※この作品はR-18です。

なんのチートもないけど私は元気です   作:神谷涼

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 急ぐ攻略じゃないので、ひとまず撤退!
 エロの空気を取り戻せ!



35:底辺ストリートビュー

――8日目:黒竜山脈、腐肉峡谷の温泉拠点

 

 奴隷契約をしたとはいえ、クラウディアは脅威度不明。

 夜を過ごすにはあの場所自体も危険……ってワケで。

 戻ってきたよ! 温泉に!

 埃っぽい暗いダンジョンはやっぱ不健全だね!

 温泉最高!

 心なしかみんな、ゆるんだ顔してるし。

 まずはエロとか抜きでぼけーっと湯につかって、疲れた体と心を回復させよう!

 ……と思ってたんだけど。

 

「おお、心地よいの! 尻の痛みも消えてゆくようではないか!」

 

 道中もそうだったけど、この人ホントに声でけぇ。

 おっぱいも態度もでかいし、背も高いけど。

 よく声が枯れたりしないな。

 

「キミの肌はこんなに白いのに、風呂に入ったからと紅潮したりしないんだね」

「もはや人の体ではないからな!」

 

 この子、ドヤ顔で大声出さないと会話できないんだろか。

 戻る道中で、いろいろ聞きはした。

 クラウディアは、殺された夫と子供に禁術を使って魔物を生み出し。敵兵を喰らわせて、黒竜へと成長させ。さらに包囲軍を喰らわせんとしたが……黒竜により城塞自体も破壊され、瓦礫で生き埋めになったそうな。

 この時点で、わりと元からポンコツだったのでは……という気がする。

 てか、本人が黒竜になったんじゃなかったのかよ!

 で、餓死や窒息死がヤだったから、自らに邪霊を降ろして魔物化するという賭けをし……どうにか自我を残せたので、そのまま仮死状態になって、複数の人間が訪れるまで待っていたらしい。

 私たちが来るまで三百年ほど、ずーっと寝てたとのこと。

 実際、彼女がいた部屋って瓦礫で埋もれた小さな空間だったしな……。

 

「けど、人に紛れて活動するには角や手が問題だね」

「その爪なんとかならねーっすか。危なくてナイフ手放せないっすよ」

「無理だな! 余としても、元の手で尻をさすりたかったのだぞ!」

「そんな目で、私を見られましても」

 

 どんだけ尻で恨んでるんだよ。

 ミナ様だったら尻叩く前に殺されるか、手切り落とされてたってわかってんのか。

 

「クラウディアといえば今も名高き大魔術師だろうに、手の形を変える程度の魔法も使えんのか」

 

 手の形を変えるって“その程度”なのか。

 

「余の精神の大半は、邪霊の抑制に使われておるのだぞ! このように魔物化して自我を保っておること、どれほどの偉業と思っておる!」

「魔物化したら、邪霊の意識しか残らないからねぇ。確かにすごいよ」

「わかっておるではないか! もっと褒めたたえよ!」

 

 お湯の中で膝立ちになり、胸張って真っ白なおっぱい見せつけてるけど。

 ホント、びっくりするくらい色気ないなぁ。

 夫と子供がいたってことは、人妻経産婦なんでしょ? ぜんぜんそうは見えん……乳首ピンクなの置いといて、何やってもエロ味や艶っぽさが皆無になってる。なんか大型犬とお風呂入ってる気分だわ。

 

「要するに、魔法は使えんのではないか」

「不眠不休で動ける不老の肉体ぞ!? 実現できた魔術師など、他におらぬ! それともこの三百年で実現した者が現れたのか!?」

「間違いなく偉業だね。ボクも聞いたことがないよ」

「そうであろう! そうであろう!」

「「…………」」

 

 あ、ルーネ様とミナ様がめっちゃ冷たい目で見てる。

 役立たずって思ってるんだろなぁ。

 確かに食事も必要ないらしいし、知識は一応あるし、手の爪はそこそこ戦闘力にもなるだろけど。

 中身がこれじゃなぁ。

 うるさいから、奇襲する邪魔だし。

 

「邪霊の制御に多くを割いているから、魔法を使う集中力がなく、感情を抑えられない……平たく言えば子供っぽくなってるわけだね」

「何、精神も若返ったと思えば安いものよ! 仮眠状態に入るのも、魔物としての能力の内であるしな!」

「はぁ……」

 

 魔法も使えず、頭の中も子供レベルになってるのに、よくこんなに自己肯定できるなぁ。

 いや違うか。

 元々が王女で将軍で大魔術師なんだ。

 彼女は自分が特別なのが……当たり前なんだろな。

 そう思ったら、ちょっと嗜虐的な気分にならざるをえない。

 こう、わからせてやらねばならない感じ。

 

「まあいい、明日はその知識に基づいて財産の在処を掘ってみるとしよう」

「歴史関係でも、それなりに価値は作れるんじゃないかなぁ」

「ふははは! 任せよ! 余もこの時代において先立つものが必要と自覚しておる!」

 

 ルーネ様とシオン様はなんか活用法を考えてるみたいだけど。

 こう、ね。

 たぶん彼女については、同じような思考回路してるせいだろな。

 

「…………」

 

 ミナ様、ヤバイ目してる。

 すごい殺気立ってるというか、嫌悪感マシマシというか。

 表情は変わってないから、ぱっと見じゃわかんないだろなぁ。 

 ルーネ様も気づいてないっぽいし。

 思えば、ルーネ様とシオン様は貴族でお金の苦労してなさげで、魔法も使えて。

 私はまあ、異世界人(?)で魔法も一応使えるようになったけど。

 うん。

 たぶん最も苦労して、努力して、ここにいるのがミナ様なんだよな。

 しかし困ったぞ。

 自慢じゃないけど相談事とかされたことない。落ち込んでる人を慰めようとしたら、たいてい別の人に追い払われる。余計な事を言っちゃうんだよなぁ。いや、後から考えたらよくない言葉ってわかるんだけど。そんなの咄嗟にわからん。

 でも、こゆのって放置しとくと(漫画でも映画でも)ロクなコトにならんよな。

 ルーネ様もシオン様も気づいてないし。

 はぁ。

 正解かどうかわかんないけど。

 とりあえず、湯の中を傍に行って。ぴったりくっつくようにし――

 

「……いいですか?」

「いいっすよ」

 

 ミナ様の利き手じゃない方……左側に肩を密着させると、抱き寄せてくれる。

 あれ、今日はゆっくりした手つき。

 え? 舌吸いも乳首いじめも、手マンもしないの?

 思ったより重傷かな?

 

「はぁーーー」

 

 深々と溜息ついたミナ様の頭を子供にするように撫でる。

 ナデポが効いたりしてくれるといいんだけどなぁ。

 

「気にすることないですよ」

「何がっすか」

「私、這い上がろうとすらしなかったですから」

 

 まずい、自分で何言ってるのかよくわからん。

 じっと見つめ合う形になってる。

 焦らずじっと見つめ返そう! 最悪でも激しめのプレイされるだけだし!

 

「……」

「だから大丈夫ですよ」

 

 それっぽいこと言うしかできないけど……あれ? ミナ様、いつもの目じゃない? もっと、ねっとり舐めまわすような目してくるんだけどな。こう、体とか表情とか見てきて、こんな風に目と目で見つめ合うってあんまりされてない気が……。

 

「ん」

 

 あれ?

 少し強く抱き寄せられた、って思うより早く。

 顔が近づいて。

 

「お、おい! あやつら女同士で接吻しておるぞ!」

 

 うるせえポンコツ。小学生か。

 

「……んっ♡ ん♡ ん♡」

「あ、ん♡ んむ♡ ふっ♡」

 

 珍しく舌をバキュームしたりせず、唇を啄み合うようなキス。

 ミナ様もけっこうメンタルにきてたのか……甘えられてる感ある。

 下半身に手が来たりもしない。

 利き手で岩の上に置いたナイフを、いつでもとれるようにってことか……あるいは、無心に求めてくれてるのか。

 こっちもナイフを使う時に邪魔にならないよう、湯の中で胴をハグして抱きしめて、啄むキスを続ける。

 舌を出しても、貪ってこずに舌先を軽く触れ合わせるだけ。

 いつもと違うノリで、て、照れるなぁ。

 

「あやつら、恋仲なのか!? 恋仲なのか!?」

「静かにしろ」

「……っ、叫んでると、のぼせる、よ」

「あの二人こそ、顔が真っ赤になっておるではないか!」

 

 いつになく外野がうるさい……。

 とりあえず、首がなんともないんだからルーネ様はOKってことなんでしょ。

 てか、シオン様ってこの体がキスしてる状況だけでオナニーできるのかよ。

 

「んっ……お嬢様、それ黙らせてほしーっす、ん♡」

「あっ♡」

 

 あ、すっごい甘えてくれる。

 嬉しい。

 でも甘えられてるだけじゃなくて、こっちも甘えてしまう。

 未経験だから知らないけど、これがイチャつくというやつなのか?

 ミナ様への正解だったかは、わかんないけど。いつもこっちの舌痛くなるくらいじゅるじゅる吸ってくるキスだったのに……こんな優しいキスしてくれるなんて。 

 あれ? 思えば、アヘらずに恋人キスだけってこれ初じゃね? たいてい上も下も蹂躙されてなかったっけ?

 あわわ、顔も真っ赤になる。

 もうなってる? 顔近すぎるからお互い見えないよね?

 

「んっ♡ ふっ♡ ちゅっ♡」

「ふぁ♡ ちゅ♡ ちゅっ♡」

 

 やばい。股間にも乳首にも触れられてないのに、動悸が激しくなる。

 体を摺り寄せてしまう。乳首とか股間じゃなくてなんか全身でこう、好き好きってしちゃう。

 ああああ、ミナ様からも返してくれてる!

 やばいやばいやばい。

 何がやばいかわかんないけどやばい!

 そもそも、私はエロに恋愛は――

 

「ほぎゃああああああああああああ!!!!」

「「っ!」」

 

 突然傍から聞こえた奇声に、二人でビクッとなった。

 ぎゅっと、しがみついてしまう。

 一方のミナ様は、一瞬でナイフを抜いて声の方を向いた。

 

「すまん。余計うるさくなった」

「キミが、この間のアレでヤれって言うから……」

 

 クラウディアが白目(眼球が黒いから黒目?)剥いてビクッビクッってなってる。

 その鉤爪のある手は、背後からルーネ様に捕まえられて後ろに引っ張られ。

 アナルにルーネ様のを。

 前からシオン様の……たぶん例の肉ブラシ型のをハメられてる。

 なんかパロ・スペシャルからのタッグ技、かけられてるみたい体勢だな。

 

「とりあえず魔物なのだし、起きるだろう」

「そうだ、ねっ!」

 

 あ、二人して腰打ち付けたら、またビクンってなって瞳が見えた。

 

「ほげっ! ほぎっ! ほぎゃあ!」

 

 それにしても、クラウディア……子泣きじじいみたいな喘ぎ声だな。

 

「アルマちゃんもそーっすけど、魔物化したり邪霊が宿ったりするとああいうよがり方なんすかね」

「え!? 私ってあんな風に見えてるんですか!?」

「わりと」

「ええええええ……」

 

 ミナ様に言われるとショック。

 今日はいろいろ衝撃があったし、落ち込んだりもしたけど。

 ホントに最後まで落ち込ませてくれるわ……。

 まあ、その後も少し離れてミナ様とちゅっちゅできたし。

 お互いメンタルケアとしては悪くなかったと思うけどさ……。

 

 よく考えたらあのポンコツ、私より先にルーネ様とシオン様に二穴攻めされてるじゃん!

 いやミナ様と百合っぽくイチャつくのは気持ちよかったけど、こう奥イキもアナルイキもできる体としては憧れるっていうか、エロ漫画描きとして体験しとく義務があるっていうかさぁ! それなりの時間をいっしょにすごしてオナホを務めてきた私に本来するべきじゃね? チクショー妬ましい!

 




 クラウディアの説明でまた一話使いかけたのでもう、サックリ済ませることにしました。
 次回、ルーネ様ないしシオン側。アルマがいちゃつくのに忙しくて省略されたやり取り含め、サンドイッチでどこまでエロ堕ちさせられるのか!?

 そして、アルマとミナはセックスのプレイスタイルこそ変わりませんが、今までと違って合間合間でいちゃつくようになります。

 今回でクラウディアの底もかなり明らかになったしスペックさっさと公開しときます。


●クラウディア
 魔物種別はサキュバス。
 純白の肌、黒い眼球、エルフ耳、頭に山羊角、悪魔風しっぽ、血液は黒い。
 髪は濃い紫、瞳は真紅。感情が高ぶると目から、紅い炎じみたオーラが出る。
 食事不要(味覚はある)、睡眠不要(退屈なら仮死状態で待機)、疲労無効。
 老化せず、体力も高い。一方で触覚感度鋭敏で、苦痛耐性と快楽耐性は低い。

 身長180超え、ルーネよりちょい高い。
 肩幅は広いけど、筋肉はついてないので長身モデル体型。
 胸のカップサイズはアルマと同じくらい大きくてやわらかいが、長身なので(体の割合的に)相対的にはアルマの方が大きく見える。
 ヒップサイズはアルマより細めだが、十分大きいし太腿もむっちりしてる。
 実は肉体は魔物化する際にかなり理想化されており、人間時よりあちこち微調整されている。特に身長はこんなになかった。
 生えている体毛は濃く、陰毛と腋毛がかなりしっかり生えている。

 武力:D (技巧はないが、見た目よりは筋力があり、鉤爪はかなり強力な武器)
 体力:A (魔物の驚異的なタフネス、疲れ知らず、HPクソ高い、でも痛いのは平気じゃない)
 知性:E-(こども)
 教養:C (300年前に限定された知識はある、ただし活用する知性はない、魔法も使えない、現代常識もない)
 感覚:E (危機感が薄くて鈍い、警戒心もない、悪い意味で慢心、隠密行動は性格的に無理)
 魅力:E+(天真爛漫だが傲慢な態度と思慮不足でぶち壊しである、なお魔物と認識された場合は交渉不可)

 本来は知性・教養・感覚・魅力も高いはずが、邪霊制御に自我を割いたためガタ落ち。
 特に知性は一般人(大人)以下です。
 今後彼女が潜在能力を覚醒させる機会があるか……は不明!
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