※この作品はR-18です。

来来来来来来来来来来   作:アンデッド

3 / 8
第一章 目覚め 2

ハンティング・ナイフの原型でもボウイを

砥石で必要以上に磨ぐ彼女。 

 

 

彼女は「“MK-8ボウイナイフ”の手入れちゃんと

してくれたんやね」そう、いとおしく長さ8インチの

ボウイスタイルの両刃を持つナイフを見つめる。

 

喜んでくれてなりよりだ。

 

 

 

彼女と路上で下品なマネする雌たちの間を

横切っていく。

 

 

「おにいさん~安くするわよ」

 

「イイことしない~」

 

「絶頂! イクイクイクイクイクイクイクッ!」

 

 

「Wow……これはキョーレツやね」

 

彼女も苦笑いしている。すまない、もう少し

居住場所を考えるべきだった。

 

狭い路地を抜けた先に〈天才探偵の弟子☆Mitsuhiko

相談所 人探しや未解決事件の待ってます〉

というふざけた看板を掲げたドア。

 

彼女は一秒間にインターホンを百連打して

探偵を呼び出す。  

 

 

「誰だっ!」

 

「依頼人や」

 

怒号をあげ飛び出す雄のジャイアント・パンダ

に真顔でそう言った。「どうぞ博士、

レ(・)イ(・)ン(・)さん」ばつの悪そうなパンダは

おとなしくわたし達を中へ招きいれた。

 

彼と旧知のなかで、きっと

わたしが来た目的を察したのだろう。

 

「笹茶でも──」

 

 

「スッースッー」

 

 

事務所の台所で笹茶を焙煎しようとしたパンダ。

だが、彼女はカウンターの上に粉を集め、

棚からせしめたストローで鼻から一気に

吸い込む“スニッフィング”をやった。

 

「ビールもらうね」

 

「全部、持って帰ってもかまいませんよ」

 

「あんがと。でも一缶でダイジョブ」

 

それから冷蔵庫を自然にあさり、わたしが

座るソファーの隣へ腰をおろしビールを

あおっていく。

 

「ヒュー再会の一杯は最高やね光(・)彦(・)く(・)ん(・)」

 

「気づいてらしたんですか?」

 

「もちろんや。少(・)年(・)探(・)偵(・)団(・)メンバーの

声は絶対に忘れへん」

 

 

やはりそうかっ! 流石だ。気づいた上で

厚かましい行動していたんだな。

 

いくら姿かえても……声やしゃべり方まで

完璧に変わるワケではない。

   

強面で粗野な岩石を積み立てような筋骨隆々の

ジャイアント・パンダになろうとも

『探偵団の頭脳No.3』だった円谷 光彦としての

ゴースト(魂)は消えたりはしないのだ。

 

 

「ご用はなんでしょうか。灰原さんの件ですか?

それともコナン君やお母さまの……」

 

「まぁ~それもあるやんけど、チキン・ジョージ

博士がなんか用件あるらしいで」

 

「そうだ、円谷くん。預けていたモノを

出してもらえないだろうか」

 

「少しお待ちを」

 

 

円谷くんは砂漠色するズボンのポケットから

鍵を取り出す。小走りで台所へ向かい、床下を

開ける。そこからアンティーク木製のケースと

革製トランクを上へあげた。二つを

抱えて卓(テーブル)に置く。

 

「どうぞ」二百年の眠りから同時に放たれる

彼女の得物。ケースのほうにはダークグレー・

グリップ、レールドフレーム、3ホールトリガー

を備えたキンバー社製のカスタム1911である

米海兵隊の特殊部隊が暫定的に採用した

カスタムガンこと〈ICQBピストル〉を

トレースしたウォーリア。母親から

譲りうけ長い間、愛用してきた45口径拳銃を

スライド(遊底)を前後に動かし

彼女はバックサイド・ホルスターを

円谷くんから受け取り、装着。KW(キンバー・

ウォーリア)入れる。だが、弾がはいってない

ことに気づき、卓において次の得物へ

手を伸ばす。

 

H&K社製ハンドガンの小型(コンパクト)

バージョン、USP。正式名称は汎用自動拳銃(Universal Selfloading Pistol)という十種類近いメカニズム・バリエーションが

用意された法執行機関向けの拳銃。彼女が

実戦用としてメインに持ち歩いてるものだ。

 

次は二つで一対。象牙製のグリップに髑髏と

二本のカトラスの装飾を埋め込んだ

グロック社のハンドガン、合成樹脂

(プラスチック)で製造された

ポリマー・フレームが特徴の17。

バレルを六インチ、スライドも一インチ延長した

シルバー・カラーモデル。 

 

どうやら母親が使ってるUSPの発展型の

が採用するSOCOM(アメリカ特殊作戦軍)

H&K社製大型ハンドガン、Mk.23カスタム

“ソード・カトラス”を元にしてるそうだ。  

 

最後は……

 

 

「久しぶりお(・)じ(・)さ(・)ん(・)」フルコンシール

──スライドとグリップ(銃把)の間を

折り畳めるフレームのグロック22。

セミ/フルオートの切り替え用レバー付きの

特別版。彼女が実の叔父みたいに慕った

人物の遺品らしく、とても大切な得物っ。

 

ショルダー・ホルスターを両脇に吊るし

円谷くんが用意した45ACP、.50AE、5.56x45mm

弾 などを弾倉へ装填していく。わたしは

手伝いながら「この世界での貨幣取引は

9mmや.357マグナム弾やダイヤモンド、金貨

だ。細かくはのちに実際みせよう」と

通貨について話した。

 

 

彼女は「オモロイやん。まるで核戦争後の

ロシア地下道でサバイブするゲームみたいや」

わたしの言葉に微笑んだ。そうだ……ホントに

 

 

あぎゃあぁあああぁああと耳障りな悲鳴が、

穏やかなひと時をぶち壊した。

 

 

 

 




銃器や弾薬などの型番や口径はすべて
ローマ字表記にします。

ナイフも同様です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。