第二章 サスティナブル・ポーチング
A.C.0047 00614
いや~今日もバイク・ツーリング日和だね。
天気は快調、雲一つもない荒野の大地……
『シンジ』
「どうしたのシュウちゃん」
『十メートル先のほうで
「じゃ~ビールとウォッカが温くなるまえに
仕留めちゃえ」
『あまりムチャを──』
「努力しますぅ」
二百年いっしょに居るダンナさま、
赤井秀一ことシュウちゃん。
オルタナ(錠剤型の代替現実)越しに会話しても
どきどきしちゃうね。容姿も緑の瞳と目の下
クマが特徴の短いオールバックした伊達
イギリス人。
「キャッホー!!!!」荒れた大地に爆音ひびかせて
猛スピードで走り出す。遠くから
愛用大型ロード・バイク“シェリル”を、雷を
帯ながらウィリーさせた。
「おいっ!? 目のまっ」ボクは重機関銃の
ブローニング M1917を搭載した
そのままNJ(ノマド・ジャッカルズ)たちの
テクニカルを横転させる。
「んや~
秩序と金融が崩壊して二百年。産業としての
戦争じゃなく“産業としての密猟”が
社会の一部として維持されている……戦争行為
ならび生活を確立するための〈
進化して擬人化の肉食獣と草食獣たちが
大多数を占める社会でそんなこと
起きてるんだから、おもしろすぎる。
「あんた……まさか」
「どうも、はじめまして。デスペラード社から
出兵してきました“ゴースト・ナイン”隊長
碇シンジでございます~」
「なんでサザエさんのモノマネ……」
「ブンちゃん、大丈夫」
暑さが原因かな~ブンちゃんの額にある
コブが日焼けしてる。ハンヴィーへ移動して
クーラー・ボックスを取り出す。冷えた
瓶ビールを投げる。ゴリラみたいな太い腕を
伸ばし毛深くないゴリラの手でつかんだ。
ボクもウォッカの栓を親指で飛ばし、
一気に飲む。ひゅ~キンキン!
「こ、この」スカジャン着たコヨーテ(たぶんオス)
が背中に手を回し拳銃だしかけたから、瓶で
殴り付けといた。
「ぎゃああぁあっ!!!!」顔をおさえて
のたうち回るコヨーテに腰掛け、とりあえず
転がったベレッタ92FS(45口径カスタム)を拾い
マガジンを抜きスライドと薬室の弾薬も
取り除く。
「君らはキャプテン・クックという
でこ広の水色な瞳する男性テールなんだけど」
「ウワサじゃ……」
アメリカン・フットボールのヘルメットを
被った雄のイヌワシが、青ざめた顔して
背後を指差す。確か〈レッド・ドラッグストア〉
がある方向だった。
「こいつら、どうすんだよーシンジ」
ブンちゃんの言葉に不安げな顔で、
ダンナさまがこっちを見つめてくる。
大丈夫だよシュウちゃん。
「えっ!?」
一撃で殺すから。白色に輝くニッケル製
へこみ溝のない円柱(ノンフルート)に、
肉厚の太いブルバレルとその下に
アンダーウェイトが特徴的な高級リボルバー、
“リアル・シルバー・サーペント”で三匹の脳幹を
ミンチした。フィンガー・チャネルの
木製グリップって、本当にぎりやすい。
.500S&Wマグナム弾だから顔は大孔
(後頭骨 に位置する大きな開口)できちゃったね。
「じゃ~次はドラッグ・ストアへ行こう」
口をあんぐりとするシュウちゃんは
苦笑いしながら、ハンヴィーへ乗り
並走して走り出す。
さぁ~とっと〈獣麻薬〉製造人を
確保しちゃえ。
シンジが使うリアル・シルバー・サーペントは
コルト・ダイアモンドバックを元にしてます。