ストリップ地区から九○キロ先にある
集団墓地。
「一人の気配が無いとき、誰かおんねん」
錠剤型ウェアラブル・コンピューター(着用出来る
コンピュータ)を視覚および脳内で様々な情報を
映し出すことが出来るオルタナを服用、
四つ目レンズのTNVC L4V70 ナイトビジョン
(暗視鏡)装着して墓地へおりる。
壁にはかつて地球の支配者層〈人間〉の
頭蓋骨で埋めつくされていた。
「意外と……汚ねぇわ」彼女は、埃を
手ではらう。わたしと円谷くんは
ナイトビジョンを付けていないのに先行する
彼女のあとへ続くっ。「待って。音がしたわ」
正面にみえた木製の大門。後ろから
鉄製の何か石床へ落ちる音がきこえた。
「ひゃひゃひゃひゃひううううううううううっっっっっっっ!!!!!!!!」
「ハイハイ~皆さん、状況開始ですよー」
瞳孔を異常に開き、充血させた土気色の
顔する草食と肉食獣たちが押し寄せてくるっ。
彼女はAKMではなくH&K社製サブ・マシンガン
MP5の民間モデル、銃身の保護と射出圧の整流
効果がある〈シュラウド・バレル〉付き
HK94A3で正確に、頭へ弾丸を叩きこむ。
連射しながら、ゆっくり後退するなかで
突出し燭台にある松明を確認した瞬間
「ナイトビジョンを外しッ!?」彼女が
声をあげた。
暗視鏡を取ると、同時にまばゆい閃光が
周囲を包む。ワナかっ!!
「退却せい。時間は稼ぐ」
「レインさんは?」
「隊長や、残るに決まっとるやろ」
そう微笑み、彼女はバック・パックからAKMを
抜き撃つ。連続的な爆音と共にインセイン
感染者が血肉と化していく。
「はやくこっちへ来なさい!」可愛いらしくも
冷静な声が聞こえる。その方向へ
わたし達は転がりこんだ。
「相変わらず派手にやるわね……レイン」
「おっ、おりょりょ????????????」
ドアの前に収納箱を置く涼しく刺すような
美貌を放つ若い女性テール。紫の切り揃える
ボブカットな髪、明るい黄色のトップスと
ホット・パンツ姿しているのは
さすが、彼女のお姉さんだっ。
「おねえちゃん!!」最愛の姉に抱きつく彼女。
優しげにほのかな笑みで見下ろすお姉さんは
わたし達に視線を向ける。
「久しぶりね円谷くん」
「灰原さん……」
「今は
唇を噛みしめ涙を抑える円谷くんと
『宮野』と名乗るお姉さんを交互に見る
彼女は、わたしの手を引き紹介してくれた。
「おねえちゃん。このイカすトサカメンが
──」
「
「へっ」
「貴方、エレン・イェーガーでしょ」
わたし……いやっオレは──
「レイン」改めてオレは名を呼ぶ。
一億八千二百年は長い。やっと解除されたんだ。
記憶の鍵が……
困惑するレイン。当たり前だ、死んだハズの
やつがニワトリ顔になって現れたら
驚いちまうよな。
「ホントに……」目元を震わせて
こっちを見つめるレイン。「もちろんだ
風呂要らいん。オレはエレン・イェーガー」
「
一億八千二百年前から愛してやがる。