エロは薄め。申し訳ない……。
――5日目:黒竜山脈ふもとの洞窟近辺
「さて、ルーネ様が出てくるまで、誤解されないよう、ボクの魔術について教えようか」
「事情を詮索し合うよりは建設的っすね」
「はーっ♡ はーっ……あのぉ、私は……」
「アルマちゃんも、好きに質問してくれてかまわないよ?」
「いえ、なんで私、まだ後ろから捕まってるんですか、ぁっ」
今は、おっぱい揉まれてるだけだからラクになったけどさぁ!
シオン様、他二人と違ってめっちゃベタベタしてくるな!
背中も体ぴったりくっついたままだし。
まあ美女同士密着は悪くないですけどね!
「ンフフ、街じゃ寂しく過ごしてたからねぇ。人肌が恋しいんだよ」
「ふぁっ♡ 乳首は触らないでくださ、ぃ♡」
「乳首も感じやすくて、アルマちゃんはかわいいねぇ♪」
「いちゃついてねーで、教えてほしいっすけど」
うん、教えてほしい。
この調子だとルーネ様戻って来る前に、また粘膜が痛くなるまで二人がかりで弄られかねないし……。
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基礎の基礎からさっぱりわからんって言うと、二人そろって驚かれた。
まあ聞かぬは一生の恥とも言うし、実際ぜんぜんわかんないのもなーってことで、根掘り葉掘り聞かせてもらってます。
まとめると“魔法”ってのは“魔術”と“法術”を、ひとまとめにした総称。
魔術は、異世界のパワーを呼び出して発動する。効果はすごいけど、リスクもあって事故率も高い。
法術は、この世界のパワーを利用して発動する。効果は限定的で微妙だけど、術者が消耗するだけで効果は安定。さらに一定の教養ある人間――貴族や神官なら、みんな使えるらしい。
ただ、魔術師が法術を使えないってこともないし。法術使いが魔術を使えないわけでもない。転職システムってわけでもないなら、クラス制じゃなく取得技能枠なのね。実際に多くの魔術師は、法術を使ってるフリをして生活してるのだとか。
とはいえ、いわゆるマジックアイテムを作れるのは魔術師らしい。
「だから、それなりに魔法の品を見分けたりもできるんだよ」
「ははぁ。私の首の刻印も魔法なんですか?」
ていうか説明の間ずっと、背後からおっぱい揉まれてるんですけど。
まあ乳首いじられなきゃ、ただ触られてるって感触しかないし、いいけどさ。
「そうだね、魔法の品でつけられた痕跡だよ」
「へえええ」
実感なかったけど魔法使いに言われると、ファンタジーっぽーい。
「やっぱり魔法の品ってーと、お嬢様の鎧みたいのっすよね」
「でも、キミが持ってるカバンとナイフも、けっこうな魔法の品だよね? どっちも高そうだけど、殺した貴族から手に入れたのかなぁ?」
「あはははは、まあそーっすね」
「特にカバンはすごいよ。ひょっとして、カバンの中にもっといろいろあるのかな?」
「……詮索無用で」
えっ。なんでカバンの話で、ミナ様マジ顔になってんの?
「いいよぉ。アルマちゃんもカバンのことは、ルーネ様に黙っておいてあげようねぇ」
「あ、はい」
なんでだろ。別にカバンとかどうでもいいでしょ。
「っ……」
ミナ様、すごい不機嫌そーな顔になってるし。
「言っとくけど、ちょっと目端の利く魔術師なら誰でも気づくよ? もっと隠すか、二重で別のカバンに入れた方がいいんじゃないかなぁ」
「忠告どーもっす。今までは運がよかったってことっすね」
「あのルーネ様は隠しようがないけどね。キミは……そういうの、望んじゃいないんだろ?」
シリアスな話してるなぁ。
珍しく、ミナ様がっくり肩落としてるし。
とりあえず空気が不穏だし、アイテムについて聞いとこう。
「えっと、シオン様もアイテムを作るのですか?」
「相応の工房や材料が必要だし、ボクはそういうことしないなぁ」
「魔物は簡単に作れるのに?」
「そりゃあ異界から邪霊を呼び出して、依り代に宿らせるだけだからね。別にあの体を創造してるわけじゃないよ」
「制御はできねーっすか」
「できないねぇ」
「それで、シオン様はオーガには死んだふりしてたんですね」
「うん。その間に、他の二人を痛めつけてくれると思ったからねぇ」
やっとおっぱいから手が離れたと思ったら、頭を撫でられた。
うーん、中性的な長身美人魔術師に撫でられるのは普通に嬉しい。
おっぱいは正直、二の腕とか腹肉と変わらんのよね。
ルーネ様のおっぱい、どさくさで揉ませてもらったりしてるから、揉みたくなる気持ちはわからんでもないんだけどさ。
「アルマちゃん、今の話聞いて、よくソイツにくっついてられるっすね」
「え?」
なんで?
「高位の邪霊は、生きた人間にも宿らせられるっす。死体にして手駒にされるかもっすよ」
「ンフフ、できなくはないねぇ」
「ひゃっ♡ で、でも、ミナ様もルーネ様も、私を殺さなかったじゃないですか」
ちょ……乳首摘まむタイミングだった、今の?
あのまま頭撫でててくれてもよかったのよ?
「そりゃ、アルマちゃん殺しても得にならないからっす」
「シオン様だって、私をわざわざ殺さないと思いますよ」
「えぇ……いっしょにされたくねーっすよ」
「随分と信用してくれるねぇ」
「えへへ」
まあ別に痛くなく殺される分にはいいし。
死体がどうなろうと、どうでもいいしなぁ。
魔術で死ぬ方が、剣とかナイフで死ぬよりラクそうなイメージあるよね。邪霊とやらを素早く取りつかせたいなら、痛めつけたり時間かかる殺し方してられないはず。即死呪文みたいのが理想的だなー。
即死呪文覚えた魔法使いって自殺率高いと思うんだけど、大丈夫なのかなぁ。ちょっと精神的に弱った時とか、いつでも即死できるなら気軽に使っちゃいそう。
ま、ルーネ様もおっさんの殺し方を見る限り痛めつけたりしなさそーだし。
盗賊とかゴブリンに捕まって嬲り殺しにされるよりは、ルーネ様やシオン様についてった方がラクな幕引きができるわけだ。ミナ様はちょっと不安あるけど。
それでも。
「反撃の機会つくったり、恨みを買ったり、そんな非合理的なこと、しませんよね?」
「……そっすね。ていうか、なんであたしを見て言うっすか。ソイツに言うべきっすよ」
「シオン様はあっさり殺してくれるかなって」
「あたしだって痛めつけるシュミとかねーっす」
「…………」
「黙るな」
そのいきなり冷たい声になるとこぉ!
「死ぬのはいいのかい?」
「ふぇ? どうせ死にますから、痛くなければどうでもいいですよ」
「ふぅん。ずっとこうなの、ミナちゃん?」
「あたしが会った時には、こーだったっすよ。立派な人でなしっす」
「へぇ。ボクに気持ちよくされるのは好きかい?」
「んぁっ♡ す、好きですけどぉ……」
ちょ、また股間を……!
「好きだけど?」
「ひあっ♡ そ、その、弄られすぎると痛くなるので、ほどほどに……ぃっ♡♡♡」
なんでほどほどにって言ってるのに、きつくするんだよぅ!
「ホント、アルマちゃんは変わんねーっすね。愛する夫をブッ殺させたら、いろいろ本音が見えたりすると思ったのに」
「愛する? あー……」
そういえばそうだっけ。もっと嫌がって見せる方が普通だったのかなぁ。だって、見知らぬおっさんだよ。
死んだからどうって言われてもなぁ。
死体なら、こっち来て最初に洞窟の中で見た惨劇の方がひどかったし。
「ふぅん……アルマちゃんは本当にあの人……グリムファング砦副司令官、コンラート・
「はぁ……まあ、特には」
一瞬、誰?って反応しかけたけど。あのおっさん、そんな偉そうな名前だったのか。
オナニー披露の時にわかってたら、名前呼んだのに。
んー。
なんか聞き覚えあるような感じだけど、記憶にはないし。この体が呼びなれてるとか、そゆやつかな。
「へぇ。興味深いね」
「え?」
なんでじーっと、顔見てきてるの? 谷間を凝視……じゃないよね。なんで顔? あのエロ美人顔のまま、だよな? 体は変わってないんだし。
というか、さすがにそろそろ服着た方がいい気がしてきた。
おっさんにNTRビデオレター風オナニー披露してから、全裸なんよね。
「もしかして、キミは――おっと」
「はい?」
シオン様が何か言いかけたその時、突然に見つめてた視線がそれた。
「出てきなよ、ルーネ様。その鎧で隠れる技術はたいしたものだけど……この周りはしっかり生命感知をかけといたんだ」
舌打ちしながら、ルーネ様が樹の影から現れる。
「洞窟の中は調べた。貴様がオーガを作ったんだろう?」
「ンフフ、説明の手間が省けて助かるなぁ」
影から姿を現したのは、ルーネ様だった。
隠密状態で戻ってきてたのか……ていうか剣抜いてめっちゃ戦闘体勢ですね。
「そいつは人質にはならんぞ」
「人質じゃないってば。ボクはキミたちと仲良くしたいんだ。キミじゃ、話を聞いてくれなそうだったからさぁ。聞いてくれそうな、この子たちと話してたんだよ」
「そうか。信用ならん奴を仲間にする気はない」
「信用? キミはこの子たちを信用してるのかい?」
「貴様よりはな」
「へぇ……そうなんだ。どうだい、キミたちはボクのこと、信用してくれないかな?」
シオン様が、私とミナ様を見る。
「ええっと、私はルーネ様の奴隷ですけど……シオン様、そんなに悪い人じゃないと思いますよ」
痛いことしてこないし。
「邪霊使いが極悪人以外のなんだというのだ」
「そうなんですか?」
「うん、まあそれは確かにそうなんだけど。本当にキミたちに害を加える気はないんだよ。ミナちゃんもそう思うよね?」
ん? シオン様がみてるのは……ミナ様じゃなくてカバン?
「……あー、はい。魔術師がいれば、追手の対策もしやすいし。全員、罪人に違いはないっすから。あたしは手を組むのはアリと思ってるっすよ」
「本気か?」
「不自然なオーガの死体と斥候部隊四人の死体を残したら、別に邪霊使いがいるって話になるっす。で、よからぬ噂のあったお嬢様が直前に街を出てる……最悪、あたしら容疑者になっちゃうっすよ」
「そういうことさ。ボクなら、一日休めばあの死体から追加のオーガを作れる。ゴブリンも作って散らしておけば、この一帯は相応の脅威がうろつく場所になる」
「……その後、貴様を始末してもいいのだが」
「ボクは元から逃げるつもりで、それなりの準備をしてたよ。キミたちに逃げるアテはあるのかい?」
「行き当たりばったりでうまくいってたけど、先行き不安どころじゃねーっす」
結局、シオン様の“護衛に雇う”という名目で、かなり渋々ながらルーネ様も頷いた。
魔術師が仲間になるのは、実際便利なんだろなー。
ルーネ様に気づいた術とか、マジックアイテム見分ける術とかだけでも助かるだろし。最初にオーガに襲われてないってことは、魔物制御はできなくても魔物に襲われない術とかはあるはずだし。
とりあえず。
「三人相手でも、ご奉仕がんばりますね!」
「「「今夜はいらん」いらねーっす」いらないよ」
「えぇ……」
ここは仲を深めるために、4Pするトコじゃないの?
次回、少なくとも翌日まではスキップします。
三人でギスギスした夜を過ごし、空気読まないアルマちゃんが怒られました。
やっと設定してた四人PT出そろいましたが、協調性も人間性も初期設定より酷くなりました。
以下、特に読まなくてもいい世界設定まとめ。
●魔術(断片)
学問的知識と感性の両方を必要とする高等技術。
異界との間に門を作り、何らかのエネルギーや存在、知識を呼び出す魔法。
いわば召喚術であり、自らが異界を介して瞬間移動する術なども含まれる。異世界と恒常的に接続させての、特殊アイテム作成も魔術によってのみ可能となる。
劇的かつ強力な効果を誇り、大規模儀式による戦略級魔術も存在する。
ただし、発動は不安定な面もあり、念入りな術も思わぬ事故を引き起こす時がある。
かつて魔術によって世界制覇を成し遂げた帝国が、大災害と魔物の跋扈によって滅び去った逸話は今も語り伝えられる。社会において魔術忌避の傾向は根強いが、国家にとっては戦力として無視できない。一般社会と距離をとりつつも、魔術研究は続けられている。
●法術(断片)
ある程度の訓練と教導があれば、誰もが一定量は使える魔法技術。中産階級以上ならほぼ誰でも使える。
この世界に存在するエネルギーを用いて発動する。
空気中のエネルギーを用いる“天法術”、地中や海中のエネルギーを用いる“地法術”、自身の体内エネルギーを用いる“人法術”の三系統がある。得手不得手はあるだろうが、十分に鍛錬すればどの系統も使いこなせる。
ジークルーネが使う〈封傷〉や、清潔化などは人法術。
●邪霊召喚(魔法)
魔術の中でも最悪の禁忌とされている。
邪霊には魔物を生み出す以外の価値はなく、魔物の制御はより強力な魔術を必要とする。
呼び出された邪霊は現世の依り代に憑依して暴れて世界を荒らしまわる上、さらなる魔物すら生み出していく。
その使用はいわばテロ行為そのものであり、使えば極刑は免れない。
凶悪犯罪者のジークルーネやヴェノミナにとっても、格の違う悪人という認識になる。