逆行転生TSF 作:逆行物増えろ
導入
僕の名前は
今日は親友の
確か出る直前までは持っていたはずなんだけどな……リビングで弟の
急いで靴を脱ぎそのままリビングへ直行する。ドアをあけると何やらドタンバタンと騒がしい音がした。
「わぁっ!兄ちゃん帰って来たのかよ。今日は勇斗さんと遊びにいくんじゃなかったっけ?」
慌てた様子で翔がテレビの方から此方に向かってきた。
「そうなんだけどちょっと財布をわすれちゃってね」
「あぁそういえばテーブルに何か置いてあったような……」
「ありがとう!」
翔に言われてテーブルを見に行く。
翔、もう少し隠し事は巧くやった方がいいと思うなー……。
あからさまにテレビの方へ近付けまいと視界を遮り自分からこちらへやって来たし、DVDプレイヤーの上にピンクなパッケージが乗っていた。
家族皆が出掛けるからって昼間からそういうのはお兄ちゃんちょっとどうかと思うんだ……。
でもまぁしょうがないかなぁ……翔ももう中学三年生、そういう事に興味を持つのはごくごく自然なことだ。
子供の頃から夜中のトイレについていってあげたりお風呂で頭や身体を洗ってあげたりと色々世話を焼いていた僕としてはその成長には感慨深いものがある。
まぁそのピンクのDVDは僕が勇斗に押し付けられたものなんだけどね。
ちなみに恥ずかしすぎて最初の導入でギブアップしちゃったから僕はほとんど見ていない……というかパッケージが既に僕にとっては刺激が強すぎて無理だ。
勇斗を待たせるのも悪いしそろそろ出た方がいいかな?もともとかなり時間に余裕をもって出かけたから今からでも急ぐ必要はないんだけどね。
「じゃあいってくるね」
「いってらー」
うーん、一応釘を刺しておいた方がいいのかな。
「あっ、そういえば部屋に入るのは別にいいけど勝手に物を持っていくのは頂けないかな、あとチャック開きっぱだよ。じゃあいってきまーす!」
後ろで声にならない悲鳴をあげている翔を尻目に僕は家を出た。
そろそろ待ち合わせの駅前だ。
うん、時間通り。
辺りを伺うが勇斗の姿は見えない。
まったく、いつも僕を待たせるんだから!
勇斗から誘ってきたんだけど何をするのかは聞いていない。
でもどうせナンパなんだろうなぁ……。
僕は男としては少し背が低めだ。体格も華奢だし顔も中性的、どちらかと言えば女顔だ。
勇斗いわく隣に僕みたいなのがいた方が女性も警戒しないからナンパの成功率が上がる、らしい。
甚だ遺憾だが確かに一緒に御茶くらいまでならそこそこ成功していたりする。
そこから更に一歩進んだ事もあるみたいだけどがっつき過ぎたせいで彼氏彼女の関係になる前にフラれてばかりみたいだ。そもそも僕達みたいな子供に本気にはならないだろうしね。
ちなみに僕の方はというと、御茶した女性いわく女友達や弟や妹みたいな感覚らしく男としては見れないだそうだ……まぁいいんだけどね。
そういった事に興味が無いわけじゃないんだけど、どちらかと言えば勇斗とそうやって馬鹿な事して一緒に騒いでいた方が楽しいかな?
いつも僕を引っ張っていって新しい世界を見せてくれる勇斗にはずーと感謝しているんだ。
どうでもいいけど知り合った御姉様方とは男女の関係にはならない代わりに今でも連絡を取り合う仲だったりする。
「おーい悠季!わりぃ待たせちまったな!」
「大丈夫だよ、僕も今来たところだから」
「おぉそれなら良かった!じゃあ行こうぜー!」
「はいはい」
「くー、今回も収穫なしかー!」
「しょうがないよ皆大人の人ばかりなんだから」
そろそろ夕方だが二組の御姉様方と御茶しただけでそのままどうこうという事にはならなかった。
奢ろうとしたけどなんだか微笑ましい感じにみられて逆に奢られてしまった……どうしてぇ?
「そういうお前は連絡先貰ってたじゃねーか!ズルいぞお前ばっかりー!」
「いやっえっと、そのーははっ……」
「あーあこんなんじゃ卒業までに脱童貞できないじゃん」
「うーん、勇斗って背も高くて細マッチョって感じだし顔も良いから高校の女子には結構人気なんだよ?学校で彼女つくったら?」
「俺は歳上専門なのー!」
勇斗は少しお調子者だけどそれが取っ付きやすさに繋がって女の子達も良く話かけてくる。
ホントに勿体無いなぁ……。
………………
…………
……
そうやって騒ぎながら夕暮れの歩く帰り道。
今日も楽しかったな……。
あれ何か後ろが眩しいような?それに心なしかエンジン音も道路というよりは真後ろから聞こえる。
後ろを振り向いてみると此方に突っ込んでくる車が一台。
っ…………!
咄嗟に勇斗を押して車の進行方向から弾き出す。
急いで僕も逃げようとするも、体格の大きな勇斗を押した事で崩れてしまった体勢を立て直す事ができない。
視線の先には歩道を暴走するトラック。光が眩しくて運転手の顔は見えない。
勇斗の方へ視線を戻すと信じられないといった顔をして此方を見ている。
うん、勇斗にはぶつからない。ちゃんと助かる。
「ごめんね」
直後に襲ってきた衝撃に意識が遠退いていく。
あぁ、もし生まれ変わるならもう一度勇斗の隣に……。
そう思ったのを最後に僕の意識は完全に闇に包まれたのだった。