※この作品はR-18です。

アダルトショップ佐藤へようこそっ!   作:Rヲウ

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第17話【会員番号002】鈴鳴夕貴(19歳)JD♥

 一目惚れなんてものが本当にあると知ったのは大学に進学してすぐの時だった。

 ましてや自分の身にそんなことが降りかかるなんて夢にも思っていなかった。

 

 碧と一緒に大学の講堂の正面玄関から出て、階段を降りるときに私はバランスを崩し前方に転げ落ちてしまった。

 不幸中の幸いか誰も巻き込まずに自爆で済んだけど、右足首を酷く挫いてしまったみたいで立ち上がることすらできなかった。

 

「痛っ、痛ったぁーい!」

 

「ちょ、夕貴、大丈夫?」

 

 大学生になり今まであまり履く機会のなかったヒール高めのパンプスを履いたのが転んだ原因で、見栄を張らずにローファーかフラットで良かったと思っても後の祭り。

 高校の時は新体操やってて体幹は鍛えていたつもりだったけど、引退して何か月も経って体が鈍ってるのにそれを意識できてないとむしろ危ないってことなんだろうな。

 

 我慢していればそのうち痛みが引いて来るだろうと、しばらく階段の途中に座り込んで思ったけど考えが甘かった。

 全然痛みが引かないどころか足首の外側が腫れて膨らみはじめ、くるぶしが消えて私の足が豚足みたいになりかけてる。

 

 これはまずい。

 

 足首を動かさなければなんとか痛みは我慢できるけど、これじゃあここからどこへも動けそうにない。

 

 碧は私の足首の捻挫を心配してくれて、私の傍で他の人が不用意に近寄らないように注意してくれていたけど、自然な感じで近づいてきた男性をすっと通してしまった。

 

「大丈夫ですか?」

 

 髪はベリーショートでちょっとワイルドな感じなのに鼻筋がすっと伸びて目元も涼し気なイケメンが声をかけてきた。

 

 うわ、すごっ。

 

 男性を見て凄いとか思ったのは初めてかもしれない。

 

「あぁ、こりゃ酷い。もうかなり腫れてきてるね。これは靴を脱いだら今度は履けなくなるかな?」

 

 私の右足首の状態を見て顔を顰めてくれている。

 

「あ、あの……友達もいるのでお構いなく」

 

 下手に触られると大変なことになる。

 遅まきながら碧が私とその男性の間に入って男性が私に触れないように気を使ってくれている。

 

「ん? あぁ、すぐに済みますよ。少しだけ我慢してください」

 

「いえいえいえ、大丈夫ですのでお構いなく」

 

 私の断りの言葉に一切耳を貸さず、男性は鞄からタオルを取り出すと

 

「脛から下、ちょっとだけ失礼しますね」

 

 と言うとあっという間にタオルだけでテーピングを済ませてしまった。

 タオルを靴の上から土踏まずと踵に巻き付けるようにして脛の前で結ぶと靴を脱がずにタオルだけでテーピングできちゃうんだ!? 

 

 手際の良さも凄いけど、こんなやり方があるなんて知らなかった。

 

「よし、これでとりあえず歩けるとは思うけど、酷く腫れているから病院にはやっぱり行った方がいいよ」

 

「あ、あれ? 痛くない……の?」

 

「ん? あくまでも応急処置だから動かしたら痛いよ? あともし痺れるような感じがしたら血管が圧迫されてるかもしれないから緩めてね?」

 

 と言ってその男性はにっこり笑った後どこかに行ってしまった。

 

「……夕貴、足首触られた、よね?」

 

 碧が心配そうに声を掛けてきた。

 

「うん、触られたはずなんだけど……」

 

 なんともなさそうだった、な? 

 どういうこと? 

 

 

 

 

 その夜はあまり眠れなかった。

 

 足首には病院でもらった湿布を貼ってるけど、ジンジンと鈍い痛みが続けている。

 だけど眠れないのは痛みが原因じゃなく、目を閉じてもずっと瞼の裏に彼の顔が浮かび続けたからだ。

 

 その状態が三日続いて、ようやく自分が恋に落ちたのだと諦めて認めることにした。

 

 足首のテーピングに使ったタオルは汚れて痛んでしまったので、似たような柄のものを買って鞄に入れて常に持ち歩いている。

 

 キャンパス内にいたんだから同じ大学の生徒のはず。

 そのうち再び会う機会もあるだろうと思っていたのに、なかなか見つからない。

 

 捻挫の痛みが完全に消えてからは、意識してキャンパス内を練り歩いて探しているのに影も形も見当たらない。

 

 

 

「彼、工学部の建築学科だったわ」

 

 大学生協の食堂で昼食をとっている時に一緒にいる碧が唐突にそう言った。

 

「え?」

 

「探してたんでしょ?」

 

「まあそうだけど……」

 

 一体どうやって見つけたんだろう? 

 碧とは小学校からの付き合いだけど、時々怖い。

 

「工学部ってことはK島キャンパスの方か。道理で見つからないわけね」

 

 うちの大学の工学部は別の敷地にあるのだ。

 

「K島キャンパスに行ってみる?」

 

「うん、もちろん」

 

 彼にちゃんとお礼をして、タオルも返さないと。

 

 

 その日の午後の講義は自主休講にして碧と一緒にK島キャンパスに向かった。

 

 K島キャンパスに来るのは初めてだったので敷地の門の傍にあった敷地案内図の前で建築学科の建物を探す。

 

「夕貴、こっち」

 

「え?」

 

「彼が受けてる午後の建築概論の講義がそろそろ終わるからちょうどいいと思う」

 

 碧に連れられて、B棟1階の講義室の前まで行くと、ちょうど講義が終わったみたいで学生が部屋から出てくるところだった。

 

 出てくる大勢の学生の中に彼の顔を見つけた瞬間

 

「ふひっ」

 

 口から自分の声とは思えない変な声が漏れ出て、顔から火が噴き出した。

 いや、噴き出たように感じるほど顔が火照って、おまけに喉が詰まったようになって声が出ない。

 

 高校の頃から前髪を伸ばして目を隠すような髪型にしてるけど、そんなものではとても隠し切れない。

 顔の上から首まで文字通り茹でダコ状態だ。

 

 あ、これ無理。

 無理無理無理。

 

「あ、夕貴っ」

 

 碧を置いて私は建物の外へ逃げ出した。

 

 

 

 

「さすがにちょっと酷くない?」

 

「……ごめんなさい」

 

 K島キャンパスの外まで逃げ出したあたりで後ろから追いかけてきた碧に掴まり、近くの喫茶店に引きずられるように連れて行かれ、今は席に向かい合わせに座り怒られている。

 

「その様子じゃ、話しかけるどころか近づくのも無理っぽいね?」

 

「……そうかも」

 

 仕方がないじゃないか。

 恋をするのは初めてなのだ。

 

「いや、自分でもこんな感じになるとか全然予想してなかったし」

 

 呆れている碧に言い訳をする。

 

「ただ、お礼を言ってタオルを返すだけなのにね」

 

 ため息をつく碧に何も言い返せない。

 

「で、これからどうするの?」

 

「……まずは慣れていくしか?」

 

「慣れるって?」

 

 コップに入ってるお冷をくいっと煽る。

 冷たい水が喉を滑り落ちていって顔の火照りがほんの少し柔らぐ。

 

「……その、遠くから顔を眺めるとかして」

 

「子供か。いまどき中学生でももっとマシなこと思いつくよ?」

 

 碧がますます呆れてる。

 だけどそんなこと言われても経験値ゼロなのですよ。

 自分には一生縁がないものだと思ってたからもう全然知らないわけなんですよ。

 

「仕方ないわね」

 

 碧がスマホを取り出して操作している。

 

「ほら、アルバム作って共有したから見てみて?」

 

 そう言われて、碧と使ってるアルバムアプリを開くと彼の画像がずらずらと出てきた。

 

「……これ、は?」

 

「夕貴が慣れるのを待っていたらいつになるか分からないからね。こんなこともあろうかと撮っておいたの。……何その顔?」

 

「いえ、別に」

 

 

 

 その日から、彼を遠くから眺めるためだけに足繁くK島キャンパスに通うようになった。時折、碧も「何かしでかさないか心配」と言いつつストーカーツアーに参加してくれた。

 

 そしてそれは彼が大学を辞める日まで続いた。

 

 

 

 

 ある日を境に彼が大学に全く姿を見せなくなったので、建築学科の学生を捕まえて聞いてみたのだ。

 

 すごいイケメンの彼って伝えるだけで分かるんだから相当なもんだよね。

 

「両親に不幸があったみたいで、佐藤のやつ大学は辞めたんだよ。休学にすればどうかって俺は言ったんだけど」

 

 すごく落ち込んでてさぁ、誰とも連絡を取ってないみたいだって言う彼の友人の言葉を聞いて私は慌てて碧に連絡を入れた。

 

 

 

 本キャンパスから駆けつけてきた碧と合流して彼の友人から聞いた話を碧に伝えると

 

「ここからそんなに遠くないから佐藤くんの家に行ってみる?」

 

 と碧が言うので頷いた。

 

 碧に連れられてバスに乗り、二つ隣の駅まで行くとそこから10分ほど歩くと彼の家に着いた。

 典型的な住宅街といった感じで、途中に小学校もあり校庭で小学生が走り回って遊んでいるのが見えた。

 もう陽も傾いて西の空が黄色くなりかけている。

 

 彼の家は結構立派な日本家屋で庭はそれほど広くはないけどしっかり手入れされてる感じだった。

 だけど家から人の気配がせず静まり返ってる。

 

 そもそも彼の家まで来たところでできることがないことに今更ながら気が付いた。

 

 玄関の呼び鈴を押して、あの時のお礼とタオルを返す? 

 いやさすがにそこまで空気の読めない行動はとれないでしょ。

 

 おそらく喪中の彼にお悔やみを申し上げる? 

 友人関係どころか知り合いともいえない私たちが押しかけるのも無理がありすぎる。

 

 結局何もできないまま二人で彼の家を見ていると、隣の家から眼鏡をかけた中学生くらいの可愛い女の子がお盆を持って出てきた。

 お盆の上には料理らしきものが乗っている。

 

 その子が彼の家の呼び鈴を押した後、「お兄ちゃーん、はいるよ?」と呼びかけながら玄関の扉を開けて中に入っていった。

 

 彼、妹さんがいたの? 

 いや、違うか。

 親戚の子か、もっと単純にご近所さんの関係なのか。

 

 だけど彼と親しい雰囲気の可愛い女の子という存在に心が少しざわめく。

 外で聞き耳を立てていると家の中で会話らしきものが交わされているのがかすかに聞こえてきた。

 

 しばらくするとその子が玄関から出てきたので、碧と二人で話しかけた。

 

「あの、すいません。私たちは佐藤くんの大学の知り合いなんですが、ちょっとお話してもよろしいでしょうか?」

 

「あ、崇弘お兄ちゃんのお友達ですか?」

 

「ええ、まあそんなところで」

 

 私と碧は言葉を濁す。

 本当に友達だったらこんなところで不審者やってなくて家に押しかけてますがね。

 

「それで、佐藤くんのご両親が亡くなったとお聞きして心配になってここまできたんですけど」

 

「うん、そうなんだよね。おじさんとおばさんが亡くなって……お葬式はうちのお父さんが手配してなんとかなったけど。お兄ちゃん、じゃなくて崇弘さんすごく落ち込んでてね? 最近ようやくご飯はちゃんと食べてくれるようになって少しは元気が出てきた感じかな……」

 

「そうですか……」

 

「今はまだ落ち込んでるけど、きっとそのうち元気になってくれると思いますよ」

 

 そう言うとその子は会釈して隣の家に帰っていった。

 

 

 

 

 結局その日は佐藤くんに会うことはできなかった。

 会う度胸も無かったし。

 

 あの日、K島キャンパスに初めて訪れたあの日に彼にお礼をしてタオルを返しておけば知り合いくらいの関係性になれていたかもしれない。

 そして、今落ち込んでいる彼を元気づけられたかもしれない。

 

 あの時一歩を踏み出していれば、と後悔が頭をよぎる。

 

 昔から大事なところで私はいつも逃げてしまう。

 一歩踏み込まなければならない時に、私は逃げ出してしまうのだ。

 

 

 

 

 部屋の明かりを消してベッドに横になった。

 カーテン越しに入ってくる月の光が壁に反射して天井の模様がかすかに浮かび上がっている。

 

 ……彼と重なる未来が消えた。

 

 大学を辞めてしまった彼と接点そのものが無くなってしまった。

 恋人を作るなんてとっくの昔に諦めていたから意識してなかったけど、学校って男女を結びつける最高の環境だったんだよね。

 

 

 彼と会ったのはほんの5分程度にすぎないし。

 かなり遅い初恋とはいえ、縋りつくほどのものでもないし拘りすぎ。

 魅力にあふれた男性はいくらでもいるから、やがて新しい恋もそのうちやってくる。

 

 もし碧以外の誰かにこの恋を相談すればこんな答えが返ってくるんだろうな。

 

 だけどそういう当たり前ではない部分で決定的なことが一つある。

 足を挫いて痛みに耐えていた私に触っても彼はなんともなかったという点だ。

 

 あの時からずっとその可能性を考え続けている。

 

 

 もし。

 もし……そうだったとすると。

 

 彼は世界でたった一人の私の運命の相手かもしれないのだ。

 私に触っても痛がらず、私に触っても嫌いにならず、私に触っても……好きにならない男性。

 私の思いをぶつけても変わらずにいてくれる世界でたった一人の男性。

 恋愛とか結婚とか、もうとっくに諦めていた私に垂らされた一本の蜘蛛の糸。

 

 諦めないで済むのなら縋りたいと思うのは悪いことだろうか? 

 

 

 

 ベッドに横になったままずっと彼のことを考えていると、腰の奥にむず痒いような熱が生まれた。

 彼に初めて会ったその日に、女性の最も大切な場所に灯されてしまった小さな炎。

 最初は戸惑ったけれど彼を想う度に腰の奥深くにある肉の部分がこの炎に炙られてジンジンと疼いて堪らなくなる。

 

 いつものように右手を股間に伸ばして、期待に尖り立っている肉の芽をショーツの上からゆっくりと指先で撫でると腰の奥の疼きが和らぐ代わりに腰から背中にかけてぞくぞくとした甘い感覚が広がって後頭部が快感で痺れてくる。

 

「んっ♥」

 

 そのまま堅くしこった肉の芽を人差し指で円を描くように転がし続けると、心地よさに腰が震えはじめた。

 

「こんな……こんなエッチなこと覚えさせられちゃった♥ あっ♥ あっ♥」

 

 股間の肉の芽を指先で弄びパチパチと後頭部で弾ける快媚感を貪りながら、左手で右胸を揉みあげる。

 指先で乳首を挟んだまま、胸を軽く掴むように押しつぶすと蕩けるような気持良さが胸を中心に広がり、乳首が堅く勃ちあがった。

 

「……っはぁ♥」

 

 人差し指と中指で硬さを増してコリコリとした感触の乳首を挟み刺激し続ける。

 弾力のある乳首を指先で挟んで潰すと乳房全体に甘く心地良い感覚が広がり頭がふわっと浮く感じに溺れて、指先で何度も挟んで緩めてを繰り返すうちに発情した肉穴から蜜が滲み出してショーツがしっとりと濡れはじめる。

 

 ビクンっ♥

 

「んんっ♥」

 

 腰が大きく跳ねた。

 

 同時に肉穴が窄まり、押し出されるように蜜が溢れショーツでは受け止めきれずにベッドのシーツを濡らしてしまう。

 その後、ゆっくりと太ももから背中まで小さく震えが広がっていき口から熱い吐息が胸元に零れ落ちる。

 

「──はぁ、はぁ、……気持ちよかった♥」

 

 絶頂()くという心が震えるような素敵な感覚を覚えたのはつい最近なのに、もうこれ無しでは生きていけないとさえ思う。

 

 彼によって腰の奥に仕込まれた種火は絶頂()った今もなお雌の部分を炙り続けている。

 

 絶頂()ったばかりなのに、もう一度絶頂()きたくなり指先をクリトリスに伸ばしかけて、ふと思いとどまる。

 なんとなく満足するまで絶頂()き果ててしまうと彼から貰った種火が消えてしまうような気がしたからだ。

 

 むしろ種火で炙られて発情したままでいる方が彼を想い続けていられるような気がする。

 

 肉穴の奥がいつも蜜で溢れて疼いている方が良いなんて自分はこんなにエッチな娘じゃなかったはずなのに。

 全部彼の所為だ。

 

 責任を取ってもらわなくちゃ。

 

 

 ……そうだ。彼と重なる未来が見えなくなっても諦めるなんてできない。できっこない。

 私はこの蜘蛛の糸に縋りついてでも彼の傍にいたい。

 

 

 

 

 

 

 しばらくして、彼が両親の死のショックから立ち直り何かを始めようとしているのが分かった。

 

 ……その、私と碧でストーカー行為をした結果分かったことだけどね。

 まあバレなきゃいいのよ、バレなきゃ。

 

 

 彼はあちこちの雑居ビルに出向いては管理している不動産屋さんと話をしているようだった。

 物件を探しているのはすぐに分かったし、だとすると何らかの商売を始めるつもりなのだろうと推測も付いた。

 

 色々なところを駆け回る彼の顔が生き生きとして楽しそうなのが何よりの救いかもしれない。

 一時期は痩せこけて死にそうな雰囲気だったのだ。

 

 やがて駅の西側にある雑居ビルの地下階の物件で契約が決まったのか、大量の荷物が運び込まれた。

 

 

 

「何の商売をはじめるんだろうね?」

 

 最近、私と碧で話をすると必ずこの話題になる。

 

 大学の食堂併設のカフェで碧とお茶を飲みながらする彼の話に花が咲く。

 

 話をしながらスプーンに掬ったストロベリーアイスクリームを口に運ぶ。

 

「ん、美味しい」

 

「私にも頂戴?」

 

「はいはい」

 

 自分は抹茶アイスを食べているのにね。

 まあいつものことなので左手を碧の方へ伸ばす。

 

 碧が私の左手に触れて。

 

「美味しい♥」

 

 そりゃそうでしょうよ。

 

「碧の抹茶アイスも一口頂戴?」

 

「はいどうぞ」

 

 抹茶アイスの器を差し出してきたので、スプーンをガッと突っ込んでたっぷりと奪う。

 

 あむ♥

 

「「美味しい♥」」

 

「……ねぇ? 前から思ってたんだけど、これって私だけが太っていくんじゃない?」

 

「今さら何言ってるの? 食べた分だけお肉になるに決まってるじゃない」

 

 碧がしれっとそんな風に言う。

 身長が小さめなのを除けばスレンダーでモデル体型の碧が時々羨ましく思える。

 私はウェストは細いけど胸とお尻に肉が付きすぎてる。

 

「むー」

 

「彼のお店、カフェだったらいいなぁ。そうしたら毎日通えるのに」

 

 碧が露骨に話題を変えてきたけど、乗ってあげましょう。

 

「意外とラーメン屋かもしれないわよ?」

 

「……それだと毎日通うのは無理ね」

 

 その日もとりとめもなく、彼のことについて碧と話し続けた。

 

 

 

 

「──っあ♥」

 

 膣内に突き入れた人差し指と中指をぐっと曲げて、コリコリした場所を肉襞ごと指先で押し潰す。

 最初はむずがゆいような感じで大したことなかったのに、最近この部分が良すぎるほど良すぎて、指先でぐっと臍の方へ向かって押し潰すだけで肉穴が簡単に痙攣を始めてしまうようになってしまった。

 

「あっ♥ あっ♥」

 

 痙攣する肉穴が私の指を肉襞でリズミカルに搾り上げ始めた。

 指ににゅるにゅるした肉襞がねっとりと絡みついて締め付けてくる。

 

 軽く絶頂()ったのが引き金になったのか、収縮する肉穴が突き入れた指と肉襞が擦れあってどんどん快感が高まってきて目の前が白くチカチカし始めた。

 肉穴が指を咥え込んだまま左右にうねり、奥から蜜がどんどん溢れてきて腰から全身へ快感の波が広がり痙攣が止まらなくなる。

 

「──っん! ──っんぅ♥♥」 

 

 毎日毎日彼を想いながら肉穴を刺激し痙攣を繰り返すうちに、指を押し返すような硬さが取れてきて指先を肉襞に押し付ければとろとろの沼に沈み込むように飲み込まれていく。

 粘膜が指の皮膚に吸い付くように纏わりついて意識して動かさなくても蜜混じりの肉襞が指を延々と愛撫し続けてくれる。

 自分の指が自分のおまんこでとろとろにされる感触で陶然としてしまう。

 

 クリトリスの包皮を剥いて指で挟み捏ねまわす度に、指先で肉襞を擦り上げる度に、心地良すぎる肉穴が痙攣を繰り返す度に後頭部で弾ける快媚感がどんどん強まってくる。

 

 彼を想い絶頂を繰り返す度に自分のおまんこが彼専用に躾けられていく感じが嬉しくて日々自らを慰める時間が伸びていく。

 そして慰める時間が伸びるごとにより深く、より高く絶頂()き果てることが多くなっていく。

 

 この、寝る前の日課となったオナニーが5分から10分へ。10分から30分へ。そして1時間、2時間に伸びたころに彼の新しいお店が何なのか判明した。

 

 

 

「あ、アダルトショップぅ!?」

 

 碧が素っ頓狂な声を上げる。

 ……まあ気持ちは分かる。

 

 でも静かなカフェでお茶を飲みながら大声でアダルトショップなんて叫ばれてしまうと、ものすごく周囲の注目を集めてしまう。

 しかも碧ほどの美人の口からそんな言葉が出てしまえば尚更だ。

 

「あ、アダルトショップってアレでしょ? 鞭とか縄とか……その、三角木馬とか売ってるお店?」

 

「いつの時代よ、それ?」

 

 碧は高校の時に文芸部に所属していて、文芸部の同好の士によって昔から蓄積され続けていたという文芸部秘蔵艶文庫の熱心な読者だったらしい。友人だった文芸部の部長から色々碧の逸話は聞かされている。碧はバレてないと思ってるんだろうけど私は全部知っているのだ。

 高校の頃までは夢見る文学少女みたいな振りをしてたのに、実態は部室で毎日エッチな小説を読みふけっていた不良部員だったという。

 

 まあ私も実践はからっきしの耳年増なわけですが。

 

「はぁはぁ♥ さ、佐藤くんのイメージと全然違うのね。 ──んっ♥」

 

「……そうね。まさかのアダルトショップとはね」

 

 まあイメージと違うってことなら碧も負けてないけどね。

 今は文学少女じゃなくなって清楚な司書さんみたいな雰囲気なのに。

 

 しっかし、アダルトショップかぁ。

 そういえばローターとかバイブとか、高校の時に別グループの女子が教室に持ち込んで騒いでいたことがあったっけ?

 

 そういうのを佐藤君が売っちゃうのかぁ……

 

 でも一時の衝撃が通り過ぎて冷静に考えるとむしろその方が都合がい良いかもしれない。

 彼のあの顔で喫茶店なんか経営されたら、毎日女子で席が埋まって下手すれば表の通りまで行列ができかねない。

 

 佐藤くんを私の……その……こ、恋人にするにはライバルは少ない方が絶対にいい。

 

「来週の水曜日の夕方からオープンするみたいだから一緒に行く?」

 

 碧に話を振ってみたけど碧は完全に上の空になってた。

 すこし俯いた顔は上気して耳まで赤くなり、ときおり「ほぅ♥」と吐息が漏れている。

 

 碧の目の前で手を振ってみる。

 

「おーい、戻ってこーい」

 

「……っあ。ごめん」

 

 どうやら正気に戻ったようだ。

 テーブルの下で私に見えないように前後に動かしていた腰の動きがぴたりと止まる。

 

 ……まあ座席が少々湿るくらいで誰に迷惑をかけてるわけでもなし、親友のコレに気づかない振りをするのももう慣れた。

 

「で、どうする? オープン初日に行ってみない?」

 

「……止めておく。さすがにアダルトショップは、……その……………………(覚悟を決めてからでないと)

 

「うーん、そっか。じゃあ私一人で行ってくるね」

 

 碧の場合はエッチな玩具を見たらトリップしそうだしなぁ。

 まあ私も他人のことは言えない逃げ出し癖という地雷持ちだけど。

 

 一人で大丈夫かなと思わないでもないけど、一歩を踏み込まないといけないのだ。

 彼との途切れてしまった糸を、関係性を再び繋ぐため逃げ出さずに踏み出さねばならない。

 

 碧と別れた後、自室で何度も逃げちゃだめだと自分に言い聞かせた。

 

 

 

 

 

 

 今日の夕方アダルトショップ佐藤がオープンする。

 

 部屋に置いている姿見の前で3回目の服装のチェックをする。

 一年前のあの日、彼と初めて会った時の服にできるだけ近い服装を選んでみた。

 あの時の服はまだ持ってて、流行り廃りで着れなくなったわけじゃないんだけど。

 

 彼と出会い毎晩自分を慰めることを覚えてしまった所為で、女性ホルモンが活発化でもしたのかウェストのサイズだけは元のままなのに胸もお尻もサイズアップしてしまい、昔の服はもうほとんどが着れなくなってしまった。

 

 スリムな碧が羨ましい。

 聞かれたらグーで殴られそうなので言わないけど。

 

 

 

 ふぅ。

 時間だ。

 

 店へと降りていく階段の手前で開店時間になるのを待つ。

 

 階段の手前には黄色い派手な看板が置いてあった。

 手作り感があるのでこの看板は彼が作ったのかな? 

 黄色い原色が人目を引いてなかなか良い感じに仕上がってると思う。

 看板なんて目立たなきゃ意味ないし。

 

 時間が近づいてきたので看板の横で何度か深呼吸を繰り返す。

 アダルトショップにエッチな玩具を買いに来た女性客として彼と再会することになるけど構うものか。

 

 実際に毎日毎晩、何時間もオナニーしちゃうようなエッチな女の子になってしまったのだ。

 むしろ責任を取ってもらう勢いで行かないと。

 

 

 よし! 

 覚悟を決めて階段を下りていく。

 突き当たりにある扉を開けて店内に入ると入口右のレジカウンターに佐藤くんがいた。

 

「いらっしゃいませ!」

 

 ドクン♥

 

 彼の笑顔を声を聴いた瞬間に鼓動が跳ね上がり額に汗が噴き出る。

 もう耳まで赤くなってると思う。

 

 だけど、大丈夫。

 逃げ出さなかった私、偉い!

 

 軽く会釈してみたけど彼の態度に変化はない。

 やっぱり一年も前に一度会っただけの女の顔を覚えてるわけないか……

 

 でも講堂の階段で怪我をした女性に応急措置をしたことはきっと覚えてるだろう。

 覚えていてくれてないと困る。

 

 彼を見つめたまま、ゆっくりとレジを離れ店内を見て回る。

 そう言えば何を買うかなんてまったく決めてこなかったな。

 

 まあ、どうせ全部エッチなおもちゃなんだからどれを買おうと彼の私に対する印象はきっと同じだろう。

 それなら高いグッズを買って売り上げに貢献してあげたほうが良いのかな? 

 色々と考えつつ陳列されているアダルトなグッズを見ながら店内を歩く。

 

 ……すっごい。

 

 おちんちんが棚から大量にぶら下がってる。

 ちょっと前の私なら信じられない光景かも。

 

 そしてこの積み上げられている肌色のふにふにした柔らかそうなおまんこの模型みたいなのは……やっぱり男性用だよね。

 こ、この柔らかそうな偽物のおまんこの穴に男性はおちんちんを入れてシコシコしちゃうのか……。

 

 彼のおちんちんがこの穴に入れられてシコシコして気持ちよくなっちゃうところを想像してしまい、お腹の奥の方で常に燻っている種火が大きくなって疼き始める。

 

 ……落ち着け。

 落ち着くんだ、私。

 

 とりあえず、レジで清算する時が話しかけるチャンスなんだ。

 適当にエッチな玩具を選んでレジに行こう。

 まずはこの大きなおちんちんを一つ……、もう一つはこのナスビみたいで高そうな紫色の吸引機? を一つ……。

 

 二つの商品を腕に抱えてレジに向かう。

 

 緊張のあまり、ふわっふわな足取りでレジまで歩いて行き、彼に清算をお願いした。

 この距離で向かい合うのは1年ぶりだ。

 

……()

 

 ふひっと声が出かかるのを全力で耐えた、耐えれた。

 毎晩彼の画像を眺めながらオナニーしてきた成果が出ている。

 

 彼が私に店舗会員の説明を始めた。

 会員になると、割引になるらしい。

 

 彼に会う為にこれから常連になるつもりなのだ。

 それに会員登録すれば彼は私の名前を知ることになる。

 

 メリットしかない。

 

 会員の登録用紙を渡されたので、住所、氏名、連絡番号を記入して彼に返した。

 

「鈴鳴夕貴さんですね。会員カードをお渡ししますので、もう少しお待ちください」

 

 彼が私の名前を読み上げたのを聞いて再度心臓が激しく鼓動を打ち始めた。

 抑えきれない彼への想いがどんどん膨れ上がってくる。

 

「ではこれが会員証になります。次回以降買い物される時に提示して頂けるとお買い上げ金額から5%を割り引きますので無くさないように注意してください」

 

 彼が左手で会員証を手渡して来たので受け取るために私も手を伸ばす。

 

 まずい。

 気持ちが抑えられない。

 彼が好きだってこんなに高まった気持ちのまま万が一彼に触れてしまったら? 

 いえ、でも彼は私の力の影響を受けないから問題は無いんじゃないの?

 

 そうだとしても、こんなに昂ぶった気持ちで誰かに触れるのは生まれて初めてなのだ。

 思いもしないことが起こったりしたらどうするの?

 

 

 ……乱れる心を落ち着かせることすらできずに、昂ぶった想いに突き動かされるように口が勝手に動く。

 

「あの! 私を覚えてま……」

 

 

 バチンッ! 

 

 

 会員証を受け取ろうとした私の手と彼の左手がほんの少し触れあった時、青い光を発して指が弾かれてしまった。

 

「うわっ!?」

 

「痛っ!」

 

 腕が大きく弾かれて、おまけに全身から力が抜けてしまい床にへたり込んでしまった。

 

「あ、お客様? 大丈夫ですか?」

 

 彼がレジから飛び出してきて床に座り込んだ私を支えてくれた。

 

「い、今のは一体……」

 

「さ、さあ……静電気、ですかね?」

 

 

 彼が不思議そうに自分の左手を見ている。

 

 違う。

 静電気じゃない。

 

 きっと何か大変なことが起こってしまった。

 あんなに強く彼を想った状態で彼に触れてしまったのだ。影響がないわけがない。

 

 彼に影響を受けないで欲しいと心から思いながら、その裏で私を好きになって欲しいと浅ましく思いながら彼に触れてしまった。

 

 怖い。

 彼の顔を見るのが怖い。

 

 もし、さっきの接触で彼の心を歪めてしまっていたら私は彼にどう謝ればいいのか見当もつかない。

 もし彼が私のことを好きになってしまっていたら。

 

 

「──も、もう大丈夫ですので!」

 

 

 乱れる思いを無理やり心の隅へ追いやって、会員証と商品を持って私は逃げるように店から飛び出した。

 

 だめだ。

 私はまた逃げ出してしまった。

 

 

 

 

 

 

 彼のお店から逃げ出すように飛び出して、気が付いたら自分の部屋のベッドに倒れ込んでいた。

 俯せになって枕に顔をうずめていた時間が長かったせいか、ぐちゃぐちゃに乱れていた心に落ち着きが戻ってきていた。

 

 心が落ち着いてくると、逆に心に違和感を覚えた。

 

 ──ない。どこにも、ない。

 

 心の内を探ってみると大きな穴が空いているような、何かを失ったような変な感じがする。

 物心ついてから私をずっと悩ませ続けてきたあの力が、ひとつも思う通りにならなかったあの力が失われてしまったのがなんとなく理解できた。

 

 あの時、彼と私の指先が触れ合って何かが混じりあったような感じがした。

 だけど、生まれた何かに私は弾かれてしまった。

 

 それはそうだ。

 だって私はあの力にずっと苦しめられてきたのだからそれから生まれた何かなんか受け入れたくない。

 

 だけど、それよりももっと大切なことは彼が私のあの力に影響を受けてしまったかどうかだ。

 今思えばなぜ逃げ出してしまったんだろう。

 せめて確認しておくべきだった。

 

 彼が……私を好きになってしまったのかどうかを。

 

 

 

 

 延々とループする思考で頭を使いすぎてしまったのか、いつの間にか眠ってしまっていたようだ。

 時計を見るともう夜の9時だった。

 

 

 目覚めてすぐに下腹部がじんじんと疼いているのに気付いた。

 毎日自分を慰めていたので、この時間になると腰の奥の中心部が疼いてたまらなくなる。

 

 そうだ、一人で考えても答えなんか出ない。

 明日、碧に相談しよう。

 彼女ならきっと何か思いついてくれる。

 

 

 悩むことを先送りすることに決めたらそれで安心したのか、腰の奥の疼きが酷くなり何も刺激してないのにクリトリスが堅く勃ち上がってショーツと擦れあい、心地良さが不意打ちのように襲い掛かかってきた。

 

「──っあん♥」

 

 前までは包皮に包まれていたのに、今では勃起すると肉の芽が顔を出して簡単にショーツと擦れあうようになってしまったのだ。

 

 高校の時の文芸部の部長が碧の愛読書をこっそり見せてくれたことがある。

 碧が大好きなエッチな本によるとクリトリスは女性が気持ちよくなるための機能しかもってない器官なんだそうだ。

 女の子を気持ちよくさせるためだけに神様がクリトリスという贈り物をくれたんだってその本には書いてあった。

 だから女の子はクリトリスを自分で弄ったり、弄られたりして気持ちよくなることだけを考えてればいいんだって。

 

 碧ったら本当になんて本を読んでるんだろ。

 彼女の性癖がときどき心配になる。

 

「そういえばせっかく彼の店でエッチな玩具を買ったんだから使って見ようか」

 

 とりあえず袋からおちんちんの模型を取り出してみる。

 ネットでおちんちんの画像は見たことはあるけど、この模型は本物そっくりに見える。

 

「最近は凄いねぇ」

 

 もちろん、昔どうだったかなんて知らないし慣用句みたいなものだ。

 パッケージを見直すと商品名にディルドって書いてあった。

 

 ふーん、ディルドね。

 

 ウェットティッシュでディルドを一通り拭いてみるとさっきから勃起していたクリトリスが濡れた布みたいなもので丁寧に磨かれるような変な感じに襲われた。

 

「っんん!? ひゃん♥」

 

 な、何、今の!?

 

 慌ててベッドから立ち上がって部屋の隅まで逃げる。

 誰かが私のクリトリスに触ったのだ。

 

「だ、誰かいるの!?」

 

 部屋には誰もいない、はず。

 でも以前ネットで透明人間になった男の子が部屋でくつろぐ女の子のおまんこをこっそり弄って女の子が気持ちよくなっちゃうエッチな漫画を読んだことがある。

 

 まさか、現実に透明人間がいるとか!

 

「ていっ!」

 

 目の前の何もいないはずの空間へ左ジャブを放つ。

 

 空振り。

 

 二歩前へ進んですかさず右ストレートを放った後、左の何もない空間へ間髪入れず回し蹴りを放つ。

 

「しっ!」

 

 空振り。

 

「……いないみたいね」

 

 なんだか急に自分がバカみたいに思えてきたので一人芝居を止めた。

 改めて周りを見渡すと、部屋の隅に逃げた時に放り出したディルドがベッドの上に転がっている。

 

「だとすると怪しいのはアレか」

 

 ゆっくりと右手を伸ばしディルドを掴みとると、クリトリスが握りしめられる感触が送り込まれてきた。

 

「きゃぁああっ♥」

 

 生まれて初めて、正確には二度目になるかもしれない自分以外の誰かによる性感帯への刺激に腰から力が抜けて床にへたり込む。

 や、やっぱりこれだった……。

 

 右手でディルドを握りしめたまま、左手の掌で亀頭の部分を恐る恐る撫でてみた。

 

「ほわぁ♥」

 

 ク、クリトリスの先っちょが優しく撫でられてしまった……

 信じられないほど気持ちの良い刺激に座ったままの腰が前後にひくつく。

 

 すごい、すっごい……なにこれ♥

 

 どきどきしながら今度はディルドをそーっと口元まで近づける。

 

「いいよね? だって自分のクリトリスだし……」

 

 口を大きく開けてディルドの亀頭部分を咥えこむ。

 

 あむ♥

 

「っんんんん!? っひぃん♥♥」

 

 訳も分からず即クリ絶頂()きしてしまい床の上で仰け反って腰が痙攣を始めた。

 目の前で快媚感に彩られた光が乱舞して肉穴が激しく収縮し、肉襞同士が擦れあって刺激し合う。

 

 こ、こんなに気持ちがいいなんて♥

 一舐め、一舐めでこんなになっちゃうとか、女の子が彼氏に1時間以上クンニをねだってしまう理由が良く分かった。

 

「はぁ♥ はぁ♥」

 

 魔法だ。これ魔法のディルドだ。

 こんなの素晴らしいものがが現実に存在するなんて。

 

「ごくり……♥」

 

 床に横たわり今も腰の中心にある肉穴が未だに収縮を繰り返してる。

 性器でもない自分の指でさえ、自分のとろとろのおまんこに包まれると堪らなくなってくるのだ。

 

 もしこれが、自分のクリトリスだったら……。

 

 荒くなってくる息を大きく吐き出す。

 

 きっと凄いことになる♥

 とろとろでにゅるにゅるの肉粘膜がクリトリスにぺったりと隙間なく張り付いて吸い付くのだ♥

 柔らかい襞と蜜でクリトリスがほぐされるところを想像するだけで堪らなくなってくる。

 

 まだ、痙攣の収まらない腰からショーツを脱ぎ去り、ディルドを肉穴の入り口にあてがう。

 私のおまんこで今からクリトリスが搾られちゃうと思うと我慢などできない。

 

 ぐっ♥

 

 ずにゅっと肉穴に押し込まれたディルドが一気に膣奥まで到達して、子宮口がディルドの亀頭に押しつぶされた。

 子宮口に至るまでに亀頭が肉穴の何十、何百ものとろとろでにゅるにゅるの肉襞で擦られて磨かれて搾り上げられたのだ。

 

「あぁっ♥ っすごいぃぃ♥ 私のクリトリスがくにゅくにゅってぇ♥♥」

 

 心地良さのあまり体が勝手に動き、背中が仰け反って腰だけが持ち上がりそのせいでディルドがより強く子宮口に押し付けられる。

 

「ひぃ♥ つ、潰れちゃうぅ♥♥」

 

 生まれて初めてクリトリスが肉穴で搾り上げられて柔肉に擦られる感触で脳を焼き切る勢いで快媚感が流れ込んできた。

 

 本当だった、本当だった。

 クリトリスなんて気持ちよくなるためだけに存在しているんだ。

 女の子が快楽にヨがり狂うために存在するのでなければこんなに気持ちが良くなったりするはずがない。

 

 バチッバチッバチッ♥

 

 鼻の奥がつんとして脳が快楽で焼き切れていくのが分かる。

 どこかで気持ち良すぎると脳細胞が死んでいくって話を読んだことがある。

 

 肉穴が勝手に収縮を始め、クリトリスを締め付けては緩めて、搾り上げては肉襞で擦り上げ、膣奥が吸い付くようにクリトリスを吸引していく。

 

「ひぃっ♥ ひぃぃぃっ♥」

 

 横たわったまま腰が上下に跳ねてその衝撃でディルドがもっと子宮口にめり込んでしまう。

 

「死ぬっ♥ 死んじゃう♥」

 

 クリトリスがぷにぷにした感触の子宮口に押し潰されながら根元の方は強く搾られ続けている。

 おちんちんを搾り上げる最も効率的な器官で、おちんちんに擬態したクリトリスが搾られてしまっているのだ。

 気持ちが良くなってしまう女の子の弱点同士がお互いを責めあってもっと気持ちよくなってしまっている。

 脊髄を快楽の稲妻が何度も駆け抜けて行くせいで背骨が折れてしまいそうなほど反りあがり、空気を求めて口から舌が突き出てしまう。

 

 うぅ……足りないっ!

 もっと、もっと欲しいっ!

 

 脳を焼き焦がすような快楽がもっと欲しい。

 肉襞で擦り上げられ肉の輪で搾られ子宮口にクリトリスを吸われながらもっともっと気持ちよくなりたいという思いがどんどん強くなり続ける。

 

 

 

 

 なぜなら忘れたいから。

 彼に迷惑をかけてしまったことから逃げ出したいから。

 

 ……その日の夜はクリトリスを尖り立たせ、肉穴をディルドで深く浅く穿りながら気を失うまで何度も絶頂を繰り返した。

 

 

 そして気を失う寸前、彼の愛の囁きが聞こえて来て私を苛む罪悪感から彼が私を救ってくれた。

 

 

 

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