アイドルと過ごす日常
中学校3年になると受験の時期と言われ、勉強をしないとという強迫概念が出てくるが俺たちは高校生の勉強まで終わらせているので何もすることがなく、遊びに出かけたりしていた。
「なあ、悠乃?アイドルのライブ見に行かないか?丁度ペアチケット当たったんだよ」
「宵待月乃?あの人の曲すきなんだよね~よし!行こう!」
そうして二人でライブに見に行くことにした。思ったよりも人が多く、最後まで楽しいライブだった。
「はぁ~楽しかったな。思ったよりもいい曲ばっかりだし」
「そうでしょ!でも……よくない噂があるんだよね……薬とか枕営業とかさ」
恐らく裏で手を引いているものが居て宵待月乃を操っているのだろう。
「どうにかしたいよね~私達さ、人じゃないからそういう困っている人の手助けとかしたいよね……正義のヒーローみたいに」
「まあ、そんなこと考えてると誰かから助けを求められたりするもんだよ」
そんな話をしながら、会場から出ると……誰かが居た。
「すみませ~ん?お時間ありますか~?」
何だ?この怪しい人……ん?よく見ると宵待月乃じゃないか?
「ありますけど……もしかして、月乃さんですよね?」
「ありゃ、バレちゃいましたか……かなり見てくれてますね」
「いや、俺は色々と見る目があるだけですよ」
そんな話をしながら彼女と喫茶店に入った。
「いや~御免なさい。私って女の子に目が無くて……そしたらお付き合いしてるなんて素敵ですね」
「いえ、アイドルとお友達になることもないと思っていたのでお話しできて光栄です」
そんなことからアイドル。宵待月乃、本名 誘宵美九と知り合いになりよく三人で遊ぶようになった。
「士道さんはどうして彼女のことを好きになったんですか~?」
高級料理店で悠乃が居ないときにそれを聞かれる。
「どうして……か。最初は一目惚れで好きになったんだけど、その次に彼女の好意が爆発して危ないことになっちゃってさ……ちゃんと居てあげようってことでもっと好きになったかな?」
「そんなに彼女のことを好きになっても、他の人を好きになったりしないんですか~?」
「いや、好きになることはないな……どちらかというと友達として接したい……かな。悠乃に対しては人に言えないことがかなりあるし、悠乃をずっと見続けててるだけかもしれないな……」
そして別の日に私は悠乃さんにも同じ質問をした。
「どうして彼を好きになったんですか~?」
彼が居ないうちに聞いておきたかった。
「どうして……ね。私は彼に一目惚れなのかな?まあ、気づいたら好きになったの。でも……彼を……あることをして……彼を傷つけてしまったから。だから、彼に何があろうとも一緒に居るって自分でけじめをつけたから好き……なのかな?」
「ふ~ん。悠乃さんは他の人を好きになったりしないんですか~?」
「そんなことはないよ。だって私は彼しか見てないから」
二人の答えは同じだった。彼らが言っている危ないことや傷つけた……というのは何だろう?それが気になる。
「その……傷つけたというのは何をしたんですか?」
「それは……言えない……けど、美九さんならいいですよ。耳を貸してください」
それで耳を近づける。
「私は、彼を殺してしまうほど好きなんです」
私はそれを聞いた時に私の事とダブってしまった。女の子を平気で切り捨てる……それは良くないことだと突き付けられた。
「私は彼を刺して刺して刺して、彼を感じることが好きなんです」
私は彼女のことが怖くなった。あの人を殺す?なのに彼も彼女も好き。どういう関係何だろうという好奇心と殺すほど愛すことに恐怖を覚える。
「だから、私は一緒に居るんですよ。彼を奪う奴はどんな奴であろうとも皆殺しです。彼は死んでも死にませんけど、傷つけようとするならば容赦しません」
それを聞いて何か私の物が崩れ去った。その日から私は意識を変えることにした。
「そうですか……でも士道さんには言ってるんですか?」
「言ってますよ。そしたら、その時になったらいいと言ってくれました」
何なんだろうこの歪み切った愛は……私よりもどす黒く、彼も何を考えているのか分からない。
「まあ、分かりました。そしたら、違う所に行って遊びましょうか」
そして、美九と日常を過ごす、日々は長く続く……
7月1日
アイドル宵待月乃こと誘宵美九と知り合いになって聞かれたことが、俺たちは何故好きになったのか?という質問だった。質問に答えると何かを考えているようだった。今の所、俺たちが裏で手を引いている奴を壊滅させているが、その心境の変化だろうか?女の子が考えていることはいつも分からない。
7月1日
アイドルの誘宵美九さんと知り合いになってよく聞かれたのは私と彼の馴れ初めを聞いてくる。彼女には私の秘密を言うと驚いた顔をしているがすぐに難しい顔をして、そういうこともありますよね……と言っていた。私は彼のことを見ている……これからも続ける。
7月7日……七夕。俺は二人を駅前で待っていた。悠乃と美九は浴衣を着てくるということなので、俺も甚平を着ている。彼女の浴衣姿は貴重なので俺が最近買った一眼レフのカメラを持ってきている。これで写真を撮り、記憶に残したかった。
「お待たせ。士道君。あれ?そっちも着てるの」
「そうだよ。お前らが着るって言ってたから合わせた」
「で、その手に持っているカメラは?」
「綺麗なお二人さんを永遠に記憶に残すためだよ」
そうして屋台を周り始める。そこには、某動画配信者が笹の葉カステラを売っていたりと面白い店が多かった。
「琴里。何故、七夕祭りに来ているんだ?」
「なんでって、貴方休まないんだもの。一緒だったら任務っぽい休みだと思ったのよ……って士道?」
あっちは気づいていないが彼は二人の女の子と一緒に屋台を周っているようだ。
「君の兄はあんなにプレイボーイだったかね?」
「いいえ。ありえないしなんかカメラで二人撮ってるし、多分別の人ね。令音、違う所行きましょ」
司令官さんは気づかなかった。あれが君の兄であることに。
「あれ、なんでしょう?」
それは願い事を書くことができるスペースだった。
「じゃ、願い事を書くか……」
そうして三人で願い事を書く。それが叶うように。
「二人はなんて書いたんですか~?」
「ん?俺は悠乃と一緒に居たい。って書いた」
「私は、士道君と一緒に居たい。って書いた」
「お二人はラブラブですね~」
「美九はなんて書いたんだ?」
「私は、だーりんと呼べる存在に会えますように。ですね」
結婚願望の願いじゃん。と笑いあった。その日の夜は晴天で星が良く輝いて見えた。
「天の川……か。あんな風にはなりたくはないな」
「一年に一回しか会えないんだよね。離れ離れは嫌だよ」
「二人はいつも離れている……お二人には関係のない話ですね……」
「いや、俺たちの知り合いはいつも離れていく……それと重なっているんだよ」
「私たちが守れない物もある。それは離れていく……私達はそれを割り切って生きてる」
そんな二人の話を聞いて私は悲しいと思っていた。でも、信念のようにも感じた。
「いい時間だし、解散するか。美九の家まで送ってくよ」
「ありがとうございます」
そして家まで送る。
「今日はありがとうございました。とっても楽しかったです」
「ああ、楽しんでくれて何よりだ。じゃ、これを」
そうして、さっき撮った写真を取り出す。
「え?さっき撮った写真じゃないですか。いつ印刷したんですか?」
「コンビニ寄った時に直ぐ印刷したんだ。今日の思い出に」
そうして渡したのは三人で星を背景にした写真だった。
「ありがとうございます。二人とあえて楽しい事ばかりです。でも、そろそろアイドル活動もしなきゃなので、暫くは会えませんね……」
「実質的にいなくなるわけじゃない。天宮市に居ればいつでも会える。それだけ覚えておいてくれ」
そうして、アイドルと過ごす日常は終わりを告げた。
7月7日
今日は七夕。悠乃と美九で屋台を巡った。二人とも綺麗で俺はあまり顔を見られなかった。でもカメラで二人とも写真を撮るときにカメラ目線になると何故か可愛いくなってしまい。手が震える。でも、そうして耐性ができたと思う。今度は大丈夫だろう。そして、写真も貼っておく。
7月7日
士道君と美九さんと七夕を巡った。とても楽しい日で、屋台で食べ物を買って食べているときに写真を士道君が撮ってびっくりしたりとか、色々あったと思う。そして、願い事が結婚願望だったことに驚きを隠せなかった。でも、士道君が写真をくれた、私が綺麗に映っている写真だと士道君が言っていたのを貼っておく。
「士道さん。貴方はわたくしがいただきますわよ……彼女を殺してでも……きひひひ」
屋上で一人笑う少女が居た。
美九さんはこの時から不思議に思っていたことが全て繋がります。自分に起こっていたスキャンダルが消え、友人もできる……それはあの人たちのお陰であったことに。
そして狂人、狂三さんが情報収集のため動き始めます。でも次回は双子なんです。