極一部では俺のことが“恋愛関係で大問題を起こす魔王”、ナンバーワンに輝いているらしい。今ではそれを否定することができない。
半月も経たずに俺は二人も妊娠させた。一人目は史上最強と名高い“勇者”クロエ。二人目は七柱しかいない悪魔族の王で、気高い美少女のカレラ。前者には一方的に犯されたも同然で、後者は時間の流れが異なる異空間で互いの弱点を知り尽くすほど身体を重ねた。
端的に言おう。どちらも思いっきり性欲に敗北した結果である、と。
「俺ってこんなに性欲強かったっけ……」
自己嫌悪に陥っている俺だが、原因は世界最高峰の頭脳を持つ相棒に聞かずともわかる。本当に俺は女性経験がなさ過ぎたのだ。三大欲求も二欲は十分満足するほど満たしていたのに、一つだけは見て見ぬふりをして放置。放置された性欲は無意識化で膨れ続け、それがクロエとの一夜で解放されてしまった。
今の俺は理性があまり働かない状態だ。百年近くもカレラの極上の肢体を味わっても尽きることがないこの性欲を満たさねば、何かとんでもないことをしでかしそうな予感がする。
かといって、完全なケダモノになっている訳じゃない。親しくなければいくら美人でも俺の息子は反応しないし、俺の美人の基準はとても高い。仲間や友人に美人が多いからだ。なので、いつの間にか知らん人との間に子供ができちゃった、なんてことにはならない……はずだ……多分……きっと。
「――それはさておき、どうやって皆の機嫌を直すかが問題だ」
カレラの妊娠は幹部全員が知っている。彼女は自分から言いふらしたりしていないが、満面の笑みを浮かべて下腹部を撫でていれば想像はつく。幹部クラスが集中して観察すれば、カレラの
シュナ達は俺を怒ったりはしなかった。代わりに炎を模った覇気をまき散らして、俺とカレラをガン見していたが。
念のため、俺からカレラに手を出したと話してある。ないとは思うが、嫉妬でカレラに危害を加える輩がいるかもしれない。どんな理由があれど愛し合った結果、カレラの胎には俺の子が宿った。とっくに俺は全力で守ると決めている。例え最低と罵られてもな。
覚悟は完了している俺だが、女性陣からの圧力にストレスを感じないはずもなく――
「うぅっ……癒しがほしい」
食事時以外は存在しないはずの胃を押さえる。本来癒しになるはずの食事もシュナにビビって味がしないし、睡眠も分離したままの相棒が枕元に立ってジッ……と見下ろしてくる。安心と恐怖が同時に襲ってくる感覚、俺以外にはわからないんだろうな……。
どこかで“灼熱竜”に好意を寄せられるハッタリ勇者の声が聞こえた気がしたが、俺は気のせいだと無視した。
「ランガをモフりたいなぁ……」
俺の影を寝床にしているペットのランガ。今あいつは相棒に影からはじき出されてから戻ることができず、ションボリ仲間のゴブタとお互いの傷を舐め合っている。そこに俺も入れてほしい、切実に。
もふもふのウサミミが生えた少女が脳裏を浮かぶが、いろんな意味で彼女が死にそうなのでやめておく。あの子、相手が強いとわかるだけで失神するからな……。
「! クマラの所に行くか」
クマラが仲間になってからしばらくするが、彼女の尻尾を堪能していないことに気付く。昔は遊びや特訓の邪魔をしてはいけないと遠慮してたが、今は大丈夫だろう。
それに性欲云々の問題も大丈夫なのだ。クマラも俺に好意を向けているし、傾国の美女の姿ではあるものの、彼女はまだ幼い。優に三百年以上生きてはいるが、そこらの人間の大人より子供なのだ。
だから何も問題ナシ! そう判断した俺は迷宮に転移する。
――これがただの理論武装でしかなく、甘すぎる考えとは知らずに。
♦♦♦
九十階層の密林。よく見なければわからない程度に開拓された道を進むと、俺の“リムルの庵”とほとんど同形状の家が見えた。
ラミリスの権能で創造された迷宮は、内部での行動を全て記録する。それはプライベートもクソもないだろ――と思った俺が迷宮のボス達が望む家を贈り、そこにラミリスの監視能力を弾く結界を張ったのだ。皆過剰なくらい感謝してきたが、普段から頑張ってもらっているし、少しでも楽にしてもらいたいと思ったお礼なので気にしないでほしい。
クマラの家は俺の家と似た造りだ。着物が普段着だし、和の物が好きなのだろう。ガドラであれば実験道具が大量にある研究所、アダルマン達なら俺を崇めるための神殿だ。要望を受けた俺が微妙な顔をしたのは言うまでもない。
「クマラ、いるか?」
『――リムル様!? ちょっと待ってほしいでありんす!』
どたばたと中から慌ただしい音がする。しかしそれもすぐに静まり、扉を開いてクマラが顔を覗かせた。それも、妖艶な大人の姿で。
小さな着物は白い肩や肉付きの良い美脚が剝き出しで、濃満で蠱惑的な身体を隠せていない。稲穂色の真っ直ぐな長髪は絡むことなく、サラサラと背中を流れている。少し慌てたせいか肌が朱に染まり、とんでもない色気を放っていた。
(クマラは幼女クマラは幼女クマラは幼女――!!)
全力の自己暗示である。俺は変態じゃ……ロリコンなんかじゃない! 否定するためにも興奮してはいけないのだ。認めたらアウトである。
なんとか動揺を表面に出さずに集束させ、俺はクマラに話しかけた。
「急に来てしまってすまないな」
「いえいえ、気にしないでくんなまし。リムル様ならいつでも歓迎するでありんす。……正直、暇でありんしたし」
「……」
だろうな、という言葉を必死に飲み込んだ。
最初は俺からしたら甘々の迷宮だったのだが、今では五十階層以下は絶対攻略不可能な地獄へと化していた。
ゴズール&メズールを倒せた時点でとても優秀。六十階層のボスである
実質、クマラは帝国との戦争などの特殊な事例を除き、一度も挑戦者の相手をしたことがない。森の開拓をした後は、一切やることがなくなってしまったのだろう。
ガドラやアダルマン達なら研究や実験で時間を潰せるのだろうが、クマラはそういった長く続けられる趣味がない。見つけたとしてもいつかは飽きるし、楽しい時間はすぐに終わる。――ちなみにアピトは蜂蜜集め、ゼギオンは妄想上の俺を目指して鍛錬をして満足した日々を送っているそうな。
どんよりと肩を落としたクマラを慰め、俺は中に通してもらう。
「それでリムル様、わっちに何か用がありんすか?」
畳の上に敷かれた座布団に座って向かい合う。クマラの期待するような目が痛い。何か重要な任務を与えられるのかも……と考えているのだろうけど、俺の暇つぶしみたいなものである。
「実は最近疲れが溜まってな……寝てもご飯食べても解消されないし、なら別の方法にしようと思ってね」
「もしかして、リムル様を癒すのに必要なのがわっちでありんすか?」
「ああ。アニマルセラピーと言って、クマラみたいな子と触れ合って心を癒すんだ。嫌なら断ってもらっても――」
「是非! 是非ともわっちの身体を使ってくださんし!」
前のめりになって喰いつくクマラ。胸の谷間と顔にかかる甘い吐息にクラッとしてしまうので、急に接近するのはやめてほしい。心の準備をするために一言声をかけてくれ。
とまあ、クマラの許可は取った。俺は胸を持ち上げるように腕を組む彼女に手を伸ばし――とても毛並みのいい尻尾に触る。
「へっ? リ、リムル様?」
「おお、これはヤバいな……」
クマラも顔を真っ赤にするくらい期待してたし、遠慮なく尻尾を堪能しよう。
ランガの毛並みも素晴らしかったが、クマラの尻尾はそれに勝るかもしれない。八本の白銀色の尻尾はいつまでも触っていられる心地よさだが、黄金色の尻尾は別格だ。思わず抱きしめてしまった。あれを知ってしまえば離れることができなくなる、そんな代物だ。
「…………ふぅ、ぅ……」
これは寝れる。この尻尾に包まれて目を閉じたら十秒足らずで夢の国に行ってしまう自信がある。太陽みたいないい匂いもしたので、思わず顔を押し当てて深呼吸をしてしまった。ペットの犬や猫にやる人の気持ちがわかった気がする。ランガにはやったことないけど。
だいたい三十分程だろうか。撫でたり揉んだり、十二分に尻尾を堪能した。もっと早くから知っておけばよかった。
「ありがとなクマラ。おかげで物凄くいい気分になったぞ」
「……もう、終わりでありんすか?」
「うん。そこそこの時間お邪魔しちゃったし、俺はもう帰るよ。またな!」
俯いて震えているクマラ。尻尾を触らせるのはやっぱり恥ずかしかったらしい。そんなクマラには悪いが、定期的に触らせてもらおうと決めている。
ここ数日で最もいい気分で俺は踵を返し――しゅるりと腹に巻き付いた尻尾に反応が遅れた。踏ん張ることもできずに引き寄せられた俺は、尻尾の主であるクマラの膝に座り込む形になる。そうすれば、俺の頭は暖かくて柔らかいクマラの胸に挟まれる態勢に――
「ちょ――むぐぅっ?」
とっさに抗議の声を上げたが、強引に後ろを振り向かされた瞬間、唇を柔らかいもので塞がれた。視界に広がるのはクマラの美貌。言うまでもなく、俺はクマラと口づけを交わしているのだ。
クマラのキスは一方的で、肉食獣の本性を露わにしているかのようだった。俺の唇をこじ開けて舌を吸い出し、無理矢理己の口内に招き入れる。戻ろうとする俺の舌を唇で捕らえて逃がさず、味わうように甘噛みを繰り返す。そうして滲んだ唾液は全て舐めとる。
俺は塗り付けられる唾液の甘さを感じるしかできず、クマラから逃げ出せない。手足は力が抜けたみたいに投げ出され、クマラの腕をどかすことは不可能だった。
湿った音を立てて俺の舌が解放された。しかし、俺の蕩けた瞳にはハッキリと見えていた。――俯いていた
「わっちをここまで昂らせておいて……リムル様と言えど、責任は取ってもらうでありんす」
クマラは真っ赤な舌を見せつけ、艶やかに笑う。
「わっちの身体を全部使って、リムル様に気持ちよくなってもらいんしょう」
そう言うなり、九本の尻尾が二人を覆い隠した。
♦♦♦
「気持ちいいでありんすか、リムル様?」
「うん……」
クマラの尻尾の内四本が俺の手足を拘束し、残りの五本が俺の全身をくまなく愛撫している。それだけで射精に至りそうだが、クマラが聞いているのは別のものだ。
シオンに匹敵する母性の象徴が俺の肉竿を包んでいる。少し胸を動かされるだけでも柔らかさと肌のきめ細かさが伝えられ、腰が勝手に何度も突き上げられた。
更にクマラは胸の谷間から顔を覗かせる肉竿に唾液を垂らした。それは俺に快感を与えながら潤滑油となり、胸を滑らせる速度と気持ちよさを格段に跳ね上げる。胸を動かしつつもクマラは肉竿に舌を這わせ、口に咥えこんでは飴を転がすように舐める。
肉竿の先から溢れていた先走り汁も加わり、クマラの乳房は心地よい柔らかさと淫らな粘り気で俺を責め立てた。男を堕とす技の数々。とうに限界を迎えていた俺の分身は歓喜するように、その欲望を一気に噴出させた。
「んんん~~!?」
「…………んぷっ、ちゅううう……!」
喰いしばった歯の隙間から零れる悦楽の悲鳴。脈動と共に吐き出される熱い精液をクマラは嬉しそうに口を開けて受け入れた。残さず出るように射精中も胸で肉竿を擦り、脈動が終われば尿道に残っていた僅かな量も啜る。
「気持ちよかったでありんすか、リムル様?」
「……」
最初とほとんど同じクマラの問い。艶然と微笑む彼女の上半身は俺の白濁液で汚れているものの、その美貌が下げることはない。それどころか口の端に付いた精液をペロリと舐め取る仕草や、ねちゃりと音をさせながら胸の谷間にできる白い糸が、節操のない俺の愚息に元気を取り戻させた。
余韻を味わっていた俺は頷くことで答える。しかし、俺は余韻に意識を向けていたせいで……クマラの繊手が肉竿を秘部に当てがい、腰を落としたことに気付かなかった。
クマラの蜜壺が与える快楽は我慢を許さない。溶けてしまいそうな熱と一体感が常にありながら、膣壁は肉竿の先から根元まで押し潰し、奥に届けば子宮口が唇とは感触が異なるキスをする。
支離滅裂な嬌声が俺の口から出ては消える。クマラは腰を深く落とすために上半身を前に倒し、目を細めて俺のだらしない顔を見ていた。
「やだぁ……見ないでぇ……」
「食べちゃいたいくらい可愛いでありんすよ、リムル様♪」
「んちゅう……!?」
汗と唾液と精液、様々な体液で湿った乳肉を押し潰しながら、クマラは俺の唇を貪る。もう俺が限界なのを見抜いていたのか、力を入れて肉竿をきゅうう……と締め付ける。
それが契機となり、俺は絶頂を迎えた。
「ん~~~ッ! ふぅぅぅ……!」
「~♪」
クマラは俺が射精しても俺の口内を蹂躙するのをやめなかった。胎に注ぎ込まれる子種の感覚ももっと味わおうというのか、腰を揺すりながら密着させ――子宮の中に肉竿を侵入させた。
未知の快楽に視界がチカチカと滅明する。これ以上はまずい――そう考えて逃げ出そうとした俺の耳に、クマラが心からの笑みを浮かべて囁く。
「リムル様……わっちもカレラの話を聞いて、『時空間操作』の練習をしてみたんでありんすよ」
「……?」
「限定された範囲――わっちの尻尾で閉じた空間に限り、時間を操作可能になりんした」
「!」
「リムル様は交尾をすると力が抜けてしまうのでありんしょう? ――もうわっちは子供じゃないでありんすよ」
ずっとリムルに子供扱いされていたことを見抜いていたクマラは、一匹の雌としてリムルの心に自分を刻み付けるのだ。
「リムル様はわっち達の名付け親。だから――貴方の種でわっちを母親にしてくれなんし」
♦♦♦
迷宮九十階層のボス、“
ずっと楽しくも退屈な日々を過ごすのかと思っていた彼女だが、もうそんな気持ちは残っていない。
愛しき主との子が宿ったお腹を撫でれば、彼女はいつでも幸せを感じることができるのだから。
クマラが一番エッチなキャラじゃないかと思う。あと口調が難しい。