逆行転生TSF 作:逆行物増えろ
小学生の足ではそれなりにかかる道のりも翔と一緒ならあっという間だった。
急に飛び出したりしないように手を繋いで交差点なんかで事故の無いように確りと周囲を確認しながら歩く。勿論僕が車道側で翔が車道へはみ出さないようにガードしつつ車の動きにも注意する。
そんなことをしつつ翔の話を聞いていたらいつの間にか学校に着いていた。
クラス分けや下駄箱の確認を一緒に行い翔を三年生のクラスまで送り届ける。その後自分のクラスに行こうとしたのだが一緒に着いてこようとしてしまった。僕としても離れ辛いものがあるが何とか宥めて自分のクラスへと向かった。
席順は出世番号順のようで自分の席へと座る。
周りも新しい環境に緊張しているのか私語も少なく探り探りといった様子だ。まぁ子供だし直ぐに友達を作って騒がしくなるんだろうけどね。
皆に習って僕も周りを窺ってみる。
ん?あれは……勇斗!?
そうだ忘れてた、いつも兄弟様に一緒にいて気持ちが通じあっていたから忘れていたけど僕と勇斗との出会いはそれほど昔の事じゃない。
そう、確か小学五年生の初登校日だった……!
勇斗をずっと観ているのだが向こうは此方に気付きもしない。何だが無性にムカついてきた……!
そうこうしているうちに時間になったのか座っていた先生が教壇に立ち生徒達へと声をかけた。
その後は連絡事項だとかよくある話で時間が過ぎていく。一通りの話が終わると自己紹介の時間だ。
そうだった確かこの自己紹介の後に勇斗が僕に絡んで来たのが始まりだったんだ。
何だっけ?悠季と勇斗の音がちょっと似ているだの僕の木村よりも勇斗の森田の方が規模が大きいだの木の数が多いだのそんなくだらないマウントを取ってきた事が最初だった気がする。
ふふっ懐かしいなぁ……。
僕の今置かれている状況は理解できるものじゃない。それなら悩んでいても仕方がないしどうせなら楽しみたい!僕はまた勇斗と一緒に馬鹿なことをして笑い合いたいのだ。
昔の事に思いを馳せていたらいつの間にか自己紹介の番か回ってきていた。
ちゃんと勇斗に気付いてもらえる様に名前を強調したし友達が欲しいのだと勇斗を見つめながら言ったのだ、勇斗の性格なら休み時間に直ぐにでも絡みに来てくれるはずだ!
………………
…………
……
……だというのに何で来ないのさ勇斗っ!?
休み時間になっていつ来てくれるのかとワクワクして待っていたのに一向に来ない。何かの間違いかと次の休み時間も待っていたのに来ないしそうこうしているうちに帰りの会が終わってしまいそうだ。これが終わったら皆帰ってしまう。もうチャンスは残っていないこうなれば此方から行くしかない!
帰りの会が終わると同時に勇斗の方へと歩み寄る。勇斗の周りには早くも男子達が集まっていて早くも男子のリーダー格になっているみたいだ。
流石は勇斗なのだが正直近くに行くためには邪魔でしかない、が今の僕には余裕が無いのだ。男子の壁などしったことか!周りを無視して勇斗へ向かってズンズン進んでいく。
男子達は笑顔で近付いてくる僕に気圧されたの道を譲りそのまま勇斗を見捨てて逃げていってしまった。
教室には僕と勇斗の二人だけだ。
「「………………」」
何か言うこともなく見つめ合う。
「えっと、何か様か?」
あぁ、目的を言わなければ流石の勇斗でも分からないよね。失念してた。
「木村悠季ですっ!」
「え、知ってる」
「「………………」」
えっそれだけ?名前に着いての突っ込みとかないの!?き、気を取り直せ……当初の目的を達成するんだ!
「えっと、ぼ、僕と友達になってくださいっ!!」
「ん?いいぞ」
「えぇっ!ホントに!?やったー!!」
前と同じ関係になれるのだと喜んだ僕は狂喜乱舞して勇斗の両手を握りしめブンブンと振り回す。
「ちょっおまっ手ぇ!」
「あっゴメンね、嬉くってつい」
あっそういえば翔が待っているんだった、早く迎えに行ってあげないと!
「じゃあ僕は用事があるからまた明日!」
「は?」
バイバーイと手を振りながら勇斗にさよならの挨拶をして翔のクラスへと向かう。
「何だったんだ一体……」
勇斗のそんな呟きは幸か不幸か頭の中花畑な僕の耳には届いていなかった。