ルーデウスとエリスは泊まりがけで仕事に行っている。
1週間はかかるという話だ。
「はぁ……」
わたし――ロキシー・M・グレイラットはため息をついた。
ふたりの心配はさほどしていない。
剣王エリスと魔導王ルーデウス。
あのふたりが揃っていて、苦戦するなど考えがたい。
単騎で苦戦するならそれこそ北神や水神クラスではないとありえない。
その北神も水神も顔見知りだ。言ってみれば味方だ。
万が一敵対するとなればもっと入念な準備の果てに挑むであろう。
数の暴力が相手でも並の相手100人程度なら余裕であろう。
だから心配など必要がない。
わたしのため息は、単に「ルディに会いたいなぁ」というだけのものだ。
エリスがうらやましい。
おそらくはエリスのことだ。
二人っきりをいいことに毎夜のように相手をせがみ、5回も6回も7回もしているに違いない。
「はぁ……」
わたしはルディの研究室から持ち出した
一目で価値のある杖であるとわかってしまうのを隠すため、先端にはルディがかつて着用していたローブが巻き付けてある。
ローブの部分に顔を埋める。
ルディの匂いがする。
ルディを思い出す。
初めて会ったのはルディが3歳の頃だった。
その頃からルディは天才児だった。
わたしが教える魔術を砂漠が水を吸収するかのごとくに覚え、2年でわたしの全てを覚え込んでしまった。
再会はそれから11年後。
かつてわたしは夢見ていた。
運命の出会い。
『男らしくて、キリッとしていて、背がスラッと高くて、でもまだ子供っぽい表情をする人族の青年に迷宮の奥底で偶然助けられるのだ、そのまま力を合わせて脱出していくうちに互いに恋が芽生えて、迷宮を脱出した所で仲間の死を知った青年をロキシーが慰めるのだ。そして始まる夜の時間……。』
現実は、ほぼそれに近い形だった。
迷宮都市ラパンから北に1日。転移の迷宮。
転移魔法陣を踏んで、ひとり違うエリアに飛ばされたわたしはそこで一ヶ月の間逃げ続けた。
魔術で水を作り。魔物の肉を食らい。
だがついに力尽きる時が来た。
安全地帯に逃げる転移魔法陣を隠され。押し寄せる魔物。枯渇する魔力。
そこにルディは現れた。
一面を氷の世界に変え、室内にいた全ての魔物を凍結させ。
柔らかな髪。優しげな顔立ち。ガッチリとした体つき。
わたしの理想の姿そのままに。
そしてわたしはルディに抱きしめられた。
「ああ、良かった……」
にへら。顔が笑ってしまう。
あまりにも。
あまりにも都合が良すぎるようなタイミングで現れたルディ。
その後、最初に身体を重ねた時は夢見ていたような甘美なものではなかった。
どこかへ行ってしまいそうなルディをつなぎ止めるために必死だった。
でも、それから、シャリーアに行って。
シルフィに認められて。
それからの日々は夢のようだった。
今でもその夢の中にいる。
夜になるとルディに呼ばれる。
順番があるがまぁそれは仕方がない。
ルディはわたしだけのものではないのだ。
そこに不満はない。
わたしは呼ばれると服を脱ぎ、ルディの隣に座る。
日々の他愛ないことを話しながら、やがて甘美な時間が始まる。
ちゅっ。
無意識のうちに自分の口唇に人差し指を当てていた。
まるでルディの舌がしてくれるように口唇を割って、歯の表面をなぜる。
「ああ……ルディ……」
息を吸い込む。
ローブからふんだんにルディの香りが流れてくる。
そっと右手が左の胸をまさぐる。
存分にもみほぐされた後、乳首を二本の指でつまむ。
だんだん乳首が硬く隆起している。
ルディがしてくれているようだ。
手はそっと南下する。
さわさわとお腹をなぜて、おへそにキスをして。
そうして秘所に到達する。
わたしの秘所はもう濡れていた。
指でゆっくりとかき混ぜると、くちゅ、と音がした。
「あ……ルディ、もっと」
クリトリスと膣口を親指とそれ以外の指を使って愛撫する。
クリトリスが硬く充血してくるのがわかる。
「ん……ん、ルディ、気持ちいいです……」
右手で秘所をねぶりながら、左手はわたしの口で指二本を出し入れする。
くちゅくちゅと音がする。
口元と、秘所からだ。
「ルディ……もっと、もっとしてください……」
右手の動きが速くなる。
それにつれて音も激しくなる。
ぐちゅっ、じゅぷっ、ちゅっ。
秘所から愛液が流れ出しているのを感じる。
きゅっきゅっと指を締め付ける秘所。
「あっ、ああっ……」
指をより深く、奥までねじこむ。
「あっ、ルディ……イキそうです……」
腰の奥から背骨に沿って熱い電気が走る。
びりびりとしたそれはすぐに脳に到達する。
「あっ、ルディ……ルディ!」
びくん、と身体が震える。
右手の指がきゅっと締め付けられる。
かはっ、と肺の中の息が吐き出される。
「……ルディ、まだ満足できせんよ、もう一回、お願いします……」
わたしは目を閉じたままそう告げる。
---
ララはちょっと不快げに目を開けた。
父のローブを着たまま。
そうして寝ていたら、母の痴態の夢を見てしまった。
いや、現実の光景だっただろうかと思う。
彼女はそうして過去の光景や未来の光景を幻視することがある。
痴態そのものが不快だったわけではない。
そうした行為の知識は十分に持っているし、理解もしている。
父が長期不在で青い母が身体を持て余す、という状況は実際にあったのだろう。
問題は。
下腹部に指を持ってくる。
くちゅ……。
濡れてしまった、自分の下半身だった。
父のことは好きだが、恋愛的な意味ではないと思っていた。
だが、この快楽はなんだろうか。
夢の中で母の快楽と感覚的にシンクロしてしまった結果だろうか。
「ん……」
指をこすりつける。
まだ未通の秘所に。
濡れているそこはくちゅくちゅと音を立てる。
「……パパ……」
口にすると、快楽が増すような気がした。
思い出す。
幼い頃から父に抱きついたりくっついていたりしたこと。
二度目に間違われた時あわやとなったこと。
ちょっとその時期待してしまったこと。
「あっ……パパ……」
指の動きが激しくなる。
くちゅっ、くちゅっ。
夢の中の母のように
触るのは入り口と、その上にある敏感な豆だけだ。
「んっ、んん……」
背中にぴりぴりとした快感が走る。
身体を包むローブから父の匂いがふんだんに流れ込んでくる。
くちゅくちゅっ。
指の動きはいつしか激しくなっていた。
かき回すように、かき混ぜるように。
ララは愛液を垂れ流しているのを感じる。
「あ……パパ……イク……!」
びくん。
身体が大きく震えた。
「ふぅ……」
ララは深い息を吐いた。
横で寝ていたレオがその動きに気づいたのか、「どうかしましたか」というような目を向けてくる。
「ん……ないしょ」
ララは答えた。
本日はあっさり目でご容赦を。
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