※この作品はR-18です。

来来来来来来来来来来   作:アンデッド

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第一章 目覚め3

 やかましい雄のクロヒョウの悲鳴。

期待してない惨劇に、わくわくする彼女を

よそに円谷くんとわたしは準備をはじめた。

 

新ベイカー共和国の法律に『自分の身は

自分でまもれ』と記されている。だから

やるしかないのだ。はやくしなければ……

感染が拡大してしまうっ。

 

「博士、これを使ってください」円谷くんは

マーリン社のボルトアクション・ライフル、

M983を渡してきた。わたしは護身用に持ち歩く

ローム社の安物リボルバー、RG-66のシリンダーを

横に振りだす。454カスール弾が六発ほど

装填してあるを確認した。

 

「あたしにもなんかちょうだいや」

円谷くんは、彼女にねだられてモデル12こと

ウィンチェスター社のハンマー内蔵式ポンプ

アクション・ショットガン、M1912を貸す。

10ゲージ(10番)の大型動物猟用

“ドア・ブリーチ”弾(スラッグとも)を受け取り、

彼女は飛びはねながらドアを蹴り開けて

外へ飛び出す。折りたたみストック付き

レミントン社の870ショットガンを握る

円谷くんとわたしも後を追う。

 

「あぁ゛ぁ゛ああ゛ぁ゛ぁ゛ぁああ゛ぁ゛ぁあ゛ぁ゛

っっ゛」

 

 

「Wow~あらぶってるんやん」

 

 大通りはまさに死屍累々だった。

 

赤柄のボンテージ姿した雌のヒョウが、

ヤギと羊にむしゃぶりつかれている。

 

 

「うびっ?」眼球が突出して、黒目の割合が

小さくなった目で赤い腸を咥えたまま、振り向く

前に頭を四散させた。

 

 

「どんとこい!」どうやら、彼女の喜びのツボを

刺激したらしい。血の海と化す路上を

スキップしながら、フォアエンド(先台)を

コッキングさせている。

 

 ためらう様子もなく引き金を絞る彼女。

弾が切れたら、M12を逆さにして

シャッシャッと一瞬で弾倉チューブへ押し込む。

やり慣れているのだろう。8番の散弾を二発ずつ

直列に握っている。リズミカルに頭蓋骨と

脳味噌を粉砕していく。

 

 

「あぶないですよ」円谷くんもS&W社のマグナム・

リボルバー、4インチの腐食に対する耐性を持つ

ステンレススチール製M629を抜き撃つ。

さすが私立探偵、修羅場なれしているっ。

 

 

わたしと円谷くんも彼女が仕留めそびれた

感染者を処理する。

 

いつの間にやら動くモノが居なくなった

表通りに、

 

 

「動くな! AOPE(アニマル特殊警察大隊)だ!!」

 

 

 どうやらベイカー共和国の

特殊武装戦術部隊まで呼び寄せる大騒ぎに

なってしまったようだ。ベレー帽を

かぶる雄のドールビッグホーンが近づき……

 

「レインちゃん?」

 

「あっ、ロム兄ちゃん」

 

 

誰か知らないが、二百年前の知り合いのようだ。

 

「おかあさん、どこ? お姉ちゃんは?」

 

「いやっ──」

 

「言い淀んでるつーなら、ツラ貸してよ。

この場を処理したあとにでエエから

バ(・)ー(・)ボ(・)ン(・)」

 

「了解しました“お嬢さま”」

 

目尻が下がっている水色の瞳には

動揺しつつ、喜びも感じられるっ。

 

〈バーボン〉か。どこかで聞いたことある

ように思うが……もしかしたら二百年前の

言葉かもしれないっ。後で“ログ”を確認しよう。

 

「ねぇーあたしにもマグナム買ってやー」

 

「もちろんだ風呂要らいん。選りすぐりの

最高級品を買ってあげよう」

 

「ウェーイ」

 

〈感染者インセイン〉を容赦なく虐殺しても

罪悪感を抱かないとは……さすがの

生まれながらの人殺し(Natural Born Killer)。

 

 

さて──ドールビッグホーンに

後始末をまかせて、わたしたちは買い物へ

向かおう。彼女の一級マグナム・

リボルバーを見つけるために。

 

 

 

 

 

 




次は、母親回です。
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