逆行転生TSF 作:逆行物増えろ
学校帰り、帰りの会が終わった後に何人かの男子たちが集まりコソコソと裏山の方へと移動している。
勇斗も一緒だった事もあってちょっと気になり声をかけてみた。
「やっほー、皆で何処かに遊びに行くの? 僕も行っていいかな?」
「ゆ、悠季!? あー、いやー……男同士の秘密の集まりなんだよね」
「っ! そうそう! こっから先は男子限定だから悠季は来ちゃダメだぞ!」
「今回はちょっとアレだからまた今度な!」
次々と言い訳を並べ立てていく男子たち。
「じゃーなー!」
そう言って足早に去っていってしまった。
むっ、男同士ってなにさ?
そもそもつい最近まで僕だって一緒に遊んでたのに仲間外れだなんてっ!
いや、それより勇斗だよ! 僕というものがありながらそっちを優先するだなんて!
…………まぁ僕は? 理解のある彼女ですから? 少しくらい相手してくれなくたって我慢できますよーっだ!
でもなんか悔しいから着いていこう。男の子だけで集まって何するつもりなんだろう? というか僕が男だった時でも呼ばれた記憶が無いんですけど??
向かった先は裏山の秘密基地みたいなので道中で隠れられる場所はいくらでもある。見つからないように木々や藪に隠れながらの行動だ。
……スニーキングミッションみたいでちょっと楽しい。
……で、周囲を気にする男子達から隠れながらの追跡の末、やってきました秘密基地。全員が中に入ったのを確認したので自分も外壁に走り寄って身を隠す。
ミッションコンプリートだ。
「―――? ―――!!」
「―――ッ!?」
小声で話しているので何を言っているのか分からないが、中はかなり盛り上がっている様子だ。
それなのに仲間外れにされた事に寂しさを感じる……。
―――うん、脅かしてやろう。
そう決めた僕はみんなに覚られない様に抜き足差しで近付いていく。
幸い全員が奥に固まってコチラに背を向けていた。
「すげぇ……!」
「なんかアソコがムズムズする……」
みんな何かの雑誌? に夢中になっているみたいだった。
……では早速。
「みんなー! 何してるのー?」
「「うわぁあああっ!?」」
面白いように驚きその本を隠そうと焦る男子達……フッフッフ、胸がすく思いだ。
冷や汗をながしながら愛想笑いを浮かべているみんなにさらなる追い打ちを与える。
「あれ? 今何を隠したの?」
「い、いや、コレはだな……」
みんなで背中に隠していようが、ちゃんと現場は押さえてるんだからね! 言い訳しても無駄さ!
「ん?」
「ゆ、勇斗!!」
「うわっ! お前ら裏切ったな!?」
僕の方に勇斗を押しやり、その隙に逃げていく男子たち。
……何だったんだよ、もう。
「「…………」」
残されてしまった二人でしばし呆然としていたら、勇斗が気まずそうにしながらその本に視線を向けた。
「えーっと、これはだな……」
勇斗に言われてやっとその本をしっかりと目に入れる。
その本は、やけにピンクが多い色使いに肌色面積の多い写真が沢山載っていた……要はエロ本だった。
「ふーん……?」
「待て、言い訳させてくれ」
曰く、他の男子達に男同士の友情を盾に取られて断りきれなかったらしい。それにここに来るまで内容について教えてもらえなかったとも。
……一応理解はしたけどちょっと気に食わない。軽く釘でも刺しておこうかな?
無理やり涙目になって表情を作り、傷付いてる彼女を演出する。
「酷いよ……僕という存在がありながらどこの誰ともしれない女で……」
「…………ッ!」
辛そうな顔をしている勇斗。ちょっと真剣にとらえ過ぎてるかもしれない。思っていたよりも効きすぎてるし、この辺で勘弁しておいてやろう。
「というのは冗談で」
「……おい」
「それに男子ってそういうものだって分かってるつもりだし」
「それはそれで何か嫌だな……」
まぁ、僕だって元はと言えば健全な男子高校生、異性に対して全く興味が無いと言えば嘘になる。男の時は度胸が無くて自分からそういったモノを調べたりしていなかったんだけどさ……。
そして女の子になった事である意味見放題になったわけだ。僕の周りには結衣さんみたいな魅力的な女性や委員長や愛梨ちゃんみたいな可愛らしい女性は沢山いる、しかし知り合いをそういった目で見るのは流石に憚られる。女の子としての立場を悪用するのはどうかと思うのだ。
それに対してこの本の人達は見られる事を前提としている大人の女性だ。
女の子になってしまった事で逆にそういった事に耐性ができていた様で、かなり興味が惹かれてしまっている。
という事で、落ちているその本を拾い上げてページを捲ったのだ。
「勇斗見て見て、凄いよコレ」
「……お前、女なのに大丈夫なのか?」
「うーん……確かに「うわぁ……」と思わなくはないけれど、女の子だって他の女の人の身体に興味がないわけじゃないと思うよ? ……多分」
クラスの娘達も僕の身体をあんなに弄んでいたわけだしね……。
マットレスに二人並んで寝転びエロ本を広げる。
「ふへへ……!」
「何でお前の方がテンション上がってんだよ……俺の方は謎の緊張感しかないんだけど」
この本はヌード写真集というよりは、かなりマニアックな趣向のモノだったらしい。写っているのは大人の女性が全裸でコンビニの前にいたり、夜の公園でエッチしてたり、縛られていたりとアブノーマルなものばかり。かなりのエロ度を誇っていた。
「ねぇねぇ、これどう思う?」
「意見を求めないで欲しい。というか彼女と一緒にエロ本鑑賞とか普通ありえないだろ……」
人生、というか前世も含めて初めてのまともなエロ本鑑賞だ。テンションだって可怪しくならないはずがないのだ。
「うわぁ……ヤバいねコレ、鏡張りの車の中でとか周りから見られてる感凄そう。どういう頭してたらこんな事思い付くんだろう?」
「はぁ……」
その後もページを捲りながら内容について振っていくのだが、勇斗は「あぁ……」とか「そうだな……」とかばかりで反応が薄い。勇斗の内心がどうであれ、外から見れば僕ばかりがエロに興味津々になってる感じでちょっと気に食わない。
なんだかムカムカしてきたので勇斗にも同じ所まで落ちてきてもらおうと思う。
一人だけ清いままというのは許されないのだよ……!
「ねぇ……こういうのに興味あったりする? 同じ事やってあげよっか?」
「ばっ……!? 誂うなよ!」
顔を真っ赤にして強く否定する勇斗。だが僕は知っている、興味なさそうなフリをしつつも実はチラチラと写真を盗み見ていた事を。
「え〜? 本気なのにぃ……」
僕以外の身体に興味を惹かれているのは業腹ではあるものの、男子というのはそういう生き物だという事を身を以て知っている。ならばこの写真を通して僕を見てもらおうというわけだ。
「じゃあ適当に開くからそこからは勇斗が選んでね? 僕にやって欲しいヤツ」
「お前なんかムキになってないか!?」
ムキになる? そんなはずないじゃないか。勇斗に喜んで欲しいだけさ。
「じゃあいくよー」
「ちょっ―――!」