貴方達と仲良くなりたい……
狂三さんは理解し始める。歪んだ愛に……
夏休みが終わり、新学期。久しぶりに会う顔と思い出について話すが少し噂が流れる。
「今日さ~転校生が来るみたいだぜ……しかも、女の子!」
「こんな時に来るの?……親の都合かな?……」
転校生?こんな時期には絶対来ないと思っていたが、両親の都合の可能性が高いと思いつつも俺は不信感を覚えていた。
「悠乃?転校生だってさ。ちょっと怪しくないか?」
「何でだろうね?こっちに接触してくる人なんていたっけ?」
そうするとチャイムが鳴るので席に座る。その後先生が入ってきた。
「おはようございます。今日は最初に転校生を紹介しまーす」
そうして入ってきた少女は、真珠のような肌、片目を隠すほどの長い髪。そして怪しげなオーラ。そして黒板に自分の名前を書き始める。
「時崎狂三と申しますわ。私、精霊ですのよ」
「ふっ……」
笑いをこらえきれなかった。冗談にも程がある。
「じゃあ、クラス委員の士道君学校案内宜しく。これでホームルームを終わりまーす」
この時クラス委員であることを後悔した。一番面倒臭いやつではないか?
「士道さん?宜しくお願いしますわよ?」
何でか、下の名前で呼ばれているので俺も下の名前で呼ぶ。
「分かったよ……狂三」
そうして放課後に学校案内をすることになったが……
「すまんな、うちの彼女が一緒で……」
「いえいえ、大丈夫ですわよ。そちらの方は?」
「あ、申し遅れました。夕日悠乃です。士道君の彼女やってまーす」
悠乃が引っ付いているのはいつものことだが他の人に見られるのは恥ずかしい。でも、俺は一緒に来てくれないか?と言ったのでこれは不可抗力である。
「この学校紹介する所あんまないと思うけど、始めるか……」
悠乃と狂三で学校を巡り、最後に屋上に行く。
「この学校珍しく屋上があるんだよな……俺もここはいい所だと思ってるんだ」
「ここの夕日はいいよね……1年生の時にいっぱい連れて行ってもらったよね」
「そんなにここが気に入ってますの?」
三人で学校を見終わった後、帰る途中に連絡先を交換した。
「ありがとうございます。でも、明日から修学旅行ですわね」
「そうだったな……北海道だっけ。夏だけど涼しいって言われてるんだよな」
「そうだね……なんかいい所探しとこうか……」
そんな話をして、家に帰り準備をする。
「おにーちゃん明日から修学旅行だっけ?気を付けていくんだぞー?」
「分かってるよ。何が欲しい?」
「地方限定チュッパチャップス!!」
「分かったよ。買ってくるから楽しみにしておいてくれ」
そして、気づかれないように黒の仮面を入れる。あっちでも戦える準備をするために……
「準備よし!でもこれも入れておいた方がいいよね……」
そうして白い仮面を入れる。彼も入れていると思うから……
8月20日
今日、自分が精霊だという転校生が来た。アホだと思ったが何か考えているのだろう。しかも俺に興味があるのかいつも俺のことを見ている。明日から修学旅行だが、せめて行事くらいは悠乃と二人っきりでデートがしたい。
8月20日
今日は転校生の時崎狂三さんが来たけど自分から精霊ですって言い始めた。何を考えてるのか分からないミステリアスな人だけど士道君ばっかり見ている。彼は私だけの物、誰にも触れさせない。明日から修学旅行だから士道君と一緒にデートが出来たらいいな……
午前5時。空港には3年生がクラスごとに集まっていた。
「ふぁぁ……ねむ。悠乃も眠そうだな」
「そんな……眠くないよ……一緒に寝たじゃん」
「そうだけど、それは大きな声で言わない方がいいぞ……」
俺達は隣同士なので悠乃の家で寝た。自分のベットじゃないところで寝るのは初めてだった。いい匂いしかしないベットで寝るのは難しかった。
「おはようございます。士道さん、悠乃さん」
「おはよう狂三。今来たのか?」
「ええ。お二方が一緒に来た後に……」
「ふぁぁ……まだ行かないの?」
「もうちょっと待ってろ。どうせすぐ飛行機乗るんだから起きてろ」
「お二人はラブラブですわね。どうしてそんなに引っ付いてるのですの?」
そうしていると集合が掛かり飛行機に乗り始める。
「士道君の隣じゃん。寝るから後で起こして~」
「俺も寝るよ。多分その前に起きれるからその時に起こす……」
俺達が座ったのは一番奥の見えない所だ。そうして手を繋いで寝る……いつもの癖だ。
「………」
「………」
二人は手を繋いで寝ている。とても微笑ましいがそれも終わりになるだろう。この修学旅行で決着をつける。自分の”悲願”のために。
「ふふ、この顔を見られるのも最後……ですわね」
その狂人は嗤う。そうして時は進む……
「当機は間もなく……」
着陸するのか?そう思い起きる、悠乃はぐっすり寝ているので起こす。
「悠乃起きろ。着陸するからシートベルトしないと」
「ん~~。もうそんな時間?」
そうするとこっちに体を寄せ付けてくる。寝ぼけてるんだよな……
「さっさと起きなさい」
そうしてデコピンをすると起きる。
「え?シートベルトしないといけないの?」
「ようやく起きたか。着陸するみたいだぞ」
そうして窓を覗く。俺達が向かうのは北海道の首都札幌。味噌ラーメンが有名なところだ。そうして俺たちの最悪の3泊4日が始まる……
「ここが北海道か……涼しいな。で何で二人とも一緒に引っ付いてるの?」
「狂三さんと色々お話した結果一緒に行動することになりました~」
「ええ。宜しくお願いしますわ」
そんな二人を連れてホテルへ行く。何故か俺の部屋は一人部屋だった。
「まあ、ラッキーだと思えばいいか」
ホテルに荷物を置くと研修の時間が始まる。
「札幌にはなんか歴史的な物あるのか?」
「あるんじゃない?だから研修してるんでしょ」
「恐らく、かなり昔の物があるんではないでしょうか?」
三人で研修をする。先生を先頭にして色々な説明をしながら場所を巡る。
「うーっ!!やっと終わった……すごい長かったな」
「普通に7時くらいまで研修だと思わなかったよ」
「お二人は途中から疲れが見えてましたもの。わたくしも久しぶりに疲れましたわ」
ホテルに帰り食事を済ませて、部屋に戻るが何故か三人とも俺について来た。
「何故、部屋に来たんですか?」
「一緒にお風呂に入ろ?」
「お前はいいけど。狂三は?」
「ええ、大丈夫ですわよ」
「どうしてこうなった……」
俺の目の前には裸の女の子が二人もいる。片方はいつも入っているので問題ないがもう片方が思ったよりもグイグイ見せてくる。俺はもうのぼせそうだよ。
「士道君?体洗ったあげる」
そうしていつもの様に柔らかいもので背中を擦られる。俺は何も考えないことにした。
「………ふぅ……」
深呼吸しても落ち着かない。こんなことは初めてだ。
「士道さん?前の方も洗いますわ……」
は?今なんて仰いました?前?俺は返事をすることができなかった。前と後ろから柔らかいもので洗われる。俺の記憶はそこで消えた。
「はぁ…………暑い……」
「ごめんね。やりすぎちゃった」
「思ったよりもやりすぎてしまいましたね」
「お前らは……部屋……戻んなくて……いいのか?」
「私達が相部屋だから布団をかぶせておけばいいの。それに先生今来て、バレないようにしたでしょ」
さっき先生が来て、確認をしに来たが俺がベットで死にそうになっているのを見て大丈夫か?と言っていたがのぼせただけです。と言って帰らせた。その時彼女らはシャワールームに居たので見つからなかったのである。
「ちょっと一緒に寝よ?忘れられない夜にするの」
「何だ……あの約束、忘れたのか?」
「違うそっちじゃなくて繋がるだけだよ。あっちは人がいないところでやった方がいいから……ね」
「そうですわね……わたくしも繋がることには興味がありますの……ご一緒してもよろしくて?」
そうして二人と繋がった。二人はあられもない姿になり声を上げ、激しい夜を過ごした。
「もう……朝か……お前ら着替えとか持ってきてるのか?」
「うん……持ってきてるよ。こんなに気持ちいいことを知っちゃったら癖になっちゃいそう」
「わたくしも、これはハマってしまいそうですわ……」
「俺も疲れたよ……お前らは体力ありすぎな……シャワー入るか」
また、何故だか三人で入ったがあれのお陰で何も感じなくなった。
「ふぅ……今日は何するんだっけ?」
「今日も午前中は研修ですわね。午後からは自由時間になりますわ」
「じゃあさ、三人で行きたいところがあるんだが……自由時間もらっていいか?」
「いいよ~士道君と一緒に居たいし」
「大丈夫ですわよ。士道さんと一緒に居たいので」
そうして、ホテルの朝食を食べ研修をする。昨日と同じく説明を受けながら町を巡る。そして、自由時間になる。
「何処だっけ?……あ、大通公園にある札幌テレビタワーのあたりに行きたいんだけど……いいか?」
二人が頷いたので行くことにする。札幌には地下鉄があるので非常に便利だ。天宮市にはないものなので作ってほしいと思う。
「ここが大通公園か。冬は雪まつりをする会場でもあり、よくお祭りの会場になっているのか……」
調べながら見渡す。ここには観光客の他に市民の人も多く集まっているようだ。
「で、ここにあるアイスがうまいと評判だと。でこれがそうだな」
俺はこのアイスを二人に食べさせたくてここに来たのだ。そうして三人分買う。
「お前らにアイスを食べさせたかったんだ。ほらストロベリーと抹茶。俺はバニラで」
三人でベンチで食べる。二人とも卑猥な食べ方をしているが気にしない。俺は一人空を眺めながら、物思いにふけっていた。彼女が自分を精霊だといった理由は一体何だろうと。三人がアイスを食べ終わった時にそれは起こる。
ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーー
「空間震警報か……北海道でもあるんだな。それじゃ、悠乃?」
「その必要はありませんわよ。だって、わたくしが起こしたものですもの」
「自分で起こす奴がいるって言ってたけどお前の事か……」
「わたくしの”悲願”のために喰らわせてくださいまし。士道さん?」
彼女は赤と黒のドレスにいつの間にか変わっていた。そして古い長い銃を俺に突き付けていた。
「俺を殺す気か?」
「ええ、貴方様を殺しますわ」
「へぇ……それなら頑張って足掻いてな」
言っていることが分からない。何が言いたいのだろうかと思うと隣に居た悠乃さんが私に銃を突き付けていた。
「士道君を殺すのは私の特権だよ?狂三さんには渡さないよ」
「まあ、そういうことだ。それでお前の悲願について話を聞きたいんだが」
「それは、わたくしと戦ってからでよろしくて?」
「じゃあ、本気出すか。<絶望ノ王>」
「そうだね。<希望ノ王>」
二人が霊装を纏い、戦いの用意をする。
「さあ、俺たちの戦争を始めよう」
その一言で、俺達は戦い始めた。
2対1では有利かと思ったが狂三の天使<刻々帝>で分身を作り出して、邪魔をしてくる。
「数が多いな。でも、それは終わりだ。悠乃?」
「了解、士道君」
二人が近づき、言った。
「最初の踊り。(ワルツ)」
そうすると踊り始めた二人は弾丸と風刃が周りに飛び始める。そうすると狂三の分身体は全滅した。
「よっと。それでお手上げか?」
「まだですわよ。まだ戦えますわ<刻々帝>。七の弾」
それを悠乃に撃つと悠乃は時間が止まったように動かなくなり、そこに狂三が銃弾を撃ち込む。
「ちっ、間に合わなかった。大丈夫か?悠乃?」
「………」
悠乃を返事しない。体も冷え始めている、あ、死んでしまったのか……
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
悠乃が居なくなった。この世界はもう終わった。なら壊せばいい。そうしていつかの時のようにどす黒いものに手を出した。
「………」
それは、堕天使を見ているようだった。6つの翼をもち目を黒く染めた、士道であったモノ。彼は人ではなくなったようだ。
「さあさあ、わたくしを楽しませてくださいまし!!」
しかし、それは一瞬だった。私が持っていたはずの銃は破壊され後ろに居た天使は消滅した。
「え?……何をしたんですの?」
彼は無言で近づいてくる。私はただただ恐怖を感じていた。
「ひ、ひぃ……何を……するんですの」
「悠乃……悠乃」
抱きしめられる。彼は何かをカンチガイしているようだ。
「ごめんな。もう離さない。絶対離さないから」
そうして私は彼をこんな姿にしてしまった罪として悲願を諦めることにした。それが貴方のためになるのなら。
「ん……ちゅ……悠乃。大好きだ」
「はい。私も大好きです。士道君」
今はフリをすることにする。私の力を使えば時を戻し彼女は生き返るだろう。
「あ……っ……」
ふらふらと彼が亡骸に近づき霊力を分け与え始めると彼女の体から炎が出始め傷が癒えていく。
「ん……士道君?どしたのその恰好?」
「あ、あ、ああああああああ!!」
そうして彼は翼を畳み元の姿に戻った。
「ん?悠乃?生きてる?でも狂三が何で戻ってるんだ?……あ」
「士道君?私を助けてくれてありがと。大好き!」
そして、私の戦争が終わった。
「とりあえず分かったけど……それって、俺が霊力分け与えればいいだけじゃないか?」
「そうですけど……体の負担が計り知れませんわよ」
その後、ホテルに戻り俺が何をしたか。狂三はある目的のために近づいたが俺を壊してしまったこと。そしてキスをして、封印をしたこと。その他諸々を聞いた。
「謝ってどうこう、などとは無理ですけど」
「いいや、お前は自分がしたいことをしただけだろ。問題はないと思うぞ」
「そうですか?貴方の大事な人を殺してしまったんですわよ?」
「結果を見ればいい。過程は起こったことだ、先を見ればいいんだよ狂三」
そうして、いつものメンバーに狂三が加わった。その夜も慰めという理由で激しい夜になった。
修学旅行は三人で自由時間を楽しんだ。そして、帰りの飛行機……
「あ~あ。もう帰っちゃうのか、名残惜しいなぁ……」
「また来ればいいではありませんの。わたくし達と」
「そうだぞ、高校生になったらいけるかもな」
そんな話をしながら、天宮市に帰る。帰った時は日をまたいでいた。
「もうこんな時間なのか、今日と明日は休みだしその後は土日で休みっと。それなら今日、午後から家に来てくれないか?家で遊ぼうぜ」
それに二人は了承をし、それぞれの家に帰った。そして、朝になる。
「おはよ~!!っておにーちゃんは起きてたのか?」
「ん?寝たぞ。3時間くらい。飛行機で寝ちゃったし、別にそんな眠くないから朝の準備はしてるぞ」
朝食を作り終わり、俺は彼女らに電話する。
「あ、もしもし……」
私は不安だった。修学旅行中もフラクシナスで追跡するため北海道まで行ったのはいいものの士道の学校には<ナイトメア>が居るなんて。そして空間震を起こしたが何者かによってすべての観測機を破壊されたが反転精霊の反応があったためナイトメアは退散したと思われるが、士道は何をしていたのだろう。
「私たちの見る目を欺き何をしてるのかしら……」
「ああ、それで。また後でな」
そうして電話を切る。琴里は丁度食べ終えたらしく。皿を下げていた。
「じゃ~行ってくるのだ~」
「おう、いってらっしゃい」
そうして行ったのを確認すると洗い物をし掃除をする。お客様がくるので少し気合を入れる。
呼び鈴が鳴り、そうして開けると悠乃と狂三だった。
「お邪魔しまーす」
「お邪魔いたしますわ」
そうして、午後から二人で家で遊んだ……時間を忘れるくらいに……
最初の願いは仲良くなること。でも悲願は達成できなくなりましたが士道君を好きになりました。でも、悠乃ちゃんとは違った感じの愛ですね。あの時士道君と言ったのは狂三を悠乃として誤認していたので齟齬を出さないために士道君と呼びました。
次で恐ろしいことを見る狂三さんは精神崩壊してしまうのか?次回、狂人の最後の願い お楽しみに