※この作品はR-18です。

スーパーヒロインと俺 R   作:はいのき

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3話 検査

「本当なんですか、天雷さん」

 

 いつものように治療に訪れた天雷さんが来たある日の朝、何気なく天雷さんが放った言葉が信じられなくて俺は反射的に聞き返した。

 

「あぁ、間違いない。検査の結果、キミは過度に自慰行為をしている能力者と同程度のスピードで能力が減少していることがわかった」

 

 動揺している俺に対して天雷さんは冷静に言い放つ。

 

 俺はそんな天雷さんの様子からこれは冗談ではなく、本当の事なんだとようやく頭の中に染み込んできて、ショックから視界がグニャリと歪んでいくのを感じた。

 

「気を確かに持て御酒仁(ごしゅじん)。言いづらいことかもしれないが、何か心当たりはないか?」

 

 気遣うような優しい声色で問いかける天雷さんの言葉に、力なく首を振る。

 

 能力が無くなったら能力一筋で生きてきた俺は簡単に露頭に迷うことになるし、特級ならワンチャンでヒーローへの道が残っているかもしれないと、射精のペースに関してはかなり気を付けてきたつもりだ。

 

「ここ数年は月一どころか二ヵ月に一回くらいの頻度でしか自慰をしてこなかったので、何も問題ないはずなんですけど……。それに去年の定期検査でも問題なかったですし」

 

 個人的にはもっと長くてもいいのだが、それ以下の頻度にすると夢精したことがあったので数年前からこのペースを保っている。

 

「嘘は…ついていないようだな。わかった。今から精密検査に行くぞ。既に知り合いに話はつけてある」

「えっ、今からですか?」

「そうだ。私も付いていってやるから心配するな」

 

 いや、そうじゃなくてもっと心の整理をつけてからというか。精密検査を受けてしまったら現実を受け入れざるをえないからまだ心の準備が……。

 

 そんな気持ちを込めて天雷さんを見つめたものの、彼女はこちらを見て不思議そうに首を傾げるだけで、まるで気持ちは伝わっていないようだった。

 

「どうした? 行くぞ。」

「はい…」

 

 天雷さんことだからどうせ何を言っても連れて行くんだろうな。

 そう思った俺は力なく頷き、天雷さんと一緒に彼女の知り合いがいるという能力者の研究所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの天雷さん。もう大丈夫なので、降ろしてもらってもいいですか?」

 

 二時間後、電車に揺られて東京郊外に着いたと思ったらいきなり山を登らされ、気が付いたら俺は天雷さんにおんぶしてもらっていた。

 

「駄目だ。キミのペースに合わせていたら日が暮れてしまう」

「それは、そうですけど…」

「わかっているなら口を閉じていた方がいい。舌を噛むぞ」

 

 そう言って天雷さんは、さらにスピードを加速させる。遠くにあったと思った木々があっという間に後ろに流れていき、天雷さんは道なき道をもの凄いスピードで駆け上っていく。

 

 周囲が木々ばかりで視界が限られているというのもあるかもしれないが、スピード感は高速道路で最高速度まで飛ばしている車くらいありそうだ。

 

 能力者なら誰しもが使える身体強化能力を使っているので意外と余裕はあるけど、非能力者なら一瞬で振り落とされてしまうだろうな。

 

 たまに飛んでくる虫も、近づき次第容赦なく天雷さんが能力を使って撃墜していくので、激しい揺れさえ無ければ意外に快適だ。

 

 だけど悲しいことに男の性か先ほどから天雷さんの身体の感触とか髪から漂ってくる甘く爽やかな花のような匂いのせいで、下腹部のモノがとても元気になってしまっている。

 揺れる度に天雷さんの背中にギュっと愚息が押し付けられる形になるので、快感もあるのだが地味に痛い。

 

 天雷さんも気づいているはずなんだけど、何も言わないのでこちらからも言い出しづらく、俺は時折見える登山道を横目に見ながら何故そっちを通らないのかと疑念を抱きつつ、山頂にあるという研究所に着くまで天国と地獄を同時に味わう羽目になった。

 

 

 

「着いたぞ。ここが研究所だ。ここに私の知己(チキ)である研究者がいるから、そいつに検査してもらうつもりだ」

 

 天雷さんは目の前の五階か六階くらいはありそうな、学校のような見た目をした白塗りの建物を指さしながら説明する。

 

「わかりました。あの…そろそろ降ろしてもらってもいいですか?」

「なんだ、もう私の身体の感触を楽しまなくていいのか? 先ほどから硬いものを私の背中に押し付けているだろう」

 

 天雷さんは、俺の方を見て少し意地の悪い微笑みを浮かべながら言う。

 

「これはその、生理現象というか男なら誰しもがこうなるというか…すみません」

「冗談だ。気にするな。だがもし出そうならすぐに私に言ってくれ。貴重な精液だ、一滴残らず飲まないと勿体ないからな」

「いやいや、ただでさえ能力下がってるんですから、原因が分かるまでは流石に我慢しますよ」

 

 だから不自然に体を揺するのは止めてくれ、と思いながら少し名残惜しい気もするが天雷さんの背中から降りる。

 

 その後、建物の入り口に立っている能力者と思わしき二名の女性守衛から身体検査を受けた後、俺は天雷さんの案内のもと見た目に反して、思ったより複雑な構造をしている研究所内を移動する。

 

「この部屋だ。検査を担当するのは私の知り合いだから気を使う必要はない。いやむしろ使わなくていい。ちょっと変わった奴だからな」

 

 そう言う天雷さんの表情はどこか苦々しい。

 

 何か因縁でもあるのだろうか。少し気になった俺は天雷さんに質問を投げかけようとしたが、その前に天雷さんがセキュリティを解除しドアを開けるとズカズカと中へと入っていったので、俺は慌てて彼女の後に付いていく。

 

 部屋の中は思ったよりも広く、縦横二十メートルくらいの幅がある。しかしそのほとんどが見たことも無い機材や大型の機械で埋め尽くされている。

 

 入口のほど近い場所に一つだけ黒い天板の机が設置されていて、そこにはおそらく天雷さんの知り合いであろう黄緑色の髪をした女性が一人座っていた。

 

「千明(ちあき)。連れてきたぞ。この人が例の能力者の御酒仁 良太郎(ごしゅじん りょうたろう)だ」

 

 天雷さんが座っている女性に近づくと、少しぶっきらぼうな口調で話しかけた。

 

 女性は天雷さんの声に気づいたのか、こちらに振り向くと青いフレームの眼鏡をクイっと上げ、天雷さんの方を見て軽く頷くと俺の方にチラっと目線をやってから立ち上がり、俺の目の前までやってきた。

 

 彼女の身長は見たところ俺と同じくらいで、研究者らしく恰好は白衣を着ていて隙間から黒いインナーとスカートがチラリと見える。

 

 胸は天雷さん程ではないが、中々に豊かで胸元がゆったりとした曲線を描いている。十分巨乳と言える範疇だろう。

 

 俺の方から見て左目が薄い青、右目が髪と同じ黄緑色のオッドアイの目で彼女は俺の全身を軽くチェックした後、彼女はニッコリと笑顔を浮かべてから口を開いた。

 

「どうも初めて、御酒仁さん。私は結解(けっかい) 千明(ちあき)と申します。いつも皐月(さつき)がお世話になっております」

「皐月?」

「天雷の名前ですよ」

「あっ、そうなんですか……。えっと、むしろ天雷さんにはいつもお世話になりっぱなしで…今日はよろしくお願いします」

 

 天雷さんの名前皐月っていうのか。そういえば教えてもらってなかったな。

 そんなことを考えながら天雷さんの方を見ると、少し気まずそうに咳払いをした。

 

「いくら本人が近くにいるからといってお世辞は必要ないんですよ? 雷竜乙女(サンダードラゴン・メイデン)が迷惑を掛けたら何時でも言ってください。私が叱りますから」

「サンダードラゴン・メイデン?」

「あら、こちらの方も教えてもらっていなかったんですか? 皐月の本当のヒーローネームですよ」

 

 本当に? と天雷さんの方を向くと、天雷さんは顔を真っ赤に染めてキョロキョロと意味もなく頭を動かしたりオロオロと手を動かすなどして、分かりやすく慌てふためいた様子を見せる。

 

「な、何を言っている! 私のヒーローネームは雷竜乙女(らいりゅうおとめ)だ!」

「はぁ……。それはあくまで俗称でしょう。いくら恥ずかしいからといって、ヒーローネームを偽るのは良くありませんよ」

 

 顔を真っ赤にして怒鳴る天雷さんを見て、呆れて窘めるような口調で言う結解(けっかい)さん。

 

「あの…でもテレビでは雷竜乙女(らいりゅうおとめ)って言われてますよね?」

 

 ふと思った疑問を結解さんに投げかける。

 

 俺の記憶が間違いでなければ、テレビではサンダードラゴン・メイデンなんてのは聞いたことがない。

 個人的には、雷竜乙女(らいりゅうおとめ)かサンダードラゴン・メイデンなら後者を押したいところだが。そっちの方が良いという理由ではなく、まだマシ的な意味で。

 

「おそらくテレビ局にはそう呼ぶように要求したんでしょうね。学生時代にヒーローネームを申請した時は間違いなく、サンダードラゴン・メイデンになっていましたから」

「それはお前がもっと格好いい読み方にした方が良いと言ったから…… と、とにかく! 今は私のヒーローネームなどどうでもいいだろう! さっさと御酒仁(ごしゅじん)の検査をしてくれ」

「強引なところは相変わらず変わっていませんね……。こんな人に狙わてしまって大変かと思いますが、頑張って生きて下さいね」

 

 結解(けっかい)さんはそう言って俺の手を力強く握る。

 

「は? それはどういう――」

「御酒仁! こいつの言うことに耳を貸す必要はない。さっさと検査に行くぞ!」

 

 天雷さんは頬をピンク色に染めやたらと熱い手で俺の手をぎゅっと握ると、戸惑う俺をドアの前まで引っ張るが、そこでビタっと立ち止まると踵を返して結解さんの前まで戻った。

 

「千明(ちあき)。早く検査をしてくれ」

 

「はぁ…。貴方と言う人は……わかりました。御酒仁(ごしゅじん)さん。検査は隣の部屋で行いますので、先にそちらの方に移動してもらえますか? 私は少しサンダード…… 皐月(さつき)と話がありますので」

 

 結解さんはメガネを外し目の間を揉みほぐしながら、部屋の奥にあるドアを指さした。

 

「あ、はい。わかりました」

 

 知り合いというよりは仲の良い友人みたいな感じだし、きっと積もる話でもあるんだろうな。

 どんな関係なんだろうかと思いながら、俺は結解さんの言葉に頷き、隣の部屋に移動する。

 

 隣の部屋は、さっきの部屋よりはすっきりしていて学校の教室ほどの広さの部屋にパソコンが数台と、恐らく検査に使うであろう大人一人が余裕で入れる大きさの長方形型のカプセルが部屋の中央に一台設置されていた。

 

 ここまでキッチリとした機械で検査してもらうのは、特級の診断を貰った時以来かもな。定期の能力検査の時は人数を捌くためかゲートタイプのものだし。

 

 ゲートタイプはこっちも手軽で楽なんだけど、精度が悪いのかよく再検査になるのが難点なんだよな。

 

 暇つぶしに機械をジロジロと観察していると、ようやく話が終わったのか部屋の中に二人が入ってきた。

 

「お待たせしました。それでは今から検査を行いますので、あちらのカプセルの中に入っていただいてよろしいですか? 服装はそのままで大丈夫です」

「わかりました」

 

 俺は結解さんの言葉に頷き、靴を脱いでからカプセルの中に入り横になる。

 

 人が入ったと機械が認識したのか自動でカプセルの扉が閉まり、ブゥンという重低音が耳に届いたと思ったら、カプセル内が優しい青色の光で満たされた。

 

「それでは少しジッとしてお待ちください」

 

 結解さんはカプセル内にいる俺に声をかけると、機械の傍にある端末を操作してスイッチを押す。

 

 スイッチが押されるとカプセル内の光が高速で流れ始め、それが数十秒ほど続いたあと光が停止し、カプセルの扉がゆっくりと開いた。

 

「…結果が出ました。前回の検査結果より若干ですが、能力の値が上昇してしますね」

「えっ、本当ですか!?」

 

 まさか俺を元気付けるための冗談とか?

 そう思って結解さんの顔を見るが至って真面目な表情だ。

 だが、成人を十年前に迎えている俺が今更能力が上がる何てことがあるのだろうか?

 

 人種性別関係なく成人を迎えると能力は上昇しなくなる。これは能力者なら誰しもが知っている事実だ。この定説が覆されたなんてニュースは怪しいネット広告以外見たことも聞いたこともない。

 

 そんな風に疑問に思っていると、表情に出ていたのか検査結果が書かれている紙を結解さんから手渡される。

 

 カプセル内から出て、紙に書かれている数値を見ると確かに、横に表記されている前回の検査の値より若干ではあるが能力が上昇していた。

 

「皐月(さつき)の検体の取り方が悪かった…という可能性も考えられなくはありませんが、いくら皐月でもそれはないでしょう。それに私の能力による解析でも、今この時も御酒仁さんの能力は微弱ながら上昇し続けているようですので」

「つまりどういうことなのだ。勿体ぶらず早く言え」

 

 天雷さんが少しムッとした表情で急かす。

 

「相変わらずせっかちですね。いくつか仮説はありますが、はっきりこれだというのはありません。そこで御酒仁さんに一つ協力をお願いしたいのですが」

「どんなことですか?」

 

 出来れば、痛いのとか疲れるのは勘弁してほしい。そんな願いを込めながら聞き返す。

 

「こほん…、今ここで射精して下さい」

 

 結解さんは少し頬を赤く染めて、軽く咳払いしながら言った。

 

「は?」

「失礼しました。正確には短時間で連続して射精して下さいませんか」

「…えっと、なぜそうすべきなのかが全く分からないんですけど……」

 

 理由はよくわからないけど、せっかく能力が上昇しているのにそんなことをしたら、また能力が下がってしまうかもしれない。

 

 そんな非難めいた気持ちを込めて結解さんに返事をかえす。

 

「結論から申し上げますと、御酒仁さんは他の能力者とは違い、射精するとが能力が上がる可能性があるからです」

「えっ、いくらなんでもそれは冗談ですよね?」

「冗談ではなく本当のことです。御酒仁さんの過去のデータを調べさせていただきましたが、能力者が受ける一年毎の定期検査で四~五年前までよく再検査を受けていましたね?」

「確かにそうですけど…」

 

 正確な年数は覚えていないが、結解さんの言う通り俺は他の能力者と違って、かなり再検査を受けていたことが多いように思う。

 

 だがそれは特級能力者故のことだとずっと思っていたのだが、もしかして違うのだろうか?

 

「データを確認したところ、再検査があった年はどれも検査日の一~二週間前以内に自慰行為をしていることが確認出来ています。どれもなぜか前回の検査結果より能力値が上昇しているとデータにも残っていますので、今回のケースも踏まえると御酒仁さんの場合は射精後に能力が上昇する可能性があります」

 

「でも今回は射精後の検体なのに、前回の定期検査時より能力がかなり下がってたんですよね。おかしくないですか?」

「それについてはさっき皐月から聞きましたが、ここ数年は自慰される間隔が随分と空いているみたいですね?」

「あ、はい。そうですけど…」

 

 それが何か関係あるのだろうか? というか天雷さん。そういったデリケートなことをホイホイと人に話さないでもらえますかね。

 

 そう思いながら天雷さんの方を見ると、すぐに顔を反らされてしまった。

 

「これはまだあまり世間に知られていない事ですが、近年能力を数年間碌に使っていなかった能力者の能力が急激に落ちるという事例が複数報告されています。そのどれもが実は三十歳を迎えた能力者ばかりなのです」

「三十歳って…」

 

 そういえば今年三十歳になったけど…と思いながら、額から嫌な汗が流れるのを感じる。

 

「御酒仁さんは体液で傷を癒すという能力のようですが、精液以外では負荷が軽すぎて身体が碌に能力を使っていないと認識したのかもしれません」

「そ、それじゃあどうすれば能力を維持出来るんですか?」

 

 思わず縋り付くように結解さんの手を握る。

 

 がすぐに後ろから強い力で引っ張られて強引に引きはがされると、気づいたら天雷さんにぎゅっと後ろから抱きしめられていた。

 

 結解さんは俺の後ろにいる天雷さんに目線をやって、少し呆れたようにため息をつく。

 

「今まで以上の頻度で射精するしかないでしょうね。ただ一般的な知識で考えると過剰に射精をするとかえって能力が下がるリスクももちろんあります。ですが得られたデータから見るに、御酒仁さんの場合は減少より上昇のスピードの方が勝っているので下がる可能性は低いと考えられます」

 

 結解さんの言うことが本当だとしたら俺は今までの常識を捨て去って、積極的に射精をしなければならないということになる。

 

 今の状況を考えるとそれは喜ばしい事なのだろうが、小学生の頃からずっと射精は能力者として恥ずべき行為だと教えられてきた俺は、どうしていいのかわからなくなり、今も俺を後ろから抱きしめている天雷さんの方を見る。

 

 俺の目線の気づいたのか天雷さんは、俺の方を見ると少し抱きしめる力を強め、優しく微笑みながら俺の頭をゆっくりと撫でた。

 

「安心して下さい御酒仁さん。もし大幅に能力が下がるようなことがあれば、責任を取って皐月が一生養ってくれますから。少なくとも露頭に迷う心配はありませんよ」

「なっ、おい! 私に許可なくなんてことを! ま、まぁ万が一、万が一だぞ。そのような事が起きた場合は、ヒーローとしてもちろん責任を取るつもりではあるが…」

 

 背中から伝わってくる天雷さんの心臓の鼓動が早鐘を打つように早くなる。あと照れ隠しなのか、俺の頭を撫でる手が急に荒々しくなった。

 

「皐月もこう言ってますし、御酒仁さんの射精の問題が解決すれば、能力低下に悩む数多くの能力者を救うことに繋がります。研究所のよさ…こほん。人類の未来の為にも協力していただけませんか?」

 

 今、予算って言おうとしなかったか?

 

 ま、まあいいか。結解さんの真の目的は別のところにあるようだが、確かにこの問題がはっきりしないと自分の将来が危ういのも確かだ。

 

 恐らくここで拒否したところで、この調子だと天雷さんからも猛プッシュされるのは確実だろうし万が一の時も天雷さんが責任持ってくれるなら、男としてはやらざるおえないよね。

 

 何より人類の為だしな。うん。これは特級能力者として生まれた責務だ。仕方ない。

 

「わかりました。是非協力させていただきます」

「そう言って下さると思っていました。それでは私は隣の部屋で待っていますので、射精が終わったらお知らせ下さい」

 

 結解さんは軽く会釈して部屋から出ていく。

 

「それでは始めるか」

 

 俺を未だに抱きしめていた天雷さんはそう言うと、おもむろに俺を床へと押し倒す。

 

「あ、あの天雷さん? 今からえーと、射精しないといけないんですけど……」

「もちろんわかっている。私が手伝った方が効率的だろう? 何、気にすることは無いここまで連れてきた責任もあるからな」

 

 天雷さんはそう言いながら、自分の服のボタンを手際よく一つ一つ外していく。

 

「けど天雷さんが向こうの部屋に行かないと、結解さんに怪しまれるんじゃ……」

 

 表向きはそう言いながらも、俺の股間は期待から大きく盛り上がり出していた。

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