シェリルを走らせて二○○キロ先に
薬局〈レッド・ドラッグストア〉があった。
ほぼ大規模小売店(スーパー,SM)と変わらない
広さを誇ってるカンジだね。
「オルタ」
『どうしたんじゃ』
「偵察ドローン飛ばしてくんない? 広すぎて
人数把握するのがメンドイから」
『やれやれゾイ』
外から見た感じだと三~二○匹ぐらい
居そうだ。でも……なんだろう。
なんかデカイと懐かしい気配がする。
『来たゾっ』翔んできたドローンがいきなり
爆発した。
戦車的なヤツが控えてんだ。
『ハッハッハッハッハッハッハ、
来やがれ賊軍ども! この“エイブラムス”で
返り討ちにしてやるぜ!!』
おおっ~骨董品の戦後第3世代主力戦車、
M1Aエイブラムスじゃん。ラインメタル
120 mm L44(日本語だと44口径120mm滑腔砲
M256)搭載した使用変更の改良版。
期待してなかったけど──
「ゾクゾクするねぇ」砲弾がボクの悦びを
祝福するみたく、黄色い光が閃いた。
破片が降り注ぐなかで駆け出しエイブラムスへ
体当たりした。
『なんだっ!!!!!!!!』
騒ぎを聞きつけ集まる
骨董品的なアメリカ主力戦車へ殴りかかる。
めんどくさいから主砲を引きちぎり、弾道が
暴発するようにした。出入扉に太い
鉄のストローをぐりぐりしたらうめき声と
赤い水が噴射。
車体が後ろへ動き、ひび割れたアスファルトの
地面へ進みボクごと落下した。
「アイテテ……」
「こ、このアマ」特殊部隊用次世代突撃銃
(二百年前だけど)FNSCAR-Lを構える雄の
ピューマ。やべっ、5.56mm×45弾だ。
わりとイタイぞ。
「うげっ!?」背後から手錠の鎖が、ピューマの
気道を締め上げた。抵抗する肉食獣に
ボクは足首からバタフライ・ナイフを抜き
眉間に投げつけた。雑にピューマを捨て
落ちた突撃銃を拾おうとするから
「待って」
H&K P30Lを構え制止してみた。
「シンジっ!?」このカッコつけた
渋い声はまさか──
「ジンくん……」
目の前に居る手足を鎖で繋がれたポン中の
動物向け合成麻薬〈ブルー・クリスタル〉
製造人のキャプテン・クックであり、
初恋の相手だったジンくん。その人が
目の前にいる。ビックリしすぎて
お尻から焼きそば出てきそうな気がしちょう。
死んだと思ってた。いやっ、
あれも計画の内だったんだね“母さん”。
「武器をおろしたまえ」
「なんだテメーら!」
「やめろブンヤ。彼らは
「察しがいい、さすがは元
「なんで……デルタがいやがンだよ」
近所迷惑なローター音が聞こえたと
思えば、どうやら母さんのつかいみたいだ。
よし~
「シメちゃえ」
「おっ、おい」
ちょうどハシゴみたく後ろから落ちた
戦車を登り、体の筋肉を強調する全身が
緑タイツ、タクティカル・ゴーグルと
超高分子量ポリエチレン素材の戦闘用ヘルメット
ECH被ったデルタ隊員を殴り倒した。
そのまま黒スーツに、サングラスかけた
キモい声する誰かさんの胸ぐらつかみ
頭を激しく揺すりながら往復殴打やってみた。
鼻が潰れ、前歯が吹き飛んだ四十発目のときに
「落ち着きなさいシンジ」と柔らかい手で
掴まれた。甘く艶かしいきき憶えがある声。
「あっ、ベルモット叔母さん」
「今は社長と呼びなさい」
「ウッス」
デスペラードの社長で、ボクたちの上司に
なってくれてるシャロン叔母さん。ボクの
ママと母さんとは長年の親友でもある
ベルモット叔母さん。本名はシャロン・
ヴィンヤードって言うらしく、ハリウッドの
大女優も兼ね合いしてんだって。
「久しぶりだな……ベルモット」
「やっぱりココに居たのねジン。ずいぶん
みすぼらしくなったじゃない」
「なんだと──」
マズイマズイマズイ。
「ジンくん」
「どう……ゴルフっ!?」
とりあえずジンくんを殴り倒し、
気絶させといた。たぶんだけども
目的地で母さんから細かい話は聞けるだろうし。
「早くヘリ乗ろうよ。きっと、色んなことは
母さんが説明してくれるだろうから」
「あ、ああっ」
「ジョン、早く立ちなさい。お嬢様は
短気だから、待たせたら次は首を折られるわよ」
「わひゃりまひた」
顔面が風船みたく腫れ上がったジョンさんは
指揮と統制システム (C2) を備える
UH-60C“ステルス・ブラックホーク”の
スライド・ドアを開けてくれた。
うーん、疲れた。なんだかワクワクしちゃう。
こんなの
した時以来かもしれない。
エヴァ化した父さんと殴り合い……
『シン・エヴァンゲリヲン』参照。
シンジのなんだか狂気染みてる部分と
おちゃらけた感じの真相は、打ちきなければ
書くつもりです。
後、実在の特殊部隊の名称もそのまま
出てきます。たまにビミョーに名称が違うのも
たまに出ます。