明かりこそランプで確保されているが、揺れる火が壁に歪な影を這わせるせいで、かえってこの部屋の陰気さを際立たせている。
石造りの壁や頑丈そうな金属の扉は、ここが人を迎えるための場所ではなく、閉じ込めるための場所だと無言のまま告げていた。
さらに、アレクシアが少し身体を動かした途端、ガチャと金属が擦れる音がした。
「魔封の拘束具……」
鈍く響いたその音に目を落とせば、アレクシアの手足には金属製の輪のようなものが嵌められていた。
手首も足首も硬く塞がれ、わずかに身じろぎするだけでも、拘束されているという事実を嫌でも突きつけてくる。
魔力を練ろうとしても反応しないことから、彼女はこれが魔封の拘束具だとすぐに見抜いた。
だが、それでわかったのは自力での脱出は困難ということだけだった。
(私は別にもう慣れっこだけど……金品目当てで王女を狙う輩は山程いるのよね……)
状況は最悪に近いながらも、アレクシアはどこか冷静であった。
魔力を封じられて手足を拘束され、薄暗い石牢のような部屋に閉じ込められてなお、完全に取り乱さずにいられるのは、それだけ彼女にとってこうした悪意が珍しいものではなかったからだ。
王族、とりわけ王女という肩書きは、華やかさや尊さと引き換えに、金と欲に目が眩んだ愚か者どもを引き寄せる餌にもなる。
狙われることそのものは、もはや今さら驚くようなことではない。
さらに自分がどこまでいっても天才である姉、アイリス・ミドガルに届かない凡人であることへの諦観も関わっていた。
圧倒的な才覚を持つ姉と比べれば、自分は所詮その下に並ぶだけの存在。
国を背負う眩い才も、誰もが認める絶対的な力もない自分が、こうして狙われるのもまた王族という立場ゆえなのだと、半ば冷めた目で受け止めているのだ。
「全く。呑気なものだな」
「っ!?」
だが、そんなアレクシアの冷静さはたった一言で崩された。
背筋に冷たいものが一気に這い上がり、心臓を鷲掴みにするような鋭さで弾ける。
それは、こんな場所にいるわけがないはずの人物の声だったのだ。
「あなたは……!」
アレクシアが拘束された寝心地が良いとは言えないベッドの横に立っていた男。
彼の名はエリック・ヴェーザー。
ヴェーザー公爵家の跡取り息子であり、家柄、容姿、性格、能力、そのどれを取っても非の打ち所がない将来有望な優等生だ。
そしてエリックは、アレクシアの婚約者でもある。
少なくとも、こんな薄暗い監禁部屋にいるはずのない人物だった。
「はっ、ご機嫌麗しゅう尻軽王女アレクシア様」
「……へぇ? それが優等生の本当の顔ってわけね」
普段のエリックならば絶対に浮かべない、嘲りを滲ませた表情と言い回しをしながらのお辞儀で、アレクシアの中で点と点が繋がる。
表では誰からも慕われる理想の王女を演じながら、その実、腹の底では他人を値踏みし、上辺だけの笑顔と愛想で付き合ってきた自分だからこそわかる。
あの優等生の顔は仮面。
今こうして薄暗い監禁部屋に立っているのが真なる本性。
つまりエリックこそがアレクシアを誘拐した犯人なのだ。
「ふん、お互い様だろう? それに少なくとも私は恋人役を作ったりはしてないからな」
(……やっぱりそういうこと)
エリックの返しに、アレクシアは多少は感じていた恐怖の感情が薄れていくのを感じた。
得体の知れない悪意ではなく、そこにあったのは、婚約者である自分に別の男が出来たことを知り、自尊心を傷付けられた男の怒りだった。
たしかに表向きは婚約者がいないことになっているアレクシアは先日から恋人を作った。
それはエリックへの不信感から生まれた踏み石の偽物。
相手を愛していたからではなく、目の前の婚約者から逃げるために選んだ、あまり褒められたものではない一手だった。
だが、エリックもまた自尊心を傷付けられて報復に出てきた。
理想の優等生の仮面を被っていた男の本性が、嫉妬と面子に突き動かされる程度のものだとわかった瞬間、アレクシアの胸にあった冷たい震えは急速に引いていく。
その程度の男に恐れる価値すらないと、鼻で笑い飛ばすくらいにはアレクシアの心は落ち着いていた。
「まぁ正直な所、それはどうでも良い。気に食わないが……わからなくはないからな」
「え……?」
しかし、続くエリックの言葉に再びアレクシアは何かを感じ取った。
それはエリックの吐き捨てるように言った言葉が、ただの強がりではなく、本心からのものだと悟ったからだ。
アレクシアが恋人を作ったことなど、彼にとっては本当に些細な問題でしかない。
気に食わないという感情はあっても、それは彼をここまで動かした理由ではなかった。
エリックがこの薄暗い監禁部屋で仮面を外した、その悪意の正体はまだ判明していなかったのだ。
「私も出来ることなら姉の方にしたかったからな。力不足を恥じるばかりだ」
「なに……言って……」
一瞬コンプレックスの元である姉の話題が出て頭に血が上りかけるも、アレクシアは怒りに支配されることができなかった。
エリックの口ぶりには、彼女を挑発するためだけの熱がなかった。
姉を引き合いに出してアレクシアを貶めるというより、ただ己の力量と選択の限界を淡々と口にしている。
だからこそ、単なる侮辱として噛みつくこともできない。
エリックの独白から感じるのは、得体のしれないもの。
悪意や怒り、妬みとは違う。
どこか諦観に近い感情。
だが、同時に感じるのは全く相反する感情である狂気であった。
己の限界を認めているはずなのに、そこで止まる気配がない。
淡々と諦めた顔をしながら、その奥では別の何かが静かに壊れているのを感じ取れてしまうのだ。
「……動くなよ」
「っ……!?」
狂気を滲ませたまま、エリックは腰に下げていた剣をゆっくりと抜き、アレクシアへ近付いてくる。
鞘から刃が滑り出る硬い音が、薄暗い監禁部屋の中にいやに大きく響いた。
ランプの火を受けて輝く金属の光は、学園の訓練用に刃を潰した剣のものではない。
人を傷つけ、肉を裂き、命に届く、本物の凶器の光だった。
魔力を封じられ、手足を拘束されたアレクシアに、まともに避ける術などあるはずもない。
アレクシアはその凶器が秘めた危険性を察して、思わず身を固めた。
しかし、次の瞬間、剣の軌跡が触れたのはアレクシアの肉体ではなかった。
「きゃあああっ!?」
鋭い剣閃が走った直後、アレクシアの身に纏っていた衣服が細切れになって空気に流されていく。
肌を守っていた布がばらばらに裂かれ、隠していたものが一方的に剥ぎ取られていく感覚に、アレクシアの喉から悲鳴が弾けた。
才能の輝きなど感じない、アレクシアが自分の剣を見ているようで大嫌いなエリックの凡人の剣。
しかし、動かぬ女の衣服を斬るには十分であったようだ。
「……ふぅ」
「この……! 何するのよ!」
剣を収めて息を吐くエリックに、アレクシアは反射的に怒号を叩きつけた。
つい先ほどまで刃に感じていた恐怖など、その瞬間には頭から吹き飛んでいる。
手足の枷さえなければ、怒りに任せて飛びかかっていたに違いない。
それほどまでに、エリックが今しがた行ったことはアレクシアの誇りを踏みにじるものだった。
エリックの振るった剣は、彼女の衣服だけではなく、下着までもまとめて斬り裂いていた。
残されたアレクシアの身体には、もはや身を隠すものなどない。
姉ほどではないとはいえ、十分に巨乳寄りと言える八十半ばの胸は薄暗いランプの下に晒され、怒りに震えるたび柔らかな膨らみが小さく揺れる。
腰回りを守っていた布も失われ、あまり毛の生えていない秘所までもが、抗う術のないまま丸見えになってしまっていた。
「そんなに暴れていて良いのか?」
「はぁ!? なにいって……っ!?♡」
しかし、そんなアレクシアの怒りも長くは続かなかった。
突然エリックから投げかけられた言葉の意味を理解しきる前に、それよりも先に自らの肉体に異変を感じたのだ。
かっと頭に上っていた熱とは別の、もっと粘ついた甘い熱が下腹部の奥でじわりと滲む。
怒っているはずなのに、腹の底から力が抜けていく。
「んふうぅ……♡こ、これぇ……?♡ まさ、かぁ……♡」
じんわりと広がる甘い痺れが下腹部から込み上げてくる。
痛みとも不快感とも違う、身体の内側から溶けてしまいそうな奇妙な感覚がアレクシアを襲う。
肌は熱を持ち、胸の先は空気に触れるだけで勝手に疼き、太腿の奥では言うことを聞かない熱がじくじくと脈打っていた。
羞恥と怒りで身を捩ろうとするたび、その動きがかえって肉の柔らかさを揺らし、秘めておくべき場所の熱を意識させてしまう。
困惑しながらも、悶えるアレクシアはその感覚の正体に気付き始めてしまっていた。
「あぁ……まぁ説明の必要はないな。浮気性な売女に相応しいものだ」
(やっぱり、これって……)
初めて見るエリックの心底楽しそうな笑みを見た瞬間、アレクシアは自分の身体に起きている異変の正体を悟った。
寝ている間に、何かを盛られたのだ。
それも、ただ自由を奪うための毒ではない。
女の理性を内側から溶かし、誇りも羞恥もまとめて熱に沈める、下劣な媚薬。
腹の奥から滲む甘い痺れも、肌を這い回るような熱も、怒りとは別に勝手に乱れていく呼吸も、それなら説明がついてしまう。
そして同時に、エリックがあえて浮気などという言葉を何度も持ち出した理由も理解した。
身体が反応していく彼女を、最初からそういう女だったのだと貶めるために、都合のいい汚名を押し付けているのだ。
「っ……!」
だが、その煽りはアレクシアを崩すどころか、むしろ心の壁を高くするだけだった。
服を裂かれ、下着まで奪われ、王女としての体裁を踏みにじられた。
そのうえ身体の内側にまで下劣な熱を流し込まれ、まるで自分自身の反応で汚されていくような屈辱を味わわされている。
それでも、ここで怯えればエリックの思う壺だ。
ここで泣けば、彼はアレクシアが自分の言葉通りの女に堕ちたのだと笑うのだろう。
そう思った瞬間、腹の底から込み上げてくる官能の熱を、怒りが無理矢理押さえ込む。
アレクシアは唇を強く噛み締め、甘く漏れそうになる息を喉の奥で殺すと、媚薬に揺らぐ身体を必死に引き締めながら、黙ってエリックを睨み付けた。
「ハハハ、普段の澄ました顔に比べて随分魅力的になったじゃないか」
「後悔させてやるからね……」
嘲弄か、本心か。
判別のつかない声音で笑いながら、エリックが再びアレクシアへ歩み寄る。
石床を踏む靴音が薄暗い室内に響くたび、拘束された彼女の身体は逃げ場のなさを思い知らされていく。
そんな中でアレクシアは、腹の奥で蠢く熱と背筋を撫でる恐怖をまとめて押し殺し、睨む瞳だけは逸らさない。
怯えを悟らせれば、それだけでエリックを喜ばせる。
その屈辱への反発が、揺らぎかけた彼女の意識を辛うじて繋ぎ止めていた。
「さて……」
「ひゃうっ!?♡」
しかし、アレクシアの身体を蝕む悪意は、彼女の予想を遥かに越えていた。
エリックの手が無造作に伸びて指が柔らかな膨らみに沈み込んだ、その瞬間。
ビリビリッ♡と胸の奥で弾けた刺激が、一本の鋭い線となって背筋を駆け上がる。
ただ掴まれただけのはずなのに、媚薬に侵された身体はその圧迫さえ過剰に拾い上げ、胸の先から腹の奥へ甘い痺れを流し込んでいく。
アレクシアは反射的に唇を閉じて声を噛み殺そうとするが、強張った身体とは裏腹に、彼女の意地を裏切るような甘い嬌声が暗い室内に溢れ出した。
「おぉ……柔らかいな。それでいてしっかり指が沈み込んでいく。胸だけは優秀だな」
「くひぃっ!♡ ひっ……ひぅんっ!♡♡ んああぁっ!♡♡」
初めて味わう他人の手による愛撫だというのに、アレクシアの口からは次々と嬌声が上がってしまう。
エリックの手つきは品定めするように無遠慮で、指先は剥き出しの乳房へずぶりと沈み込み、柔らかな乳肉を好き勝手に揉み崩していく。
男であるエリックの手でもぎりぎり掴みきれない膨らみが、掌に押し潰されるたびに形を変え、白い肌が指の圧に合わせていやらしく歪む。
そのたびに胸の奥で弾けた快感が、びくびくと震える身体を伝って腹の底へ落ちていった。
屈辱で歯を食いしばろうとしても、胸を揉み込まれるたびに喉が勝手に震え、噛み殺し損ねた声が情けなく漏れ出す。
エリックの手の動き一つ一つに、どうしようもなく翻弄され、アレクシアの思考は快感と屈辱の波に何度も押し流されていった。
「こん、なの……♡ぜん、ぜんっ……!♡ きもちよくなんて、ないんだからぁ……♡♡」
震える声でそう吐き捨てながらも、アレクシア自身、その言葉がどれほど虚しいものか理解していた。
一度触れられただけで、喉は勝手に甘く震えた。
胸を揉まれるたびに息は乱れ、身体はびくびくと跳ね、拒絶のために込めた力さえ快感に絡め取られていく。
それでも、否定しなければならなかった。
ここで認めてしまえば、身体だけではなく、自分の意思までエリックの言葉通りに堕ちてしまう。
だからアレクシアは、蕩けそうになる声を必死に押し殺し、己の誇りに縋るように唇を動かした。
「ふん。乳首をこんなに硬く勃起させて、なにが気持ち良くないだ。恥をしれ売女め」
「ひぃいいいんっっ!?♡♡」
そんなアレクシアのささやかな抵抗は、エリックの言葉と、乳首を摘まれる快感によってあまりにも簡単に踏み潰された。
硬く凝った乳頭が指先で挟まれ、逃げ場もなくきゅっと摘み上げられる。
胸の奥に溜まっていた熱が、そこを起点にして一気に弾けた。
根元から扱き上げるように擦られるたび、張り詰めた突起はさらに硬く尖り、まるで自分から存在を主張するようにエリックの指先に答えを返してしまう。
「ちが、ちがうぅ……♡」
反論もままならない状態でも、アレクシアは必死に快楽を否定し続けた。
だが、その声はもう強い拒絶ではなく、媚薬に濡らされた吐息の隙間からこぼれる弱々しい抵抗でしかない。
否定すればするほど、震える喉も、熱を帯びた肌も、硬く尖った乳首も、すべてがその言葉を裏切ってしまう。
「まだ言うか。なら、こうしてやろう」
「ひゃ……!?♡ うそ、口でなんて……あぁあああんっ!♡♡♡」
そんなアレクシアの意地を嘲笑うように、エリックは顔を近付け、指先で弄んでいた乳首をそのまま口に含んだ。 ぬるりとした温かな舌が敏感な先端を舐め転がし、湿った口内がきゅっと吸い付いてくる。
指で弄ばれるのとはまるで違う、生々しい熱が直に絡みついた瞬間、アレクシアの腰は勝手に跳ね上がった。
逃げるどころか、まるでもっと吸ってほしいと強請るように、乳肉をエリックの口元へ押し付けてしまい、アレクシアの羞恥心を煽っていく。
「だめっ、待っ、こんな……!?♡ あぁあああああーーーっ!?♡♡♡」
そのままアレクシアは、まるで全身に張り巡らされた快楽の神経を一本ずつ舐め上げられているような錯覚に焼かれた。
乳首に吸い付かれるたび、そこだけを責められているはずなのに、甘い痺れは胸から腹へ、腹から腰へ、さらに脚の付け根まで一気に駆け抜けていく。
びくびくっ♡と身体を跳ねさせ、拘束された手足を震わせながら、アレクシアの秘所は耐えきれずにとろりと愛液を噴き出した。
舐められる。吸われる。揉みしだかれる。
言葉にしてしまえば、たったそれだけのことだ。
なのに、そのたったそれだけにアレクシアの身体は呆気ないほど簡単に呑み込まれ、堪える暇すら与えられないまま、絶頂へ引きずり上げられてしまう。
「ハハッ、流石は教団の叡智だな……」
「ぁ……ぁぁ……♡」
意識の遠くで、エリックが何かを口にしている気がする。
だが今のアレクシアには、その言葉をまともに拾うだけの余裕すら残っていなかった。
乳首から全身へ駆け抜けた快楽の名残が、まだ身体の奥でとろとろと脈打ち続けている。
びくびくと小さく痙攣する四肢は思うように動かず、絶頂の衝撃で力の抜けた裸身は、拘束具に支えられたまま無防備に震えていた。
胸の先は吸われた熱を残したままじんじんと疼き、下腹部の奥では、吐き出してしまった快感の余韻が鈍い甘さとなって居座っている。
アレクシアは焦点の合わない目のまま、身体を支配する甘い余韻に思考を鈍らせ、ただぼやけた世界の中で浅く喘ぐことしかできなかった。
「さて、これだけ濡れていれば充分か」
「ふぁっ……♡♡」
だが、たとえ頭が上手く働かなくても、エリックが何を言ったのか、その意味だけは掴んでおくべきだった。
もし聞き取れていれば、次に何をされるのかくらいは察することができた。
そうすれば、せめて奥歯を噛み締める程度の覚悟はできたはずなのだから。
「んひっ!?♡ ちょ、何して……♡あぁああああああ!?♡♡♡」
しかし、もはや気付いた時には遅かった。
アレクシアが余韻にぼんやりと沈んでいる間に、熱く硬い肉棒はすでに秘所へあてがわれており、そのまま媚薬でとろとろに蕩けた割れ目をぬるりと押し分けてきた。
濡れた襞が先端に絡み、開かれるはずのなかった場所が、拒む暇もないまま内側からこじ開けられていく。
突然の圧迫感と熱に、白く濁っていた意識が一気に現実へ引き戻された。
だが、理解したところでもう止められない。
まだ慣らされていない媚肉はきつく強張るのに、溢れた愛液だけが侵入を滑らかに助けてしまう。
「あぁ、うそっ♡こん、な……♡んあああっ!?♡♡」
挿入されていく肉槍は、アレクシアが守ってきた初めての証すら容赦なく破っているはずだった。
だが、媚薬に侵された身体は、その瞬間に訪れるはずの痛みをほとんど痛みとして認識できない。
本来なら拒絶と苦痛で強張るはずの腟内が、熱く硬い異物に押し広げられる感覚を、びりびりとした快感として受け取ってしまっている。
隙間なく密着する肉棒の熱。
濡れた襞を押し分け、内側の柔らかな粘膜を擦り上げながら進んでくる圧迫感。
それらはアレクシアの意思を置き去りにして、腹の底へ甘い痺れを広げていった。
だが、その戸惑いを整理する暇すら、アレクシアには与えられなかった。
「絡み付いてくるな。本当にこっちだけは……優秀だな!」
「ひきゅうぅうう!?♡♡♡」
ぱんっ♡と肌を打つ音が鳴り響き、アレクシアの白い喉が大きく仰け反った。
奥まで一息に貫かれた衝撃が腹の底から脳天まで突き抜け、白く濁っていた視界がさらに激しく明滅する。
深々とねじ込まれた肉棒の先端が、逃げ場のない最奥を強く押し上げた。
内側から身体の形を変えられているような圧迫感に、アレクシアの腰がびくんと跳ねる。
だが、媚薬に侵された身体は、その乱暴な侵入すら苦痛として受け止めてくれない。
押し広げられた媚肉が熱い異物にぴったりと吸い付き、奥を突かれるたびに、腰が砕けるほどの快感だけを全身へ撒き散らしてしまう。
「ま、まっへっ♡しょこっ♡やめっ♡おぐっ♡ぐりってするのらめぇっ!♡♡♡ んあぁああ!!♡♡♡♡」
ごちゅっ♡ごちゅっ♡と、粘ついた音を立てて最奥を叩かれる。
そのたびに、アレクシアの身体はびくびくと跳ね、拘束具が硬い音を立てて震えた。
膣口から膣奥まで、濡れきった媚肉を根こそぎ擦り上げるように引き抜かれ、次の瞬間にはまた乱暴に奥まで叩き込まれる。
雁首がぞりぞりと内壁を削るように擦過し、柔らかな襞を掻き乱すたび、腹の奥で快感が破裂した。
身体の内側を容赦なく蹂躙されているはずなのに、媚薬に浸された肉は拒絶ではなく、熱くぬめった痙攣で応えてしまう。
押し込まれるたびに締まり、引き抜かれるたびに追い縋るように絡み付く。
今のアレクシアには、エリックの激しい腰使いすら強烈な快感となり、声を抑えることもできず、暗い室内に甘く壊れた喘ぎを散らし続けた。
「男の精を搾り取ろうとしてくるな。なら望み通りしてやる」
「あぁあ!?♡♡ まっ、ほんとにだめ、だめなのぉ!♡♡ やめて、やめてやめてやめてぇえぇぇぇ!♡♡♡」
間近まで顔を近付けてきたエリックの言葉が、快楽に濁りかけていたアレクシアの意識を乱暴に揺さぶった。
奥を抉られ、粘膜を擦り上げられ、腰が砕けるほどの快感を叩き込まれている最中だからこそ、その言葉の意味は嫌でも理解できてしまう。
この男は、今まさに自分の中で果てるつもりなのだ。
それも、アレクシアが拒んでいるからではなく、媚薬に狂わされた身体が絡み付き、締め付け、まるで望んでいるように見えるからだと決めつけて。
そのあまりの屈辱に、アレクシアは半狂乱になって叫んだ。
王族としての誇りも、力ある者としての矜持も、その瞬間だけは形を保てない。
一人の女として快楽に呑み込まれ、拒絶の声すら媚びた悲鳴に変えられていく恐怖が、アレクシアの胸を乱暴に掻き乱した。
「出る、ぞ!」
「あぁああああああぁーーー!!?♡♡♡」
しかし、アレクシアの拒絶は最後まで届かなかった。
一際強く腰を押し付けられた瞬間、逃げ場のない最奥で熱が爆ぜる。
深く食い込んだ肉棒の先端から、白く濁った精が子宮口へ叩きつけられ、灼けるような熱さが身体の芯へ直接染み込んできた。
内側で脈打つたびに、どくどくと注ぎ込まれる白濁が狭い子袋を満たしていき、アレクシアの腹の奥を熱く重く塗り潰していく。
あまりの量に受け止めきれなくなった精液は結合部から溢れ出し、濡れきった肉襞を伝って淫らな糸を引いた。
拒んでいたはずの身体は、それでも奥に流し込まれる熱にびくびくと震え、媚薬に溶かされた内壁が名残惜しむように肉棒へ絡み付いてしまう。
「ひ、あっ、あつぃい……♡おくっ、あつくてとけちゃうぅ……♡」
子宮に残る熱がじわじわと広がるたび、アレクシアの身体はぶるりと細かく震えた。
最奥に注ぎ込まれた精の重さと、そこから滲むように広がる熱が、絶頂の余韻と混ざり合って思考を白く濁らせていく。
もう怒りの形を保つことも、屈辱を噛み締めることも上手くできない。
瞳に残っていた僅かな光はどろりと蕩け、焦点の合わない視線が薄暗い天井を彷徨う。
呂律は崩れ、閉じきれない唇からは甘く乱れた吐息が漏れ続けた。
口端を伝った涎が顎へ落ち、涙で濡れた頬に銀色の筋が光る。
長い金髪を乱し、拘束具に身体を預けたまま、熱に浮かされた声を途切れ途切れに零すその姿は、誇り高い王女というより、蹂躙の果てに淫らに咲き崩れた花のようであった。
「……まだ足りないな」
「え……?」
それだけしても、エリックは満足していなかった。
アレクシアには、その言葉の意味がすぐには理解できない。
身体はまだ熱に浮かされ、奥に残された感触と余韻に震え続けている。
声を出すだけでも喉が掠れ、ぼやけた視界の中でエリックの表情を確かめようとしても、焦点が上手く定まらない。
「続けるぞ。お前の心に根付かせるためにな」
「まっ……んひっ!?♡♡ いま、びんか、ほぉぉぉおっ!?♡♡♡」
言葉の意味を問い返す暇もなかった。
繋がったままの肉棒が、未だ敏感に震える膣内で再び動き出す。
奥に残った精液と溢れ続ける愛液がぐちゃりと混ざり、泡立った粘液となって肉棒に絡み付いた。
それが潤滑油のように働き、引き抜かれる動きも、押し込まれる衝撃も、先ほどよりさらに生々しく滑っていく。
絶頂の余韻で過敏になりきった媚肉は、ほんのわずかな摩擦にさえびくびくと跳ね、掻き回されるたびに甘い痺れを奥から噴き上げた。
そして監禁部屋に響く彼女の声がようやく途切れた頃、夜はすでに終わりを迎え始めていた。
***
「アレクシア王女と公爵令息のエリック様が婚約だってよ!」
「あの貴族とは何もなかったんだってさ! むしろフラれた腹いせに王女を攫おうとしたらしいぜ?」
「それを救ったのがエリック様ってか。いやぁ完璧超人は違うなぁ」
その日、王都ミドガル魔剣士学園は朝から祝いの空気に包まれていた。
廊下でも、教室でも、食堂でも、誰もが同じ話題を口にしている。
ミドガル王国第二王女、アレクシア・ミドガルと、王国随一の名門であるヴェーザー公爵家の嫡男、エリック・ヴェーザーの婚約発表である。
先日、恋人を名乗っていた貴族の男がアレクシアを連れ去ろうとした事件を重く見た王家は、王女の身を守るためにも、かねてより婚約者候補であったエリックとの関係を正式に発表したのだ。
噂は瞬く間に学園中へ広がり、事実の形を変えながら、誰も疑わぬ美談として受け入れられていく。
傷付いた王女を救った高潔な公爵令息。
不埒な男から婚約者を守った完璧な騎士。
そして、その二人を正式に結び付けた王家の英断。
誰もが口々に祝福し、誰もが二人の幸福を疑わなかった。
真実を知らない者たちにとって、それはあまりにも分かりやすく、美しい物語だった。
「完璧な騎士……全く見る目がないと言うべきか、そんなものだと言うべきか」
しかし、そんな称賛を一身に受けているはずのエリックの表情は、少しも晴れやかなものではなかった。
学園のあちこちで囁かれているであろう賛美の声も、祝福の空気も、彼にとっては窓の外を流れていく雑音と大差ない。
高潔な公爵令息。
王女を救った完璧な騎士。
誰もがそう信じ、疑いもせずに美しい物語へ酔っている。
その滑稽さに、エリックの口元には薄い笑みが浮かんだ。
胸中にあるのは、称賛への喜びなどではない。
自分を見誤る者たちへの嘲りと、その見誤られた理想に届かない自分自身への自嘲だけだ。
そして何より、そんな空虚な名声よりもはるかに大事な存在が、この特別室の中、エリックの足元にいるのだから。
「んちゅ♡んっ……♡ちゅ……♡ちゅ……♡」
エリックの足元にいる存在。
それは、今まさに学園中から祝福を受けているはずの王女、アレクシア・ミドガルだった。
しかし、そこにいる彼女の姿は、誰もが想像するような幸福な花嫁のものではない。
華やかなドレスどころか、肌着の一枚すら纏わず、白い裸身を隠すことも許されないまま膝をつき、その細い首には主従の証である首輪まで嵌められていた。
王女としての気品も、学園で見せていた澄ました態度も、今はどこにも残っていない。
長い金髪は乱れ、頬はうっすらと上気し、焦点の甘く濁った瞳は足元からエリックを見上げている。
その状態でアレクシアは、エリックの肉棒を自らの胸で挟み込んでいた。
十分な大きさを持つ乳房が両側から肉棒を包み、柔らかな弾力で押し潰すように形を変える。
その先端が胸の谷間から覗くたび、アレクシアは蕩けた吐息を漏らしながら唇を寄せた。
ちゅ♡と湿った音を立てて口付ける仕草は、嫌悪や恐怖ではなく、まるで愛おしい存在を慈しむように柔らかい。
学園の者たちが高潔な婚約者同士の未来を祝福しているその同じ時、祝福されるはずの王女は、首輪を嵌められた姿でエリックの足元に跪き、その肉棒へ甘く唇を捧げていた。
「変われば変わるものだなアレクシア。だが、だからこそ美しい……私にお似合いなほどにな」
「んちゅ……♡ありがとう……ございます……♡ご主人様……♡んっ♡んんっ♡」
エリックの自嘲混じりの声に反応し、アレクシアは胸の谷間に挟んだ肉棒へ唇を寄せたまま、蕩けた瞳で彼を見上げた。
学園で見せていた棘のある眼差しも、王女として人を寄せ付けなかった気位の高さも、今の彼女からは薄く溶け落ちている。
あるのは、褒められたことを心から喜ぶような甘い表情と、主に従うことを当然と受け入れた声だけ。
だが、アレクシアは何も考えられなくなった人形ではなかった。
自分が誰なのかも、目の前の男が誰なのかも、王女としての立場も、かつて抱いていた怒りや屈辱の記憶さえも残っている。
それでも、そのすべてが今ではエリックへ向ける従属の感情を彩るための材料へと歪められていた。
正気を保ったまま、アレクシアという女の心の向きだけを、エリックへの愛へと結び付ける。
それこそが、エリック、いや、ヴェーザー公爵家が古くから仕える真なる主、ディアボロス教団がもたらした力だった。
(所詮私では……いや、私たちでは届かない)
エリックは、甘く従順に変わり果てたアレクシアを見下ろしながら、胸中で冷たくそう呟いた。
表向きの彼は、ヴェーザー公爵家の嫡男として非の打ち所がない男だ。
家柄に相応しい礼節を身につけ、剣を振るえば周囲の期待に応え、学園では誰からも一目置かれる優等生として振る舞ってきた。
だが、それらはすべて、積み上げられた努力によって形作られた虚構に過ぎない。
アレクシアに見抜かれた通り、エリック・ヴェーザーは凡人だった。
天から与えられた奇跡的な剣才もなければ、世界の裏側を見通すほどの頭脳もない。
状況を一変させる突発的な発想力も、理不尽をねじ伏せる圧倒的な力も持っていない。
ただ失敗を恐れ、足りないものを知り、届かない場所を見上げながら、それでも見苦しく手を伸ばし続けてきただけの男だ。
周囲が称える剣技も、立ち回りも、完璧な公爵令息という評判さえ、すべては自分の弱さを覆い隠すために磨き上げた仮面だった。
そして、その仮面ですらエリック自身のためのものではない。
真なる主が歩むべき舞台を整え、その御業がより確かに根を張るための下準備。
ヴェーザー公爵家が積み重ねてきた名声も、血統も、信頼も、王家との繋がりさえ、そのために差し出されるべき道具に過ぎなかった。
だからこそエリックは、自分を完璧な騎士などと呼ぶ者たちを嗤う。
彼らは何も見えていない。
この国の表も裏も、自分たちが信じる物語さえも、すでに別の誰かのために形を変えられているというのに。
(だが、こいつは別だ……)
「んちゅ……♡ちゅ……♡」
エリックは、足元で従順に奉仕を続けるアレクシアへ視線を落とした。
ミドガル王国第二王女。
本来なら、教団が王国を裏から操るための駒として使われる予定だった存在だ。
だからこそ、教団は最初にアイリスを求めた。
第一王女を手中に収められれば、それだけでミドガルの中枢へ深く楔を打ち込める。
だが、エリックの力ではそこまで届かなかった。
公爵家の嫡男として積み重ねた立場も、完璧を装い続けてきた仮面も、アイリスへ手を伸ばすには足りない。
結果として、エリックが得られたのはアレクシアの婚約者という立場だけだった。
届かなかった末の次善。
教団から見れば、そう整理されるはずの成果。
しかし今のエリックは、その結果を失敗だとは思っていなかった。
「んっ♡んんっ♡んちゅ……♡んふっ……♡」
(渡しはしない。私自身のために……)
エリックの胸の内に、アレクシアへの愛など存在しない。
彼女を慈しみたいわけでも、守りたいわけでもない。
だがそれでも、足元で胸を押し付け、唇を捧げ、少しでも気に入られようとするように熱心に奉仕する姿を見ていると、胸の奥に別の感情が根を張っていく。
これは教団の駒だ。
王国を操るための道具だ。
そう理解していながら、エリックはもう、アレクシアを誰かに明け渡す気になれなかった。
肉棒の尖端へ甘く捧げられる唇も、両側から柔らかく挟み込んでくる胸も、あの夜、精神が摩耗しきるまで蹂躙し尽くした身体も。
すべて、自分が形を変えた。
すべて、自分の手で屈服させた。
そう思った瞬間、教団への忠誠とは別の、もっと薄暗く生々しい独占欲がエリックの胸中を満たしていく。
アレクシア・ミドガルは、教団のものになる前に、まず自分のモノなのだ。
「さぁ来い……アレクシア」
「っ……! はいっ♡ご主人様♡」
だからこそ、エリックは今日も、必要がなくともアレクシアをベッドに誘う。
教団の計画のためでも、王家を操るためでもない。
ただ、自分の足元にいるはずの女が、自分の呼びかけ一つでどれほど嬉しそうに反応するのかを確かめるために。
エリックがベッドに仰向けになれば、それが合図だった。
アレクシアはぱっと表情を明るくし、首輪を揺らしながら彼の上へと身を乗り出す。
王女として傅かれる側だったはずの女が、今では命じられるより先に、褒められたい一心でエリックの身体へ跨っていく。
そしてアレクシアは、蕩けた瞳でエリックを見下ろしながら、自らの秘所へと肉棒をあてがった。
「失礼致します……ご主人様……♡あぁあああぁぁっっ!!♡♡♡」
アレクシアは蕩けた声で許しを請うように告げると、そのまま腰をゆっくりと沈めていった。
秘所にあてがわれていた肉棒がぬるりと割れ目を押し分け、熱を孕んだ腟内へ吸い込まれていく。
次の瞬間、ぷしゃっ♡と濡れた水音が響き渡り、アレクシアの身体が胸を弾ませながら大きく反り返った。
調教を繰り返した腟内は、もはやエリックの肉棒を拒むことを知らない。
締め付けながらも抵抗はなく、根元まで一息に飲み込むほど柔らかく蕩け、内壁の襞が熱い硬さへぴったりと絡み付いていく。
深く繋がった衝撃に膣奥がきゅうっと震え、溜め込んでいた愛液が潮のように結合部から勢いよく噴き出した。
吹き上がった飛沫はエリックの胸板を濡らし、腹筋を伝い、根元まで埋まった肉棒へも淫らに滴っていく。
それでもアレクシアは恥じるどころか、うっとりと目を細め、奥まで受け入れられた喜びに甘い吐息を震わせていた。
「はしたないなアレクシア。そんなに欲しかったか?」
「はい……♡ご主人様の、たくましいオチンチンが欲しくてたまりませんでしたぁ……♡」
興奮を隠そうともせず、アレクシアは蕩けきった顔でエリックの言葉に答えた。
その声にかつての王女らしい棘はなく、あるのは与えられることを待ち望む女の甘い熱だけ。
彼女はもっと見てほしいとでも言うように腰をくねらせ、奥まで受け入れた肉棒を自ら締め付ける。
だが、それはただ彼女一人が堕ちた証ではない。
その変わり果てた姿を欲し、手放したくないと欲するエリックもまた、同じ沼の中へ足を取られている。
アレクシアは主に従う奴隷として。
エリックは己がモノを独占する主人として。
二人はそれぞれ違う形で、取り返しのつかない場所へ沈んでいた。
「なら可愛がってやる……いつまでもな!」
「はいぃっ♡ありがとうございますっ!♡♡ あぁああぁぁぁ!!♡♡」
歓喜に震える返事を合図に、アレクシアの身体は再び大きく揺さぶられた。
首輪が小さく鳴り、乱れた金髪が白い肌に張り付き、薄暗い特別室に濡れた音と甘い声が重なっていく。
外では、祝福された婚約者同士として二人の未来が語られている。
誰もが美しい物語を信じ、誰もが王女の幸福を疑わない。
けれどその裏側で、アレクシアはご主人様の腕の中に身も心も沈め、エリックはその堕ちた王女を自分のものとして抱き続ける。
今日も、明日も、その先も。
偽りの祝福に覆われた学園の片隅で、二人は肉欲に溺れたまま繋がり続ける。
いつか終わるかもしれない幸福を、まるで永遠であるかのように貪りながら。
堕落した二匹の獣は、誰にも知られぬ場所で、いつまでも踊り続けていた。