逆行転生TSF 作:逆行物増えろ
どんなブラを持ってこようかとルンルン気分でカーテンを開ける。
―――あっ。
目の前には真っ赤な顔でアタフタしている男の子がいた。確か名前は勇斗くん。
……いっけね、忘れてたわ。
ちょっと混乱しているみたいだが、その視線は目の前の私ではなくカーテンの隙間、つまり悠樹ちゃんの方へと向かっていた。幸い悠樹ちゃんは気付いてないみたいだが……。
ふむふむ、なるほどなるほど……。
カーテンをしっかりと閉めた後に少年の手をとってその場を離れる。
「あ、えっと、違うくて、その……!」
「いいからいいから」
そのままジュニア用の下着売り場まで連行する。
ドストライク過ぎるショタ(ロリ)のせいでこの子の事をすっかり忘れてしまっていた。
悠樹ちゃんから聞いていた感じだと二人は男女の垣根を越えた親友同士なのだろう。
こうも狼狽えているのは女の下着事情を間近で聞いてしまったからだろうか?……勿論それもあるだろうけど、もっと大きな原因は悠樹ちゃんに関する事だと思う。
悠樹ちゃんと勇斗くんは男や女とは関係なく親友同士。
しかしどちらかと言えば悠樹ちゃんが男子側のコミュニティに入ったのだろう。
だから勇斗くんも悠樹ちゃんを男子として接し、男子として親友になったはずだ。
しかし今頃になってその相手が女の子なのだと、男女の成長の違いを目の当たりにする事で突然解らされてしまったのだ。
「他の女子達と同じ様に接した方が良いのかな?」「女子相手なのに今までみたいにサッカーでぶつかりに行って大丈夫なのかな?」……などなど、それ以外にも色々な事を考えてしまったはずだ。混乱もしているかもしれない。
こういう男女の成長からくる思春期の青春も私の大好物なのだ……!
お触りまでした奴が何を言っているのかと言われるかもしれない。だが、私はそんな青春を応援してあげたいし、できれば成就させてあげたいのだ。
ここは背中を押してあげるのが先達の役目だろう。
「さてとじゃあ彼氏君には悠樹ちゃんに合う下着を選んでもらおうかな?」
「ま、まだ彼氏とか、そんなんじゃ―――」
「で、外で聞いてたと思うけどあの子の胸のサイズは―――」
「き、聞いてねーし!」
「まぁいいや。でも小学生としては結構大きくてね」
「やっぱでかいのか……」
「本当はもう一つ上のサイズでもいいのかもしれないけど、身長の事も考えたらやっぱりSサイズかなって」
「いや、だから俺は―――!」
「直接肌に身につけるものだし彼氏としてちゃんと選んであげてね?悠樹ちゃんはよく動くみたいだしサイズ的にも確りと抑えられるスポーツブラがおすすめだよ?」
「…………はい」
最初は照れもあったが今は真剣な表情で悠樹ちゃんのブラを選んでいる。
普通、この年頃の男の子だったら恥ずかしくてこんなに集中して女性の下着を見る事なんてできないだろう。
……それだけ悠樹ちゃんの事を思っているのだ。
悠樹ちゃんも確かに初めての事で不安だったかもしれない。男の子同士としての感覚であったのかもしれない。
しかし服を脱ぐであろう試着室に一応異性である勇斗くんを連れ込もうとしたのは相手に完全に気を許しているからだろう。確実に相手の事を好く思っているはずだ。
そんな相手が選んだ物なのだ。喜ばないはずがない!
あの子に合いそうな色や好きな色、動物、キャラクター等々、沢山悩んでいたみたいだが漸く何点かに絞れたみたいだ。
よしよし、ちゃんとサイズは合ってるね。
物珍しいのかフワフワなそれの肌触りを確かめている…………もうひと押ししておこうかな。
「お、流石は彼氏さん!胸に直接当たる所だからね、肌触りもちゃんと確かめてあげてるんだ?」
「あ、いや、その、、、」
「そうそう、ここがね?直接あの子の大事な所に触れるんだよ?」
「あぅ……」
すっかり赤面してしまった勇斗くん……初な少年をイジるのは楽しいなぁ!
そのままアタフタしている勇斗くんを連れて試着室の前まで戻ってきた。
「悠樹ちゃん、ちょっといいかな?」
「なんですか?」
カーテンの隙間から顔を出す悠樹ちゃん。
……華奢な肩や鎖骨が見えてしまっている。
「ブラだけどどうせならとこの子、彼氏くんに選んでもらったから試着してもらえるかな?」
「か、かれ!?」
「はいどうぞ、渡してあげて?」
彼氏呼びに赤面してしまった悠樹ちゃんの前に同じく赤面している勇斗くんを立たせる。
「「………………っ」」
しばらく両者とも黙り込んでしまっていたが、意を決したのか悠樹ちゃんの方が口火を切った。
「…………」
胸元をカーテンで隠しながらも肩から先を出して勇斗くんの方へと腕を伸ばしたのだ。
「…………」
勇斗くんの方も無言でブラを手渡す。
両者共目を合わせようとしないが、意識し合っている証拠だろう。
そして…………。
「着ました……」
「じゃあちょっと失礼するね〜」
試着室の中に入るとスポーツブラを身につけて恥しそうにしている悠樹ちゃんがいた。
「「…………」」
「あの……これであってますか?」
……はっ!?
いけないいけない、あまりの尊さに思考が停止してしまっていた……!
「あっ、確認するね」
パッと見た感じちゃんとバストはブラの中に納まってるし余分な肉がハミ出たりもしていない。そもそも形の良いバスト以外に肉らしい肉など付いていないのだが……。
「うんうん、バッチリだよ!」
私のその言葉を受けて悠樹ちゃんははにかんでみせた。
「じゃあ選んでくれた彼氏くんにも見てもらわないとね!」
「「えっ?」」
目の前とカーテンの向こうからの息の合った「え?」だった。
次回、アレな店員OUT、勇斗くんIN