夏休み、それで家には誰もおらず俺の妹は友達の家に頻繁に泊まったり出かけたりしている。なので悠乃とばかり過ごしている。俺だけだと思うが……友達とも遊ばず二人っきりのデートをする。夏休み全てを……デートで過ごす。
「士道君?何でゲームセンターなの?」
「デートと言っても俺たちはいい所には年齢的に行けなかったりするから、まず始めはゲームセンターで思いっきり遊ぶ」
「なるほどね~ちゃんと考えてるわけだ!よしじゃ、遊ぼ!」
そうして、二人で遊び始める。二人で遊べるもので、暗くなるまで……
「ねぇ?夕弦。あの人たちと勝負してみない?結構強そうだよ?」
「思案。それはいい考えかもしれません耶倶矢。行きましょう。私達がどちらがふさわしいか、決めてもらいましょう」
双子は動く。しかし、カップルは恐ろしい繋がりを持っていることに気づかない。
「くくく、やるではないか。お主ら、我々と勝負せぬか?景品は今日の昼餉である!」
「同調。私達と勝負してください。そして、どちらが強いかも決めてください」
なんか、いつの間にか観戦されて勝負しようと言われてしまった。俺らそんなうまかったっけ?
「どうする悠乃?勝負してみるか?」
「士道君の意志に従うよ。だってあなただけの彼女だよ?」
「そうだな~じゃあ受けてみるか」
その時双子は……
「ねぇ、夕弦。貴方だけのって…ちょっと意味深じゃない?」
「困惑。こんなにもラブラブしてるカップルは見たことがありません」
そうして、双子に言う。
「勝負は受ける。何で勝負するんだ?」
「勝負の場はあれだ!!」
指さしたのは二人で踊るダンスゲームだ。俺と悠乃は結構前からあれをやったことがあり得意なゲームだ。
「我ら八舞の力を魅せてくれよう!!」
「奮起。負けません。本気で行きます」
選んだ曲は難しい部類のJPOPの曲だ。踊り始めると双子なのか、踊り方が似ている。そしてユニゾンもちゃんとできている。かなりの出来だと思う。
「よし!!点数は……90点!!やったね夕弦!」
「確信。これで勝ちは確定です」
二人でハイタッチするのは双子ならではのスキンシップなのだろう。しかし、俺たちはそんなものじゃない。
「悠乃?あれやるか……いつも通りにな」
「もちろんだよ。士道君に合わせるから」
そうして俺たちが選ぶのは最難関と呼ばれているロック系の曲だ。双子は驚いているが勝ったと思っているようだ。
「よし。久しぶりに本気出そうか……」
「頑張ろ?私の彼氏さん?」
そうして踊り始める。急に早くなる曲だがそれに合わせて手を取り、踊る。それはさながらワルツのように。
「ふぅ……久しぶりに踊ったなぁ……疲れてないか悠乃?」
「大丈夫だよ。何かあったら士道君が支えてくれる…でしょ?」
「そうだよ。俺だけの彼女さん。点数は……あ、100点か」
「あれ?久しぶりなのに変わんなかったね」
双子は唖然としていた。
「お二人さん?お昼は家に来て食べてもいいぞ?」
その言葉で復活したので、家に連れてきた。
「お邪魔しまーす」
「同調。お邪魔します」
「リビングでくつろいでくれ、昼飯作っとくから」
今日は何を作ろうか……夏だし冷やし中華にでもしよう。
「~~~♪~~~♪」
奥で士道君が料理を作り始めた……けど
「また歌ってる……どうにかなんないかな……」
「何で歌うと駄目なの?でもこれって失恋ソングだよね」
「不安。彼女が居るのに失恋ソングを歌っているのは不安になります」
「それは、私のせいでもあるんだけど……聞く?」
そうして三人とも仲良く話している。俺はそれを見ると安心する。そしていつもポケットに入れている音楽プレイヤーで曲を流す。
「………♪……♪」
「あれ?今度はそっちになったの?」
「俺が聞いてるのはさっきの奴とこれだぞ」
「でもこれってさ、自分が死んじゃうみたいな歌詞があるよね」
「疑問。何故そんな曲ばかり聞くのですか?」
「なんで……か。自分だけでいいんだよ。悲しむのは俺だけで……」
そんな話をしているうちに作り終わる。
「毎度~冷やし中華完成」
ずるずると食べている双子は……この世で食べたことない。という顔をしている。
「親子丼もそうだけどなんでこんなにおいしいのかな?コツとかあるの?」
「特にコツとかないな~慣れだよ。誰も居ないから一人で料理してるからだと思う」
双子と話す。双子は八舞耶倶矢と八舞夕弦で、本当は一つの精霊だったがいつの日か分かれてしまった。それで100戦の勝負で人格はどっちだという勝負をしているらしい。要するに人格を決める対決をしているけど、決まらないということらしい。
「でもさ、お前ら相手の事が好きなんだろ?俺と悠乃みたいに」
「え?」
「分かるよ見てれば。あんなに二人でいると楽しそうにしてるのは一緒に居ることが幸せだからじゃないか?」
そうして、その話を理解させるのにかなり時間が掛かった。
「今、<ベルセルク>がこっちに来てるの?」
「ああ、霊力反応が検知された……君の家で」
「はぁ!?士道が家に呼んだっての?」
「そうみたいだ。だが、何故か君の兄に近づこうとするとカメラが故障してしまうんだ。何故だろう?」
「士道は何かを隠して行動している。私たちに見られたくないようなこと。何に命張ってるのよあの馬鹿は」
ラタトスクでそんな会話が起こっていた。
そうすると電話がかかってきた。着信元は士道だ。リボンを変えて出る。
「もしもし、おにーちゃん?どうしたの?」
「夏休み中、琴里は家に帰ってこないのか?そっちの手伝いで」
「うん。そうだね~おにーちゃんは寂しいのか?」
「俺は寂しくないぞ、逆に一人の方がいい。それが聞きたかっただけだからな。切るぞ」
そうして電話を切ってリボンを変える。
「一人で何しようとしてるの?士道」
幾ら考えてもそれは出てこなかった。
お風呂に入ってから私は士道に気になっていることを聞くことにした。
「二人はなんでお互いを大切に思うの?」
耶倶矢が聞いてくる。風鈴の音が静まった部屋に響く。
「………、なんでだろうな。俺たちはある事件でお互いを狂ってるほど好きなんだってことに気づいたからかな……何があっても守らなければいけない人だから」
「その事件ってどんなことがあったの?」
「あ……言っていいのか?引かないでくれよ……?」
「とりあえず気になるから教えて」
「ある時に悠乃に腹を刺された……それぐらい狂うくらい愛してる。ってことに気づいた。俺は1週間仮死状態で居る時も悠乃は何も食べずに俺と一緒に居たんだ……自分をこんなにも思ってくれてることに気づかなかった俺の罪でもあるな。だから、俺は悠乃を絶対守るって決めたんだ。その日から」
悠乃と夕弦は俺の家でお風呂に入っている。だから耶倶矢は俺が一人の時に聞きたかったのだろう。
「え?さ、刺されたの?彼女に?何でそれでも一緒に居ようとするの?」
「俺が好きだから。告白したのも俺だからな、責任は取らないと」
「それじゃあ……両想いだから殺されてもいい……って思ってるの?死ぬのは……怖くないの?」
「怖いけど……だからこそかな……?死ぬときは悠乃の傍でがいいと言ってるからな。それに俺は刺されることは愛情表現の一つだと割り切ってるし」
何だこの器の大きい人は。私は歪み切った愛を目の前にして、私は何も考えることができなかった。
私はお風呂で夕弦ちゃんとお話していた。
「疑問。なぜ士道を好きになったのですか?」
「う~ん。最初は彼から告白されて、両想いになったことが嬉しかった。でも、私がやってしまった事件で彼を傷つけてしまった。だから一緒に居ることを決めたの。私なりのけじめかな?」
「事件とは何があったのですか?夕弦は気になります」
「そうだな~夕弦ちゃんになら言ってもいいか……。私ね……彼を殺しちゃったの」
「驚愕。でも、士道は生きていますよ?」
「彼はあなたたちと同じ精霊だと思うの、私もだけど。私は殺してしまったショックで何もできなかった……彼の亡骸を大事に抱いて1週間も動かないで一緒に居たの。その時は何も食べてなかったからその後、栄養失調で倒れちゃったんだけどね」
私は悠乃のことをしっかりと理解してなかったのかもしれない。
「士道は……殺したことを怒っていないのですか?」
「全然怒ってなかったよ?逆に感謝されちゃったくらい……でもね、私は彼を殺すことが気持ちいいことに気づいちゃったの……今すぐにでも刺したいくらい……でも、その時が来たらって約束してるの」
私は恐怖と歪み切った愛に困惑していた。
「なんで……そんな風に思うの?」 「何故、そんなことを思うんですか?」
「俺は……彼女に 「私は……彼に
愛を。証を刻みたいから……そんな身勝手な理由だよ」
五河家で、そんな会話が起こる。盤面は動く、彼女が暗躍する。誰も知らないところで。
「!?士道さんと悠乃さんはどちらもわたくしと同じような考え方をしてますのね……きひひ……」
7月30日
夏休み初日、俺は新たな精霊 八舞姉妹と出会い、勝負をしたが返り討ちにしてしまった。それで暫く俺の家に居させることにした。幸い妹は夏休み中は帰ってこないので問題はない。耶倶矢から彼女を好きになった理由について深く聞かれたが、困惑していた。そうだろうな、俺たちの恋愛は狂ってるから。そして、あの双子をどうにかして説得をし理解をしてもらいたい。夏休み中は説得を試みることにする。
7月30日
夏休み最初のデートで士道君とゲームセンターに行った。そうたら、新しい精霊の耶倶矢ちゃんと夕弦ちゃんに出会って勝負を挑まれたけどダンスゲームで返り討ちにしちゃった。あれは私たちが前からやってたやつだからしょうがないよね。そして、お風呂に入ってると夕弦ちゃんにどうして士道君を好きになったの?と深く追求された。答えたけど、やっぱり困惑した。私たちは殺されてもいい関係だから、狂うほど彼を……士道君を好きだから。
そして時は流れ……
「今日で夏休み最終日だな……それで俺が言った答えは見つかったか?」
二人はぶんぶんと首を振る。まあ、そうだよなと思う。
「今は決めなくていい。俺達とまた会うときに答えを聞かせてくれ……具体的には俺たちが高校生になった時ぐらいがいいかな……その時にまた会える気がする……」
「じゃあね。耶倶矢ちゃん、夕弦ちゃん。また……会おう?」
そうして二人は消えた。精霊とまた会うその時まで。
「きひひ……そろそろですわね……チェスはお得意ですか?士道さん?」
彼の家の上で赤と黒のドレスに身を包んだ少女が一人呟いた。
これで、双子の答えがのちに見つかる。精霊と出会うことで答えを出すお手伝いをする二人。そして、明かされる二人が思うこと……
それに介入する狂人。それを中学校最後の時に答えを出す士道。その時、力を発揮する!!次回、狂人の願い。 さぁて次回も、サービス!サービスゥ!!(エヴァ風予告)