逆行転生TSF 作:逆行物増えろ
梅雨も終わったというのに異常気象なのか長雨が続いている。
そんな憂鬱とした天気でも小学生は元気なものだ。
外に出れないためか廊下や教室の後ろの方で走り回っている。
そんななか、相変わらず僕はストッパーとして動き回っている。
何日も外で遊べずに狭い校舎に押し込められているのはフラストレーションが溜まるのだろう。
些細な事から喧嘩になったり、思っていたよりも狭い教室で人にぶつかってしまって怪我をしそうになったりと……そういう事が起きないように全体を視界に入れる様にしている。
まぁ僕も勇斗くんに誘われたらそこに突入しちゃうんだけどね……。
そしてみんなまとめて委員長に叱られるのがここ数日のお決まりだ。
ハイ委員長!「しょうがない人……」みたいな目で見るの止めてくれませんか?無理ですか、そうですか……。
まぁあれだ、勇斗くんとはあんなことがあっても前と変わらずに仲良くやっている。
ただちょっとだけ変わった事もある。
何となくだけど勇斗くんが僕の身体に興味をもっている気がするのだ。
前まではそういう事に全く興味が無かったのに最近では僕が服の裾で身体を扇いでいたりするとそこに視線が向いているのを感じる。
そんな視線にくすぐったさを感じながらの毎日だ。
そうやって大抵は勇斗くん達と遊んでいるのだけれど女の子達と全く遊ばないというわけでもない。
僕が暇そうにしていると向こうから何かしら誘いにきてくれるし、勉強熱心な子だと授業の内容について聞いてきてくれたりする。
男子のコミュニティにいがちな僕が女子の中で孤立せずにいられるのはそういった気遣いのおかげだ。とても感謝している。
それはそうと今日は月に数度のペア活動の日で、放課後にペアの子達と一緒に遊ぶ予定なのだ。
ペア活動とは僕達の小学校にある制度の1つで簡単に言えば上級生が下級生の世話をするシステムだ。
六年生は一年生、五年生は三年生、四年生はニ年生とペアを組み一緒に活動する。
上級生は下級生の世話をすることで自主性や思いやりを学び、下級生は上級生に学校の事なんかを教えてもらったりして孤立を防ぎ、安心して学校生活を送れる様にする。教育については素人だけど多分そんな感じだ。
ということで三年生の教室までペアの子を迎えにきたのだ。
「あっ!お姉ちゃん!」
その子を探していると翔が走り寄ってきた。
「やっほー翔」
翔も三年生なのだがたまたまペアとなるクラスだったのだ……残念ながらペアにはなれなかったんだけどね。
「健くん探してるんだけど見なかったかな?」
「そっか……うん、さっきトイレに行くって言ってたからすぐ戻ってくると思うよ」
「そうなんだ、ありがとね」
いつもなら椅子取りゲームみたいに皆でできて身体能力差がでづらく空気の読める遊びをする事が多いのだけど、今回はペア同士の交流を深めるということで自由にやる事を決められる。
「あ!いたいた、行くよ翔くん!」
何をしようかと考えていたら愛梨ちゃんもペアの子を迎えに来たみたいだ。ちなみに愛梨ちゃんのペアは翔だ。
……失礼かもしれないけど少し心配である。
「あっ、悠季さん!」
「健くん迎えに来たよー」
僕のペアの健くんは翔とも仲がいい。今の翔とは真逆の性格でどちらかと言えばヤンチャな子だ。元気一杯でじゃれてくるからついていくのが大変だ。
こういう事もあって普通は男の子同士、女の子同士でペアになるのだが三年生の男子が多かったみたいで僕達のペアは男の子なのだ。
「ゆうくんゆうくん!どうせなら一緒に遊ぼうよ!」
何で遊ぼうかと健くんと相談していると何かを思い付いたのか翔の手を引きながら愛梨ちゃんが戻ってきた。
「いいよ、健くんもそれでいいかな?」
「いいよー!」
まだ決まってなかったしどうせなら人数が多い方が楽しいよね……翔の事も気になるし……。
愛梨ちゃんの先導でたどり着いたのは第二校舎の空き教室だった。
子供が多かった時の名残かうちの学校には使っていない教室がそこそこ存在している。
その内の1つであろうここはグランドに面している第一校舎と違って雨のせいもあってか周囲の喧騒が遠く、静かでいい場所だった。
「良い場所だね、ここで何するの?」
「でしょ!えっとねー……おままごと!」
「え?」
愛梨ちゃんの口から飛び出したのは思いがけないものだった。
確かにまだまだ8歳9歳くらいの小学三年生ならしていてもおかしくないかもしれないが僕達のペアは二人とも男の子なのだ。
愛梨ちゃんとしては子供が喜ぶものをチョイスしたつもりかもしれないが性別の違いを勘定にいれてない。
どうしたものかと三年生組を見てみると微妙そうな顔をしているけど気を遣ってか積極的に反対はしていない。
……愛梨ちゃん……。
そのままなし崩しでおままごとに決定してしまった。
短いですが導入なのでこんなもんで。