ツッコミつつも外道行為をがんばる、ジークルーネさん!
――暗黒騎士ジークルーネの視点
「あ゛ーっ……ぁ゛ーっ……はーっ……」
「朝から酷い有様だな」
つながったまま、起きぬけにさんざん注ぎ込んでやったとはいえ。
私の上で、そのまま失禁までしてくれるとはな。
たっぷり一晩以上、つながっていたものを引き抜けば……互いの性器が朝の寒気に湯気を立て、粘ついた糸を引く。
まさに冒涜的な卑猥さだな……。
朝から出したというのに、また反応しそうではないか。
とはいえ、いつまでも盛ってはおれん。
背後から、アルマを抱え上げる。
「股を開け」
「ひゃぃぃ♡」
子供に用を足させるように両脚を抱え、股を開かせて。
その尻に膝を押し付け、恥丘が盛り上がって見えるほど、股間を突き出させてやる。
私には見えんが、尻の穴まで外気に晒してやる。
「脚を汚さんよう、しっかり開け」
「あっ♡」
なぜ嬉しそうにする。
なぜ自分から股を開く。
こうもはしたない姿勢をさせれば、普通は抵抗なり見せるだろうに。
殴られも怒鳴られもせず、進んでするとは……シメキリとかいう夫はどれだけ変態なんだ……。
「そら、出せ」
「はひ。ありがとうございますぅ♡」
なぜ礼を言う……。
どろどろと精液と愛液と尿の混合物が垂れ、溢れ出す。
遅れて、アルマ自身の尿も弧を描いてちょろちょろと出始めた。
子を産む穴から音を立てて汚物を吐き出し、その様を凌辱者に見られながら放尿するのだ。
死んだ目で同じようなことをしている奴は見たことがあるが。
「これだけの量を、よくも夜の間に流し出さなかったものだな」
下腹部を押してやれば、放屁のような下品な音を立てて混合体液が噴き出した。
私なら、こんな目に合えば死にたくなるぞ。
「ああぁ♡ こんなに、いっぱい……♡」
この女はなぜ、うっとりしているのだろう。
私はかなり、非道なことをしているはずだ。
いつの間にか世界の常識が変わっていたのだろうか。
はっ。
いかん。
出発に向けて準備をせねば。
特に、アルマの扱いについて昨夜考えたように運ばねばな。
「さて、今日は日暮れまでに街に着かねばならん。早朝の内に水浴びをし、服を着たら出かけるべきだが……」
「はい」
降ろしてやったのだから、服を着ろ。
なぜ全裸で座っているのだ……。
「貴様は私の従者という体裁でついてこい。私の名はジークルーネだ。ルーネでかまわん」
「承知いたしました、ルーネ様」
ずいぶんと板についているな……愛人を兼ねたメイドだったのだろうか?
「これから向かう街では、暗黒騎士とも呼ばれている。名誉な名でないことはわかるだろう」
「あ、あんこくきし……」
あんな目にあって蕩けていたというのに、そこで怯えて震えるのか。
少しは常識的なところもあるのだな。
強張った表情に、嗜虐心とわずかな矜持を刺激される。
「この黒い鎧と、己の所業が招いた名だ。呪われた私にはふさわしかろう。魔物を使役したりはできん」
「ソウデスネ」
震えながら、言葉まで硬くなっているではないか。
私の股間にあるモノを見た娼婦も、普通はそういう反応なのだがな。
「そして貴様だが……下手に名を騙っても、ろくなことになるまい。そのまま、アルマと名乗っておけ」
「えっ?」
「どうした」
「あ、いえ。私の名前……」
そこでまた驚くのか。
別に隠してもいなかったろうが。
反応の示し方が、逐一予想外すぎるぞ。
「指輪に刻まれていたぞ。あの二人組も、アルマという名を口にしていたしな」
「えっ……あ、そ、そうですか」
今気づいたように指輪を見ているな。
頭の回転は、あまりよくないか。
「何か、大っぴらに呼ぶべきでない理由でもあるのか」
「いえ、その……ルーネ様は、ア……私について他に何か……?」
おそるおそると言った風に聞かれた。
面倒な事情あり、か。
「知らん。だが事情があるなら、街が近づいたらフードをかぶっておけ。街では、名前をなるべく呼ばんようにする」
「は、はい……ありがとうございます」
「門を通る時には……偽名でよかろう。あそこの門衛どもはたいして真面目でもない」
「わかり、ました」
しおらしい態度だな。
なぜ抱かれた時にそうしないのだ。
あんな獣じみた振る舞いより、取り入りやすいと思うぞ。
さて、その上で……どう話を持っていったものか。
街までの護衛ではさすがに条件として厳しかろう。
「あ、あの……」
「なんだ」
考えていると、不安そうに声をかけてきた。
そういう態度の方が嗜虐心をそそられるな。
報酬を持ちかけてくるなら、諦めて普通に金で我慢するか。
脅せば関係自体は……
「私やっぱり、ゴブリンの子を孕んで……ますか?」
「…………」
「あ、あの。三日間もゴブリンに捕まって犯されてたんですよね。じゃあ、やっぱり……」
「…………」
いかん。
あまりに予想外の質問で、また思考が停止してしまった。
なんだこいつは。
言葉遣いや振る舞いから見て、それなりの富裕層と思っていたが……いや、相当な箱入りなのか?
ゴブリンが人間を孕ますなど、ありえんだろう。
私とて教養高いとはとうてい言えんが、それくらい知っているぞ。
あれに限らず魔物とは、現世の依り代に邪霊が宿った存在。
奴らが拷問や凌辱で獲物をいたぶるのも、仲間の邪霊を呼ぶための儀式。
苦しめ心を壊し、殺した肉塊へと、さらなる邪霊を降ろして数を増やす。儀式として、奴らは人を苦しめる創意工夫に長けているし……その創意工夫が、時に高位の魔物を呼びもする。
下級のゴブリンとて、重要な討伐対象とされる理由だ。
あの二人が戻らぬとわかれば、数日内に次の連中が来るだろう。軍が動くかもしれん。
こんなことで、妙な嘘をつく意味がわからん。
「わ、私、ゴブリンの子供を産むことに……」
と、無理に動かした思考が、盛大にずれた。
アルマは本気で震え、怯えているようだ。
私の股間見た時にみせろ、その反応。
昨夜に私の子を孕んだかという心配はないのか。
……試してみるか。
「三日程度なら後からでも効く避妊薬がここにある」
「えっ、本当ですか!」
「私も一応、女だからな。用心は必要だ」
「ください! お願いします!」
即答か……これが演技とは思えんな。
薬はしっかりとした品だ。一応は、私も女の身。このろくでもない世界では、常備しておかねばならんからな。
「だが、それなりに値のはる薬でな。タダでやるわけにはいかん」
「えっ……ゆ、指輪! この指輪でどうです、ルーネ様!」
結婚指輪だか婚約指輪を、あっさり売るな。
まあ、焦らずとも後で売らせてやる。
「足りんな。貴様は三日三晩犯されていたのだ。胎内には既に相当数のゴブリンの子が仕込まれている。このまま十日もすれば、腹を食い破ってゴブリンの群れが飛び出し、お前の肉を喰らい尽くすだろう」
「えぇぇ……そんな死に方いやです……」
おい、おい。
信じるのか。
そんなおぞましい増え方をするゴブリンがいてたまるか。
だったら連れ歩かず、洞窟ですぐ避妊薬を飲ませているぞ。
アルマは無教養……というか無常識か。
それならそれで、使いようはある。
「ここに奴隷契約の羊皮紙がある。当然、私を主として固定したものだ」
奪われて私自身に使われては困るからな。
心からの合意がなければ使えん品だが。脅して奴隷を作る時のため、温存していた甲斐があった。裏で売っても私に使われそうだったし、死蔵品とも言えるが。
「わ、私に、ルーネ様の奴隷になれと……」
奴隷契約は知っているのか。
もともと、奴隷だったのかもしれんな。
主がゴブリンに殺されたなら、契約解除ともなるだろうし。
とりあえず、押せば簡単に契約しそうだな。
「嫌なら、腹をゴブリンに破られて死ぬがいい。あれらは、産まれる前でも外から引き出さされようとすれば暴れて母体を殺す。薬ならともかく、堕胎ではどうにもならんぞ。ああ、そうなる前に首を括ってもよかろう」
「そんな……!」
あっさり信じ過ぎではないか?
「無惨に屍を晒すか、私に服従するか。さっさと決めろ。際どい日数が過ぎている。わずかでも飲む時が遅れれば……手遅れかもしれんぞ」
「わ、わかりました、ルーネ様! ど、どうか、私を、アルマをルーネ様の奴隷にしてください!」
えっ。
してくださいって何だ。
私が言わせるならともかく、なぜ頼んでくる。
変な教育というか調教が行き届きすぎて、怖いんだが。
「……よ、よし、ではこの羊皮紙の最後に血でサインしろ」
短剣を抜くと、アルマが身をすくませる。
刃物は普通にこわがるんだな。
ちょっと安心したぞ。
高位の魔物ではないかと少し不安だったからな。
アルマの手を引きよせ、その白い指先を小さく切る。
たちまち、血があふれ出す。
血も赤くて安心した。
「っ! ……あ……字が……名前……え?」
思うところはあるのか、つらそうにサインをして呆然としているな。
素直に名を書くならば問題はない。
羊皮紙が淡い光を放ち……首輪のような、隷属を示す鎖状の刻印がアルマの首に現れる。
主たる私が念じれば締まり、苦痛を味わわせる刻印だ。
「これでアルマは私の奴隷だ。立場を忘れるなよ」
「はい……」
なぜ首に触れず、己の下腹部を見ているのだろう。
孕んだ(と思い込んでいる)ゴブリンの子がそんなに恐ろしいのか?
「そら。薬だ。飲んでおけ」
「は、はい! ありがとうございます!」
言わせなくとも礼を言うとは、本当に変な奴だな。
よほど恐れていたのか、慌てて飲んでいる。
まあ、これでしばらく孕む心配なく、私がアルマを好きに犯せるというわけだ。
ふむ……ならば、所持品の手入れくらいはしておくか。
「よし。聞き分けのいい奴隷ならば、大切にしてやる……〈封傷〉」
指先に傷をつけたまま、膿ませたりすれば面倒だからな。
軽い治癒を施しておいてやろう。
うむ、実に慈悲深い主だな。
アルマも、私から受けた治癒に驚き目を見開いている。冷酷非道な私が施すからこそ、懐柔の効果もあるというものだ。
「き、切り傷が……る、ルーネ様! 魔法、使えるんですか!?」
んん?
思っていたと違う反応ではないか?
というか、奴隷になった悲壮感から立ち直るには、早すぎるのでは……。
なんだそのキラキラした目は。
「今の! 今の魔法ですよね! ルーネ様って魔法戦士なんですか!?」
何を興奮している。
魔法戦士とは……魔法を使う戦士という意味だろうか?
むしろ魔法を使えん戦士など、ごろつきではないか。
今のご時世、中層階級以上なら魔法など誰でも使えるだろうに。
武器や鎧を帯びている者は、すべてごろつきとでも思っているのか?
「当たり前だろうが。私が平民出身で、騎士を称するチンピラとでも思っていたのか?」
そう思われても仕方ないかもしれんが。
「え。そ、そうなんですか……じゃあ私も……?」
「アルマが使えるかなど、私が知るはずなかろう」
「あ、あの私に魔法を教えてもらえませんか?」
「無教養な輩に教えても時間の無駄だ。役に立つようになるとも思えんしな」
むしろ、ろくなことにならん気がするぞ。
「ガーン」
「なんだその妙な呪文は」
「いえ、ショックを受けただけです……」
「しょっく?」
何を言っているのか、わからん……。
奴隷にしたのは早計だったかもしれん。
まあ、奴隷は奴隷だ。
これで、アルマには気を張らずに行動できる……ことで、よしとしよう。
性欲処理も気軽にできるしな。
空が少し明るくなり始めたが……まだまだ朝の早い時間。
早朝は、獣や魔物の活動もほぼない。
冷え込んだ中で厳しくもあるが、水浴びをするなら今のうちだろう。
心許せる者がおらん私が、鎧を脱げる時間は少ないのだからな。
アルマは川原に座らせ、食事をとらせておこう。
あの二人から剥ぎ取った保存食とワインを減らせば道程も楽になる。
奴隷になった以上、逃げもできん。
寒くとも外で肌を露にできる贅沢を噛みしめ……たいのだが。
「……私よりも周囲の警戒をしろ」
「は、はいっ」
なぜ、食べながら私を凝視している。
武器と羊皮紙は私の傍の川辺にあるが……アルマの視線は私の体に向けられていた。
特に、胸と尻。
女装した美丈夫とでも思っていたのか?
「生憎だな。私は男ではないぞ。この通り、呪われた身だ。忌まわしいモノで犯されたと実感したか?」
悪意を込めて近づき、目の前に立って体を見せてやる。
座り込んだアルマのちょうど目の前に、奴を犯したモノが晒される。
食事中への、ちょっとした嫌がらせだ。
「え? いえ、きれいな体ですよ。これも、とても立派です」
「なっ!」
言って、まだろくに洗っていない亀頭の先端に唇を触れ。
恋人にするように、鈴口へキスをしてきた。
どういう媚び方だ?
思わず変な声が出たんだが。
食事中に汚れたものを突き出されて、迷わず唇で触れるのか?
高級娼婦だと、そういうものなのか?
「っ……さっさと食べておけ。私の後には貴様も水浴びをするのだ。逃げようなどと思うなよ」
「は、はい」
だが。
水浴びをする間中、アルマの視線を感じ続けたのだった。
なんだこいつ。
6話目にしてやっと自己紹介した二人。
そして、正式に奴隷になった主人公。
不気味さを感じつつも性的魅力を受け入れるルーネ様。
次回はアルマ視点。
そしてちょっと普通のファンタジーとズレてる、魔物の定義とゴブリンの詳細。
主人公はぜんぜんわかってませんが、ルーネ様には常識です。
奴隷化や魔法についてもいずれ。
●魔物について(断片1)
現世の物質を依り代にした、異界の邪霊。
様々な物質に宿りうるが、苦悶や怨嗟や絶望を孕んだ屍肉を特に好む。ほぼ全ての魔物が獣や人間を捕え、いたぶり、苦しめ殺す本能を持つが、それも屍肉に邪霊を招き仲間を増やすためだ。
魔物は食事を必要とせず、睡眠の代わりに一時的な休眠状態となる。繁殖は邪霊召喚によるため、性行為は娯楽として行う。人間と同様の美的価値観を持つらしく、美男美女を好む。特に高位魔物は、美女しか依り代にしかしないとも言われるほどだ。
なお、魔物を倒しても邪霊は異界へと戻るため、依り代があれば現世に再来する。邪霊ごと魔物を完全に滅ぼしたり、封じたりする手段は限られる上、多大なコストがかかる。このため、どれほど討伐しようと魔物の根絶は不可能と言っていい。
●ゴブリン(魔物)
最下級の魔物の一つ。
俗に小鬼とも呼ばれ、身長1メートル程度の人型。体の大きさ以外は個々に異なる特徴を持つが、総じて醜く歪んだ姿をしている。
下級ゆえ異界とのわずかな“つながり”から現れる。しかも人間大の死体があれば3~4体が発生するため、行き倒れた死体などから自然発生し、僻地で数を増やす場合が多々ある。
個々の戦闘力は低いが、集団で行動する。会話こそ通じないが、卑劣で残虐な知性の持ち主。武器を使い、罠を仕掛け、人間や獣を狩る。拷問や恥辱を与える技術に長け、その“儀式”が時に思わぬ強力な魔物を呼び出す時もある。
ほぼ全てが体躯に似合わぬ人間大の男性器を備え、捕らえた人間の凌辱を最大の娯楽とする。特に縁者の前で犯して見せ、絶望させて楽しむ下劣な所業で有名。このため、人間社会では同様の外道行為を俗に“ゴブリンの所業”と呼び、寝取った男女を“ゴブリン野郎”“ゴブリン女”などと罵倒する時が多い。