――7日目:黒竜山脈、腐肉峡谷
食料もあるし、一日くらいはこのまま温泉療養しつつ休憩ってことで。
とりあえずシオン様に、魔法教えてーってねだってみました。
同じく魔法使えないミナ様もいっしょに、習い始めたわけだけど。
合う系統が違うからって、ミナ様は別にルーネ様から習ってます。
「じゃ、両脚で軽く跳んでみて」
ぴょん。
「おふ」
変な声でた。
すげーおっぱい揺れる。
着地した時に、足に来る衝撃と一歩遅れて胸にズンって来る衝撃が……。
そういや、この体になってから歩いてばっかで走ったりしてなかった……元の体でも、そんなことしてなかったけど。
大丈夫かこれ。無闇に揺らしてたら、ボロッと取れたりしないだろな。
「脚じゃなく、地面がキミ自身を押し出してるつもりで。地面が押してくるタイミングに合わせて、跳んでみなよ」
「えっ」
「キミ自身は意識から消して。地面を意識するんだ。大地から己が拒まれるような感じかな?」
「は、はぁ」
思ってた魔法と違うなぁ。
手から火とかビーム出すんじゃないのね。
「とぉ!」
おふ、また着地すると胸に衝撃が。
「脚の動きは最低限でいいよ。地面をなによりも意識するんだ」
「はい」
「地面にキミを押し出す力があって、それに吹き飛ばされるつもりで集中するんだよ」
えーと反重力的な?
それにしても集中かぁ。
集中って言われてもなぁ。
昔からみんな軽く言うけど、集中なんて簡単にできるもんじゃないだろ。
「ボクはあんまり得意な術じゃないけど……っと」
え。3メートルくらい上に跳んだよ、シオン様。
「うわ、すごい」
「ちょ、あたしもそっちの術使いたいんすけど!」
別の……ルーネ様と同じ系統を習ってたミナ様が不満を漏らしてる。
私としては、このジャンプ魔法の意味がわからん。
アクションするより、ラクして生きて、ラクに死にたい。
とか考えてると、シオン様がふわふわっとゆっくり降りてきた。
「ミナにこの術……っていうか地法術や天法術は、お勧めしないよ。自分自身を捨てて、軽く考えないといけないんだ」
「私も人法術しか使えんしな。相当の訓練を積まねば、その二つは難しい」
「やっぱ、貴族様は有利すぎるすっす」
空気中にある魔力を使うのが天法術。
地中や水中の魔力を使うのが地法術。
使い手自身の魔力を使うのが人法術。
だそうで。
ミナ様は人法術を教えてもらってるけど、こっちはなぜか地法術。
「あ、あのー。では、どうして私はいきなり地法術を……」
「人法術の基本は、自信と自己愛だよ。キミにそんなものがあるのかい?」
「…………」
ないですね。
「ほら、今度は目を閉じてやってみたまえ。己を吹き飛ばした反発を意識しておけば、着地も今のようにゆっくりになるよ」
「は、はい」
えーと。
地面を意識して。
ぐぐっと地面の方が持ち上げてきてる感じで……。
跳ぶのか。
跳ぶと……あんな風に跳べるのか?
はぁ。
こういう本番前って、いつも頭の中ぐちゃぐちゃになる。
すごい成功してチヤホヤされるって想像して。
そういう想像する自分はクソだなって考えて。
どうせ成功なんかしないよって諦めが浮かぶ。
シオン様はもちろん、ルーネ様もミナ様も見てるんだろな。
どうせ無様にしかならないだろな。
あー。
どうせって考えだすともうダメ感ある。
そうだ。
逆にめちゃくちゃ高く飛んだら、落ちて死ぬんじゃね?
頭下にして落ちるといいんだっけ。
でも高すぎると落ちるまで時間かかってそれはそれで怖いのでは……空気摩擦で燃え死ぬとかだと、即死するかなぁ。
でも4P達成してないしなぁ。
中途半端に跳んでも、おっぱい揺れて痛いだけだしなぁ。
痛いのはヤだ……。
だいたいジャンプするためになんで、地面から拒否される想像しなきゃいけないんだよ……精神衛生上よくないだろ。アクションヒーロー的な活躍したいわけじゃないし……。
地面から、拒否されるか。
でも、それはそれで自分らしいかな。
昔からずーーっと、親にも地に足ついてないって言われてきたもんな。
「はぁ」
そろそろ早く跳べって怒られるかな。
でも地面に集中してって言われてもさぁ。
地面なんて意識も何も……元から立ってないんだよ。
「アルマちゃん、浮いてないっすか?」
「しーっ、黙って見とくんだ」
なんか言ってる。
どうせ悪口でしょ。
というか、跳んでないけどいつまで目閉じてたらいいのさ。
跳ぶまで?
またあの、おっぱいの衝撃くるのかなぁ。
おっぱい浮かばせといたり、できないのかなぁ。
歩いてるだけでやたら揺れてると、すぐ垂れるんじゃないかしら。
ブラとかないし。
そう考えると、ジャンプするよりか無重力を身に着けるべきでは?
「さらに回りだしたっすよ」
「アルマは何をしているのだ?」
「上に吹っ飛んでかないか、気をつけないとねぇ」
無重力できたら、浮遊セックスが可能になる。
騎乗位しながら高速横回転とかできる。
無重力なら三半規管のアレコレで目も回らない……ような気もする。遠心力でやっぱ回るんだっけ? どうなんだろ。
目が周ると術が解け……あれ?
集中してないと浮遊できないんじゃないか?
じゃあ最中にすぐ白目になるこの体じゃ、セックスしながら魔法は無理か……うーん。
自身が刺激を受けず、こちらが一方的に……つまりフェラとかクンニとかで無重力を活用する手段は……パイズリならいけるか? でもパイズリする相手ってルーネ様だけだし、当人が十分な巨乳なのに胸で興奮するかなぁ。
むぅ。
だいたい、パイズリのよさについて今一つ理解及んでない。絵面的なビジュアル重視だよな、あれ。
実際にすごいおっぱい手に入れて再確認したけど。胸の谷間は別に過敏じゃないし、興奮したら濡れるわけでもない。口でする場合、粘膜で触れるからある程度の奉仕満足感とか被虐快楽があるんだけど。
要するに、やっても気持ちよくない。
しかも、唾液なりカウパーなりで濡らさないといけない。
される側はともかく、する側としては単にめんどくさいんだよな。
「今度は胸が勝手に動いてるな」
「なーんか、ろくでもないこと考えてるっすね」
「跳べって言ったの忘れてるねぇ」
そうすると、やっぱり無重力フェラないしクンニか。
自身が無重力で浮きながら、ルーネ様の腰に捕まって負担少なくイラマ……に意味はあるのか? 首が疲れなさそうなのが長所かなぁ。
立ってもらった状態で浮遊顔面騎乗とか、後頭部負担少なそうだけど……絵面が凄まじくシュール。エロ漫画描きとして、ダメな構図は肯定できない! せめて複数プレイで、そのままハメてもらえたらって思うけど、それだと浮遊してられんないだろし。
本来なら駅弁とか立ちシックスナインで意義あるはずなのに。
この体が感じやすいせいで……!
「アルマ、聞こえてるかい」
「もう、指でも突っ込んだ方がいいんじゃないっすか」
「浮きながら変なポーズし始めたしな」
そうだ、でも空中M字開脚には意味があるかも!
ほどよい高さで、インスタント肉オナホとして待機する!
そのまま挿入からの駅弁体位や対面座位へ、スムーズな流れで持ち込めるぞ。
ルーネ様なら、浮遊切れる前提で体重支えてくれるだろし、こっちからしがみつけばいける気がする!
無重力挿入だと、挿入の勢いで後ろに吹き飛ばされそうだから素早くしがみつかないとだな!
浮遊顔面騎乗は間抜けだけど、浮遊開脚なら浮いたまま腰を振って誘ったりもできるし。
高度を上げて肩車してもらう前提で、顔に合わせるのも……いや、さすがにルーネ様でも首を痛めるかな? あと脚の肉が鎧に挟まったら凄まじく痛そう。
「……でも、突然刺激すると、どこに吹っ飛んでくかわかんないよ?」
「ずっと続けさせるんすか?」
「地法術や天法術は、周囲の力を使うせいで当人に疲労がほぼないからな」
そーいえば、おっぱい浮かせられるなら、服だけ浮かしたりもできるんだよな。
わざとパンチラさせて誘ったりとか。
って、パンツはいてないじゃん! マンチラじゃん! 下着ぐらい買ってよ! すぐびしょびしょにするから意味ないんだろけどさ!
そっかー。
そういえば上も下も下着ナシなのか。
薄着になるだけで、やばいんじゃない自分。
「服がめくり上がり始めたっすね」
「なぜ、あいつは脚を開いているのだ……」
「はぁ……ルーネ、彼女をちょっと使っていいかい」
「かまわんが」
「私も人法術は使えるし……キミ自身の糧ともなりうる術を見せるよ」
うーん、地面と反発して跳躍したり浮遊するってことは。
重力操作なんだよな。
結果的にできることは、念力に近い。
そうすると……手使わずに、くぱぁとかできるのか。
両乳首弄りながら、くぱぁできるのは絵面としてもいい感じだぞ。
「……あれも魔法っすか」
「まあ、魔法だろうが。本当にくだらん使い方をするな」
「確かにアルマちゃん、手でよくやって見せてるっすけどね。おー、さっそく濡れてるっすよ」
「それならボクも、邪霊召喚のちょっと応用を見せる……よっ」
「えっ……な、なんすかそのえげつないモノは」
「私と同じように、ということか? しかしその無数のトゲのようなものはなんだ? あいつを拷問するのか?」
「邪霊召喚と人法術の併用で造ったモノだよ。刺さらないから安心しなって」
「おおー、毛っていうより突起っぽい、柔らかいブラシみたいな感触っすね」
「使う前に触らないでよ……膣襞を隅々まで磨くから、すごいと思うよ」
「しかも出し入れするだけでクリと尿道口まで、擦れるっすねコレ」
「私に使うのでなければかまわん。やれ」
と、さすがに跳ばないのが気になってるかな。
みんな、ざわついてるっぽい。
何をするにも、実際に浮けないと意味ないし。
あれこれ想像してたら濡れてきたから、さっさと済ませてルーネ様にシてもらお。
とりあえず言われた通り、跳んどくか。
どうせ、うま――
「きゅぎいいいいいいいいいいいいい♡♡♡♡」
「っと! ……やっぱり飛んだね……っ!」
「まさしく昇天だな」
ふぇ!?
な、なんでいきなり?
腰掴まれてハメられてる?
ルーネ様じゃなくて、シオン様に生えてる? え? え?
「っ♡ ひ♡ ひおんひゃま♡」
「浮遊は維持できてるみたいだし、いくよ?」
「ふぇ?」
え?
「あ゛ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「おー、ソッコーで絶叫してるっすよ」
「私もああいう強化を身につけてみるべきか……」
なにこれ、にゃにぃこれぇ!
イッて締めたら……なおさら……クリも攻められてるぅ!
「ンフフ……すっごい、上に跳ねてっ!」
「やぁあ゛ああああああああああぁぁぁぁぁ!! くりゅう! くるっひゃう!!」
せめて失神、させて。
まっしろになったと、おもったら、すぐまた、ばくはつして。
「はぁはぁ♡ あの貴族連中も、キミになら何してもいいって思うわけだよ! 何しても悦ぶんだからさァ!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛――ぎぃ! んひっ! ひゃっ!」
しゃっくり、でてきた。
「どれだけよがっても、すぐにまた他のヤツに股開くんだろっ!」
「あ゛ーーーー!!!! あ゛ーーーーー!!!!」
あ、だめ。
こわれる。
「すげーイキっぷり……大丈夫っすかね」
「自在に浮遊できるようになれば、あれも役に立つだろう。それに普通のモノ相手でもあまり変わらんしな」
「いやー、ああなるの早すぎるし、シオンさん腰がっちり捕まえてるから……出すまでヤるつもりっすよ」
「あいつもあいつで、昂りすぎているからな。じきに終わるだろう」
たちゅけて。
不穏な感じの終わり方ですが、単に快楽攻めがきついってだけで廃人になったりはしません。
ともあれ浮遊魔法は修得しました!
その性能と詳細はまた次回!
主人公の散漫すぎる思考回路と、どうでもいいことに夢中になる精神構造は、共感できる人には共感できると思います。
ここまで極端じゃなくても、勉強とか運転とか苦手な人はこういうトコあるよね。(作者含め)
●魔法の修得(断片)
魔術にせよ法術にせよ、修得には感覚的な面が重要となる。
先入観は魔法修得の大きな障害たりうる。
よって幼い頃から魔法を目の当たりにし、また魔力を感じとらねば、魔法修得は難しい。
成長してから権力や財産を得ても、多くは魔法を修得できないのだ。一方で幼い頃からこれらに触れた者は、魔法を修得しうる。
神殿育ちや魔術師の子、貴族使用人一族なども、魔法を修得しやすい。
近年増えた中産階級らは魔法を使えぬ己の代わりにと、こぞって己の子らに魔法を修得させんとする。