※この作品はR-18です。

ナカヌキ!   作:雨冠

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後編

 俺は射精して気持ちよくなったから、次は澪を気持ちよくしたい。

 

「あのさ、澪を不安にさせたいわけじゃないんだけど……初めてはたぶん痛いだろうから、しっかり準備した方がいいと思うんだ」

 

「痛いのはヤダなあ……でも私、頑張るから」

 

「うん。それでね、なるべく痛くならないように――」

 

 セックスの前には、とにかくマンコを濡らすことが必要だと説明する。彼女は相づちを打ちながら聞いている。

 

「じゃあ、どうやったら私、エッチの準備が出来るかな?」

 

「アソコに性的快感を与えたり、あとはツバで湿らせたりかな」

 

「えっ! それってもしかして……大地が私のアソコを見ないと出来ない?」

 

「見なくても出来るかもしれないけど、見ながらした方がどれくらい濡れてるか分かると思うから、出来れば見せてもらえると……」

 

「……恥ずかしい」

 

 気持ちは分かるのだが、俺がマンコが見たいのはもちろん、とにかく身体に負担をかけないセックスがしたい。初体験で痛い思いをして、セックスにネガティブな印象を持たれたくはない。

 

「これから澪のアソコを見たり触ったりすることになるから、俺は澪が心の準備が出来るまで待つよ」

 

「何度も待たせちゃってごめんね。私、急に緊張しちゃって……心の準備が出来るまで、大地にぎゅってしてもいい?」

 

「いいよ。おいで」

 

 胸に迎え入れるために両手を広げてあげると、彼女は俺に抱きついてきた。さっきとは違ってお互い上半身が裸のため、大きな胸が押しつけられ、感触を直に感じる。誘惑する意図はないだろうが、落ち着かない。

 

「おっぱいが当たってる」

 

「あ、嫌だった?」

 

「嫌じゃないよ。むしろ気持ちいいし、興奮しちゃうけど」

 

「あはっ。しばらく当ててもいい? 自分の胸を大地の胸にくっつけてると、なんか心の距離が縮まったような気がするんだ」

 

 意外とロマンチストなのだろうか。ただ、人間が愛情表現として抱き合うのは、お互いの心臓を近付け合うためというのをどこかで聞いた気がするから、彼女の感覚は自然なものなのかもしれない。

 

 しばらく抱き合っていると、彼女は腕を解いた。落ち着いたのだろうか。

 

「ねえ、そろそろエッチのための準備始めてもいいよ。その……私のアソコ、大地に濡らしてほしい」

 

 純粋な気持ちで言っているのだろうが、言葉の組み合わせが官能的すぎて度肝を抜かれる。

 

「じゃあ、澪のパンツ脱がせてもいい?」

 

「……いいよ。脱がせて」

 

 下半身は既に見たことがあるとはいっても、状況が状況なだけに緊張する。彼女に足をこちらに向けてもらい、まずジャージを引き抜くと、ブラジャーと同じ柄のパンツが覗いた。

 

「もうパンツもいい?」

 

「うん、心の準備は出来てるから。恥ずかしいけどね」

 

 それなら遠慮なく脱がせよう。パンツに手をかけて足から引き抜く。これでお互い、身を隠すものは何もない。横座りになった彼女の陰毛に、どうしても目が奪われてしまう。

 

「あのね、大地に聞きたいことがあるんだけど」

 

「えっ、何?」

 

「この前、大地は私のアソコの毛、濃くないって言ったけど、ホントはどう思ってるの?」

 

 予想外の質問に、どう答えるべきか頭を捻る。彼女はあの時、俺が気を遣って嘘を吐いたことを見透かしていたのだろうか。それとも単に、「濃くない」と念押ししてほしいのだろうか。

 

「濃い……と思う」

 

 正直に答えることを選んだ。今はあの時とは違って彼女は恋人なのだ。なるべく嘘は吐きたくない。

 

「ほら! やっぱり。濃いと思ってたんじゃん」

 

「ごめん……でもあの日の澪、かなり深刻な感じだったし、ホントのことなんて言えないよ」

 

 あの時は正直に答えても彼女を救えるとは――

 

「ふふっ、そんな顔しないでよ。大地が私に気を遣って言ったのは分かってたから」

 

「えっ! バレてたんだ……」

 

 あの日の気遣いはなんのためにしたんだろうと思うと、急に身体が重くなったような気がする。

 

「でも毛が濃くて悩んでるのはホント……大地も毛が濃いより薄い方が好きでしょ?」

 

「俺は……そのままの澪が好きだってさっき言ったよね?」

 

「う、うん」

 

「だから澪のマン毛が濃いなら、その濃いのが好きなんだよ」

 

 目を丸くして俺をぼんやり見ている。

 

「そうなんだ。大地が好きって思ってくれるなら、こんなモジャモジャでもいいのかなあ」

 

 なんだか彼女の表情が明るくなったような気がした。

 

 さておき、どうやって愛撫をしよう。

 

「澪のアソコ、触ってもいい?」

 

「いいけど……ちょっと待って」

 

 彼女は大きくひとつ深呼吸すると、俺の目から視線を外さずに足を開いた。毛足の長い陰毛で見え隠れする、ピンク色のマンコが晒される。俺はあまりの妖艶さに思わず生唾を飲み込んだ。

 

「澪、綺麗だよ」

 

「……ヤン。やっぱり、アソコを見られるのはソワソワしちゃう」

 

 いきなり指を入れるのは刺激が強いだろうから、時間をかけて愛撫しよう。彼女の股間に近付く。

 

「じゃあ、触るね」

 

「うん……」

 

 まずは陰毛に覆われた大陰唇に中指で触れてみる。

 

「あっ」

 

 指が触れた瞬間、彼女は甘い声を出した。

 

「刺激強かった?」

 

「ううん……大地が私のアソコを触ってるって思うだけで過敏になっちゃった。大丈夫だからもっと触って」

 

 なるほど。触られることに慣れていないならそうなっても仕方ない。

 

 再び大陰唇に触れる。彼女の反応を確かめながら、撫でたり軽く押したりしてみる。

 

「これ、なんか変な気分になる……」

 

「変って?」

 

「なんていうか……私、今、エッチな気分になってるかもしれない……」

 

 彼女が露骨に性的興奮を言葉で示すのは、もしかしたら初めてかもしれない。いくら初めてのセックスとはいえ、俺ばかり興奮しているのは虚しい。

 

「エッチしてるんだから、そういう気持ちは自然なことなんだよ。俺、澪がエッチな気分になってくれたら嬉しいから」

 

「ヤダあ……私、ホントはスゴいエロい女だったのかも……大地はもし、私がエロいこといっぱい考えちゃっても嫌いにならない?」

 

「ははっ、ならないならない。たぶん、エロいこといっぱい考えちゃう澪も好きだから」

 

「もう、大地は優しすぎるよ。もっと好きになっちゃうじゃん……」

 

 目を潤ませた彼女の視線が俺を突き刺す。改めて愛されているんだなと思うと、胸の奥が温かくなってきた。

 

「もうちょっと刺激してもいい?」

 

「うん」

 

 次は大陰唇に触れていた中指を小陰唇に移動させる。小さな襞にそっと触れてみる。

 

「んん……」

 

 さすがにここは大陰唇に比べて刺激が強いようで、彼女は即座に喘ぎ声を漏らした。

 

「まだ触っても大丈夫?」

 

「うん。なんかくすぐったい感じだから不安はないよ」

 

 不安がないと言うなら続けよう。左右の襞をなぞるようにして触れる。

 

「……あっ……は」

 

 時々漏れる声を聞きながら、弾力のある襞をしばらく撫でる。まだ膣口には触れていないのと、陰毛で隠れて見えにくいが、少しは濡れてきただろうか。一旦、指を離す。

 

「あのさー、自分でちょっとアソコの入口を触って、その指を俺に見せてみて。どれくらい濡れてるか確認したい」

 

「えっ、私が!? それなら大地が触って確認してくれた方が、まだ恥ずかしくないよ」

 

 そう言われればそうか。俺がマンコに触れないようにするために気を遣ったつもりだったが、彼女が触って、「はい、これだけ濡れています」とさせるのは、冷静に考えれば恥辱だ。

 

「ごめんごめん。じゃあ、俺が触るね」

 

「うん……」

 

 中指で膣口に触れる。「あっ」という甘い声と共に、指の腹に高い体温と微かな粘り気がした。自分の指を見てみると、少し白濁した透明な液体がついている。親指で触れれば少し糸を引く。

 

「ちょっと濡れてるかな。たぶん、まだ濡らした方がいいと思うけど」

 

「私のためなのは分かるんだけど、あんまりそれをまじまじと見られると恥ずかしい……」

 

「あっ、ごめん。そうだよな。じゃあ、続きしてもいい?」

 

「うん」

 

 また膣口周辺を中指で撫でてみる。

 

「はっ……」

 

 彼女が息を荒くして、刺激を受け入れているような、耐えているような姿が堪らない。粘膜に触れると、指の腹に湿った熱が擦れて粘り気のある音が鳴る。セックスの経験がなくても、身体はしっかり「女」の反応を示している彼女に欲情してしまう。

 

 しばらくそうして、指を離した。彼女は肩で息をしている。

 

「次は澪のアソコに指を入れてみようと思うんだけど、続けても大丈夫?」

 

「……はあ。大丈夫だよ、続けて」

 

 彼女の呼吸が整うまで待ってから、口の中に唾液を貯める。右手の小指に唾液を垂らして湿らせた。

 

「わっ、大地のツバ、なんかエッチ……」

 

「えっ、これが?」

 

 なんだか彼女は変なところを性的に感じるのだなと思うと、俺は吹き出してしまった。

 

「なんで笑うのー」

 

「いや、だって、ツバを垂らしただけだよ? 指をそのまま入れるより、湿らせた方が安全だろうし」

 

「あー、そういう。急にツバを吐くからなんかスゴいドキドキしちゃって……なんでだろ」

 

 そういう性癖はよく分からないが、彼女なりの「フェチ」を刺激する何かがあったのだろうか。

 

「じゃあ、気を取り直して。入れるね」

 

 小さく頷く彼女を見てから、第一関節までをマンコに入れてみる。

 

「あっ……大地の指が入ってきた」

 

 指が愛液のぬめりと膣内の温かさに包まれると共に、まるで侵入を拒むようにかなりの圧力で締めつけてきた。

 

「痛くない?」

 

「痛くないよ。アソコに何か入ってるっていうのが変な感じだけど」

 

 痛さはないようなので、さらに指をゆっくり入れてみる。

 

「んあっ……」

 

 指の付け根までが膣内に入ると、彼女はまた甲高い声で呻いた。感じているのだろうか。

 

「指、全部入ったよ」

 

「ホントに? じゃあ、私の身体、エッチ出来そう?」

 

「んー、チンコと小指じゃ長さも太さも違うから、これだけだとなんとも言えないかな」

 

「あ、そっか。おちんちんはもっと大きいもんね……」

 

 小指での愛撫程度では疑似セックスにもならないかもしれないが、感覚に慣れるという意味ではここで時間をかけた方がいいかもしれない。

 

 彼女に指を動かしてもいいかを確認すると許可が出たので、愛撫を開始する。膣内を傷付けないように指を真っ直ぐにして力を抜き、ピストンの要領で動かす。

 

「あん……は、んっ……」

 

 愛液が擦れて指を動かす度に音が鳴る。彼女の漏らす甘い声と相まって、興奮で視界が揺らぐ。彼女はこんなに性的な魅力があったなんて、俺の想像を遥かに凌いでいる。

 

 しばらくそうして、一旦、指を引き抜いた。

 

「どう?」

 

「んー、恥ずかしかった……なんかねえ、身体がゾクゾクするっていうか、よく分かんない感じ」

 

「それって気持ちよかったってこと?」

 

「分かんない……でもされて嫌な感じではなかったかな」

 

 嫌ではないと言うなら続けよう。指を膣内に入れてまた動かし始める。

 

「んっ……あ、あっ……」

 

 徐々に指の動きを早めていく。合わせて彼女の喘ぎ声も激しくなっていく。

 

「だっ、大地……あんっ! ちょっ……と、んっ」

 

 しばらく指マンに夢中になっていると、喘ぎながら俺を呼ぶ声が聞こえた。何かあるのだろうと、マンコから指を引き抜く。

 

「どうしたの?」

 

「あの、こんなこと言うの恥ずかしいんだけど……大地にされてる時、おしっこが漏れそうな感じがして……」

 

「えっ、漏れそうなの? トイレ行く?」

 

「違うよ……漏れそうってだけでおしっこがしたいわけじゃないよ。なんていうか、おしっこが出る時のムズムズ感みたいな……そんな感じがしたから、やめてもらわなきゃって思っちゃって」

 

 話を聞く限りでは、おそらく彼女はイキそうだったのだろう。オナニーの経験がないなら、絶頂の感覚がどういうものなのかが分からないのも仕方ない。

 

「たぶんそれ、イキそうだったんだと思うよ」

 

「そうなの? 私、気持ちよかったの……?」

 

「俺は女じゃないから分かんないけど、男がイク時はそんな感じだから」

 

「そうなんだ」

 

 指マンは愛撫のためだからイカせるまでする必要はないし、彼女も絶頂が分からないなら不安だろう。あとどれくらいすればいいだろうか。

 

「澪は指で俺にイカされるのは嫌?」

 

「嫌じゃないよ。でも私、イクって感覚が分かんないからちょっと不安で……もしホントにお漏らししちゃったら、大地に迷惑かけちゃうし」

 

「はは! 俺は澪がもし漏らしちゃっても迷惑だなんて思わないよ」

 

 むしろ、失禁するほどまで快感を与えられるなら本望なくらいだ。今日が初体験の彼女にわざわざ言う必要はないが。

 

「ホント? じゃあ、また触ってもらおっかな……もしお漏らししちゃったらごめんね」

 

 照れながらの上目遣いでそう言った。再々度、右手の小指をマンコの中に入れていく。

 

「……は、んっ」

 

 さっきと同じように、徐々に指のピストンを早めていく。

 

「ん……あん! はっ……」

 

 愛撫を続けていると、彼女は両腕を俺の首の後ろに回してきた。

 

「ふっ……あ、あ、あっ! ……あー!」

 

 なんだか喘ぎ声がより激しくなったと思っていると、肩に乗せられた腕が急に重くなった。イったのだろうか。俺は指の動きを止める。

 

「……ん」

 

 マンコから指を引き抜いて彼女を見る。不規則な呼吸を繰り返して身体をぐったりとさせ、腕から震えが伝わってきた。

 

「大丈夫?」

 

「はっ……うん。でもなんか、ものスゴい胸騒ぎがする……大地、ぎゅってして?」

 

 初めての感覚に混乱しているのだろう。望みどおりに抱き締めてやる。

 

「澪、たぶんイったんだと思う」

 

「イクってこんな感じなんだ……」

 

 絶頂の余韻を噛み締めるように、彼女は大きな呼吸を繰り返している。

 

 イった後なので身体が敏感になっているだろうが、次はクンニがしたい。

 

「あのさ、次は澪のアソコ舐めてもいい?」

 

「えー、恥ずかしいよ……」

 

 彼女の股間を手探りで陰毛を雑に撫で、クンニをしたいという主張代わりにする。長い毛同士が擦れ合ってシャリシャリと音が鳴る。

 

「ヤダ、やめてよー」

 

「いいじゃん。モジャモジャでエロいし」

 

「エロくないよ……」

 

 あまり辱しめるのも可哀想なので、言葉責めはやめておこう。ただ、陰毛を触るのはやめない。

 

「……黙ってアソコの毛触らないでよ」

 

「じゃあ、喋りながら触ればいいの?」

 

「そういう意味じゃなくて。もう……大地のバカ」

 

 拗ねる彼女も可愛いとは思うが、冗談はこれくらいにしておこう。

 

「ごめん。いい子いい子」

 

 とりあえず頭を撫でてみた。

 

「んー……なんで私、バカにされても嬉しいんだろ。今まではバカにされることすらなかったからかな。大地はいつも私に優しくて、私は大地に迷惑かけてばっかりで……ずっと気持ちが一方通行だったからかな」

 

 ついこの間まで彼女を幼なじみとしてしか見ていなかったから仕方ないが、一方通行といえばそうだったのかもしれない。俺が今までの彼女との付き合いで、冗談を言い合ったのは何回あっただろう。あまり思い出せない。彼女にとっては、他人と同じかそれ以上の距離を俺に感じていたのかもしれない。

 

「そっか……澪は寂しかったんだね」

 

「そうなの。私……んっ」

 

 身体の震えが伝わってきて、その後、嗚咽と鼻をすする音が聞こえてきた。俺は彼女を強く抱き締める。

 

 しばらくそうしていると泣き声が止んだ。

 

「ごめん……私、泣いてばっかりだね」

 

「ううん、気にしなくていいよ」

 

「……私、ずっと寂しかったの。まあ、私が勝手に片想いしてただけだからしょうがないんだけど」

 

 片想いといっても、せいぜい長くて二、三年だろう。彼女の態度がその間、変わったようには思えなかった。

 

「ちょっと待って。澪っていつから俺に片想いしてたの?」

 

「んー、あんまりこの時からってのは覚えてないけど……たぶん十歳くらい?」

 

「十歳!? 長っ」

 

 彼女は俺と一緒にいた時間の半分以上の期間、片想いしていたのか。俺が思う普段の彼女が片想い中だったのだから、態度や素振りに変化がないのは当然だ。

 

「大地は私の初恋の人だし、私が今まで好きになったのも大地だけだよ。初めて彼女が出来たって話を聞いた時、スゴい悲しかったけど……大地が好きって気持ちは変わらなかった」

 

 俺に初めて彼女が出来た時、確か澪は「おめでとう」と一緒に喜んでくれたような記憶がある。今思えば残酷すぎる。

 

「そっか。俺、全然澪の気持ちに気付いてやれなくて、ずっと澪を傷付けてたんだね……」

 

「傷付いてないよ! 私だって大地に振られるのが怖くてずっと言えなかったから……でも前のことはもういいんだ。今、私は幸せだから」

 

 堪らなくなってキスをすると、彼女は穏やかな笑顔を返してくれた。

 

「私の片想いのことなんかどうでもいいよ。大地は今の私だけ見てくれたらそれで充分だから」

 

 俺より彼女の方が今にしっかり向き合えていて、見習わなければいけないと思える。彼女の好きなところがひとつ増えたかもしれない。

 

「じゃあ、澪のアソコを舐めたい」

 

「……いいよ」

 

 彼女の背中を腕で支えながらその場に仰向けにさせると、軽く足が開かれた。俺は股の間にひざまずく。顔をマンコに近付けると陰毛が顔をくすぐる。そこからは「女」の匂いが香った。陰毛を指で掻き分けると、剥き出しのマンコが覗いく。

 

「……何してるの?」

 

 すぐにクンニを始めないからなのか、怪しまれてしまった。

 

「澪のアソコの匂いを嗅いでるとこ」

 

「ヤダっ! 嗅がないで……」

 

「澪も俺のチンコの匂い嗅いでたじゃん」

 

「そうだけど……! 私は嗅いでもいいけど、大地は嗅いだらダメなのっ」

 

 可愛らしいワガママが微笑ましい。彼女のマンコの匂いを嗅ぎたいというのもあるが、一番の目的は濡れ具合を確かめるためだ。覗く中の肉はある程度濡れているのか、艶があるように見える。しかし、愛液があふれ出すまでとはいかない。やはり、初めてだから濡れにくいのだろうか。

 

 甘酸っぱい匂いが脳を刺激した。その匂いに誘われるように膣口に舌を這わせる。

 

「……はっ!」

 

 舌を目一杯伸ばして膣口周辺を舐め、彼女の「味」を堪能する。

 

「ん! ……あっ、あー……」

 

 甘い声と複雑な酸味と塩味を味わう。

 

 しばらくクンニしてから、顔を離して彼女を見下ろす。呆然として荒い呼吸を繰り返していた。

 

「大丈夫?」

 

「……はあ、んっ。大丈夫だよ。私、まだエッチの準備出来てない?」

 

 愛液があふれてくるまでとはいかないが、クンニでだいぶ湿らせたつもりだし、もう挿入出来るだろうか。

 

「俺はそろそろ入れてもいいかなとは思ってる」

 

「そうなんだ。だったら私もいいよ。その……私の初めて、もらってください」

 

 頬を赤くしながらそんなことを言われると、胸が不自然なほどに高鳴る。

 

 ベッドを降りて自分の鞄に入っているコンドームを持ってきて、またベッドに上がる。彼女は起き上がり、コンドームの箱を何か面白い物を見つけたような目で見た。

 

 俺は箱の中からコンドームをひとつ取り出し、袋を破る。精液溜まりを摘まんで空気を抜き、亀頭に乗せる。リングをチンコの根元に向かって引っ張っていく。その一部始終を、彼女は目をキラキラさせながら眺めていた。

 

「ついたよ」

 

「うん……なんか緊張してきた」

 

 彼女をその場に仰向けにさせると、足を軽く開いて穏やかな表情で俺を待つ。

 

「もし痛いとか怖いとかで出来ないと思ったら、無理しないで言ってね。すぐにやめるから」

 

「うんっ」

 

 マンコを左手の人差し指と中指で軽く開いて、チンコを膣口にあてがうと、突然、強い緊張感が襲ってきた。大きく息を吐いて振り切り、チンコを押し込んでいく。

 

「ああっ……」

 

 強い力で押し返されているような感覚がありながら、なんとか亀頭の辺りまでを挿入した。彼女は眉間にシワを寄せ、苦しそうな声を出した。

 

「痛い?」

 

「ちょっと痛いけど、我慢は出来そう……続けて」

 

 彼女が促すのに応えて、また腰を押し込んでいく。チンコで膣内の肉を押し広げていくような感覚だ。

 

「あー……痛い……!」

 

 なんとか膣内にチンコの根元までを挿入すると、彼女が叫んで心配になる。チンコを強い圧力が包み込む。彼女の顔の左右辺りに両腕をつき、覆い被さる体勢になる。その時、彼女の目から涙が一筋流れ落ちた。

 

「……痛いけど、私、今、スッゴい幸せだよ。大地を一番深いとこで感じてる」

 

 痛みでセックスが嫌にはなっていないようで、ほっと胸を撫で下ろす。

 

「俺も澪と一番深いとこで繋がれて幸せだよ」

 

 彼女のロマンチックに乗っかって、クサイセリフを言うのも存外悪くない。喜んでくれるならそれでいい。

 

「なんかテレちゃう……ねえ、私、もっと大地の深いとこが知りたいの。エッチ、続けてくれない?」

 

「分かった」

 

 ゆっくりと腰を引く。チンコを見てみると、コンドームに少し血がついていた。彼女の身体に極力負担をかけないように、とにかく遅いピストンを心がける。

 

「……んあっ……あ……」

 

 腰を動かしていると彼女が呻きだした。快感を与えれば痛みも紛れるだろうか。身体を起こして両手で彼女の胸を揉む。手の中に心地よい柔らかさを感じる。

 

「はっ……あん! ……」

 

 彼女は俺の右腕にすがりつくようにして両手で掴んできた。こんなに極上の身体とセックスをしていると思うと、今すぐにでもがむしゃらにピストンをしたくなるが、それを必死で抑え込む。彼女が妖艶すぎて逆に苦しい。

 

 左手の人差し指を彼女の乳首に移し、軽く擦ってみる。

 

「ヤンっ! ……は、んっ……」

 

 乳首を擦る度、彼女の身体が跳ねる。やはり、どんな状況でも性感帯を愛撫されるのは感じるようだ。

 

 チンコを膣の奥に突き入れて、一旦、ピストンをやめる。

 

「はあ……あれ? 休憩?」

 

「休憩というか、もうちょっと激しくしたいんだけど、いきなりしたら澪がビックリするかなって思って」

 

「そっかー。私はゆっくりでも構わないんだけど、大地はこれだと気持ちよくない?」

 

「気持ちいいよ。でも澪がエロいから抑えるのが大変で……」

 

「……私ってそんなにエッチに見えるのかな」

 

 間違いなく俺にとって、彼女の様々な要素が最高に性的興奮を煽ってくる。一度軽くキスをすると、彼女は物足りないような顔をした。

 

「もっと激しくしたらもっと痛いのかな……今はなんとか耐えられる痛さだけど」

 

「どうかな。俺は澪がしてほしいようにするよ」

 

「んー、私のことを気遣ってくれるのは嬉しいんだけど、やっぱり大地もしたいようにしてくれないとヤダ……」

 

 俺が満足するセックスは、いつか彼女が慣れてからでも構わないのだが、どうするのが最善だろうか。

 

「ちょっと痛いのもスゴい痛いのも痛いことには変わらないし、それなら大地がしたいようにしてくれた方がいいかな……ごめんね、ワガママ言って」

 

 彼女の身体を気遣うことも、気持ちを優先してあげることもどちらも大事だ。それなら――

 

「分かった。俺の好きなようにする」

 

「うん。私、大地の全部を受け止めるから」

 

 俺の気持ちを優先することが彼女にとっても幸せなら、もう迷うことはない。ゆっくりとピストンを再開する。

 

「あ……んっ……」

 

 彼女の様子を見ながら、徐々にピストンを早めていく。腰を膣の奥に突き入れる度、パンッと乾いた音が鳴る。

 

「……ああっ! あっ……はっ! ……」

 

 喘ぎ声が一層甲高くなる。少しでも快感があればいいのだが。彼女に覆い被さる体勢になり、開いた口に舌を捩じ込んだ。喘ぐばかりで舌を動かす余裕もないだろうが、時々舌を絡めてくる。

 

 ――イキそう……

 

 激しく揺れる大きな胸を両手で捕まえて、ピストンを限界まで早める。彼女は俺の肩を両手で掴んだ。しばらくすると、チンコの根元に痺れを感じた。射精が近い。

 

「イク……」

 

「ん! ……あっ、あっ、あ……あんっ! ……」

 

 チンコを膣の奥に打ちつけると、そこを熱が走り抜け、強い快感と共に射精した。彼女の両手が、俺の肩から力なく滑り落ちていったが、大丈夫だろうか。射精が収まると、俺は彼女とのセックスの充実感に身を任せた。

 

 

 

   □■□■□

 

 

 

 セックスの後のもろもろの処理を済ませて、俺と澪は裸のまま布団に入って横になる。彼女は黙っているが、口元に笑みを浮かべている。

 

「エッチってこんなに気持ちがあったかくなるんだね。アソコはまだジンジンしてるけど……私、大地のこともっと好きになったよ」

 

 彼女がセックスに満足したのが分かると、俺は急に身体の力が抜けていくような感じがした。ある程度は自分の性欲を彼女に発散してもらったつもりだったが、自分で思っていたより緊張していたのかもしれない。

 

「俺も澪のこともっと好きになった。澪、スゲーエロかった……」

 

「ヤダっ、やめてよー……私、早くエッチに慣れて、もっと大地を気持ちよくさせたいな」

 

 俺のことをこんなに思ってくれるなんて嬉しい、という気持ちを言葉にする代わりに、頭を撫でてやる。

 

「エッチはゆっくり慣れていったらいいよ。今日だって充分気持ちよかったし」

 

「ふふっ、嬉しい。でも私がそうしたいの。大地が気持ちいいと私も幸せだから。これからいっぱいエッチしようね」

 

「うん」

 

 彼女は俺にずっと片想いしていたと言ったが、俺ももしかしたら、心のどこかでずっと彼女に片想いしていたのかもしれない。それくらい今、彼女と心が通じ合っていることに幸せを感じる。

 

「こんなふつつか者ですが、これからよろしくお願いします。大地、大好きだよ」

 

「俺の方こそよろしく。澪、大好き」

 

 額を隠す前髪を掻き分けてキスをすると、彼女は満面の笑みで抱きついてきた。これから彼女が一人の幼なじみとしてではなく、愛する人としての日々を想像すると、楽しみで仕方がない。彼女も俺と同じようなことを考えていてほしい。

 

 

 

   ■□■□■

 

 

 

 それから十日が経った。九月になって多少は気温は下がったが、まだまだ日中は夏と変わらない陽気が身体にまとわりつく。今日は澪との初デートだ。何やら行きたい場所があるらしく、俺は連れ出された。

 

 待ち合わせ場所の駅前に着くと、彼女は改札の前で待っていた。薄い水色のワンピースが日焼けした肌に映えている。

 

「あっ、大地ー」

 

 彼女は俺を見つけると、パッと顔を明るくして胸元で小さく手を振る。

 

「待った?」

 

「ううん、今来たとこ」

 

 少し会話を交わして、目的地のカフェに向かうために歩きだそうとすると、彼女は両腕で俺の右腕に抱きついた。

 

「ふふ。じゃあ、行こっか。私、昨日ね――」

 

 俺の腕をとって歩くなんてことは初めてのはずなのに、彼女はまるでいつものことのように笑った。

 

 

 

――fin.

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