※この作品はR-18です。

あまいぞ!男吾SS集   作:TANASOUKO

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私を女子寮に連れてって

 

 

 

 

 

 

 

1年と2年の間の春休み。

火山や鬼塚ら、3年を送り出した男吾らはつかの間の休息を楽しんでいた。

 

多くの学生は早々に帰省していたが、男吾は「あの家にいたら逆に疲れる」

という実にもっともな理由で最終日にちょっと顔を出す程度にする予定に

していた。

 

「──男吾」

 

日課のジョギングを終えた男吾に声をかけたのは、操だった。

 

──────────────────────

 

 

「私を女子寮に連れてって」 08/02/28 by TANA

 

 

──────────────────────

 

「……アンタ、何キロ走ってきたの?」

 

あきれ顔で操が聞く。

男吾の顔はもちろん、シャツまで見事にぐっしょりだ。

 

「あん? 大文字駅まで行って、帰ってくるの10周」

 

ふうふうと呼吸を整えながら、男吾。

 

「ええっ!? 軽く30キロはあるじゃない!」

 

ジョギングというレベルではない。

陸上部だって毎日そんなに走ってないはずだ。

 

「このところ何もないからな~。エネルギーが余ってよォ」

 

たはは、と笑いながら、男吾。

実は、男吾はケンカに明け暮れているようで、あいまをぬってはトレーニングを

欠かしていない。

負け知らずの男吾を支えているのは、ただの潜在能力ではなく、鍛え抜かれた肉体と、

人並み外れたど根性なのだ。

 

「ふぅん」

 

と、操は何か考えるそぶりをして。

 

「……ねぇ、女子寮の風呂、使ってみない?」

 

と、さらりととんでもないことを言った。

 

 

 

「はァ!?」

 

「決まり! 背中流してあげるから!」

 

祭りに行きたがる子供のように手をぐいぐい引っ張る操。

 

「ちょ、ちょっとタンマ! 誰かに見られたらどうするんだよ!」

 

「今朝、女子寮の寮長が帰省してさー、アタシが鍵を預かってるのよ。で、ほかはみんな

もう帰っちゃったから、誰もいない。心配いらない」

 

「う……」

 

反論はあっさり封じられた。

次の反論が思いつかず、男吾はついそのままずるずると引っ張られてった。

 

 

 

「こんなこともあろうかと、アンタ用のシャツとパンツ買っといてよかったー」

 

……笑顔で操が言う。

こんなこともって、めちゃくちゃ計画的じゃないのか。

 

男吾は思うが、何も言わない。

いや、……何も言えない。

 

脱衣所で髪をといた操は、バスタオル一枚に身を包んでいる。

……反則だ。

こんな状況で、何も期待しないわけがない。

操と交わったのも、一度や二度ではない。

だが、それでも。

 

……やっぱりコイツは可愛い。

まともに目を合わせたら、なにかヒューズが飛ぶ予感がする。

 

ゆえに視界の端で操を見ながらも、そっちを向けない男吾だった。

 

 

 

「へぇ~! 女子寮の風呂って、ぴかぴかじゃねえかー!」

 

目を丸くして、男吾は言う。

 

「へ? 設備って男子寮と一緒じゃないの?」

 

ふたりぶんの桶と椅子を持ってきながら、操が聞く。

 

「いや、男子寮の風呂場は戦場だからなー。セッケンやシャンプーは取り合うわ、蛇口

はひねりすぎてすぐ壊れるわ、そうじ当番は守らないわで、もうボロボロ!」

 

わはは、と笑う男吾。

 

「……呆れた。そんなのでよくやってられるわねー」

 

「男はそんな細かいところ気にしねえの!」

 

「ふうん」

 

と、操は何か面白いことを考えついたような表情をする。

 

「……じゃ、そんな細かいところも、洗ってあげるね♪」

 

 

 

ぼっ。

 

男吾の顔が真っ赤に染まる。

 

「ばば、ばかっ!何を」

 

「いいじゃないの~。知らない仲じゃないし」

 

「う」

 

操はタオルを濡らすと、セッケンを泡立てはじめた。

 

ざぱー。

 

「熱くない?」

 

桶でお湯をかけながら、操。

 

「お、おう」

 

まだ赤い顔の男吾。

と、操はまじまじと男吾の背中を見始めた。

 

「? なんだ?」

 

「アンタって、つくづく傷だらけねー」

 

顔だけではない。男吾は背中も胸も腹も四肢も、キズのないところを探すのが難しいほど、

細かな傷だらけである。

 

「ガキの頃からケンカや冒険や、いろいろやってたからなー」

 

わはは、と笑う男吾。

 

「……何よ、冒険って」

 

「おまえ、やったことないか? 近所の竹藪の中の探検とか、工事現場の発掘とか」

 

「ないわよ、そんなの」

 

操もれっきとした女の子である。

小さい頃はお人形遊びやアイドルの情報収集をしていたクチだ。

 

 

 

「──ねぇ、このキズって、なに?」

 

「これはな、休み時間のボール遊び禁止令を取り消してもらうために、三階から飛び降りた

時のキズ」

 

「……アンタ、よく生きてるわね」

 

 

そんな感じで、操は男吾のキズ一つ一つを指しては、なんのキズか聞く。

冒険(?)、ケンカ、家族とのケイコ。

 

どれもこれも、男吾の歴史だ。

 

と、操は男吾の右手を手に取る。

 

 

「……アタシのつけたヤケドは、残ってないね」

 

「そりゃ、たいしたヤケドじゃなかったからなー」

 

がはは、と男吾は笑う。

 

 

ウソだ。一時は手も上がらなくなるほどに痛めたキズだ。

痛くなかったわけがない。キズが残らなかったのは切り傷などではなかったからだろう。

 

そして、操は。

 

 

がぶ。

 

 

思わず、男吾の右手にかみついてた。

 

「──何してんだ?」

 

痛くない。ちゃんと加減して甘噛みしている。

 

「……こうやってさ」

 

口を離して、操が言う。

 

「アタシに噛まれたことも、覚えておいてくれない?」

 

「……」

 

操の意図が分かって、男吾は赤くなる。

 

こう言っているのだ。

男吾の歴史に、自分も入れて欲しいと。

 

「──ばーか」

 

「え?」

 

「そんなコトしなくても、オマエは俺の中にどっしりいるよ。なんたって俺の……その、

はじ、はずめて、初めての──」

 

言葉を噛みながら男吾はみるみる真っ赤になる。

 

「──男吾」

 

ぎゅっ。

思わず操は男吾に飛びついていた。

 

 

弾みでバスタオルが落ちる。

 

「み、みみみ操ッ!?」

 

背中にやわらかな感触がある。

意識しないように──なんてムリに決まってる!

 

「あ、ゴ、ゴメン」

 

慌ててバスタオルを拾う操。

 

「……ゴメン、カラダ……冷えちゃうね」

 

そう言って、操は再び男吾の体にお湯をかける。

 

 

ごしごし。

 

男吾の背中をタオルでこする。

見た目からは想像も付かないほど、男吾の体は引き絞られている。

どちらかというと痩せ型にも見えるのに、筋肉のかたまりだ。

 

タオルを押しつけると猛烈な弾力で押し返してくる。

これがあるから、いざというときの本気の力はすさまじいのだ。

体格でも経験でも圧倒的な差のあった柔道部の鬼塚やボクシング部の鶴田を破ったのも、

このカラダあってのものだ。

 

それなのに。

そのとき、「している」時には、なんて優しいのだろう。

壊れ物を扱うかのように、あやまって傷つけてしまうことのないように。

改めて、男吾のすごさを思い知る。

 

そして、自分が間違ってなかったことを、知る。

この人に抱かれた自分が、間違ってなかったことを。

 

 

背中を洗ったところでもう一度お湯をかけて、四肢を洗う。

そして。

 

「──い、いや、前はいい! 前はいいから!」

 

「なんでよ」

 

「じ、自分でできるからに決まってるだろ!」

 

真っ赤になりながら、男吾が応える。

 

んー。ここで押してもいいんだけれど。

ちょっと操は考える。

今あんまり刺激するとそのまま──しちゃうだろう。

 

こんなチャンスはもうないかもしれない。なら、せっかくだから。

 

 

「わかった。じゃあ男吾」

 

言って、男吾に背中を見せる。

 

「アタシのことも、洗ってくれない?」

 

 

 

「お、おう」

 

洗ってもらったんだから、洗うのは当然。

けっしてやましいことはない。うん。ないない。

 

男吾は心の中でつぶやいて、操の手からタオルを受け取る。

 

 

わしゃわしゃ。

 

 

セッケンを──思わず、これでもかと──泡立てて、そっと操の背中に手を伸ばす。

 

しゅっしゅっ。

軽くこする。

 

「操、オマエ……」

 

「ん?」

 

「肌、……すべすべだな」

 

「……バカ。エッチ」

 

そう言いながらも、まんざらでもなさそうに操は言う。

 

他人を洗う事なんて、はじめてかもしれない。

男吾は力加減を調節しながら、失敗しないように肩や手も洗う。

 

「あ、男吾」

 

「おう」

 

「アタシも、前はいいから」

 

ぼっ。

思わず想像してしまって、男吾は真っ赤になる。──もう何回目だ?

 

「わ、わかった」

 

一通り洗い終えて、男吾は操の体にお湯をかける。

 

「えっと……髪はいいのか?」

 

このあたりはさっぱりわからないので、男吾は聞く。

 

「んー、アタシが洗うと長くなっちゃうから、いいよ」

 

「……そうか」

 

「じゃ、男吾」

 

そっと男吾の手を取る。

 

「一緒に湯船に浸かろ?」

 

どきん。心臓がちょっとバクハツしかけた。

 

「お、おう」

 

 

 

ふたり、ざぶーんと湯船に入る。

 

「あー、気持ちいい……」

 

さんざん運動したあとだけに、男吾は全身の疲れが取れるのを感じる。

 

「貸し切りだと、気持ちいいね」

 

横で操がつぶやく。

 

──と、よいしょ、と、操が動く。

男吾のももの上に。「だっこ」状態だ。

 

「み、操?」

 

「重い? そんなコトないと思うんだけどな」

 

いや、問題はそこじゃないんだが。

 

「いや、重くない……」

 

とっさにうまい言葉が出てこない。

 

「そう、……よかった」

 

そう言って、操はさらに男吾の体に自分の体を預ける。

 

 

うう。ももの上には操のおしりが乗っている。

目の前には操の髪──いい匂いがする──ああもう! どうしろというんだ!

 

負けた。目の前の欲望に負けた。

男吾はそっと操の体の前に手を回して、抱きしめる。

 

「あはっ」

 

操が笑う。

 

「うれしい……男吾の方から抱きしめてくれた……」

 

男吾はくらくらする頭で、必死に言葉を考える。

 

「そんなに、うれしいのか……?」

 

「当たり前だよ」

 

言って、操は男吾の手を大事そうに抱え込む。

 

「惚れた相手に、こんな風にされたら、誰だってうれしいよ……」

 

 

 

もうダメだ。

男吾は自分の欲望がむくむくと起き上がってくるのを感じる。

 

欲望は脳から発せられて、胴体をゆっくり降りると股間で熱を帯びる。

むくりと、欲望は形を持って立ち上がる。

 

「あ」

 

その動きに気付いて、操は声を上げる。

 

「したくなっちゃった……?」

 

「……おう」

 

今さら隠しても仕方ない。

正直に男吾は言った。

 

「うん。……アタシもね、実はさっきから……」

 

どくん。

またひとつ、心臓が鐘を鳴らす。

 

 

 

 

 

操の巻いていたバスタオルをタイルの上に敷くと、男吾は操をゆっくりと横たえた。

そのまま、ゆっくりと顔を重ねる。

 

互いの口唇が相手を求めてこすれあう。

肉と肉。

そこだけが神経がむき出しになったように敏感になっている。

たまらずに舌を挿し入れる。それを舌が同じく迎え撃つ。

 

「はむ……」

「んん……」

 

互いに相手の息づかいを感じながら、夢中になって、貪りあう。

唾液と唾液が混ざり合い、信じられないほどの極上の甘露になる。

 

「ね、男吾……」

 

熱い声。

うっとりとした瞳で操が声をかける。

 

「ちょうだい……男吾がほしいの……」

 

「ああ、俺も、操がほしい……」

 

 

 

くちゅり。

すでに充分に操は濡れていた。

 

そっと男吾自身を押し当てると、それほど力を入れていないのに操自身がくわえこむ。

何度も結ばれた相手を覚えているのか。

 

「ふ、あ、あああ……」

 

ずず、と男吾が腰を進めると、それに応えるように操の嬌声が上がる。

こつん。

操の一番奥──子宮口に男吾の先端がいきつく。

 

「あっ!」

 

ぴくんと操が跳ねる。

 

「……操?」

 

「──やだ、今の……気持ちいい……」

 

そう言いながら、操の中は男吾をさらに奥に引き込もうとうねくりまきこむ。

 

「そうか」

 

ゆっくりと、男吾は腰を引くと、再び一番奥に向けて腰を突き出す。

 

「あっ!!」

 

さらに高い声で、操が、応える。

 

「男吾ぉ……」

 

そっと操の両手が男吾の頭を抱え込む。

そのまま頭を引き寄せると激しい口づけをはじめた。

 

 

「あむ……」

「あん……」

 

ずっ、ずっ。

 

口づけを交わしながらも、男吾の動きは止まらない。

 

「──操」

 

「ん……」

 

「ちょっと激しくするぞ」

 

「うん……来て……」

 

 

ぬるり。ずっ。ずずっ。

ずっ! ずっ! ずっ!

 

 

「はぁっ! はぁっ!」

「ああっ! あんっ!」

 

肉と肉がぶつかる音が響く。

粘膜が絡まり、ふたりの秘所に摩擦を送り込む。

 

ぱんっ! ぱん! ぱん!

 

「男吾! 男吾っ!」

 

「あっ! 操ッ!」

 

「男吾ぉ! すき! ……すき! すきぃ!」

 

「操っ! 俺も……すきだ! みさおっ!」

 

「ああ、ああーっ!」

 

 

ぎりぎり。

急速に操の中が締まる。

一気に快感の波が来る。怒濤のように押し寄せる津波だ。

 

男吾も堪えられなくなる。

 

「いっちゃう! 男吾! アタシ! いっちゃうー!」

「みさお! みさおーっ!」

 

 

 

どくんっ!

 

 

快楽を解放する。

ぎゅーっと操が男吾を締め付ける。

 

びくん、びくんと男吾自身は震えながら性を放出する。

操自身がそれを受け入れ、飲み込もうと淫猥な動きを繰り返す。

 

 

 

快感は甘く、数分の間ふたりは繋がったまま熱い息を繰り返していた。

 

「……はぁ、なんか、すごかった……」

 

「オレも……」

 

「入りなおそ、湯冷めしちゃう」

 

操が動くと、ゆっくりと男吾自身がずるりと音を立てて抜け落ちた。

 

 

 

「ふふーん♪」

 

操の部屋。

 

「晩ご飯まで一緒にいてよ」という操の頼みに断り切れず、操の部屋に呼ばれたのは

いいのだが。

 

ベッドに腰掛けた男吾のひざの上に操の頭があった。

いわゆるひざまくらだ。

操はご満悦の表情で鼻歌など唄っている。

 

他人に見られたら恥ずかしいことこの上ない。男子たるもの遠慮したい男吾だが、

操のうれしそうな表情を見るとついつい許可してしまった。

 

「……あのさ」

 

男吾が聞いた。

 

「何?」

 

「フツー、寮長ってみんなが帰らないと自分が帰れないんじゃないのか?」

 

「ああ、アタシが追い出したから」

 

「はァ?」

 

「みんながいなくならないと、こんなコトできないでしょう?」

 

当たり前のように操は言う。

 

「オマエって……けっこうムチャするやつだったんだな」

 

あきれ顔で、男吾。

と。

操は勢いよく体を起こすと、男吾に口づけた。

 

「ふふん♪ こんな時間のためだったら、なんだってするわよ?」

 

 

 

 

 

 

 

おしまい。

 

 

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