第一章 目覚め
彼女が浮かぶ培養槽から音がする。
待ちわびた……っ! やっと
目覚めてくれたのかっ!!
ガラス張りを突き破って、培養液と共に
艶やかな白く輝いた裸身をさらし
床へ落ちる。わたしはすぐ駆け寄り
タオルに彼女を包みソファへ移した。
「ん~」
「おはよう
「エレン?」
おっとマズイマズイ。まだ、今、
ごまかさなくては。
「はじめましてレイン」
「なんで、あたしの名前知ってんのさ」
「わたしはチキン・ジョージ二世──
きみの担当医で保護者だ」
「とさかスゴイ~」
流石だ。名前よりもとさかに興味が向いた。
わたしの顔を見ても動揺しない……
二百年前なら『ニワトリの頭を持つ人型の
バケモノ』扱いされてるハズなのに
受け入れてしまったのか。
それなら、すぐ、本題に入ろう。
「落ち着いて聞いてほしい」
「うん」
「今はA.C.0047──きみは二百年ちかく
眠っていたんだよ」
切れ長のつぶらな大きい眼で、首を
傾げてる。まぁ想定内の反応っ。
わたしは言葉を続けていく。
「へぇー」
「人類はお互いを争い最終的には、核によって
滅んだが……変わりに」
「我々、進化した動物である
「ふーん」
「それと、ここは〈新ベイカー共和国〉かつて
東京だった場所さ」
「マジで!?」
垂れる重い銀色の前髪ごと飛び上がった。
驚く箇所がズレているのも、彼女らしい。
わたしはカーテンを開けて、外の風景を見せる。
きらやかに輝く〈淫獣☆マウンテンブリッジ〉
というネオンや派手な格好した
ヒョウやキツネ娼婦が、街角で客引きする
場所“ネオ・ストリップ地区”の風景は
相変わらず低俗だ。
彼女は窓から見える光景にくぎ付け!
この間に服と食事を用意しておこう。
「服あんがと~」異様に白い肌と
フィットする黒柄ボンテージ、満月のように
丸い両胸の谷間を晒し、すらりとした体型は
彼女の魅力をさらに高めている。
わたしは二百年前から保存していた
フード付き赤いコートを背後から
両肩へかける。
「あんがと」太陽の陽射しなど比べる
屁でもないほどの笑顔。これだ。
わたしは……オレは……この顔を見るために
すべて捧げたんだ!
「ウマイわ~何かよく分からんけど」
「それは疑似肉だよ、肉食種向けの。
きみの身体に反応するアレルギー物質
である動物性油や魚介類などは含まれてない」
「んじゃ、大豆とかっで作っとんのコレ」
「100%大豆のハンバーグ……
この世界で食材として許されてるのは
卵と乳製品に、ビッグ・バクズのみだよ」
「へぇー昔なら
感じやね」
「
人間と大差がなくなったビースト界じゃ、
一部を
「ふーん」
〈ビッグ・バクズ〉のつっこみがなかった。
きっと見たことないからスルーしたんだな。
大豆バーグを食べ終えたら
外で彼女と必要品を買いに出かけるとしよう。
『 BEAST COMPLEX』サイコー
一話目から世界観が……
レインの描写が妙に詳細で吐きそうです。